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この作品「今日から闇医者!(梵天専属)」は「東卍夢」「いちりっとるのぼにゅう(よくとぶ)」等のタグがつけられた作品です。
今日から闇医者!(梵天専属)/そっとじの小説

今日から闇医者!(梵天専属)

8,516 文字(読了目安: 17分)

ドスケベコンテンツに呪われている梵天に拉致られた結果、闇医者堕ちする夢主の話。(9/17追記)

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なんでも許せるゆるふわな人しか読んじゃいけないやつ。読了後クレームは受け付けないので心の広い人だけ読んでくださいね。

Twitterで呟いたネタに肉付けしたやつ
あまりにも酷い内容なので消すかも

2021年9月16日 15:13
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キャプション必読

*梵天がドスケベコンテンツ()に侵されている
*まあタイムリープとか未来視とかある世界だから
*いろいろひどい
*読了後クレームは受け付けません





















拝啓 指導医の先生、お世話になった教授、同期の皆に病棟の皆さん。


「やだやだやだやだ私反社のドスケベコンテンツのために医者になったんじゃないいいい‼︎」
「てめえクソアマ何がドスケベコンテンツだまずお前を風俗に沈めてやろうか‼︎‼︎」
「やめろ三途。こいつにはボスの経過診てもらわなきゃなんねえだろ」
「は……?」
「よろしくなー先生♡」
「今日から梵天専属闇医者デビューだな先生」
「そこらの大学病院より給料弾むぞ先生」
「そもそも私が想定してた闇医者って絶対こうじゃない‼︎」
「安心しろそれはオレらもそう思ってる」
「無理無理無理無理そゆことやるには臨床の蓄積が足りない私‼︎」
「どこで蓄積できんだよその臨床経験」
「ここでするっきゃねーだろ」
「そんな経験積みたくないいいいいい‼︎」

私、今日から反社の闇医者になってしまったらしいので明日から出勤できなくなりました。突然勤務帯に穴をあけた上に申し送りもできないまま失踪してしまい大変申し訳ありません。
しかしどうか御身の安全のために私のことは探さないでください。







◇◇◇






幼少の頃。
近所に頭はいいけどそれを反社会的な方向にしか使わない誓いでも立ててんの?っていう兄弟がいた。顔面のパーツの形と配置が大変整った兄弟ではあったのだがその頭のネジの外れっぷりを遺憾無く発揮し近所の子供は同年代から年上まで幅広く泣かされていたし彼等はそのまま見事にグレてさらには少年院まで入ったそうな。その名も灰谷蘭と竜胆の灰谷兄弟。
近所の子達皆が皆拒否するので私はサボり魔灰谷兄弟のお宅にプリントとか届けに行く係を押しつけられていた。

…………そんな事なんてすっかり忘れてたんですよ。
医大を卒業して医師免許も取って大学病院を経てとある病院の医局に入ってようやく、ようやく仕事にも慣れてきたとこだったんですよ。夜勤明けからの日勤連チャンかーらーのー欠勤ドクターの穴埋め外来勤務が終わった後だったんですよ。夜になって漸く家に帰るとこだったんですよ。
帰宅途中黒塗りの車に突如拉致られたのは。

もう疲労がピークなのに幼少期の思い出を思い出せたことがまずすごいことだと思う。

「は…………え……なに……?」
「覚えてるかー?覚えてるよな?灰谷蘭。ほらこっちは竜胆」
「お医者サンになったんだって?すげえじゃん立派立派。んでそんな立派な女医センセーに頼みたい仕事があンだけど」
「いわゆる急患ってやつ」
「きゅーかん………」
「そうそう急患急患。つーことで頼んだぜ医者先生♡」

黒塗りスモークウインドウの車はどんどんスピードを上げていく。睡眠不足と栄養不足で回らない思考の中「なにこれわたししぬの…?」とだけ呟いた。
ビジュアル変わりすぎてほぼほぼ見知らぬ男性状態である自称幼馴染達が「いや診てもらいたい奴がいるんだワ」「つうかお前自身すげー顔色だな」と話すたびに首元の刺青が見え隠れしている。

それを凝視する私の視線に気づいてか、「気になる?」と二人はネクタイを緩めて刺青を見せてくる。え。いやまあ、とりあえず。
「…………気管切開とかする時…目安にとか…しやすいかもね…」
連勤で頭が回らずこんなコメントしかできなかった私の両隣で「切って穴空ける前提かよ」と笑い声がした。









連行されていった先は某ビルのどこかの一室。
いや場所は分かんない途中で目隠しされて運ばれたから。
エレベーターには乗ったっぽいけどどこが何で何がどこ。

「………あの、」
「今あいつ…患者?連れてくるから待ってろ」
「アイツ患者って言うの笑えるな」
「つーかあの状態が笑えるわ」
「いやー幼馴染みが医者になったって聞いたからラッキーだったな」
「…私と灰谷くん達って幼馴染カテゴリだったんだ…今知った…」

