午前10時半前、濃紺のスーツ姿の山口被告はイヤホン型の補聴器を手に入廷。表情には生気がなく、昨年9月の逮捕時からさらにやせて見えた。
開廷後は落ち着いた声で裁判長の質問に答え、職業を問われると「無職です」と応じた。補聴器の調子が良くないのか、「聞こえが悪い」「外してみます」などと話し、緊張した様子はなかった。
「裁判所に知ってほしいことがある」。罪状認否では、約5分間にわたり書面を見ながら主張を展開した。
事業を始めたのは詐欺が目的ではなかったとした上で、経営状態を顧客に説明しなかったことが事件につながったと釈明。証言台の席から立ち上がり、「心からおわび申し上げます」と頭を下げた。