ヒストールのブログ

漫画記事は休止中

そして、神秘貧者は去った

 ある夜のこと、ダルヴィーシュ神秘貧者が道を歩いてると、井戸の中から助けを求める声が聞こえた。「どうした?」とダルヴィーシュ神秘貧者は井戸の底に向かって叫んだ。

私は文法学者グメリアンですが、このあたりの道をよく知らなかったので、不運にもこの深い井戸の中に落ちてしまい、まったく身動きができないのです」

梯子はしごと縄を取ってくるから、それにそれに丶丶丶掴むんだ」とダルヴィーシュ神秘貧者は言った。

「ちょっと待ってくれ!」と文法学者グメリアンは言った。「あなたの言葉遣いは間違ってる。もう一度、正確に喋ってくれ」

「言葉遣いが命よりも大切なら、俺が正確に話せるようになるまで、そこに居つづけるがいい」

 そう言って、ダルヴィーシュ神秘貧者は去った。