♯630 タマネギ・札幌黄編

2021年09月18日
毎週土曜 ごご5時~

そろそろほっこりスープで温まりませんか…

じゃじゃん!いきなりもんすけです! スープ専門店のスープストックトーキョーって知ってるかな~?

■スープストックトーキョー 大同生命札幌ビル ミレド店 住所)札幌市中央区北3西3 大同生命札幌ビル地下1階 電話)011-213-0028

素材本来の美味しさにこだわりぬいたスープが大人気で、 全国各地にお店を出しているんだよ~!

ブランドタマネギ「札幌黄」に注目

この秋、札幌でしか味わえない、 札幌の野菜盛りだくさんのスープが季節限定で登場するんだって!

ということで、今回のあぐり王国ネクストは、 大人気スープ店の「札幌限定・季節限定メニュー」の主役になった ブランドタマネギ、札幌黄に注目します!!

江別市にやってきました!

森結有花アナウンサー「江別市のタマネギ畑にやってきました」 森崎博之リーダー「素晴らしいなあ」 森アナ「北海道を代表するブランドタマネギ札幌黄(サッポロキイ)に注目します」

森崎リーダー 「札幌の小学生も社会科で習っていて、その存在を知ってくれている!  肉厚で加熱すると甘くておいしいですよね!」

ゲスト登場!

今回はゲストさんと一緒に札幌黄を学びます。 お越しいただいたのはスープストックトーキョー、 札幌市内2店舗の店長を務める土屋椋子さん。

その2店舗限定で、9月20日から、 札幌黄などをふんだんに使ったメニュー「季節のボルシチ」の販売が始まります。

土屋さん「何度かほ場は見学させていただきまして…こちらも見学させていただきました!」

土屋さん 「札幌黄をご提供していただくにあたって  生産現場を見学しておいた方が商品説明だったり、  作成や提供にもチカラが入るね!ということで見学させて頂きました」

さて普通のタマネギと札幌黄はどんな風に違うのでしょうか?

では札幌黄について土屋さんと一緒に学んでいきます。

生産者の坂東拓也さんに札幌黄について詳しく教えて頂きます。

さて、まずこの機械は何だと思いますか?

土屋さん「タマネギを掘り起こす?葉っぱを切る?」 リーダー「ブブー」 坂東さん「これは根切り機です!」

収穫前にする作業「根切り」

畑になっているタマネギ。 リーダー「持ち上げてみてください」

ぶちぶちぶち…

土屋さん「根がすごいですね」 リーダー「なぜ根っこをきるんでしょうか?」 土屋さん「長持ちさせる?日持ちさせるように?」

坂東さん 「根を切ることによって葉っぱが枯れて茶色くなります。  収穫しやすくなりますし貯蔵しやすいというメリットがあります」

坂東さん「葉っぱの栄養が玉のほうに行って美味しくなる」

根切り作業をみてみよう

収穫前の大切な作業、根切りを見せて頂きます。 リーダー「とがった所をタマネギの列に合わせていきます。これで真っすぐに進みます」

リーダー「後ろに専属のブレードがついていてスイスイ通っていきますよ」 ではブレードが通った後はどうなったのでしょうか?

リーダー 「しっかり根っこがカッターで分断されてますね!  これから葉っぱがどんどん枯れていって玉が茶色くなる」

坂東さん 「この作業はどんな品種でもやると思います。  これで1週間から10日ぐらいは畑に置いておきます」

根切り10日後の様子は…

その根切りした後、畑に置いたタマネギを見てみると… 坂東さん「根切りをかけて10日後くらいです」 土屋さん「茶色いですね。美味しそう」

坂東さん「うちはこのまま収穫です!!」

坂東さん「選別の時にタッピングという葉っぱを切るのと磨く機械にかけます」

坂東さん 「それから1カ月くらいおきます。  屋根のあるところにコンテナごと置きます。  風乾(ふうかん)といって風通しの良い所で乾燥させて旨みがのるようにしています」

リーダー 「とれたて新鮮なものがよいとされますが  タマネギはこれだけすごい時間をかけている!  それも全て農家さんの仕事で美味しくしてから出荷してくれる。  美味しくしてくれる秘密がたくさんあるんです」

土屋さん「手間ひまがかかっているんだって感じました」

リーダーうんちく話

といったところで少々リーダーのタマネギうんちくに、お付き合い頂きます…

リーダー 「タマネギは植物のどの部分を食べているでしょうか?  例えばキャベツやレタスは葉っぱ部分、  根菜と言われているものは根が肥大化したもの。ではタマネギはどの部分でしょうか?」

土屋さん「根?」 リーダー「ブブー」 土屋さん「実?」 リーダー「ブブー。実は花が咲いたところからなる」

タマネギの可食部は植物的にどこ?

坂東さん「葉鞘(ようしょう)とよばれる部分を食べています」 リーダー「葉っぱの一部が肥大化したものを食べている」 土屋さん「へ~なるほど」

札幌黄の特徴を学ぶ

森アナ「お次はこちらをご覧ください!何だか分かりますか?」 土屋さん「実は教えていただいて分かります!札幌黄の種を育てているところ!」 坂東さん「これは去年収穫したタマネギを今年の春に畑に植えたもの」

札幌黄の種は生産者が栽培

坂東さん「そうするとこういう風に花が咲いて…」

坂東さん 「実がなって、この中に種が入っています。いわゆるネギ坊主!!  1粒の実に6個、種が入っています」

坂東さん 「このくらいのサイズに刈り取って干します。それを脱穀みたいな機械にいれます」

それが…この種です!!!

