バイデン大統領は、豪州への原潜技術の供与について「豪州の潜水艦がより長期にわたって展開できるようになる。より静かで、より能力が高い。これにより、インド太平洋における抑止力を維持、向上させることができる」と述べ、海洋進出を進める中国を牽制した。
核兵器保有国はいずれも原潜が持つ隠密性を生かして、戦略ミサイル搭載原潜(SSBN)と呼ばれる核ミサイルを搭載したタイプの原潜を運用する。当然ながら、豪州の原潜保有は核兵器保有につながるのではないかとの懸念が浮上する。
豪州は米、英、中国、ロシア、フランスの5カ国を核兵器国と定め、それ以外の国への核兵器の保有を禁止する核兵器不拡散条約(NPT)の加盟国だが、今年1月に発効した核兵器禁止条約には加盟していない。
豪州のモリソン首相は15日の会見で「はっきりさせておきたいのは、豪州が核兵器の獲得や核戦力の確立を目指しているわけではないということだ。われわれは核不拡散の義務をすべて果たし続ける」と述べて、懸念の払拭に努めた。
モリソン政権は南部の都市アデレートで原潜を建造する計画だ。豪州には原子力艦船を建造できる造船所が存在せず、原潜の建造と維持には巨額の費用とインフラ整備への投資が必要になる。
これを支援するため、米国は豪州との間で18カ月の協議期間を設け、労働力、生産スケジュール、核不拡散対策などあらゆる要素を決定することにしている。
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