転職ノウハウ

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【例文】短所を長所に変換! 面接の長所・短所の伝え方・NGポイント

面接後のお礼状・お礼メールを書く人

「あなたの長所・短所は何ですか?」という質問は面接の定番と言ってもいいでしょう。しかし、「自分の長所・短所が分からない」「長所・短所は分かっているけれど、ありのままに答えていいものか不安」と悩む人もいるのでは? この記事では長所・短所の質問に込められた面接官の意図や、長所・短所の選び方、伝え方や注意点などを解説します。

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長所・短所や性格を聞く面接官の意図は?

面接官はさまざまな質問を通して、応募者が自社の求める人材にふさわしいかチェックしています。「あなたの長所・短所を教えてください」「あなたの強み・弱みは何ですか?」「自分はどのような性格だと思いますか?」などの長所・短所や性格に関する質問では、面接官はどのようなことを知りたいと思っているのでしょうか。

●客観的に自己分析ができているか

自分の長所・短所や性格を理解していることは、仕事をしていくうえで大切です。長所を理解していれば仕事の中で自分の能力を生かして活躍のフィールドを広げることができ、短所を理解していれば克服に向け努力し、場合によってはほかの人とカバーし合うなど対策を立てることができるからです。

●募集職種や自社の雰囲気とマッチしているか

面接官は、長所・短所や性格を聞くことで、募集職種や社風に合っているかを判断します。応募者が自社の求める人材と合っていないと入社後に思うように活躍できなかったり、周りの人とうまくいかなかったりして、早期退職につながってしまうからです。採用した人材に長く活躍してもらいたいと考えている企業にとって、長所・短所や性格の質問は「経験」や「スキル」と同様に大切な選考基準なのです。

【一覧】面接で伝える長所・短所の選び方は?

面接官の意図が分かったところで、実際に長所・短所の回答を用意してみましょう。しかし、いざ回答を考えようとしても、自分のどんな性格を長所・短所として伝えればいいか分からない、あるいは、そもそも自分の長所が見つからないという人もいるのではないでしょうか。そこで、「短所から長所を導き出す」方法を解説していきます。

例えば、「流されやすい」という短所は見方を変えると「協調性がある」と、とらえることもできます。立場が違う相手とも協力し合って仕事を進めることができるなど、長所としてアピールできる材料になります。このように長所・短所は、良く言えば「協調性がある」悪く言えば「流されやすい」と言い換えができ、表裏一体の関係にあるので、まずは思いつきやすい短所を挙げ、そこから視点を変えて長所を導き出していくのです。

この方法だと、長所・短所に矛盾なく伝えることができるというメリットもあるでしょう。では、実際に短所から長所を導き出す例を紹介します。あくまで一例ですので、表を参考に自身の長所を見つけてくださいね。

短所長所
我が強いリーダーシップ
世話焼きコミュニケーション力
流されやすい協調性
優柔不断柔軟性
仕切りたがり調整力
計画性がない行動力
自己主張が強い積極性
独断的主体性
あきらめが悪い忍耐力
没頭しやすい努力家
抱え込みやすい責任感
楽観的/のんきポジティブ
心配性計画性
神経質几帳面
理屈っぽい論理的

【簡単2分】長所・短所を診断で見つけよう!

アピールする長所・短所や性格は1つに絞り込む

長所が複数思い浮かぶ人はアピールのためにすべて伝えたくなるかもしれませんが、あれもこれもと挙げるのは逆効果。「コミュニケーション力が高く、行動力があり、論理的でもあり……」と羅列すると、一つひとつの印象が薄れてしまい、面接官は「結局、この人はどういう人なんだろう」と分からなくなってしまうのです。いくつか思いつく人はその中から応募職種で最も生かせそうなものや、社風に合いそうなもの1つに絞り込んで、アピールするのが良いでしょう。

面接の回答でNGな長所・短所や性格は?

