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「日本で最初に制服になったセーラー服」100周年 金城学院高校「襟の一本線」に込めた歴史と誇り

2021年9月23日 08:00
視聴者の方から送っていただいた映像をご紹介し、皆さんで作っていくコーナー「あなたの発見!投稿アップ」。今回は「セーラー服100年」。名古屋の金城学院高校のセーラー服のお話です。生徒会の皆さんから投稿映像が届きました。
「きょうは私たちの学校、金城学院の制服の事を皆さんに知ってもらいたくて投稿しました。金城学院の制服は3種類あります」(3年 生徒会会長 則竹志泉さん)

「冬服、私たちが今着ている合服(あいふく)、そして夏服です。私たちが愛して止まない制服ですが、2021年9月に『制服制定100年』を迎えました」(3年 副会長 加藤萌さん)

「これは制服としてセーラー服を制定した日本で最初の出来事だそうです。その100年前の制服を写真を元に復元したのがこちらです」(生徒会長 則竹志泉さん)

 名古屋市東区の金城学院高校では、創立130年の節目を迎えた2019年に「日本で初めて制服に制定された大正時代のセーラー服」が復元にされました。

「名古屋襟」と呼ばれる、胸元まで切り込みが入った幅が広い襟と、さわやかな白のライン。金城学院が受け継いできたセーラー服の原点です。
 

1921年のセーラー服と生徒(提供:金城学院)

100年前の大正時代に制服に制定されたセーラー服
 制服が制定された年である大正10年(1921年)の記念写真。当初は、着物を着ている生徒も多かったようです。

 100年前のセーラー服は、当時の生徒たちが並んだ写真をもとに復元が進められました。      
 
 足元を見ると…草履を履いている生徒もいます。まだ洋服を着慣れていなかったのかもしれません。

 それでも、当時の最先端のファッションを取り入れたセーラー服は、100年経って着てみても確かな存在感を見せてくれます。

 

復元した100年前の制服を着た生徒(2019年 提供:金城学院)

ブレザー主流の高校制服の中 現在の生徒たちも愛するセーラー服
 その後、時代と共に少しずつデザインは変わりましたが、生徒は伝統のセーラー服に特別な思いを抱いてきました。

「今たくさんの学校がブレザーじゃないですか。その中でも数少ないセーラー服の学校だったので、それはすごく魅力的でした」(3年 飯田桜子さん)
「入学する前から制服が可愛くて、すごく憧れだったので、実際毎日着て登校できているのがすごく楽しくて。胸元の校章がすごく可愛いなと思いました」(3年 白柳百望さん)
「親族の集まりとかで制服を着る機会があると、おばさま方が『可愛いね、可愛いね』って言って下さるんですよ。『でしょ!でしょ!』って言って見せびらかしています」(3年 岩月百々花さん)
「一番気に入っているのはこのネクタイで、これをキレイに結べると一日気持ちよく過ごせます。『金城生』はみんなこの制服が好きだったと思うのですけれども、100年分のお気に入りの制服を着られていることを光栄に思いますし、外を歩いていても背筋が伸びるような気がしております」(3年 木下舞香さん)
 

上はセーラー服 下はモンペ姿の生徒(1944年 提供:金城学院)

「お洒落は贅沢」だった戦争時 襟のラインは三本から一本に減らされる
 そんな伝統のセーラー服は、厳しい戦争の時代を乗り越え、受け継がれてきました。

 太平洋戦争の戦局が悪化すると、スカートは禁止となり、モンペ姿を余儀なくされました。そんな状況でも生徒の多くが選んだ上着は、大好きなセーラー服でした。

 しかし「お洒落は贅沢」とされた時代。襟の白いラインの本数は減り、やがて制服を着ることもできなくなりました。現在の制服の襟にあしらわれているのは、戦時中に数が減らされたままの一本線です。

 そこには懸命に生きた生徒たちの思いを忘れず、平和な時代に感謝したいという思いが込められています。
 

現代の制服(左)と復元した100年前の制服(右奥)

平和な時代に感謝の思い込め「一本線」のまま引き継がれる
「戦時中にぜいたくだからと言って三本線が二本線、一本線になって、今こうして着られていることはすごく意味があることだと思うので、これからもこの一本線に誇りを持って着たいなと思います」(3年 生徒会副会長 加藤萌さん)

「これを守ってきた先輩方の思いをまた私たちも受け継いでいける、ここに愛を注いでいけるのはすごく嬉しいです」(3年 岩月百々花さん)

「先輩方が守ってきた金城学院の歴史や伝統を現在の私たちが引き継いでいると思うと身が引き締まります。力強くしなやかであった金城学院の卒業生の方々の期待にこたえ、歴史と伝統を紡ぐ者として、これからも愛着をもって制服を大切にしていきたいと思っています」(3年 生徒会会長 則竹志泉さん

 投稿してくれた生徒会のお2人が手にしていたのは、セーラー服の刺繍が入ったハンカチです。

 金城学院の同窓会が、制服100周年を記念して作ったものなんです。みなさん卒業してからもずっと制服を誇りに思っているんですね。

(9月21日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』「あなたの発見!投稿アップ」コーナーより)
 

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