医者の道に進むと突然健康相談とかしてくる知り合いは結構いるんだが拉致ってガチ診察(しかも表沙汰にできない何かの気配)させようとしてこられるのは流石に初めてだ。ていうか君ら私のこと幼馴染カテゴリなの??
しかし手段から場所から灰谷兄弟くん達本人から裏社会臭と犯罪の臭いがぷんぷんするぜ。病院でもヤのつく人達が怪我や病気で入院してくることとかそっち筋の人達の面会とかもあるんだけどわざわざ秘密裏に私…というか医者拉致って来たってどういうこと。怖すぎる。
銃槍の治療?ヤク中の薬をどうにかしろとか?
はたまた拷問とかされて死にかけの人を治療しろとか?


「あ、の……本当に治療が必要なら…経験年数の浅い私にやらせるよりちゃんと病院行った方が…そもそもいくら医者でも私のような若輩者に、さらに器具もなく検査もできないとなると…」
「行けねーからこうしてんだよ」
「………社会的に?」
「アシつくとまずい」
「……そういう職種の方を相手してる…そういう人達っていないんデショウカ…」
「そういう奴ら呼びつけていつまで経っても来ねーなと思ったら取られてたんだよな。ついさっき」
「…………お命を?」
「ああ、膝折り曲げてそっからブレンダーでk」
「アッもういいです」
「ここらにその手のアテなかったからどうすっかなと思ってたらお前がいてな」
「…………せめて患者様の現病歴を聞かせてください心の準備をさせてください灰谷さん…」
「どっちがどっちだか分かんねー」
「名前で呼べよ昔みたいに」
「帰らせろ(善処します)」
「おー昔の調子戻ってきたなー」


うっかり本音が出てしまったのでひやっとしたけど笑われただけだったのでお命頂戴にはならなかった。…にしても反社会勢力指名手配犯が秘匿にしときたい治療ってなんだよ…銃創?銃創か?必要そうな道具は言ってくれりゃ用意するって言ってるけどまずどういう患者がいるんだよ……


「で患者のジョーホーだけどな」
「……はい」
「輸入したヤクをチャンポンしたは良いものの、食い合わせが悪かったのかカプセルの中身が違ったのかいつもと違うトび方してる奴がいてな」
「既に手に負えない気配しかしない」
「別に死んでもいーんだけど一応幹部だしあのままでいられっとオレらの笑い止まんねえしじゃあ医者に診せるかってことで」
「…客観的に見て笑い止まんないトび方してるってどういう…」

既に医者一人の手に負えないだろそれ。こんなことになってる時点でそりゃ幹部とかかなと思ってはいたけどこれどうにかできなかったらほんとに殺されるんじゃ…
そんなことを思っていたところ扉が開いた。
扉の隙間から見えたのは鮮やかなピンク色。


「よお三途ママ。医者連れてきてやったぜ♡」
「死ねクソ兄弟」
「いやなんかな、典型的なヤク中のトび方はしなかったんだけど母乳が止まんねーのアイツ」
「………??????」
「昨日1ℓくらい出たんじゃね?ってくらい」
「いちりっとるのぼにゅう(男)????」





川上先生(指導医)助けてください。
学会に発表できるクラスの症例を単独で受け持ちたくありません。






◇◇◇





桃色頭の上半身裸の男性に真横を向いて座ってもらう。

「……ええと、内服されたのは厳密に何時とか覚えてらっしゃいますか」
「あー…?覚えてねえよ大体昨日の明け方じゃねえ?」
「……乳頭からの分泌物以外に症状はございますか」
「春千代チャンのおっぱいミルク♡でいーんじゃねえ?」
「まだるっこしい。母乳(笑)でいいだろ」
「出てけテメエらスクラップにされてえのか‼︎」
「「だはははははははははは‼︎‼︎‼︎」」
「………三途さん興奮しないでください分泌量が増えます…」


三途さんが怒鳴った途端母乳(仮)が水鉄砲よろしく吹き出したのを見て極悪兄弟が爆笑してもんどりうって床にひっくり返った。やめてくれ非常にシュールだから…私まで笑いそうになるから…ただでさえ何もしなくてもダラダラ溢れている母乳(仮)が三途さんがキレ散らかした瞬間ピューって吹き出すのはひたすらシュール…
横を向いてもらってるのはこういうことだ。
一々噴出するものを私は避けられない。

