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動物と人の健康は一つ。そして、それは地球の願い。-“One Health”-
≪ 「ワンヘルス」について、知っていますか? ≫
「ワンワールド・ワンヘルス」とは?
動物とヒト及びそれを取り巻く環境(生態系)は、相互につながっていると包括的に捉え、関係する学術分野が「ひとつの健康」の概念を共有して問題解決に当たるべきという考え方で、最近では「ワンヘルス」という言葉で代表されるようになっています。
「ワンヘルス・アプローチ」の国際的な取組み
近年、人と動物の共通感染症の流行制御や薬剤耐性対策等に関する意識が高まり、安全で安心な社会の構築が求められており、このような課題に対し、人と動物の健康を一つと捉え、人、動物、環境の関係者が分野横断的に連携して、その解決に向けて取り組む「ワンヘルス・アプローチ」が国際的に提唱されています。
「ワンヘルス」の理念の提唱
以前から「ワンヘルス」に通じる考え方は提唱されていましたが、2004年、ニューヨーク・マンハッタンのロックフェラー大学において、「ワンワールド・ワンヘルス」をテーマとする「人、家畜、野生動物の間で起こる感染症の統御についてのシンポジウム」が開催されました。その成果は「マンハッタン原則」と命名され、12の行動計画が提示されました。
第2回世界獣医師会-世界医師会“One Health”に関する国際会議と「福岡宣言」
平成28年11月、北九州市で「第2回世界獣医師会-世界医師会“One Health”に関する国際会議」が開催され、世界31か国から600名を超える医師、獣医師らが参加し、人と動物の共通感染症、薬剤耐性対策等を含む「ワンヘルス」に関する重要な課題について、情報交換と有効な対策の検討が行われ、「福岡宣言」が採択されました。「福岡宣言」とは、「ワンヘルス」の実践段階に向けて、人と動物の共通感染症予防のための医師と獣医師との協力関係を強化することなど4項目からなるものです。
本県における「ワンヘルス」の理念の理解の推進
本県では、国際貿易港4海港、税関空港2空港を有し、博多港へのクルーズ船の寄港も増加するなど、アジアとの人的交流、経済交流は年々活発化し、まさにアジアの玄関口として、世界とのつながりを強めています。本県も、今後、県民の皆様に「ワンヘルス」の理念についてご理解いただけるよう、「ワンヘルス」に関連する情報、施策、シンポジウムの開催等について、情報発信をしてまいります。