次に、面接官に「自社の求める人材ではない」と見なされてしまう、「NGな長所・短所」を紹介します。履歴書、エントリーシートでも同様です。併せてチェックしてみてくださいね。

●仕事で生かせない長所・短所

面接で伝える長所・短所は仕事にかかわるものを選びましょう。「両親への思いは人一倍あります」「早食い大会で優勝しました」というような長所、「歩くのが遅いです」というような短所など仕事にかかわらない内容だと、質問の意図を分かっていない、理解力やコミュニケーション力に問題ありと見なされる可能性があります。

●企業の求める人材とミスマッチな長所・短所

企業は募集職種で活躍できる人材を求めています。求人情報や企業の採用情報などに「あらゆるリスクを論理的に検討できる人を求めています」と書かれているのに、面接で「長所は何でも楽観的にとらえる大らかさ」と挙げてしまったり、大勢で協力しながら進めていく仕事なのに「短所は我が強いことで、なかなか人の意見を受け入れられません」と答えてしまうと、面接官は「うまくやっていけるだろうか」と不安を抱くでしょう。

このように、長所であっても企業の求める人材とマッチしていないとアピールにならないかもしれません。面接で伝える長所・短所は、応募企業がどのような人材を求めているのか確認し、合うものを選びましょう。

●「採用リスクあり」と見なされる短所

面接では聞かれたことに対し誠実に回答する必要がありますが、言わなくてもいいネガティブな情報を、わざわざ話す必要はありません。短所を質問された時もその原則は変わりません。企業の信用を落とす、損害やトラブルにつながりそうな「時間にルーズ」「ルールを守らない」「うそをつく」などの短所は採用することにリスクがあると見なされる可能性があるので、避けるのがベターでしょう。

面接での長所や性格の伝え方は「結論→エピソード→どう生かすか」【例文あり】

ここからは面接での長所の伝え方を解説していきます。中途採用面接は新卒採用と異なり、即戦力として活躍することが求められているので、伝え方も、面接官に「入社したらどんな活躍をするのか、長所が仕事の中でどのように発揮されていくのか」が伝わるような構成にします。そのためには「結論」「エピソード」「どう生かすか」の順で伝えるのがベター。全体の長さは2分前後で話し終わるようにまとめましょう。

話の構成

【1】結論
「私の長所は○○です」

【2】エピソード
「○○を生かして××に取り組み、△△の成果を挙げました」

【3】どう生かすか
「長所(性格)をこのように生かして御社に貢献します」

この構成に沿って例文を作ってみると、以下のようになるでしょう。

例文→「協調性」を長所としてアピールする場合 

私の長所は協調性があることで、周りと協力して仕事を進めることが得意です。前職では、工場の製造ラインのメンテナンスを担当していました。朝昼晩の交代勤務のため、業務上の情報共有を引き継ぎ書で行っていましたが、書く人によって内容にばらつきがあり、機器の不備を見逃してしまうことがありました。

そこで、上長に相談し、周りの人に見逃しやすいポイントをヒアリングして引き継ぎ書の項目追加と書き方の統一をしたところ、メンテナンス不備が激減し、生産性が10%向上しました。また、上長からも「○○さんだからスムーズに意見をまとめることができた」と言われ、ほかの人と連携が必要な仕事を任されるようになりました。このように、周りの人と協力して業務効率化や目標達成に努め、御社に貢献していきたいと考えております。

【例文15選】長所(性格)を裏付けるエピソードとは?

このように長所の回答を作るにあたり、核となるのは長所を裏付けるエピソードです。先に挙げた長所15例の場合、エピソード例としては以下のような内容が挙げられるでしょう。参考にして、自身の経験から回答を作ってみてくださいね。履歴書、エントリーシートの場合も同様です。

リーダーシップ

自分ができることは率先して取り組み、新人にもこまめに指導、フォローするなど協力し合う雰囲気を作り出し、チーム目標を達成してきた(例文)

コミュニケーション力

相手の立場で考え、専門用語を避け分かりやすい言葉で伝えたり、疑問や不明点を残さないよう的確な質問をすることで、信頼を得て顧客の紹介につなげた(例文)

協調性

立場が違うメンバーともコミュニケーションを重ね、協力し合って同じ目標に向かうことができた(例文)

柔軟性

お客さまの要望に合わせ、マニュアルに載っていないことでも過去の類似事例などを参考に臨機応変に対応できた(例文)

調整力

会議で異なる意見が出た際に、問題点やゴールを整理し、双方の要望を取り入れた折衷案を示すことで議論を前に進めた(例文)

行動力

改善案をスピーディに実行していくことで、想定より早く成果を出すことができた(例文)

