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  • 歌い手進路相談

    2014-03-28 23:4957

    「音楽をやりたいなんて、いつまでそんな夢みたいな事を言ってるの。もっと進路について真剣に考えてちょうだい」

     口癖のようになった母親の小言を聞き流し無表情で食事を続ける。きっと次に続く言葉もいつもと同じだろう。

    「お父さんみたいになりたくないでしょ?」

     
     父親に何の義理もないし、いつものように食事を済ませ2階に上がってもよかったが、この日は何故だか一言返したい気分になり、伸夫はできるだけぞんざいな口調で吐き捨てる。

    「そんな父さんと結婚したのは母さんだろ。俺じゃない。俺が判断ミスをしてるって言うんなら、母さんだって同じだ。一体なんで父さんと結婚しようなんて思ったんだよ?」

     口に出してみて伸夫はすぐにこんな事を言うべきでなかったと思ったが、予想もしなかった息子の反応に戸惑う母親の表情を眺め溜飲を下げたような気にもなっていた。

    「父さんは歌い手だったのよ」

     予想もしない反応を返したのは母親も同じだった。

    「歌い手…?父さんが?あの20年前くらいに存在したっていう録音インターネット公開マンのこと?いや、だってあれはネットのデマとか都市伝説みたいなものなんだろ?」

    「同じことを繰り返さないよう情報規制されてるけど、いたのよ歌い手は。実在したの。というか母さんも歌い手だったのよ」

    「ちょっと待ってよ母さん、混乱しているところにすかさず追い打ちをかけないでくれよ」

    「父さんと夜のコラボレーションで出来たのがあなたなのよ」

    「何を言ってるのか全然わからないよ」

    「父さんは動画では基本的にオク下だけどあの時はオク上だったの」

    「そんな話聞きたくないって言ってるだろ!」

     伸夫は混乱していた。とても明確に混乱していた。歌い手が実存した?父さんが歌い手で、母さんも歌い手で、父さんのマイクが母さんのオーディオインターフェースにマイリス余裕でした?一体この人は何を言っているんだ?逃げ込むように自分の部屋のベッドに潜ると、伸夫は忘却を渇望するようにまどろんだ。






    「入るぞ」

     覚醒した伸夫の返事を待たずドアが開かれる。

    「母さんに聞いたよ。母さんあのこと話しちゃったんだってな」

     伸夫は言葉を見つけられないまま父親を一瞥する。

    「父さんはおまえが音楽やるなら応援したいと思ってるよ。必要なものがあるなら、父さんはアルバイトをもう一つ増やしたっていい」

    「ねえ、父さんは後悔してないの?その…歌い手だったことに」

     やっと絞り出した伸夫の声は微かに震えていた。そして父親は少し恥ずかしそうに虚空を見つめ答える。

    「確かに歌ってみたじゃなく『働いてみた』とか『勉強してみた』とかをするべきだったのかもしれない。そうすればまた別の人生があったんだろう。交通量調査と警備員のアルバイトで生計を立てなくても済んだかもしれない。だけど後悔の全くない人生なんて、一体誰が送ってるっていうんだ?それにもしあの頃に戻れたとしても、父さんはまた歌ってみたをするよ。必ずだ。だって父さんが歌い手じゃなかったら、伸夫、君に出会えないからな」

     伸夫はただ父親を見つめていた。父親は額の汗を拭い立ち上がると、突然歌い出した。父親の歌声を聞くのは、生まれて初めてのことだった。

    「父さんは結構イケボで人気だったんだぞ。きっと伸夫にもその血は受け継がれてるんだろうな」

     歌い手に戻ったかのように歌い続ける父親の歌声を聞きながら、伸夫は楽天ブックスにログインし大学受験の参考書をポチった。


    <完>


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  • 部屋とテニサーと私

    2014-03-22 19:2821

     もうすぐ4月、新歓とかいうクソ行事が横行する季節を前に、全力でテニスサークルのネガティブキャンペーンを展開することで読者諸君のテニスサークル入会を阻止していきたい、その一心でブログを投稿するに至りました。

     まず、テニスサークルについて余りよく知らないという人に説明すると、テニスサークルとは大学において異性とコミュニケーションすることを主目的とした団体です。「いやいやテニスサークルという名称なんだから、テニスをする団体ですよ」と反論される方がいるかもしれませんが、情弱乙としかいいようがありません。
     彼らはテニスをしないのです。彼らは本質的にテニスをしないのです。「男女混合コミュニケーションサークル」に所属しているというのでは世間体が悪いので、「テニス」という絶妙に言い訳として最適なツールを利用し看板を掲げているだけなのです。「私は別にアバズレじゃなくて、テニスをする団体に所属しているだけだから」という、外部と、自分自身に対するエクスキューズなのです。アバズレです。テニスサークル所属の女子は明確に完全に満場一致でアバズレです。例外はありません。
     
