天使
目を覚ますと知らない部屋にいた。
どこだ、ここは。
嫌な気配を感じて横を見るとそれがいた。
「魔法青年を倒したいんだ、僕は」
聞き覚えのあるセリフを聞いて俺はまた気を失って失禁した。
このやり取りを5回ほど繰り返してようやく俺は気を失わなくなった。流石に慣れてきたのだ。
しかしやっぱり怖い。だが現状を把握しなければ。
「お前は、誰なんだ」
恐る恐る聞いてみる。
「僕はNew-2。天使と呼ばれる部類の存在だ」
天使…?
俺は天国にいるということか…?
というか天使ってこんなヘンテコなお面をつけてパーカーを着ているのか…?
羽も生えてないしメガネもかけてる…?
様々な疑問が脳内を渦巻くなか、天使は続ける。
「魔法青年と天使は対を成す存在。つまり魔法青年とは俗に言う悪魔に近い存在だ」
理解が出来ない。
そんなものがこの世に本当に存在するのか?
「いや、魔法青年は存在していない、今は。しかし僕ら天使は魔法青年を倒すのが使命だ。そのために存在している。故に現状、僕らは存在意義を失っている」
こいつ、俺の脳内を見透かしているのか?
「そう。僕らは人間の思考を読み取ることが出来る。だがそんなことは今はどうでもいい。僕が望むのは」
「君に魔法青年になって欲しい、ということだ」