積極性

指示された仕事以外にも自分にできることを見つけ、担当させてもらえるよう上司に相談した(例文)

主体性

与えられたルーティン業務でも、より効率的なやり方を考え提案し、業務改善を実現した(例文)

忍耐力

商談で一度断られたが、粘り強くヒアリングと提案を重ね、最終的に成約できた(例文)

努力家

担当外の業務でも必要な知識を自ら学び、資格を取得した

責任感

自分の目標だけでなく、部署全体の目標達成のために苦労を惜しまず行動する(例文)

ポジティブ

仕事内容や環境の変化をチャンスととらえ、新たなスキルを身に付けた

計画性

トラブルにも対応できるスケジュールを逆算して立てていたので、締め切りに余裕をもって対応できた(例文)

几帳面

ケアレスミスが少ないので、細かい作業やダブルチェックを頼まれることが多い

論理的

客観的なデータなどに基づき、筋道を立てて説明することで説得力が増し、商談がスムーズに進んだ

【11例あり】面接や履歴書・エントリーシートで使える長所の例文をもっと見る
NG例をとばして短所の例文を見る

面接での長所や性格の伝え方NG例

応募企業にマッチした長所を選んでいても、「NGな伝え方」だと面接官へのアピールにならないかもしれません。長所を伝える際の注意点を紹介しますので、当てはまるものがないか、チェックしてみてくださいね。

NG例1 結論(長所)を最後に伝える

面接では、話す順番がとても重要です。長所を明言しないままエピソードを話し始め、最後に「~なので、これが私の長所です」と結論を持ってくると、面接官が話の途中で要点を見失いやすく、アピールが弱くなってしまいます。また、長所のアピール内容だけでなく「話が分かりづらい」とコミュニケーション力を不安視されてしまうかもしれません。「私の長所は◯◯です」とまず始めに結論を伝えましょう。

NG例2 成果につながるエピソードがない

成果につながったエピソードがなく、「私の長所は○○です。××を心掛けています」と伝えるだけでは信ぴょう性に欠けてしまいます。しかし、売上伸び率、前年対比どのくらいのコストカットに成功したかなどのデータ、あるいはどのような変化が起きたかなどを交えることで説得力が増し、面接官は「自社に貢献してくれる人材だ」と明確にイメージできるでしょう。

【参考】成果の効果的な伝え方

  • 目標数値に対して○%を達成
  • 対前年比売上げ○%を達成
  • 顧客満足度が○%に上がった
  • 作業にかかる時間が1/3になった
  • 同じ作業時間で2倍の作業量をこなすことができるようになった
  • 問合せやトラブルが○%減った
  • ○カ月連続ミスゼロを達成した
  • 顧客の紹介につながった
  • リピーターが増えた
  • 指名してもらえるようになった ほか

NG例3 長所のエピソードが「自称」のみ

「私には○○力があります」「△△が得意だと自負しています」と伝えるだけでは「自称」に過ぎず、自分で思い込んでいるだけ、ととらえられてしまうかもしれません。しかし、上司や同僚、クライアントなど「他人に言われたこと」や「××の仕事を任されるようになった」など、客観的な評価をエピソードに盛り込むことで、裏付けがより確かなものになります。

NG例4 長所なのに自信がなさそうに話す

面接では、内容だけでなく表情や話し方などもチェックされています。せっかく企業が求める人材にマッチしており、分かりやすく説得力のある回答を準備していても、うつむきがちに小さな声で話したり面接官の目を見ずおどおどしていたりすると、効果が半減してしまいます。面接官によっては「自信がないのでは?」と疑われてしまうかもしれません。特に日ごろプレゼンをする機会が少ない人は、実際に声に出して読む練習をしたり、話している姿を自分で録画してチェックしてみると良いでしょう。

面接官の評価を下げてしまう話し方とは?

