「店と客の立場は対等ではなく、客のほうが偉い」と日本ではよく言われているが、
僕は客のほうが偉いとは思わない。
商品を受け取る代わりに、お金を支払うという行為は等価交換である。
ゆえに金を払うほうが偉いわけではないのだが、(立場的に)強いのは事実なのだ。
(強い=偉いと解釈できなくもないが)
なぜかといえば、お金を支払う側に選択肢があるからだ。
例えば、とあるラーメン屋で食事をして、口に合わなければ次回から別のラーメン屋に行くというように。
それならば「店も客を自由に選べるのではないか?」と思うかもしれないが、現実的にはなかなか難しい。
大抵は“来る者は拒まず”で受け入れるはずだ。
「この客は愛想が悪いからラーメンを食べさせない」
なんて話はほとんど聞かないはずだ。
これに対して、
「ここのラーメン屋は店長の態度が悪いから行かない」
といった話はよく聞く。
お金を受け取るよりも、支払うほうが強いというわけだ。
この原則は、ときに店と客の立場すら逆転させる。
例えば、貸金業者からお金を借りるときだ。
この場合は客よりも店のほうが立場が強い!
貸すも貸さぬも貸金業者の裁量ひとつだからだ。
結局のところ、客が強いというよりも、お金を支払うほうが強いわけだ。