万能!オロナインの恐るべき効果 ロングセラーには理由がある!

皆さんの自宅には、救急箱がありますか?
常備薬というものはありますか。
頭痛薬や風邪薬、絆創膏や傷薬、やけどとちょっとした時に使える、常備薬が置いてあるのではないでしょうか。
その中で、やけどにも傷薬としても、虫刺されにも使える薬があるのをご存知でしょうか。
戦後からずっと使い続ける家庭も多い、万能薬「オロナイン」です。
それでは、万能薬オロナインとは一体どんな薬なのか、ご紹介しましょう。
オロナインとは?
オロナインと言う名前を聞いたことがありますか?お父さんやお母さんが子供の頃、テレビを見ているとオロナインのCMが流れたことを覚えていることでしょう。
テレビ番組のメインスポンサーが、オロナインの大塚製薬ということも良くありました。
昭和生まれの人にとって、オロナインを知らない人はいないのでは?というくらい、知名度の高い軟膏です。
そう、オロナインは塗る薬、軟膏なのです。
今でも「オロナイン」の他に「ニベア」「カルピス」「オロナミンC」「ヴィックス」と、長年愛され続ける商品がたくさんあります。
この中でも、オロナインとオロナミンCの大塚製薬の製品となります。
どちらも、名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
当時は薬を扱う薬局だけでなく、普通の雑貨店でもオロナインの看板が掲げられてたほどです。
しかし、名前は知っているけれど実際には使ったことがない、見たことはあるけれどどんなものか、よくわからないという人もいますね。
そこで、今回は、オロナインについてのご紹介です。
オロナインは、1952年(昭和28年)発売の大塚製薬の「オロナインH軟膏」と言います。
オロナインは、防腐剤も副腎皮質ホルモンも含まれない、子どもから高齢者まで安心して使用できる軟膏です。
有効成分は、ベンザルコニウム塩化物で、処方せんなしで購入することができる、OTC医薬品「第二類医薬品」になります。
OTCとは「Over The Counter:オーバー・ザ・カウンター」の略で、カウンター越しに薬を販売することです。
いわゆる、昔ながらの軽い症状の時に利用する、市販薬のことになります。
オロナインの効能・効果
オロナインの恐るべき効果、ということですがオロナインは、ハンドクリームとして利用したり、傷薬として利用したり、火傷の薬として利用されています。
オロナインの箱を見ると、次のような症状に効果があると言われています。
「にきび、吹出物、はたけ、やけど(かるいもの)、ひび、しもやけ、あかぎれ、きず、水虫(じゅくじゅくしていないもの)、たむし、いんきん、しらくも」
ここで、手荒れによりひびやあかぎれ、傷で使ったことがある人はいるかもしれません。
しかし、にきびや吹出物、水虫にまで効果があるというのが、少し驚きです。
ここであまり聞かないのが、「いんきんたむし」や「しらくも」ですが、いんきんたむしというのは、デリケートゾーンの白癬菌が原因の皮膚病になります。
「しらくも」は白癬のことで、足裏は水虫の一種で、他にも頭部などにもできる皮膚病のことになります。
近年では使わない病名が入っているのも、オロナインならではということですね。
箱に明記されている効果・効能から推測されるのは、オロナインの効能や効果は、ひびや傷の改善や、痒みを伴うような白癬菌(カビ)が原因の皮膚病ということが解ります。
昭和30年代、40年代の子どもたちは、今のようなハンドクリームや傷薬がなく、冬はあかぎれやしもやけで、ひび割れてしまうことも珍しくありませんでした。
一年中、外で駆け回るため、傷や火傷を負うことも珍しいことではありませんでした。
そのために、家庭にある常備薬としてオロナインが利用されていたようです。
市販されているオロナインの成分
オロナインは、11g入りのチューブタイプから、50g入りのチューブタイプと、30gのボトルタイプから250g入りのボトルタイプまであります。
家庭内の常備薬としては250gの大きなボトルタイプを購入することもできますが、キャンプや山歩きなどでは、小さなチューブタイプか、ボトルタイプを持ち歩くようです。
特に、山歩きでは虫刺されや植物の枝や葉で切り傷を作ってしまう人もいます。
そんな時に、持ち歩いているとすぐに応急処置ができる、ということでオロナインが重宝されています。
オロナインは、ベンザルコニウム塩化物を主成分としていますが、他にも次のような成分が含まれています。
添加物としてラウロマクロゴール、ポリソルベート80、硫酸Al/K、マクロゴール、グリセリン、オリブ油、ステアリルアルコール、サラシミツロウ、ワセリン、自己乳化型ステアリン酸グリセリル、香料、精製水を含有します。
(引用元:大塚製薬オロナイン公式サイト)
オリブ油は、オリーブオイルのことになります。
ワセリンは保湿のために他のハンドクリームの中にも、使われていることがあります。
添加物は、商品を使いやすくするためのものや保存のため、主成分のベンザルコニウム塩化物が、オロナインの効能の元になると言えます。
ベンザルコニウム塩化物とは?
