カードショップ店主が斬る！ vol.9 ブラック企業は自分で見抜け！
- 729
情報化や法整備が進んでも、
ブラック企業って一向に減っている気配ないですよね。
これには、わかりやすい理由があります。
起業したり、人を雇うのに、何の資格も審査も存在しないからです。
つまり、馬鹿でも悪人でも、起業したり人を雇えちゃうわけです。
世の中、あらゆることに試験や審査があります。
士業や公務員だったら試験がありますし、政治家だったら選挙があります。
学校や就職、アルバイトに至るまで、一定の審査があるわけです。
それらの審査が実際にはまともに機能しておらず、
適性を欠いた人間が入るこむようなら、どれも後で問題になりますよね。
公金を使い込む政治家がいたら問題になりますし、
人格や性癖に問題のある教師、技術のない医者、
口先だけで面接をクリアした新入社員、
適性のない人間が審査をすり抜けてしまったら、後々問題になるわけです。
ただ経営者に対しては、試験だとか人格の審査だとか、
そういうシステムがないんですね。
さらに、起業するということは、
そこに利益を生み出すビジネスモデルが存在するはずですが、
そのビジネスモデルにも、法的に審査する仕組みがありません。
最低賃金や労働時間などの、最低限の労働法をクリアしているかどうか、
が問われるだけです。
つまり、利益なんてろくに生み出せない欠陥のあるビジネスモデルでも、
合法的にまかり通ってしまうわけです。
労働法をかろうじてクリアしてるだけのビジネスモデルの雇用では、
従業員にとっては、将来性のない生活しかできないブラック企業でしかないですからね。
つまり、経営者には、まともなビジネスモデルを構築できない馬鹿でも、
人格に問題がある悪人でも、入り込み放題なわけです。
まともに利益なんて出ないビジネスモデルに従事させて、
将来性もなく技術も身につかないきつい仕事をさせたり、
ピンハネして薄給で仕事をさせたりが、制度上普通にできちゃうわけです。
特に日本では、優秀と言われる人間ほどサラリーマンになったり、
サラリーマンに留まる傾向がありますし、
経営者の成り手の質自体がよろしくないわけですね。
ブラック企業がなくならないのは、
単純に、発生を止めるような仕組みがないという構造がそこにあるわけです。
結局のところ、ブラック企業を回避するには、
労働者が自衛するしかないわけです。
私はたびたび、起業するにしても就職するにしても、
ビジネスモデルを理解し見抜く力は必須、という論を展開してるのですが、
よくコメント欄で、サラリーマンになるのにそんなものは必要ない、
という意見を頂くことが多いです。
ですが、法律や行政の方に、
ビジネスモデルや経営者の人格をまともに審査する仕組みがないのですから、
ビジネスモデルを見抜いて審査しなければいけないのは、
やはり雇用される労働者側にある、ということなのです。
同様のことが、ブラックビジネスにも言えます。
儲かる方法教えます、のような触れ込みのあれです。
ああいうのも手を変え品を変えで
いつの時代もなくなりませんよね。
何故その手の詐欺に騙される人がいるのか？
これも、ビジネスモデルを理解し見抜けないから、
そういう教育するシステムも日本にはないから、です。
例えば、ネット販売で1年半で2億円稼ぎました、
そのノウハウ教えます！的なサイトあるでしょう？
就職でもアルバイトでも、
経験ある人はわかると思いますが、人より仕事ができる人っているでしょう？
でもそれって、人より1.5倍とか2倍仕事がはやいとか、
その程度でしょ？
20倍30倍の作業量を1人でこなせるなんてことはあり得ません。
どんなことにも、1人の人間が一定時間内に可能な物理的作業量に限界があるからです。
例えばコンビニなら、売り場が限られますから、
いくら客が来ようとも、その日に売れる商品には限りがありますし、
いくら品出しやレジ作業が早くても、物理的に客を捌ける限界があるわけです。
投資や経営、創造的な仕事の収入だけで見るなら、
人の何十倍ということはあり得ますが、
そのビジネスを全体で見た場合、
末端の、人が実務に携わる部分では、
1人当たりの作業限界があるわけです。
先のネット販売の話に戻すと、
ネット販売はほとんどが物理的な実務作業で構成されます。
1年半で2億円の利益ということは、
1日当たり1人で約40万円の利益を得ていることになります。
一般的には、売り上げに換算すると200万円前後。
よほど利益率の良い商品を捌いていたとしても、約80万円。
入金確認して、商品を梱包して、発送し、連絡する。
簡易な梱包で済む商材の発送作業のみでさえ、
1配送当たり10分はかかるはずなんですよ。
1日200万円分だの80万円分だの、
例えば客単価１万円としても、
たった1人で捌くのは不可能なことはわかりますよね。
人を雇ってやらせる？
そうなると、人件費がかかります。
40万円の自身の利益を確保するには、もっと売り上げが必要になりますよね。
その結果、大量販売になるはずなので、粗利はどんどん落ち込んで行くはずです。
設備面でも、自社の物流倉庫が必要になって、
今度はその経費分も上乗せして売り上げる必要がでてきますし、
この段階になると、ニッチな業界では売り上げトップクラスの企業、
市場規模の大きい業界でも、知っている人が多い知名度のある中企業レベルになります。
それをたった1年半で構築？
ここまでくればわかるでしょう？
