ポッコリお腹は反り腰かも?
今回は、慢性的な腰痛やぽっこりお腹につながりやすい『反り腰』についてお伝えしたいと思います。
慢性的な腰痛や下腹が出るぽっこりおなか。これらは「反り腰」のせいかもしれません。女性に多い、骨盤が前傾した姿勢によるもので、体の不調やスタイルの崩れを引き起こす。原因を押さえ適切に対処したい。
目次
今回の10秒まとめ
① 反り腰とは、24個の背骨のS字カーブのうち、腰椎の前弯(腰の反り)が強くなる状態である。
② 反り腰は、腰椎だけの問題ではなく、骨盤や下肢などの影響も受けた結果である。
③ 反り腰になる原因は、筋肉のバランスの崩れや体重の増加、ヒールの高い靴の使用など、様々な原因が挙げられる。
④ 反り腰が引き起こす問題として、慢性的な腰痛や腰部脊柱管狭窄症が挙げられる。
⑤ 仰向けで寝たときにベッドと腰の隙間に「手のひら一枚分以上の隙間がある」場合反り腰の可能性がある。
⑥ 反り腰の改善に一番大切なのは、腰が反っていることを自覚して、動かし方を理解すること。
⑦ 反り腰は腰の反りが強い状態なので、腰を丸める運動を行うことで腰椎および周囲組織の柔軟性の確保が必要である。
反り腰とは
人間の本来の正しい姿勢は、骨盤が真っすぐに立ち、背骨がゆるやかなS字カーブを描いている状態です。これに対し、骨盤が前に傾き、背骨が腰のあたりから極端におなか側にカーブしている異常な状態を「反り腰」と言います。下腹部が前に押し出され、お尻は後ろに突き出した、いわゆる出っ尻になるのも特徴です。
反り腰になると何が問題なのか。それは「反った状態は腰に大きな負担がかかり、慢性的な腰痛につながる」事です。椎間板ヘルニアなどを発症することもあります。
下腹が前に出る姿勢なので、太っていなくても、ぽっこりおなかに悩まされる。スタイルの問題だけではなく、骨盤が前傾すると股関節の前面が詰まり血流が悪くなって、足の冷えやむくみを招く原因になります。
自分が反り腰かどうか確かめるには、壁に頭、背中、お尻をぴったりくっつけるように立ってみる。壁と腰の間にこぶしがすっぽり入るようなら、反り腰の可能性が高い。
反り腰は、加齢や運動不足により腹筋の力が低下して起こるものなので、腹筋が弱いと骨盤は正しい位置を保てずに前傾し、上半身が前に倒れないよう無意識に腰を反るようになります。
この姿勢が女性に多いのは、男性と比べ一般的に筋力が弱いためです。女性がヒール靴を履くことも原因の一つですが、つま先立ちで坂道を下る状態なので、前のめりになるのを戻そうとして腰が反るのは当然のことです。
猫背の人が無理によい姿勢をつくろうとして反り腰になることも多く、腰だけぐっと反ると、一見姿勢がよく見えるが実際は反り腰を助長しているので要注意!
反り腰になる原因
反り腰になる原因をお伝えしていきます。
筋肉のバランスの崩れ
反り腰は、基本的に腰の反りを強くする筋肉が過剰に働くことで起こります。
しかし、反対にお腹の筋肉が弱くなってしまうことでも反り腰になります。なぜなら、お腹の筋肉が弱くなってしまった結果、相対的に腰の反りが強くなってしまうからです。
つまり、腰部と腹部の筋肉のバランスが相互に崩れることで反り腰になってしまいます。
また、変形性股関節症のように股関節の安定性を高める、または股関節前面の筋肉が硬くなることで、もしくは骨盤が前方に傾いて、それに伴い腰の反りが強くなることも原因として挙げられます。
体重の増加
妊娠や急激な体重増加により、お腹が出た体型に変化してしまいます。お腹が大きくなると、その分だけ重くなってしまい、立っている姿勢で身体が前方に傾いてしまいます。お腹の重みを支えて前方に傾いた姿勢を正すために、腰を反らせた姿勢になり、結果的に反り腰になってしまいます。
ヒールの高い靴の使用
女性は、ヒールの高い靴を履くことが反り腰の原因となります。ヒールが高い靴は、つま先や足の前方に体重がかかりやすくなります。つまり、身体が前方に傾いた姿勢を正すために反り腰になってしまいます。
反り腰が引き起こす症状や問題
反り腰の症状や反り腰が引き起こす問題として、下記が挙げられます。
慢性的な腰痛
腰部を反らす筋肉が過剰に働いてしまい、硬くなってしまいます。そこから血流が低下し、やがて腰痛につながってしまいます。
特に、仕事中など固定的な姿勢が続くことが、慢性的な腰痛の原因になります。
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは、神経の束である脊髄を保護する役割を持つ脊椎に変形が生じ、脊髄を圧迫する疾患です。