「飲んだ薬というものはここにありますか…?」
「……ねえし覚えてねえ。カンケーねえだろどうにかしろ」
「つーか元々飲んでたクスリ+新しくチャンポンしたやつだろ」
「正体不明のヤク3つは入れたよな」
「…………一応お伺いしますが胃薬とか抗うつ薬とかお使いでは」
「結果一時的に抗うつ効果のありそーなクスリなら」
「あはい。もういいです」

そのお薬は絶対非合法なやつですね。
どうしようね結論手に負えません。
薬剤師さんに相談しても困らせる案件。なんせ飲んだ薬の詳細不明。
……一応腫瘍の有無のチェックとしてプロラクチンの量調べるために血液検査の手配だけさせてもらったけどもうこれ以上どうすればいいのコレ。

「あの…成分分析したいので分泌物採取させてください…」
「飲むのか?」
「誰が飲むか成分分析っつったでしょーが‼︎」
「オイなんなんだこの女。どこの闇医者だ?」
「オレらの幼馴染」
「闇医者じゃありません」
「どっちかってーとあれだな。光医者だな」
「闇医者の反対語みたいに言うのやめて」

ビーカーに三途さんの乳頭から出る白濁色の分泌物を採取する。
……私は一体なにをやってるんだろうどうしてこんなことに。

「つーか男でも乳出んだな」
「三途妊娠してんのか」
「殺すぞ」
「……男性にも乳腺はあるし…ホルモン異常とか薬の副作用とかで出ることはあるよ…この量は異常だけど…」
「「「マジか」」」

あっという間に母乳(かどうか分からない液体)の溜まったビーカーを机に置く。とりあえず、…ほんと真面目に内科行ってくれないかな…

「そういやどーすんだー?明日の取引」
「っせーな…力めば止まんだよ」
「……詰まって乳腺炎とかにならないといんですけどね…」
「あ聞いたことあるわ。最悪切開するんだろ」
「「切開……」」
「いや膿瘍が詰まった場合で…まあケースバイケースだけど…」


そして切開という言葉が悪かったのか明日の取引に影響がないようにという配慮のためか、私にとんでもない命令が下された。





その命令の結果、今私は三途さんの搾乳マッサージをしている。
三途さんの、搾乳マッサージを。
搾乳マッサージするとめちゃくちゃ母乳(仮)が吹き出る。

虚無の表情の三途さんと私。
勢いよく壁を濡らす白い液体(母乳疑い)。


ねえ、何これ。







......とりあえず今のうちに出せるだけ出しておきたいという三途さんのご希望故なのだけれど。
……一体私は何をやってるんだろう一体どうしてこんなことに。


「ヒッ………ひいwwww腹wwいてえw死ぬwww」
「天井wwwww天井まで吹き出ッwwわはははははははww」
「ンなに腹痛えなら腹にマジの風穴開けてやろうか性悪兄弟‼︎‼︎」
「これ以上仕事増やさないでください三途さん………」

いやもういっそそっちの治療の方が専念できそうです…
三途さんの分泌物の出が異様に良いのでよく飛ぶよく飛ぶ。
悪辣兄弟の言う通り天井まで勢いよく吹き出すことがある。そして怒鳴るとさらに勢いが増すので大人しくしててください三途さん。…こんなんポリクリでもやんなかったぞ。母乳分泌のためのマッサージ従姉妹がやってたことあったからやってみたけどこんなところで生かされると思わなかった。

「三途お前もニッチ向けフーゾク堕ちすっか?」
「安心しろよオレらがNo.2継いでやっから」
「ああ⁉︎てめーらにボスを支えられるワケねーだろうが‼︎」
「……あの、すいません〝も〟ってなんですか」
「あー?あー…なんか海外で変なの拾ってきたのかなんなのか知らねーけどいたんだよなカラダに変なことが起きんのが」
「変なこと」
「末端の奴らがな。猫耳みてーのが生えたり股間のブツが消えたり増えたり」
「腕に触手が生えたのもいなかったっけか」
「足がスライムみてーになったやつもいたな。大体三途がスクラップにしたんだか見せ物小屋に売り飛ばしたんだかイロモノ風俗に突っ込んだんだったか」
「なんて??????????」


……それ変なことで済ませられる事態じゃなくない?
なんで反社限定でドスケベコンテンツ漫画みたいな展開起きてるの?
海外から変なもの拾ってきたって言っときゃ許されると思うなよ?
…………いやでも待って。


「……そういった方々の原因調査なんかは」
「してねーよ利用するか処分してオワリだ」
「…処理に当たったのは主に三途さんですか」
「だからなんだよ」

「いえ、その…そういうおかしな事態が人から人にうつってきてるみたいだな、と」
「「「は……?」」」












結論から言うと、三途さんの母乳()は止まった。出すだけ出したのがよかったのか単に時間経過の問題だったのかなんなのかは分からない。精査するべきではあるんだろうけど彼等はそれどころではない。胸元のこぼれた母乳()を拭うことも忘れてどこかに電話をかけて捲し立てる三途さんと消毒用アルコールを奪い合う灰谷兄弟が大パニック。

