我々の社会では、成人する若者を、
一人前の戦士として社会に送り出せているでしょうか?
答えは否。
現代社会での一人前の戦士とは、
「お金を稼いで生計を立てる力がある」ことになるのでしょうが、
残念ながら若者は、右も左もわからない状態で社会に出されていると思います。
具体的には、以下の2点が圧倒的に不足していると考えます。
・お金の稼ぎ方を知らない
・法律を知らない
若者がブラック企業に嵌まってしまう理由、
それは過去の記事でも書きましたが、お金の稼ぎ方を知らないから、です。
お金の稼ぎ方を知っていれば、
ビジネスモデルを見抜いて良い就職先を見つける可能性を高めたり、
自らビジネスモデルを構築して起業する選択も加わりますからね。
2つ目は法律を知らない点。
これは私も含めてですが、
多くの人が、大人になっても日常やビジネスでよく使う法律のことすら
あやふやな状態が常態化しているのではないでしょうか。
法治国家では、法律を知らなかったという言い訳は通りませんから、
うっかり法を犯してしまったとしても罰せられますし、
存在しない法律をあると思い込んで、
勝手に自分の行動の選択肢を狭めたり、
相手の行動を制限させてしまったり、
素人同士が解釈論争まで発展してしまう場面、
こういうの多いと思います。
というわけで・・・
・・・私にいい考えがある・・・!
今回、この2つの問題を同時に解決し、
義務教育課程に落とし込む教育方法、これを考えました。
それは・・・
『学級内通貨を発行する』
これです。
詳しく解説していきましょう。
学級内通貨とは、その名の通り、
クラス内で使えるお金のことです。
このお金を使って、クラスメートと
サービスや品物の売買することができます。
この学級内通貨システムを導入することによって、
どのようなことが起こるのか?
生徒は自分でビジネスモデルを考えて、商売を始めるはずです。
職人気質を持つ生徒や、芸術の才能を持つ生徒は、
品物を作って販売を始めるでしょう。
私が小学生の頃の記憶によると、
割り箸鉄砲、紙飛行機、ミサンガ、パラパラ漫画なんかを
作ってた子がいたと思いますが、
そういうのを他の子に販売するわけです。
輪ゴム、糸、紙粘土、折り紙などの材料(資源)は、
学級内通貨を消費して担任から購入します。
作り方を教える、つまりノウハウ自体を売る子もいるかもしれませんね。
他にも、歌って踊ったり、
ギャグや漫才などで笑わせたりなどのショービジネスや、
自作のボードゲームをプレイさせたり、自作の連載漫画を読ませたり、
虫を捕まえてきたり、くっつく植物を取ってきたりなど、
小学生の能力で可能なレベルのビジネスモデルと言っても、
いろんなものが考えられます。
また、特別な能力を使わずとも、
掃除する場所を交換するだとか、
当番や係の仕事を手伝うとか、
図書室に代わりに本を返しに行くだとか、
お手伝いや代行ビジネスならば、どの生徒でもできます。
学級内通貨には、あえて重量のある擬似コインを用意します。
今後、義務教育ではタブレットを取り入れるらしいので、
システム的には通信でのポイントをやりとりだったり、
紙幣タイプでも可能ではありますが、
小さくて重量のある物体を実際に得られることによって、
報酬効果を格段にアップさせることができます。
お金儲けという体験を、快楽に結びつけるわけですね。
お金の移動があった場合は、専用のノートに記入しておきます。
最初のうちは、ノートのテンプレートに沿った、
簡単なお小遣い帳感覚、
高学年になったら、正式な簿記を導入してもよいでしょう。
ビジネスにおいて、入出金の把握は根幹ですし、
就職時の経理業務の経験までカバーできます。
そのお金の入出金の内容、
つまり、どのようなものを買ったか、
どのようなものを売ったかを、
朝の会なんかで毎日1人ずつ発表させることで、
生徒同士でサービスやビジネスモデルのアイディアの共有ができ、
競争原理も働くようになると思います。
このように、他にもそれぞれ才能や労力を使ってビジネスを始めると思いますが、
ほどなくグレーなビジネスが横行するはずです。
家から持ち込んだ市販のキャラクターグッズやトレカを売ったり、
宿題代行業を始める奴がいたり、
鉛筆転がすギャンブルの胴元を始めたり、
教室の入り口に陣取って通行料を取り始めたり。
というわけで、これに規制を設けるために、定期的に学級会で、
『学級内法を生徒同士で話し合い制定する』
これです。
あのビジネスはいけないと思います、と提起して、
対象者が反論する機会を設け、最終的に多数決、みたいな。
担任は、アドバイスを求められたり、
施行から一定期間経過したら、
実際の法律を参考に教え、実在の法の理解を促すわけです。
論理的な展開を言葉にすることで、
論理的思考力を鍛えたり、
ディベートや説得のスキルも高まるかもしれません。
自分でビジネスを始める以外にも、
担任のクエストを受注する選択肢も用意しておきます。
教室に掲示板を設置し、担任が生徒に仕事を依頼するわけです。
学級内通貨の報酬を明記し、
