警官自殺、熊本県警内のいじめ認定 200万円賠償命令

熊本県警の警察官だった山田真徳さん(当時22)が2004年に自殺したのは、県警の剣道部内のいじめが原因として、両親が県に約6300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁は16日、いじめがあったことを認め、県に計200万円の支払いを命じた。県側は不服として、即日控訴した。

判決理由で長谷川浩二裁判長は「剣道部員らがあえて話し掛けないなどの態度を取り、結果的に孤立させた」と指摘。山田さんの首筋を傷つけた行為も違法としたが「自殺を招くほど重大なものだったとは認められない」と、いじめと自殺との因果関係を否定。「交際相手との関係悪化が自殺の直接の原因となったことは否めない」とした。

判決などによると、山田さんは01年、県警に武道指導枠で採用され、交番や機動隊で勤務する一方、02年1月からは職務として「剣道特練部」に所属。03年末、辞職を申し出たが撤回し、04年5月24日に「僕は死にます。先輩方のせいではありません」などとする遺書を残し、熊本市内の独身寮で自殺した。

両親は「組織的いじめ」を受けたのが自殺の原因として、07年4月に提訴。10年9月に地裁が両親、県警側双方に和解を打診したが、県警側が拒否した。〔共同〕

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