
『ゴルゴ13(Golgo 13)』の作者さいとう・たかをが亡くなった。彼の死に悼みを。さいとう・たかをは手塚治虫とは異なる「劇画」を描いた、文字通りのマンガ・アーティスト。『ゴルゴ13』は英語のアート通り、日本人の嫌う政治や法律や宗教や歴史や経済を盛り込んだ漫画アート。日本人は「芸術」という誤字誤用で世界から浮いているが、まったく自覚がない。『ゴルゴ13』は分業が進み、まだ連載するらしい。最終回は決まっているそうだが、実際の最終回はどうなるか。漫画記事は休止?追悼かつマンガ・アートは例外。

王妃イゼベルはアハブ王をそそのかす
彼らが彼女を埋葬に行くと、彼女の頭蓋骨と両足と両手の手首しか見つからなかった。
━━『Ⅱ列王記』9:35
タイトルであり、メインキャラクターであるゴルゴ13。おそらくはイエス・キリストが磔られた「頭蓋骨(の丘」から来た名前。大本はヘブライ語の「グルゴーレット(גֻּלְגֹּלֶת)」から来ている。犬に食われた王妃イゼベルの肉体と残った頭蓋骨。頭蓋骨よりは人を数える時の「(ひとり)頭」として使われ、「それぞれ」「各自」などと訳されている。最初に用いられたのは『出エジプト記』16:16の【マナの配分】について。40年間流浪したイスラエル十二支族に対し、毎日降る天のパンがマナ。マナを朝まで残しておくと腐り、ウジがわく。

天のパンにわく「ウジ」はベルゼブブ(バアル)に関わる。聖書原典に沿うなら、悪魔の頭はベルゼブブでありルシファーではない。王妃イゼベルはまさに「バアル(ベルゼブブ)」崇拝を王家に持ち込んだ張本人で、ロードの預言者たちを殺害し、預言者エリヤも殺そうとした。エリヤはイゼベルが犬に食われて死ぬと預言し、そうなった。預言者エリヤは『Ⅰ列王記』19章で40日40夜歩いて神の山ホレブに着いた。預言者エリヤは再来し、メシア(キリスト)を確証する者とされ、洗礼者ヨハネがエリヤとしてイエスを洗礼した。イゼベルはアハブ王に他者のぶどう🍇畑を奪えとそそのかした。これは王族と王に仕える自由人・奴隷ごと皆殺しにされるほどの大罪であり、聖なる法に違反する咎だった。何となく王は偉いから、何となく王は法の外にあり、何となく神の法を破ってもいいという発想は当時にない。聖書における【最悪以下】は、王を意識しないで、多くの国人に合わせてアイドルを作ることだ。天皇や年号を意識しないで日本や日本国民に合わせ、アイドルを作る者はみな地獄の火に焼かれる。

こうして、人々はイエズスを引き取った。イエズスは自ら十字架を担い、「されこうべの場所」━━ヘブライ語で「ゴルゴタ」━━という所へ向かって出て行かれた。その場所で、人々はイエズスを十字架に付けた。(略)それには「ナザレのイエズス、ユダヤ人たちの王」と書いてあった。
ゴルゴタの候補地は諸説ある。この記事はロードを愛し、予め英語やラテン語やヘブライ語の文語と物語に詳しくないと意味不明だ。翻訳だけ読む人は各キーワードが理解できない。13や19や40にしても断片的に切り取って理解できる数字ではない。日本人では、藤本タツキ級でない限り、誰もこれらを物語として展開しないだろう。そして「ゴルゴタと13」の秘密は守られた。
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