面接での短所の伝え方は「結論→どのように向き合っているか」【例文あり】

短所はネガティブな情報ですから、面接官から質問されない限り、自ら伝える必要はありません。「あなたはどんな性格ですか?」などの質問についても、まずは長所だけを回答すれば良いでしょう。しかし、「自分の短所はどんなところだと思いますか?」と追加で質問されたり、「長所・短所を教えてください」など、明確に聞かれた時は答える必要があります。

短所の回答で大切なのは「短所を言いっぱなしにしない」こと。例えば「私の短所は、無口で無愛想に見られがちなところです」とだけ伝えて終わりにしてしまうと、面接官は「職場に馴染めないのではないか?」「取引先とトラブルになったりしないだろうか」と心配になります。

しかし、「人と話す時は笑顔や頷きを意識し、必要な時は積極的に発言するよう心掛けています」など、自分なりに改善しようとしたり、仕事に影響が出ないように気を付けていることなどを伝えれば、印象は変わるでしょう。

応募者にとっても、短所を自覚する自己分析力があり、課題に対し逃げずにポジティブに取り組んでいく姿勢をアピールするチャンスでもあります。短所を回答する時は、短所をカバーするために心掛けていることまでセットで伝えましょう。この内容を踏まえ例文を作ってみると、以下のようになります。

例文→「頑固」を短所として回答する場合

私の短所は、頑固なことです。自分の中で「こうあるべき」という基準に固執しがちです。しかし、仕事でこだわるべきは自分の基準でないと気づき、さまざまな視点から物事を見る、同僚や先輩にこまめに意見を聞くなど優先すべき基準を見極め、目標達成のために最良の方法を取れるように注意しています。

このように、短所を伝える時に核となるのは「短所をカバーするための行動」です。先に挙げた短所15選の場合は以下のような内容が挙げられるでしょう。参考にして、自身の経験から回答を作ってみてくださいね。

【例文あり】短所はカバーするための心掛けも併せて伝えるべき?

我が強い

自分の意見を主張する前に、目的や状況にマッチしているかよく考える

世話焼き

自分の行動が押し付けにならないよう、相手の反応に注意し、話をよく聞くよう心掛ける

流されやすい

何でも同意するのではなく、自分の立場や譲れないポイントを考え、きちんと意見を言う

優柔不断

目的やルールなど優先すべき基準を見極め、対応に一貫性がなくなったり、決断まで時間を掛け過ぎないようにする

仕切りたがり

一方的にならないよう、相手の話をしっかり聞き、より納得しやすい言い方で伝える

計画性がない

優先順位や現状、周囲への影響を考え、場当たり的な行動にならないよう心掛ける

自己主張が強い

自分のやりたいことにとらわれて協調性を欠かないよう、チームのためになるか考えてから行動する

独断的

周りの人の意見やこれまでの経緯などを確認してから提案する

あきらめが悪い

あらかじめ期限や妥協条件を設けて取り組む

没頭しやすい

自己満足にならないよう、広い視野や目的意識を持って取り組む

抱え込みやすい

全部自分でやろうとせず、こまめに報告・相談したり、分担して仕事を進めるようにする

楽観的/のんき

新しい業務に取り掛かる時は、さまざまな事態に対応できるよう、トラブルを想定して行動する

心配性

事前準備に時間を掛け過ぎないよう、優先順位や効率を考えてその時必要なことに考え行動する

神経質

細部ばかりに気を取られず、全体像やスケジュールを考えて行動する

理屈っぽい

筋道が通っているかだけでなく、相手の立場や思いに配慮して対応する

面接で「短所はありません」はNG?

「短所がある」と伝えると評価を落とすのでは? という心配からか、「特に短所や弱みはありません」と答える人がいますが、これは得策とは言えないでしょう。これまで見てきたとおり、長所・短所は表裏一体の関係にあり、長所は視点を変えれば短所になりえるからです。

また、「短所がまったくない」完璧な人はそうそうおらず、「自己分析が甘いのでは?」「客観的に物事を見れないのでは?」などと受け取られてしまいかねません。短所と改善策を伝えることで、仕事で自身が不利な状況に陥った時でも対処する力や、向き合う姿勢があると示すことができます。伝え方次第で短所はアピールにもなると考え、答えを準備しておきましょう。

面接で使える長所・短所のお手本回答&NG回答をもっと見る

面接での長所・短所や性格の伝え方まとめ

面接官は長所・短所の回答を通じて「自己分析ができているか」「募集職種や企業の雰囲気と合っているか」をチェックしています。ポイントを踏まえて、面接突破に向けて自分なりの回答を作ってみてくださいね。

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