「ラーメン評論家の入店お断りします」
元バイトAKBという異例の経歴を持つ人気ラーメン店主、梅澤愛優香さんのツイートが大反響を呼んでいる。
先日は「ラーメンヲタクの男性にデマを流された」と提訴したことでも話題になったが、今回は何があったのだろうか。キャリコネニュースは、梅澤さんにインタビューし、詳しく背景を聞いた。
梅澤さんが「評論家お断り」に至った経緯を話す。
「付き合いのある材料業者さんが、評論家のH氏を紹介してくれるというので、2019年3月5日の夜に飲食店で会合をしました。H氏は日本酒を飲んでおり、しばらくするとすっかり酔っ払っていました」
「最初のうちH氏は、私のことを『梅澤さん』と呼び、『記事にして紹介してあげようか』『何かあったら言ってね』などと上機嫌でした。しかし、お酒が進むにつれて、馴れ馴れしくなり、『まゆかちゃん』と呼ぶようになりました。そして、『フェイスブックで人妻シリーズという記事を書いていて、いろんな女性の写真を撮らせてもらっているので、写真を撮らせてくれる?』と言ってきました」
「私は『撮影はごめんなさい』とお断りしましたが、H氏は『なら顔は撮らないから身体だけ撮らせて』と言われ、その後すぐに有無を言わさず写真撮影をされていました。あまりの失礼さに衝撃を受けましたが、相手が業界の有名人だと聞いていたこともあり、その場では怒りをこらえました。しかし、『こんな人とは付き合えない』と思い、その後は付き合いを断ちました。そのまま連絡をしないでいればいいと思ったのです」
「しかし、1年後の2020年4月13日、とある方から『H氏がフェイスブックで梅澤さんを中傷している』と連絡がありました。それが、このスクリーンショットです」
「もうこれは見過ごせませんでした。以前、葛飾の店舗で施工業者さんとのやり取りですれ違いがあり、その工事費用を交渉していたことがありました。しかし2019年6月には話し合いができて双方納得し、支払いも完了しています。10か月も前に終わった話を『いかにも現在うちに何かある』風に書かれるのは、とうてい容認できませんでした。しかも『ヤバい会社』『ヤバい人』などと書かれていますが、会社ではなく個人事業主ですし、ヤバい人とのつながりもありません。こんな風に言われる根拠は何もありません」
「そして、すぐにH氏が所属している文化人プロダクションに連絡をしました。最初の会食時のセクハラやフェイスブックで誹謗中傷をされた事情を伝えると、プロダクションの方から電話で謝罪がありました。その際H氏にも直接謝罪させようかと提案されましたが、もうH氏と喋りたくなかったので断りました。電話で事務所の方に『金輪際、双方関わらず中傷もさせない』と約束してもらい、それで終わりということになりました」
「しかし今年9月、デマ情報を流した男性を私が訴えたというニュースが報じられると、またH氏が私について言いたい放題コメントしていたという話がメディア関係者から伝わってきました。金輪際中傷をしない、と約束したはずなのに、まさかと信じられない気持ちでした」
梅澤さんを落胆させたのは、H氏だけではなかった。
「有名な権威あるラーメンランキング雑誌の審査員を務めるS氏は今年4月、こんなツイートをしました」
「飲食店にとって『味以前』と書かれるのは、致命的でありショックな評価です。味わうまでもなく、店として失格という意味でもあります。ですが、その方が来店された時のことを何度思い返しても、こちらの不手際に心当たりはありませんでしたし、その場でのクレームがあった記憶もありませんでした。そこで私は、そのツイートに対し『当店の案内に疑問や謎がおありとのこと、お聴き頂ければ何でもお答えさせて頂きました』と引用リツイートしました」
「すると、S氏からは『DMします』と返信がありました。そのDMの内容がこれです」
