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さあ,今回はモチベーションの性質も踏まえながら,自分を掘り下げていく方法についてお話していきましょう。
モチベーションを高めるには,まず自分自身の「やる気のもと」と「やる気の阻害要因」を知る必要があることは,第1回でお話ししました。「本当に自分自身が大切にしていること」を理解せずに,モチベーションを上げる方法だけを考えても,長い目で見るとなかなか本質的な改善にはつながりません。
自分のモチベーション曲線を描く
そこでぜひやってみていただきたいのが,「モチベーション曲線」を描いてみる方法です(図1)。これにより,表層だけでなく,深い部分で自分を振り返っていただきたいと思います。
| 図1●モチベーション曲線の例 [画像のクリックで拡大表示] |
図のように,X軸に時間,Y軸にモチベーションの高さを取り,過去半年間の仕事へのモチベーションの高さを曲線で描いてみます。
どんな曲線になりましたか?意外と波があることに気づいたり,あまり起伏がないと感じたりするかもしれません。あるいは,ずっと同じ仕事ばかりを続けていて変化がなくモチベーションも下がってきている,という方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は「モチベーションは変化する」という性質があります。上がったから良い,下がると悪い,ということではありません。その要因を知ることが大切なのです。
モチベーションに少しでも変化があれば,変化が起きたときに何が起こっていたか,思い出してみましょう。
新しいプロジェクトにアサインされた,同僚や社外の人と飲みに行って刺激を受けた,打ち合わせがうまくいってお客様に褒められた,彼女/彼とよくデートしていた,自分の評価が想像と違っていた,残業が続いて家族との関係がぎくしゃくした――などなど。ぜひ手元に紙を用意して,思いつく限り書き出してみてください。
それが,過去半年間に,あなたのモチベーションに影響を与えてきた要因です。連載の第1回では,「やる気」度セルフチェックで,今現在の「やる気のもと」と「やる気の阻害要因」を把握する方法について触れましたが,モチベーション曲線を描くことで,過去にさかのぼってモチベーションに影響を与える要因を把握することができます。それは,あなたにとって,とても大切な要因のはずです。
さらに掘り下げて「なぜ」を考えてみる
ここで終わりではありません。次に,なぜその要因で自分のモチベーションが上がったのか?あるいは,なぜモチベーションが下がったのか?という風に,もう一段掘り下げて考えてみます。この「なぜ」があなたの“モチベーションの元”になっている部分です。ちょっと掘り下げて考えてみてください。
例えば,新しいプロジェクトにアサインされたことで,あなたのモチベーションが向上したとしましょう。この場合は,
なぜ新しいプロジェクトにアサインされたことでモチベーションが上がったのか⇒昔からやりたかった分野の仕事だから
なぜその仕事がやりたかったのか?⇒自分の個性を生かせる仕事だったから
というように,「なぜ」を掘り下げて考えてみます(これはあなたの価値観にも通じます)。
この場合は,「自分の個性を活かせること」があなたにとって非常に大切で,それができているときにモチベーションを感じる,ということになるわけです
もちろん,新しいプロジェクトにアサインされた,という同じ事実でも,モチベーションが向上した理由が
プロジェクトメンバーの雰囲気が良く,言いたいことが言えていたから
という場合もあります。つまり,根底にある理由は,人によって全く違うわけです。
一瞬では答えは出てこないかもしれませんが,ひとつひとつ考えてみてください。あなたならではの“モチベーションの元”があるはずです。それによって,モチベーションを向上させる“処方箋”も変わってきます。
仮に「仕事に自分の経験や個性を生かせること」が自分の“モチベーションの元”であることが分かれば,「今の仕事で自分ならではの個性を出すとしたら・・・」と考えていくことがモチベーション向上につながります。
人のモチベーションをつかさどる“価値観”の部分は,非常に深いテーマですので,また別の機会にお話ししましょう。今の時点では,過去をざっくりと振り返ってモチベーションが変化した理由を知っておいていただければ結構です。
次回はモチベーション向上にとても役に立つ目標設定についてお伝えしていきます。それではまた次回!


