     そして問題は、その人種です。テニスサークルに所属しているのが、不自然なほど低い位置でズボンを履いている人や六本木のクラブでフィーバーしている人や会いたくて震える体質の人であれば別に自然なものとして僕も受け入れるでしょう。しかしテニスサークルに所属しているのは、高校におけるスクールカースト中間層、つまりこれといって人気者でもなく特徴もないごく普通の慎ましい人々だったはずの連中なのです。それが大学において堰を切ったように性の乱れを前面にそして狡猾に押し出し男女混合集団を形成している、それがテニスサークルの実態なのです。

     ここまで読んで「結局なにが悪いか分からない」という人は、確実にテニスサークル的素養を持った人なので死滅してほしい。つまり「僕がそこにいないから憎い」のです。同じように冴えないシャイボーイシャイガールだと信じていた人々が、突如我々を置き去りにし、男女混合集団でポジション争いに身をやつしている様に、嫌悪感を抱かざるをえないのです。僕は大学生の時、一人で授業を受け、教室で弁当を食べ、まっすぐ家に帰宅しました。4年間ずっとです。同じ大学生という枠組みでありながら一方でテニスサークルは男女混合集団で居酒屋に行き、男女混合集団でカラオケに行き、男女混合集団でラウンドワンに行き、男女混合集団で合宿をし、男女混合集団でスノボに行き、男女混合集団で花見や海水浴やハロウィンやクリスマスでハシャぎ、メールやLINEのやり取りをし、婚姻してもいない異性とのコミュニケーションの限りを尽くす、そのことを考えただけで僕のソウルジェムは少しずつ黒く染められていくのです。

     この上、唯一の居場所であるインターネットにおいても、そのような不純異性交遊を見せつけられたら、僕のソウルジェムは完全に漆黒に濁り切って、取り返しのつかないことになってしまいます。だからテニスサークルに入らないでください。それが叶わないのなら、インターネット上に垂れ流さないでください。見なければいいと思うかもしれませんが、ツイッターのTLでそのようなチャライ言動が表示された際には、僕は無意識にその人の過去ツイートを漁ってしまうのです。居酒屋で楽しそうにピースサインをしている写真を苦々しく眺めてしまうのです。男女混合集団の痕跡など見たくないと願いながら、憎しみが増大するだけだと分かっていながら、矛盾した行為を取ってしまう。あたしって、ほんとバカ。


  • 歌ってみたに必要なもの

    2013-12-10 23:3628

     前回のエントリーでは質問に対し質問で返す等、ブロマガーとしてあってはならない文章を投稿してしまい大変遺憾に思っております。皆さまからの「垢消せ」等の激励を真摯に受け止めておりますし、責任は全て公式でピックアップした運営にありますので全力で運営を叩いていただければと思います。

     さて、今週は冬のボーナスが支給される会社も多いですが、このニコニコのブロマガを読んでいる皆さんはほぼ例外なくコミュ障でお友達がいないと思いますので、一体何にお金を使えばいいのか分からないのではないでしょうか?そこでお薦めしたいのが「歌ってみた」です。
     でもお高いんでしょう?と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、歌ってみたは意外と安価で始められる趣味なのです。これだけは買っておけというグッズをブロマガの3分の1の再生数しかされない歌い手である私がお教えしますので、是非参考にしてみてください。


    ■マイク
    歌い手といえばマイク、マイクといえば歌い手と言っても過言でないほど重要なものであり、歌い手にとってはマウスの次くらいに大切なものです。なお、私のマウスはバッファローの有線BlueLEDマウスであり、マイクは何のメーカーか忘れましたがドイツかどっかのやつです。
    マイクは使用すれば使用するほど臭くなり、あなたの好きな歌い手のマイクも間違いなく臭いですし、古参歌い手のマイクはほぼ兵器です。

    ■ヘッドフォン
    録音する際やmixをする際に使います。値段や性能もピンからキリまでありますが、最初は見た目で「これを着けたらシャレオツになれそう!」という勘違いから購入すればいいかと思います。
    なお、ヘッドフォンはマイクほどではないにせよ、耳汗や耳垢の蓄積により臭くなります。

    ■ポップガード
    マイクに息が吹きかかる際のノイズを防ぎます。マイクを遥かに凌駕する臭さになります。冗談抜きで臭いです。
    女性歌い手のポップガードも臭いのかと想像すると興奮しますね。

    ■ストッキング
    ポップガードを買うのが勿体ない場合、針金などとこれで代用することができますし、他の用途でも使用できます。勿論これでポップガードの代用をしても臭くなります。歌い手の持ち物は殆どが臭いという説も頷けますね。

    ■オーディオインターフェース
    なんかマイクとPCの間にかまして雑音をなくしたりするやつなんじゃねーの?


     いかがでしたでしょうか。意外に手軽に歌ってみたができると思われたのではないでしょうか。コミュ障の方でも店員さん相手にキョドることなくインターネットで購入も可能ですし、家で一人でできる上に、お友達がおらず誰とも会話をしない休日でも歌えば発声練習になるという大変素晴らしい趣味になります。是非素敵な歌い手になってください。


     最後に歌ってみたに必要なものをもう一つ紹介して終わりたいと思います。それは「歌を愛する心」です。
     ちょっと臭かったですかね。でもそれより遥かに歌い手のマイクは臭いのです。それだけは、決して忘れないでください。