なぜ、オロナインはそんなにも色々な効能があるのでしょうか。
オロナインの成分、ベンザルコニウム塩化物とは、一体どんなものなのでしょうか。
オロナインの効果の成分となる、ベンザルコニウム塩化物についてご紹介しましょう。
ベンザルコニウム塩化物の一番の効能は「殺菌・消毒」になります。
消毒薬として利用度が高い薬品です。
ベンザルコニウム塩化物は、陽イオン界面活性剤になります。
陽イオン界面活性剤は、細菌の細胞膜組織のタンパク質を変化させることで、細胞の形そのものを維持できなくさせます。
それにより、細菌が滅せられるということです。
身近な消毒薬として、コンタクトレンズ用の防腐液に、ベンザルコニウム塩化物が含まれています。
特にどんな菌やウイルスに効果があるかというと「真菌」「エンベロープ」というヘルペスや白癬菌による皮膚病に一部有効であるようです。
そのため、白癬菌が原因の水虫や、いんきんたむし、しらくもという皮膚病に効果があるということになります。
口元にできるヘルペスは真菌が原因となる皮膚病です。
このほかにも、ニキビの原因と言われるアクネ菌も真菌になるため、オロナインはにきびや吹出物にも効能がある、ということです。
そして、オロナインは、ベンザルコニウム塩化物の殺菌・消毒効果で傷を殺菌消毒し、添加されたワセリンで傷口をふさぐ、という働きをしています。
昭和の時代よりも、様々な衛生環境が良く、空調設備も整った場所で育つ現代っ子では「あかぎれ」の経験がある子どもは少ないことでしょう。
しかし、主婦湿疹や冬になると、指先がぱっくり割れてしまうということは、現代でも良くあります。
こういった手荒れによる傷にも、ベンザルコニウム塩化物は効果的ということです。
火傷も皮膚の表面にできる傷になるため、殺菌効果があるオロナインを塗ることで、傷を化膿させて悪化させないという働きをします。
虫刺されも同じで、オロナインを塗っても痒みが止まるということではなく、虫に刺された患部を殺菌することが、一番の効能になります。
オロナインの副作用と効果がない場合
オロナインは第二類医薬品になるため、重度のケガや傷、やけど、皮膚の病気には効果がありません。
重度になると、菌そのものを強い力で滅することが必要となり、症状によっては抗生物質を使うことになります。
オロナインは、あくまでも軽度の傷ややけど、皮膚症状の緩和として使います。
また、使用の用法を守らず、過信してしまうと副作用を起こすこともあります。
特に、患部がすでに化膿してしまっている場合は、抗生物質が含まれた軟膏や、医師の診療が必要です。
また、オロナインの副作用としては「湿疹、かぶれ、腫れ」といったことが考えられています。
体質的に合わない、添加物の中にアレルギーを起こす成分が含まれている、ということもありますので、使ったことでいつもと違う症状が出た場合は、すぐに使用を中止し、医師に相談をしましょう。
まとめ
オロナインは、1952年から60年以上続くロングセラー商品です。
オロナインをはじめとするロングセラー商品は、時代や世代、年代を超えて愛されているものばかりです。
流行に乗ってヒットしてもすぐに消えない、という商品にはそれだけの理由があります。
今まで、ドラッグストアで新商品を手にとっては、すぐに違うものに変えていたあなた、ぜひ、一家に1つオロナインH軟膏を用意してみてはいかがでしょうか。