リーダー「この1粒1粒を畑に植えるとタマネギになる!!」

坂東さん 「普通のタマネギ農家さんは種は買うものですが  自分たちで自主採種しているのは札幌黄農家の特徴です!」

札幌黄は栽培が大変な作物

札幌黄は、品種改良が進んだタマネギに比べて、 病気に弱く腐敗が出やすいことから、収量が不安定。 大きさや形状も不安定で、規格外品が多いなど生産者泣かせの一面もあります。

リーダー「そこまで大変な思いをして育てている意味って何ですか?」 坂東さん 「ここまで続いている歴史を途絶えさせる訳にはいかない…  それに人と違うことをしないと!珍しいもの・いいものを作る!という発想です」

明治時代から続く札幌のタマネギ生産

それではここで、札幌のタマネギ生産、および札幌黄の歴史について学んでいきましょう。

坂東さん 「1871年、札幌村…現在の札幌市東区のあたりで試験栽培が始まりました。  これが日本のタマネギ栽培の発祥と言われています」 土屋さん「すごい…今ビックリしています」

1880年、販売用のタマネギが栽培されるようになります。そして、1884年頃…

坂東さん「1884年頃、今の札幌黄が生産されるようになりました」

リーダー 「ここから同じ品種が今もある…これもなかなか珍しいというか。  現代の作物はもっと効率よく、たくさんできるものに品種改良されている!  でもこの頃(明治時代)の品種が、今でも100年以上残っているのはスゴイこと!!  伝統野菜だと言われるし100年前の作り方だから大変なんですよ。  もっと手軽にできるタマネギ、あるんだもん!」

札幌黄は食の世界遺産!

森アナ「守って下さる方がいる!」 坂東さん 「2007年に札幌黄が『食の世界遺産』と言われる【味の箱舟】に登録されました」

リーダー「オレ、世界遺産つくってんだ!って言えるんだよ」 森アナ「でも責任も同じくらい伴うのでは?」 坂東さん「続けていかなきゃいけないなという意識はありますね」

土屋さん 「守り続けてくれているということに感謝ですね。  タマネギ無しでスープストックトーキョーは語れないので本当にありがたいなと思います」

種の自家栽培、栽培のむずかしさなど、 ほかのタマネギ生産に比べ、手間暇はかかりますが、 伝統の味を未来へつなげる生産者の努力は、今も続いています。

札幌黄を収穫しましょう!

スープストックトーキョーさんに実際に運ばれる札幌黄を収穫します! 坂東さん「このコンテナいっぱいに!1,000個くらい!」

昔ながらの手拾い体験

通常は機械でタマネギを拾いますが、 今回は、明治時代さながらに、手で拾う体験をさせてもらいます。

坂東さん「昔はこうやって手で収穫していた…大変ですよ」 リーダー「大変ですね」 坂東さん「手で植えて手で収穫!」

リーダー「しっかり根切りされたタマネギどうですか?」 土屋さん「カサカサでしっかり枯れてますね」 リーダー「可食部だけはバンバン元気ですよね!」 土屋さん「全部美味しさがここに集まるんですね」

リーダー「今年の雨不足、相当影響あったですか?」

坂東さん 「うちはまだ水はけが悪いほうだったので、そこまでではなかったんですが  もっと大変な農家は結構あると思います」 リーダー「作物も農家さんも大変だったですよね…」 坂東さん「今年は本当しんどい1年ですね」

リーダー「大変な年だったけど農作物はしっかり育ってくれています」

約1,000個の札幌黄を拾いました

こうしてタマネギを拾い続けること、およそ20分。 土屋さん「大変でした…久しぶりに汗をかきました」

札幌黄が主役のスープをいただきましょう!

森アナ「スープストックトーキョーの【季節のボルシチ】をいただきましょう!」

ここからスープストックトーキョーで実際に商品開発に携わる 松尾琴美さんにおつきいただきますよ!   森アナ「札幌黄はどういう風に使われますか?」 松尾さん 「札幌黄は甘みが出る上に食感がしっかり残るので  札幌黄が主役になるようにあえてゴロゴロ入れてしまって  タマネギを具材として楽しめるような仕立てになっています」

ではいただきま~す!

坂東さん「おいしい!タマネギの食感がかなり残っていてすごくおいしいです」

リーダー「今年は特に大変な栽培期間だったからひとしおじゃないですか?」

坂東さん 「暑かったし雨は降らないし  畑どうなっちゃうのって感じだったので何とか形になって良かった!」

リーダー「タマネギ肉厚で噛んでいくうちに甘い!!」

森アナ 「おいしい!野菜のいい所が全部出てますね。  タマネギはトロトロとサクサクがあって  スープを飲んでいるのに野菜を食べているって気持ちになる」

  松尾さん 「食べるスープというコンセプトでやらせていただいてるので  この季節になったら坂東さんのタマネギを思い出しながら  みなさんに食べていただきたいと思います」

土屋さん 「産地の方とお話をさせていただいたり  収穫までの苦労などを伺うことで最後に提供する者おして責任を感じますし  今後も大切に扱っていきたいなって思います」

坂東さん 「地元でつくった野菜を地元の方々に届けられるって  なかなかないので1番嬉しい!!」

おいしかったです!ありがとうございました!!


9月11日のクイズ「今回おじゃましたセロリ生産地は大空町のなんて地区だったかな」 正解は「女満別地区」でした。

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