放課後、備品の運搬を手伝ってほしい、みたいな感じで。
ようは給料で貰うタイプですね。
自分でビジネスモデルを考えなくてもよいというハードルの低さは、
実社会と同じく、小学生でも人気になると思います。
報酬にはある程度魅力的な額を示しておき、
数十人の生徒に対して、1日数人分のみのクエストを出し競争を促します。
希望者は名前を書いておいて、
時間が来たらじゃんけんで抽選と言った感じで。
ただし、これは最初の2ヶ月まで。
その後は、クエストの報酬額は、希望者自身が書いてボックスに入れます。
そう、競争入札方式です。
一番低い額を書いた生徒が、クエストを受注できるわけです。
お金を得ることの厳しさがよくわかるよい機会になるはずです。
そのうち小学生でも談合や裏金を考えつき、学級内法で規制されるでしょう。
その過程も込みで勉強です。
掲示板は、生徒自身のクエストの発行や
自分のサービスの告知をするために、生徒にも開放しておきます。
漫才やるので、当日のモギリと観客整理をお願いします、とか、
こんな制作物作りましたいくらで売ってます、とか。
つまり、ビジネスにおける雇用と広告ですね。
競りを考えつく子もいるかもしれません。
高学年用のプランとして、
あらかじめ、1ヶ月に担任が渡せる資源の総量を有限にしておきます。
こうすると、資源の転売業や資源を買うための貸金業などに
目をつける生徒が出てきて、ビジネスの内容に幅が出るはずです。
さらに、各クラスで、
それぞれの種類の資源の量に差をつけておき、
学級内通貨はクラスごとに色別での発行をします。
別クラスとのビジネスを解禁すれば、
資源量や在籍する職人生徒やタレント生徒の質により、
為替の概念が発生し、さらにビジネスの幅とその理解が深まるでしょう。
高学年用のプランとしては、もう一つ、税金の概念を導入する、があります。
最初は、ビジネス全体で起こる諸問題を解決するために
係として持ち回り制で解決に当たりますが、
そのうち、自分のビジネスが忙しい子と、そうでもない子が出てくるでしょう。
そこで、ビジネスに直接税や間接税を設け、
税収からお金を払い、希望する子に仕事を割り振ります。
公務員システムですね。
資産の上位の生徒と、前週の儲けが大きかった上位の生徒は、
ランキングにして張り出します。
これで、うまく行っているビジネスモデルを観察する習慣が身につきます。
さらにこれは競争を促すと同時に、
ビジネスで儲けた人間に一目置いたり、賞賛する文化
(日本ではこれ皆無ですからね)を育てます。
こうやって、日本社会の嫌儲思想の芽を若いうちから根絶し、
将来お金儲けに抵抗のない、お金儲けの力を持った世代を育てます。
このお金を稼ぐ力をつける学級内ビジネスシステムの
もう一つの利点は、授業態度、生活態度、学力といった
従来の教育システムでは把握が難しかった、
生徒それぞれの個性や弱点を、教師が見抜きやすく、
個人に合った教育を施しやすい点にあります。
例えば、ショービジネスの特技をいち早く発見し伸ばしてあげることができますし、
学級法への取り組み方で、正義感などを褒めたり諌めたり。
お金をすぐに使い切ってしまう生徒には、
貯金や計画性を教えたり、
クエストばかり狙う子には、
自分でビジネスを考えるきっかけを与えてみたり、
貯金ばかりする子には、投資を促してみたり。
現代はサラリーマン社会ですから、
子にビジネスモデルを教え受け継がせるシステムがなくなったことで、
お金儲けの力が弱まる副作用の負の部分が、
社会問題に影響を与えてると考えていますが、
もし親もこれと同じ教育を受けていたら、
自分が子供の頃にやっていたことを教えられるので、
擬似的にビジネスモデルや考え方を継承する教育を親子間でできます。
学校や社会にお金儲けの教育を丸投げしない、
これも一人前の戦士を育てるための教育においては、重要な要素だと考えます。
以上が、義務教育課程でお金を稼ぐ力をつける教育のアイディアです。
言うならば、本格的お店屋さんごっこ、毎日が学園祭、
と言ったところでしょうか。
このシステムなら、導入コストも知れてるでしょうし、
教師側にも、能力に依存するような
難しいカリキュラムの実行を要求されることもありません。
もう勉強する意味を問われて哲学的な回答をする必要もなくなります。
勉強とは、すべてがお金儲けの修行なんだ!と言い放ってやればよいのです。
義務教育の段階でお金儲けの力が血肉になっていれば、
社会に出た瞬間からその力を発揮できるはずですし、
失敗から学ぶようなことは、学生時代に練習しておけますから、
社会に出てからの本番で、お金や時間を無駄にしたり、
人に迷惑をかけるリスクは、ぐっと少なくなるはずです。
いかがだったでしょうか?
自分が大人になってから考えたときに、
学生時代にほしかった教育がこれです。
こんな教育受けられたら、
自分なら毎日ワクワクすると思いますけどね。
今回は以上となります。
ご拝読ありがとうございました。
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