「正直とても驚きました。沙羅善では、2杯以上食べたい方が2枠以上連続で予約された場合、一度退店頂くこともなくそのまま着席してもらっています。それだけの話なのです。これまでS氏以外、この点にクレームや指摘を入れた方は今まで一人もいません。このことで『味以前』と評価されるのはどうしても納得がいかなかったので、スタッフに頼んでDMに返信してもらいました」
スタッフのTさんが言う。
「まずは電話でS氏に店のルールを説明しました。すると意外にも簡単に疑問は解消したようでした。DMをもらった時点で、S氏のツイートにはユーザーから『何があったのか具体的に説明しないでいいのか?』などの趣旨のツッコミがいくつも付いていて、すでにプチ炎上状態でした」
「私は『大炎上する前に、沈静化させたほうがいい』と考え、まずツイートの削除と、次に見ている方々への謝罪ツイートをお願いしました。そのやり取りのすり合わせ中で、S氏が出してきた謝罪ツイートの文案がこれでした」
「もう呆然としました。謝罪に!マークを付けるなんて聞いたことも見たこともありませんし、そもそも謝罪になっていません。そこで、せめてツイートを見た方に『すみませんでした』ぐらいは言ってほしいし、『!』は抜いてほしいことを伝えました」
「するとS氏は『!は抜きます』としたうえで、『では、梅澤さんのツイートで、私に向けた誹謗中傷があったことに対しての言葉はどうなりますか』と逆ギレしてきました。S氏の言っているのは、このツイートのことです。これは誹謗中傷でしょうか?」
「結局、S氏は4月2日19時ごろ、やっと最初の『味以前』というツイートを削除してくれました。しかし翌日になっても皆様への謝罪ツイートをしてもらえませんでしたので、4月3日の15時過ぎに『現在までのやり取りも踏まえてS様のお話が信用できませんので以降はS様との連絡はご遠慮させていただきます』とDMを送りました。その後の返信はありません」
「ちなみに、4月3日の17時すぎにS氏がしたツイートがこちらです」
梅澤さんは呆れかえる。
「S氏は、Twitterのプロフィールで『業界最高権威●賞の審査員』と名乗っています。それなのに自分の影響力を全く理解せず、Twitterで好き勝手なことを言って、間違ったことに突っ込まれると『私は評論家ではありませんよ』と逃げる。あまりにも幼稚に思えました」
他にこんなエピソードもあったという。梅澤さんは権威ある「評論家」への落胆を隠さず語る。
「権威あるラーメンランキング雑誌の審査員をしている評論家A氏は、一緒に来店したラーメン店主のU氏に支払いをさせていました。このラーメン店は、毎回のようにランキング入りしています。審査される側に平気で支払わせる審査員がいることに、癒着とも取れる大きな不信感を抱きました」
ちなみに昨年度、A氏はU氏の店に投票している。
梅澤さんは、こう締めくくった。
「ここまで話を聞いていただければおわかりになると思いますが、これは『悪いレビューを書かれたくない』という話ではありません。ラーメン評論家全体をけなすつもりもありません」
「権威を笠に着た、皮肉や嫌味、難癖、茶化し、パワハラ、マウンティングやセクハラで傷つくのはもう嫌、というただ素直な私の気持ちなんです。金を払うならブログで紹介してやるとか、セクハラ、根も葉もないデマ、誤解を招くツイートをしても正面からは一言も謝罪をしてくれない、事実誤認を訂正してくれないというような人たちに対する抗議なだけなんです」
「実際のところ、ラーメン好きな方に、味や接客について率直な感想をいただくのは嬉しいことです。私は一部のマニアや有名人だけにいい顔をするのではなく、来てくださる皆様に『いらっしゃいませ』と心を込めて声をかけ続けられる店にしたい。そして『美味しい』と言って頂けるようなラーメンを作り続けていきます」
キャリコネニュースがメールと電話で取材依頼をしたところ、H氏からは「今はまだ言うべき時期じゃないのと 時期が来たらどこの媒体で発言するべきか検討中なので 今回は見送らせて下さい。すみません」とメール返信があった。S氏からは応答がなかった。連絡があれば追記する。