どう考えても完全に嘘ですよね。
仮に他人がやってない奇抜なアイディアを発見した先駆者だとしても、
一般客相手の商売なら、
外からかなりの範囲が見えるわけですから、
他社もすぐに気が付きます。
「自分だけが知っている人の20倍儲けられるアイディア」が存在したとしても、
いつまでも独占なんてできないはずです。
これがビジネスモデルを見抜いていく、というプロセスです。
何も難解なビジネスの仕組みを看破というような話ではなく、
一般知識だけでも、数字を読み解いた上で、
落ち着いて考えればかなりの部分が見えてくるわけです。
このプロセスは、就職で会社を選ぶ場合でも役に立つはずです。
会社が儲かったら従業員に還元しなければいけない、という法律はないので、
見抜いたから安泰、とは限らないものの、
ビジネスモデルに欠陥があるなら、十分な給料や将来性はあり得ない、とは言えます。
では、これまでのことを応用して、
ブラック企業の傾向が高いビジネスモデルは何かを考えてみましょう。
まず、大枠の環境の分析から。
現代はもはやスケールメリット・ビッグビジネスの時代とは言い難くなっています。
大量生産・大量消費は過ぎ去り、
個人の個性・嗜好が千差万別になっています。
景気がよろしくない一方で、
インフラの発達により、少人数でも安い経費でビジネスができます。
つまり今は、少ない需要を少人数で取り込み、従業員１人当たりの収益が大きい
スモールビジネスを構築する方が有利である、ということです。
逆に、今の時代に規模を大きくするような拡大路線を取っているようなビジネスは、
欠陥のあるビジネスモデルである可能性が潜むわけです。
ずばり言うと、全国にチェーン展開する企業。
これはよろしくない傾向が強いですね。
現代では、拡大してスケールメリットを生み出すのが難しくなっているのに、
いまだに拡大のために再投資を続けるビジネスモデルである、という宣言であり、
もし赤字が出たら不採算店を閉店し縮小する、
これを繰り返すだけですから、
従業員に還元される瞬間が永遠にやってこない言ってるのと同義です。
あとはニッチなサービスを提供する企業。
ニッチな産業は自ら起業するモデルとしては向いてますが、
従業員の立場となると逆で、雇おうとするということは、
ニッチな需要しかない分野で拡大路線を取ろうとしてるわけですから、
これもよろしくない傾向が強い、というわけです。
これらは、あくまで傾向ですけどね。
ただ、求人票に書かれただけの本当か嘘かもわからない
月給や待遇だけで判断を下すよりは、
企業のビジネスモデルから読み解こうと動いたり、
その分析の情報交換すれば、
ブラック企業やブラックビジネスに
引っかかるリスクははるかに低くなるでしょう。
こういうことを言うと、
労働者側にビジネスモデルを読み解くことを強いるのはおかしい、
法整備を強化すればいいだろう！と主張する人、いると思います。
労働法を厳しくする、
ようはビジネスモデルの審査に相当すると言えます。
でもこれって、これまで少しずつ強化されてきましたよね。
最低賃金、労働時間、休日などの基本的なものから、
有給休暇、病気休職、育児休暇などの各種休暇制度、
最近では、定年継続雇用の義務化、同一労働同一賃金などですね。
労働法が強化されたことで、ブラック企業減りましたか？
守らない企業はブラック企業だとしても、
きちんと守ってる企業の従業員の待遇、良くなりました？
目に見える改善には何もなっていないと思います。
何故なら、これらの保障は国や自治体、企業の負担もありますが、
大部分は単に他の同僚が割り勘で支払って捻出してるだけなんですよね。
ビジネスモデルの審査としてなど機能せず、
単に１人当たりの労働量が増え、給料や昇給という原資が削られただけで
成立しているだけです。
非正規雇用に肩代わりしてもらっても、そこにさらなるブラックを生み出すだけ。
個人の生き方が多様になっているのに、
時代に逆行した強制加入の保険制度が延々と拡充されていくだけで、
割を食った労働者の給料がただ減っていく。
それが労働法の実態であり、
サラリーマンが今後反対に回るならまだしも、
労働法でブラック企業を抑止することは不可能でしょう。
やはり、ビジネスモデルを自分で見抜いて
個人でブラック企業を判断していく、これしか対処法はないということです。
というわけで、
次回は、このビジネスモデルを見抜いたり構築したりする方法を
義務教育段階で落とし込む方法、
そのアイディアを展開する予定です。
ご拝読ありがとうございました。
![userPhoto](data:image/svg+xml,<svg xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" width="150" height="150"><rect fill-opacity="0"/></svg>)
しかも「捨て垢使って」「打たせようとする」って文の繋がりおかしくなってるし
文法力に問題あるのか、それとも「店主の仕業だ」っていう流れをちゃんと把握できてないのか
ちなみに純粋に議論してる人たちはいちいちこんなタグ打たないからな
これはやっぱり、気弱なくせに店主を攻撃したいっていう中途半端なやつだな
http://upup.bz/j/my66188pKEYt2C9tANRZdm2.png
http://upup.bz/j/my66189YksYthjuIZqttfgI.png
