と、表題のようなことを感じることが多かったので、それを文章に起こしてみようと思った次第です。
実際のところ全く問題を感じていないわけではないのですが、今回はそれは置いといて、ひたすら褒めちぎる感じです。
シアターデイズ、田中琴葉の合流
2018年2月8日。最初に「お!」と思ったのは、この時です。
前提として、私は琴葉の合流時は「お知らせにちょこっとその旨を掲示し、あとは最初からいたような扱いにする」として、必要以上に大々的な扱いにすべきではないと思っていました。旧作からのプロデューサーにとっては、マイナスの状態からゼロに戻るに過ぎないのですからね。
現在もその意見自体は変わっていません。
しかしその意見とは別に、合流時の流れが見事に感じたものです。
まずはこちら、合流時の特別コミュです。その日のログイン時に自動で開始されました。
トライスタービジョンの待ち合わせの風景。
見覚えのある背景…。4周年記念PVで3人が遊んでいた場所ですね。これだけでも立派なファンサービスです。
それと同時に実装された機能が「オリジナルメンバー編成」。選択した楽曲を本来歌っているメンバーで自動的に編成してくれる機能です。
もともとこの機能の実装はいたるところで要望が出ているのを見てきましたが、まあ、単純に「琴葉がいないから実装できなかった」というだけの話で、琴葉の合流により実装されたのはある意味必然でした。
しかしここにもうひとつ要素が加わったことで、パズルのピースがはまるかのような感覚を覚えました。
普段はユーザーごとにランダムのデイリーミッションの課題曲ですが、この日は全員が「Blue Symphony」に固定されていたということです。
「Blue Symphony」はこの時点で実装されていた曲の中で、(全員曲を除いて)唯一琴葉が参加している楽曲。
これにより、『デイリーミッションをこなす』ついでに『新機能のオリジナルメンバー編成を試す』を同時に行った多くのユーザーに対して『田中琴葉』のステージシーンを見せるという流れが完成しました。
このプランを考え付いた人に、私は最大級の賛辞を送りたい。
シアターデイズ、エイプリルフールイベント
2018年4月1日。
スマートフォンゲーム界隈では、エイプリルフールにちなんで多くのジョークイベントが開催されていました。
シアターデイズも例外ではありません。
この少し前にGREE版のサービスが終了し、かなりしんみりしていた状況ではありましたが、それを吹き飛ばすようなステキなイベントが開催されました。
「MILLION LIVE!? FISHER DAYS」
高木社長が大事な楽譜をなくしてしまい、青羽美咲がそれを趣味の釣りを駆使して拾い上げるというもの。舞台は劇場近くの川から秘境・海底・宇宙etc...。
その舞台も、イベントに登場するアイドル達の姿や言動も、一見するとジョークイベントらしく突拍子もないものばかり。しかしよくよく見てみると、そのほとんどがGREE版から引っ張ってきたネタだということがわかります。
このタイミングでのきっちりとGREE版のことは受け継いでいくという意志表示、良いですね。
それにしても、GREE版のネタがそのままジョークイベントとして使えるって、今更ながらとんでもないアホなことをやっていたのだということを再認識させられます……。
そしてなにより感心したのはこのイベントによる「待ち受けプリンス」の実装。
近年、各所のエイプリルフールイベントは「如何に面白いことをやるか」を競い合っているように感じます。それ自体はなんら問題なく、むしろユーザー的には良いことでしょう。
ただ、それらがゲーム本編につながるというのはあまり見かけませんでした。このことについて、それまで特に疑問視していたわけではないのですが、この年のシアターデイズを見て目からうろこが落ちたのです。
シアターデイズでは「曲の追加」という形でゲーム本編にも繋げました。
これを見たとき、『この運営は、ジョークイベントの中においても、このアプリの本質を見失っていない!』と衝撃を受けました。
正に、『地に足が付いている』と感じた瞬間です。
曲自体も、歌詞の中に「嘘つき」とあり、この日に実装するにふさわしいものでした。
一部の全員曲を除いて、基本的にメンバー編成によってアプリ中での歌が変わらないこのアプリですが、この曲ではその「嘘つき」の部分だけ歌い分けされるようになっているというオマケ付き。おそらく何かの収録のついでにこの一言も収録したのでしょう。最小限の労力での大きなインパクトのある出力、運営観点でも見事だと感服します。
あと、まつりの「嘘つき」は、3rdライブのあの叫びを再現したのもGOOD!
