目次
新型コロナワクチン情報アップデート
2021年の1月に薬剤師向けに新型コロナワクチンについて分かっていることの情報をまとめましたが、日々情報がアップデートされていますので、現時点でさらに分かっていることをまとめてみました。
上記は以前にまとめて記事ですが、前回の時点ではいまひとつ分かっていなかった下記の内容を追加しています。
- 死亡や入院などを予防できるのか?
- 変異株にもワクチンの効果が期待できるのか?
- 日本人特有の副作用や副反応などあるのか?
るるーしゅ
今回、まとめるのはファイザー社のワクチンについてです。
アストラゼネガやモデルナのワクチンはまだ日本では接種できないためです。
新型コロナワクチンの有効性について
まずおさらいですが、ファイザー社の新型コロナワクチンは治験で、新型コロナウイルス感染症の発症を予防する効果が95%あることで承認されました。
Polack, Fernando P., et al. “Safety and efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19 vaccine.” New England Journal of Medicine 383.27 (2020): 2603-2615.より
ただ治験での結果を一般的に過大評価されることが多いです。(治験に参加する人は真面目な人が多い等)
そのため観察研究で一般の人たちでもちゃんと有効性が期待できるのか確認することも重要です。
日本より先にファイザー社のワクチンを接種した国々でワクチンの有効性のデータがでているのでざっくり紹介していきます。
イスラエルのデータ
ワクチン接種が一番進んでいるイスラエルのデータです。
イスラエルの健康情報のデータベースみたいなところからワクチン接種した人、していない人で新型コロナの感染や重症化、死亡などを調べた研究ですね。(日本でもこういう電子データベースできるといいんですけどね)
大規模なデータベースからの2回接種してから1週間経過した人のワクチンの効果は以下の通りです。
- 無症候性感染・・・91·5% (90·7–92·2)
- 症候性感染・・・97·0% (96·7–97·2)
- コロナに関連した入院・・・97·2% (96·8–97·5)
- コロナに関連した重篤な入院・・・97·5% (97·1–97·8)
- コロナに関連した死亡・・・96·7% (96·0–97·3)
るるーしゅ
これほど有効性が高いくすりは、ないと思います。
ワクチンの効果は本当にハンパないですね。
またこのイスラエルのデータ取得期間に流行していた新型コロナウイルスは、今日本で流行しているイギリス型の変異株です。
つまりファイザー社のワクチンを2回接種することで、イギリス型の変異株にも有効であることが示されています。
スコットランドのデータ
つづいてスコットランドでもイスラエルと同様に大規模な医療データベースが構築されており、ワクチン接種の有無と新型コロナに関連した入院を検討しています。
Vasileiou, Eleftheria, et al. “Interim findings from first-dose mass COVID-19 vaccination roll-out and COVID-19 hospital admissions in Scotland: a national prospective cohort study.” The Lancet (2021).
初回のワクチン接種から28~34日後(=2回接種してから7日~14日)の入院に対する有効率は91%(95%CI 85〜94)
るるーしゅ
ちなみにスコットランドはアストラゼネカのワクチンもうっていて、同様の入院に対する予防効果がみられたみたい
カタールでのデータ
3番目に紹介するのはカタールでのデータです。診断陰性例コントロール試験(test-negative case-control design)です。
るるーしゅ
PCR検査をして、陰性(陽性)と出た人のワクチン接種状況を調査した症例対照研究だね
Effectiveness of the BNT162b2 Covid-19 Vaccine against the B.1.1.7 and B.1.351 Variants
カタールでは英国型と南アフリカ型の新型コロナウイルスが流行している中での有効性のデータです。
- 1回目接種後・・・29.5%(22.9–35.5)
- 2回目接種後から14日間・・・89.5%(85.9–92.3)
- 1回目接種後・・・16.9%(10.4〜23.0)
- 2回目接種後から14日間・・・75.0%(70.5–78.9)
- 1回目接種後・・・39.4%(24.0–51.8)
- 2回目接種後から14日間・・・97.4%(92.2–99.5)
るるーしゅ
1回接種だけだと効果がいまひとつ。ただ2回接種すれば、南アフリカ型にも効果がありそう
新型コロナワクチンの安全性について
つづいて安全性についてですが、先行接種した病院関係者の方(2万人弱)の接種後の副反応調査のデータが公開されています。(もちろん日本人のです)
るるーしゅ
2回目接種後の発熱や倦怠感の頻度は高いので、接種翌日は仕事休みだといいと思います。
最後に
今回は新型コロナワクチンのなかでもファイザー社のもののエビデンスをいくつか紹介しました。
見てもらえば分かる通り、今回の新型コロナワクチン有効性ハンパないです。
私は大の注射嫌いですが、この有効性をみてしまうと合理的に考えて、接種しない理由が見当たらないと思ってしまいます。とはいえ薬剤師でも接種したくないという人が一定数いることも理解しております。
ただ変異株の流行により、当初より集団免疫に必要な接種の割合は高くなっていることがアメリカで報じられています。日本ではまだ16歳未満への接種はできておらず、そう考えると接種できる人の8割程度がワクチン接種する必要があるんじゃないかな~と思ってます。
新しいワクチンだから長期的な安全性が~というのは確かにその通りなのですが、実際今までのワクチン、そして医薬品も長期的な安全性については分かっていないもののほうが多いです。(もちろんコロナに罹った際の長期的なデータも不足しています)
実はわかったふりをしているだけで、世の中わかっていないことのほうが多いです。長期的な安全性が~というので思考停止せずに、現時点での情報をもとに今はなにが必要なのか考えていただければと思います。
るるーしゅ
ワクチン忌避への対応に、薬剤師も活躍できるはずです。対立構造になると、行動変容が難しいですが、うまく対応してもらえればと思います。