ダンスモーショントレースで一番苦労したのがこの足IKです。
また、一番時間をかける(かかる)のも、足IKです。
つま先IKは使用せず、足IKの回転で接地感を出します。
主的に接地感を演出するのに気をつけていることは、
「地面を滑らないこと」「足が地面にめり込まないこと」。
これを踏まえつつ、足IKのみで、X・Y・Z軸の位置と回転を制御し、
接地、離陸、空中、着地、接地、の動作を制御しなければなりません。
実際の方法を見てみましょう。
ダンスモーションのトレースにおいて、足IKの基本的なキーフレームは以下の繰り返し。
(全接地)かかと離陸 つま先離陸 空中 つま先着地 かかと着地(全接地)
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
① ② ③ ④ ⑤
※「空中③」のキーは複数になる場合がある。
※ダンスモーションの大半は、つま先立ちで離陸、つま先からの着地となる。
最後の「全接地⑤」と次の動作の「全接地①」は同じ位置情報になる。
つまりこの「全接地」状態で移動しなければ地面を滑ることはない。
主のキーの打ち方。
トレース元をもとに①と⑤を決める。
かかと or つま先が離れ始める瞬間 全接地した瞬間
◆ ◆
① ⑤
トレース元をもとに②と④の位置を決める。
①を離陸する瞬間②にコピー、⑤を着地する瞬間④にコピー。
離陸する瞬間 着地する瞬間
◇ コピー→ ◆ ◆ ←コピー ◇
① ② ④ ⑤
トレース元をもとに②と④の状態を決める。
②、④の位置で、足IK に Shift+つま先IK の状態でつま先基準で動かし、キーを上書き。
このとき同時につま先IKにも登録されるので、つま先IKのキーは削除する。
◇ ◆ ◆ ◇
① ② ④ ⑤
カメラを真横にして、②と④のZ軸の位置を修正。
全接地状態のつま先の位置と、つま先立ちの状態のつま先の位置が若干ずれるので合わせる。
空中のキーを③打つ。
◇ ◇ ◆ ◇ ◇
① ② ③ ④ ⑤
※大きい軌道や体を軸にした回転軌道など、1つのキーで難しい場合は複数打つ場合もある。
ここまでを補間曲線操作の「自動設定」をオフの状態で行う。
「自動設定」をオンにして、打ち直しをする。
主の場合は、左右の足IKを全て(0フレームから最終フレームまで)オフで付け、オンにして全て打ち直しする。
オンオフの切り替え忘れと、修正時に補間が変わってしまうのを防止する為。
打ち直しといってもやることは、「自動設定」をオンにして「Ctrl」+「→」でスキップ、「Enter」の繰り返し。
※打ち直しが終了したら、「自動設定」をオフにするのを忘れずに。
トレース元に合わせて、主にX軸、Y軸の補間を修正。
ここから地味な補間曲線の修正。
つま先が地面にめり込まない様に修正。
「自動設定」だけでは回転の補間がついてくれない。
動き出しの足IKの動作の割合を回転にも与えることで、地面につま先がめり込まなくなる。
◇ ◆ ◇ ◇ ◆
① ② ③ ④ ⑤
主に②と⑤の補間曲線を修正する。
正面カメラから見て、足IKが主にX軸又はY軸に動いたかで判断し、そのXorY軸の補間曲線をコピーして回転に貼り付ける。
基本Y軸をコピーして違和感がある場合、X軸の補間曲線をコピーしてみる。
最後にZ軸の補間曲線を修正。 Z軸の自動補間は、ほぼあてにならない。
Z軸の補間は回転の補間曲線をコピーしてZ軸に貼り付ける。
違和感がある場合はS字をいれてみる。
Z軸の修正はトレース元で確認できないので、完全にイメージのみ。
足IKの操作は以上。
接地の完成度を上げるにはさらに、左右足ボーンと下半身ボーンが影響してきます。
また、モデルの足の長さや、ボーン構造の影響を受けますが、足首ボーンでさらに接地感を追求できます。
Tips
・つま先IKは鬼門なので、操作で使用しても、キーフレームは打たない。
・足IK操作は基本Globalで操作する。
・回転0化とY値0化をつかってこまめに修正すると良い。
・回転0化をしたときはGlobalのY軸回転で足先の向きを合わせて、ハンドルで角度を調整すると良い。
この足IKのトレース方法は、わさびさんの生放送で勉強させて頂きました。
(現在はあまり生放送されていないようで、残念です。)
かなり主の改変がされていますが、文章にまとめてみました。
何か参考になれば幸いです。
では良いMMDライフを ノシ