さらに言えば、4月1日にちなんでミリシタ41曲目の楽曲。語呂合わせが好きなアイマスらしい展開です。(まあ、当時は語呂合わせよりももっと曲数を増やしてほしいという思いもありましたが……。)
5thライブ、幕間の映像
2018年6月2日・3日に開催された5thライブ「BRAND NEW PERFORM@NCE!!!」。
ライブ自体の素晴らしさはこの記事の本題ではありません。
アイドルマスターのライブイベントは、アンコールを受けてその準備をしている間に映像により最新情報を伝えるというのが通例となっています。このライブでもそれが行われました。
最新情報自体は良いのですが、たまにこのパートなどで着替えなどの準備時間を稼ぐために思い出ボム的な映像が差し込まれることがあります。今回もありました。
それに関しては、私の場合「ああ、準備のため『待たされている』なあ」と感じて少し冷めてしまうことがあるので、あまり好きではありません。
しかし今回は、ここで特別コミュ映像が差し込まれました。内容は、準備に手間取っているアイドル達の様子を見に行くというもの。
コミュの内容的にプロデューサーである自分自身もそこに立ち会っており、映像中のアイドル達から声をかけられるシーンもあります。たったこれだけのことで、『待たされている』感が一気になくなったのです。
『ごっこ』とはいえ、我々はプロデューサー。アイドル達が準備をしているのであればそれをサポートする、いつでもサポートできる態勢を整えておく。そう、そういうものですよ!
シアターデイズの3Dモデル&モーションによるコミュも、その臨場感・没入感を出すのに一役買っています。
もしかしたらですが、好評だったMR ST@GEのMCパートもヒントにしていたりするのかもしれません。演出家は同じですからね。
さらに映像の中で公開された新衣装。
そうですよ、我々はプロデューサーなのですから、観客たちに新しい姿をお披露目する前にそれを見ることができるという特権があるのです!
言われてみれば当然のことなのに、この映像を見るまで考えすらしてなかった気さえします。
その新衣装も、わずか数分の中で『アイドルたちが着ている姿』と『声優たちが着ている姿』の両方を味わえたというお得感。
アイドルと声優の姿をリンクさせるという観点でも良い効果をもたらしています。
さらに近日中にゲームにも実装するということも発表され、ゲームへの期待感も高まります。
これらのことから、歴代アイマスライブイベントの中でもベスト・オブ・幕間映像だったと私は評します。
シアターデイズ、人権
2018年6月29日から開始されたシアターデイズ1周年記念イベント「BRAND★NEW★PERFORM@NCE!!!」。
先述の新衣装もこのイベントで実装され、ライブの盛り上がりもあり、それ以外のコンテンツ展開も好調で、ランキング争いが激化しましたね。
というか、激化しすぎましたね。
「人権」こと「オートライブ」がこのイベントの半月ほど前に実装されましたが、それがなければどうなっていたかわかりません。
これも、機能の実装とイベントの開催が見事に噛み合った例と言えるでしょう。
ただし、運営側もイベントがここまで激化するとは思っていなかった節が見られます。もしかしたら単なる偶然の産物的な噛み合い方だったのかもしれません。
5thライブ&ミリシタ感謝祭、新曲のお披露目
アイドルマスターのライブイベントで、サプライズ的に新曲が披露されることは少なくありません。
特にミリオンライブの場合、「Thank you!」を除く歴代の主題歌はいずれもライブイベントの中で初公開されました。
5thライブでもDAY1に新曲「UNION!!」が披露されました。ぶっちゃけ、多くの人にとって予想の範疇だったでしょう。
いやー、これが次の主題歌かー。いい曲だなー。感動的だなー。
なんて思っていたら、さらにDAY2に新曲をもう1曲ぶち込まれるサプライズ。
サプライズが半ば『恒例行事』となったことを逆手に取って、予想のもうひとつ上を行く展開。
エンタメの手段として珍しいものではありませんが、この時は見事にハマっていたと思います。
更に2018年10月のミリシタ感謝祭。
ここでは「THE@TER BOOST 03」のメンバーが勢揃いで、間違いなくその新曲が歌われるであろうという『目に見えるサプライズ』が仕掛けられており、実際にその通りになりました。
そしてそこからもう一段階のサプライズ。田所さんと愛美さんにより、完全未公開の新曲「ハーモニクス」が歌われるという展開。隙を生じぬ二段構えとは恐れ入りました。
いちおうこの件については、田所さんと愛美さんだけ既存のMILLION THE@TER GENERATIONのメンバーではなかったため、察せる人には察せられたのかもしれません。
ミリラジ&WEB配信番組、新実装曲のMV公開
最近ではすっかり恒例となった、MillionRadio(ミリラジ)や不定期のWEB配信番組内でのシアターデイズ近日実装予定曲のMV公開。
宣伝手段としてはまったくもって珍しいものでも目新しいものでもありませんが、それだけに確実な効果をもたらしています。
