大人気ゲーム『ポケットモンスター』シリーズの最新作『ポケットモンスターLet’s Go！ピカチュウ・Let’s Go！イーブイ』（以下、ピカ・ブイ）でディレクターを務めた増田順一氏と作曲・編曲の景山将太氏が1日、都内で行われた同作のサウンドトラックCD発売記念イベントに出席。新作を今までの携帯用ゲーム機3DSからNintendo Switchで発売した理由について増田氏は「今まで3DS、DSでプレイしていた人ってゲーム音を切っていたと思う」「音を消してプレイしないように！」とゲーム音への想いを熱弁した。

【写真】その他の写真を見る

　発売されたサウンドトラック『Nintendo SwitchポケモンLet’s Go！ピカチュウ・Let’s Go！イーブイ スーパーミュージック・コンプリート』は、ゲームで使用されている楽曲を完全収録したもの。『ピカ・ブイ』は、1998年に発売されたゲームボーイ用ソフト『ポケットモンスター ピカチュウ』のリメイク作品となっており、ピカチュウもしくはイーブイといっしょに冒険することが可能。

　初代『ポケットモンスター 赤・緑・ピカチュウ』の音楽や、ポケモンの鳴き声を制作してきた増田氏。最新作の『ピカ・ブイ』について「プレイしてもらってナンボだと思っているので、プレイし続けてもらえるように作りました」と語った増田氏は「白黒だったゲームボーイの『ピカチュウ』版を、今回カラーにして3D化するということで、一個一個丁寧に作りました」と、当時プレイした人たちの思い出を崩さないように制作したという。

　Nintendo Switchで初となる『ポケモン』新作を出した理由について増田氏は過去に「リビングで遊んでもらいたかったので、優しい感じにしたかった。音楽なども怖くない感じにして、リビングに集まりやすくなるようにしたかった」と説明。この日は客席に「テレビでプレイしている人？」と呼びかけると多くの人が挙手し「テレビでゲームをプレイしてほしくて。テレビって音消せないじゃないですか。（※音消してやる人いないという意味）今まで3DS、DSでプレイしていた人ってゲーム音を切っていたと思う。今回はテレビにあわせて音作りもしました」と、作り手としてゲーム音まで楽しんでもらうためNintendo Switchで発売する運びになった一つの理由を明かした。

　その秘話を聞いた後、増田氏が作ってきた曲を景山氏が生演奏することになり、『ポケモン』ファンなら誰もが聴いたことあるオープニングテーマ、ニビシティのテーマなどメドレー形式で次々と披露。客席はリズムを取りながら身体を横に揺らすなど、ゲームの舞台となっている“カントー地方”の世界へ行っている様子だった。その時、増田氏は真剣に聴きながら景山氏が演奏している様子を携帯電話で撮影しており、その理由を聞かれると「九州とか遠くの人は来れないのでツイキャスで配信していた」と神対応。客席にカメラを向けて盛り上がっている様子を伝えた。

　最後に増田氏は「自分は音楽をずっとやってきて、作った曲が未だに演奏されることは非常にうれしいですし光栄。作るのは大変なんですが、ゲームの中だけじゃなくて外に広がっていく。これからはみなさん、音を消してプレイしないように！」と呼びかけた。