発症すると、足のしびれや腰部下肢の痛み、歩くことにより症状が増悪しやすい特徴があります。そのため、長距離歩くことも困難になります。つまり、腰椎の前弯が強くなることで、脊柱の変形によって脊柱の通り道である脊柱管が狭窄し、脊髄の圧迫につながり、様々な症状につながってしまいます。
梨状筋症候群(坐骨神経痛)
反り腰になり、骨盤が前に傾むくと、梨状筋と呼ばれる筋肉が通常位置より引き伸ばされてしまいます。この梨状筋の下には有名な坐骨神経が走行しており、引き伸ばされた梨状筋によって坐骨神経が圧迫され、お尻や足の痛みや痺れが生じます。
反り腰チェック
自分が反り腰の可能性があるかをチェックしていきましょう。
今回は、仰向けでチェックする方法をお伝えします。
両手を体に沿わせ、仰向けで寝ます。このときのベッドと腰の隙間を確認してみてください。
その隙間に手を入れてみて、「手のひら一枚分の隙間があるかどうか」が反り腰の目安になります。
それ以上の隙間が大きい場合は、反り腰の可能性が高いです。
それに加えて、足を伸ばすと腰痛が増強し、膝を立てると腰痛が和らぐという症状の変化がある場合も反り腰である可能性が高いです。
また、立って確認する場合は、壁に頭、背中、お尻をつけて立ってみて、壁と腰の隙間に手を入れます。同じように隙間を確認してみてください。仰向けの姿勢と立った姿勢で、反り腰かどうか確認してみましょう。
反り腰の治し方
反り腰は、マッサージなどで一時的に筋肉の硬さを取り除いたとしても、反り腰の根本的な改善にはなりません。
根本的に改善し治すためには、反り腰になっている原因を考えることが必要です。
自分の身体の状態、生活環境の中での考えられる原因を探してみましょう。・姿勢が悪い
・筋肉のバランスが悪い
・背骨のS字カーブのバランスが崩れている
それらの原因に応じて対処方法が異なります。
反り腰の改善に一番大切なのは、腰が反っていることを自覚して、動かし方を理解することです。
自分の状態を理解するために、前述した反り腰のチェックが必要になります。
その上で、腰を反る、丸めるといった動きができることが必要です。
反り腰は腰の反りが強い状態なので、腰を丸める運動を行うことで腰椎および周囲組織の柔軟性の確保が必要です。
以下のように、四つ這いで背骨を丸めたり、反らしたりする運動を行ってみてください。
また、腰椎と骨盤の動きの連動を意識して運動することも反り腰の改善に有効になります。
特に、骨盤を後ろに傾ける動きで、腰椎を丸める練習が重要になります。
これらの運動で、腰椎、骨盤の動きを練習して、立った姿勢でも反り腰が修正できると症状の改善につながります。
改善策は、衰えている筋肉を鍛え、凝り固まっている筋肉を伸ばすこと。反り腰の姿勢を長く続けると、おなかやお尻まわり、太もも裏の筋肉は弱くなり、反対に股関節の前面や太もも前にある筋肉、背筋は凝り固まります。それぞれに適切なアプローチをすることで、筋肉のアンバランスな状態が解消され、姿勢を正せます。
筋トレとしてまず勧めるのは、壁際でのスクワットです。前に壁があると、膝がつま先より前に出ず、正しい姿勢で屈伸できるからです。
足を肩幅より少し広げ、お尻を後ろに突き出しながら、ゆっくりとしゃがんでいく。ある程度の深さまでしゃがんだら元の姿勢に戻る。これを1日5回3セット。また腹筋やその内側の筋肉を鍛えるには、ウエストを測る時の様に意識的におなかをへこませる動作を心がけると効果的です。
ストレッチは、体育座りをし、手で足裏をつかんで行う方法が簡単で効果が出やすいです。胸を膝につけたまま、かかとを押し出すように、少しずつ膝を伸ばしていく。頭を下げると、腰回りを中心に背筋がぐぐーっと伸びる。手で足裏に圧力を加えながら30秒程度伸ばす。
凝りのリセットが目的なので、夜寝る前に行うのがベストです。
長時間デスクワークをする人は、骨盤を立てる座り方も心がけましょう。前かがみのまま、お尻を椅子の背もたれに当たるまで引き、そのまま上体を起こすと完成です。お尻の真下にある座骨で座る意識を持つなおと良いでしょう。
新型コロナウイルス対策による在宅勤務で運動不足が気になる人も多いので、姿勢の見直しと、簡単エクササイズで反り腰を改善しよう。
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