不定期番組の場合、事前に公開されている出演者から「次の曲はこのメンバーなんじゃ?」「このメンバーなら、こういった曲になるんじゃ」といった予想で界隈が盛り上がるのが特徴です。
それが結果的に、運営側が直接関与しない形での宣伝につながり、コンテンツ自体の盛り上がりへとつながっています。
ミリラジの場合、山崎さんがオタク早口で感想を言ってくれるのが良いですね。特に「ハーモニクス」の時は凄かった。
(余談。このとき田所さんは「私は別のところでこの曲について語る機会があるだろうから」と言って山崎さんにトークの出番を譲っていましたが、その後も山崎さんが語ってばかりで田所さんが語る機会があまりないような気がします……。)
さらにこれのおかげで、「今週のミリラジで次の実装曲が公開されるかも?」と思わせ、それが視聴者の増加につながってそうです。
ミリラジ、変わらない
ミリラジは2018年12月現在、週刊で放送中のアイマスラジオ番組の中で最長寿の番組です。放送期間は5年以上。
やっていることと言えば……、
ふつおたを読んで、
曲をかけて、
なんかコーナーやって、
おまけ放送でお菓子食べて、
反省して、
終わり。
コーナーの変遷などはあれど、5年間ずっとだいたいこんな感じです。
パーソナリティはずっと変わらず、近年はゲストが来ることも少ない。
そんなラジオが、マンネリ化してないのか?なんか、マンネリを超えた域に達しているような気もします。毎週面白いんですもん。
この変わらなさが毎週続くことで、結果としてミリオンライブの『原点(始まりという意味ではなく、座標ゼロという意味)』的な役割を果たしているように思います。ミリオンライブに何があっても、ここに帰ってくれば気持ちをリセットできる!
めっちゃふわふわした(オブラートに包んだ表現)番組なのに『地に足がついている』という、よくわからない状態になっています。
ちなみに「変わらない」というのはあくまで番組構成の話であり、番組の内容はちゃんと毎回違います。
「メリー」を軸にした怒涛の年末攻勢
2018年12月25日0時0分、日付が変わると同時にシアターデイズにクリスマス特別コミュが追加されました。
そのコミュを見終えると、765PRO ALLSTARSのクリスマス曲の代表ともいえる「メリー」がプレイ可能に。
さらに有償ジュエルで購入できるクリスマス衣装が追加。
いやー、すごいなー。一気にクリスマスっぽくなったなー。なんて思っていました。
クリスマスプレゼントをジュエルやアイテムの配布で終わらせず、先述のエイプリルフールの「待ち受けプリンス」と同様に『楽曲の追加』という形にするのはやはり『地に足が付いている』と感じさせられます。
また、この日にエントランスで出迎えてくれるアイドルが可奈・志保だった場合は(この時点では)見覚えのない新衣装で出迎えてくれるというサプライズ要素がありました。これにより、この日から始まる新ガシャのSSRがこの2人であると実質的なネタバレとなりました。
しかし、ここでもう一段回仕込んでいるのがシアターデイズ。
その予想の通りに2人のSSRが実装されたと思ったら、さらに2人の新コミュと、「メリー」の可奈&志保デュオVer.を実装。
ほんの15時間前に実装されたばかりの楽曲に、さらに別Ver.を実装だなんて全く想像の範囲外でした。予想できた人、います?
コミカライズ「Blooming Clover」にもこの流れは波及します。
その翌々日発売の電撃マオウの表紙には、新SSRの衣装を着た可奈と志保の姿。
本編中ではその衣装で歌う姿も描かれています。
そして同時期に、その5巻の限定版に付くCDに、可奈と志保による「メリー」が収録されることも発表されました。シアターデイズではショートVer.でしたが、こちらはフルサイズです。
発売は半年も先ですが、発表のタイミングとしてはベストだったと言えるでしょう。
この点もまた、『歯車が噛み合っている』。
再びシアターデイズの方に話題を戻します。
この可奈&志保のガシャでは毎日1回無料10連ガシャをやっていました。
楽曲の追加といい、この無料ガシャといい、クリスマスだからって大盤振る舞いにも程があります。
しかし、そこは営利企業。
先述のクリスマス衣装も含め、この前後に様々な有償ジュエルでしか購入できない要素を追加しています。私の観測範囲での印象ですが、結構な数のPの財布のひもが緩くなっているように感じました。
流石、商魂逞しいですね。
まとめ
総評すると、「ゲームとラジオ(配信番組)とコミカライズとイベントと楽曲、あるいはアイドルと声優がそれぞれ双方向でうまく噛み合っている」ということです。
多方面に同時展開するメディアミックス作品として、かなり理想的に近い形に収まっているのではないでしょうか。
2018年のミリオンライブの運営的なトレンドは「何かを予想できるだけの情報を公開し、実際にはそのもうひとつ上を行く」的な方向性だったように思います。
2019年以降もこのスタンスが続くかどうかはわかりませんが、例えば現在公開されている「6thライブツアーの構成(日程・会場・出演者など)」から何を予想できるか、その上を行くことがあるのか、などを考えてみるのも楽しいかもしれません。