「おい灰谷兄弟!バカやってねえで明石に電話しろ!」
「近寄んな三途‼︎」
「おっぱいが感染る‼︎」
「まずおめーらからスクラップにすんぞおおおい‼︎‼︎」
「…帰ってもいいですか……」
「誰が帰すか」
「万一オレらに感染してたら誰が乳しぼんだよ」
「あれは別に治療のための医療行為じゃないからセルフでどうぞ‼︎」
「ってオイそれ(母乳(仮))持ち帰んのか⁉︎」
「一応生検には出しておこうかと…」
「なんて説明して検査に出すんだよ」
「………それ寄越せ女。こっちで調べる」
「……あハイ………」
「感染媒体かもしんねーもんなー」
「……さっきっから感染っつーのやめろ殺すぞ‼︎」
「うわヤク中がキレた!」
「は⁉︎ちょっ……⁉︎⁉︎⁉︎」




三途さんが灰谷(兄の方)に殴りかかる。
その時ちょうど腕がぶつかって、申し訳程度にラップで蓋をしたビーカーがぽん、と投げ出された。ビーカーはそのまま弧を描いてそして、






がしゃん
と、音を立てて床に落ちた。ちょうどドアを開けた、センター分けの白い髪に真っ黒い目の男の人の頭にその中身─真っ白な液体をぶちまけてから。






大事だからもう一度言う。
真っ白な液体(症例H.Sの乳頭からの分泌物)(感染媒体の疑い有り)がぶちまけられた。




「……………」
「……………」
「……………」
「…………ボ、ボス──────‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」






三途さんの悲鳴が響いた。








◇◇◇






「い…今のところ症状が出るような兆候は確認できません…」
「…………………そうか」
「あああああボスよかった無事でえええ‼︎‼︎‼︎」

「この場合三途が悪いことになるんじゃねーの」
「三途から分泌されたもんだからな」
「分泌とか言うんじゃねぇぶっ殺すぞ」
「…………三途」
「はいボス‼︎」

三途さんの切り替ええっぐいなあ…と思いつつボスさんに服を着てもらう。状況説明した時のボスさんの絶望顔はやばかった。この人ただでさえ顔色悪いのに瞳の奥がさらに暗くなった気がしたもの…

「この医者このままウチ所属にする手続きしとけ」
「……は?」
「仰せの通りに!」
ボスさんがそれだけ言って出て行ったのを、私は呆然と眺めていた。
「え……いや、え…?」
「まーボスもオレらもこれから症状()出る可能性が無きしにもあらずっつーか」
「事情知ってて経過診れるやついんならそれに越したことねーしな」
「マイキー直々の任命だ喜べ」
「……………えっ?????」
「給料弾むぜウチは」
「裏切ったらスクラップだけどな」
「「「ようこそ梵天へ」」」




「………………えっ」
















◇◇◇


☆梵天の闇医者デビュー夢主
闇医者と言いつつ、ほぼほぼドスケベコンテンツの呪いに侵されている梵天関係者と三途のヤク中トリップと銃創と戦うお仕事。医学の通用しないドスケベコンテンツ病に太刀打ちできず(でも何故か収束する)に泣きを見る日々なので、最近は普通の怪我とか銃創とか拷問痕の治療の時に微笑むようになってきた。医学の通用する傷病最高。
梵天の下っ端達からはイカれた闇医者として見られている。

☆灰谷兄弟
夢主拉致った。昔夢主にすごく不器用な手当てをされたことがある。
長年の空白を経てもすぐに夢主に気づいたこととか医者になったことを知ってたこととかは〝そういう〟こと。感染はしなかったが笑い過ぎて腹筋つったしたぶん後日別のドスケベコンテンツ病を発症する。

☆ボス
タイミングが悪くて三途のあれを頭にかぶってしまったが発症には至らなかった。発症する内容がアレ過ぎるのでちゃんと夢主の健診を受け続けて言われるがまましていった結果だんだん顔色がよくなっていく。でもたぶん後日なんらかのドスケベコンテンツ病を発症する。

☆三途
今回の患者。しばらく幹部連中から距離を置かれる。懲りないのでクスリはやめないが最近飲むクスリの1/3がビタミン剤。クスリをすり替えている夢主に「結構脳内麻薬で補えてるじゃん」と言われていることを知らない。
でもたぶん別のドスケベコンテンツ病を発症する。

☆ドスケベコンテンツの呪い/病
夢主は明石に「ここに必要なのは闇医者じゃなくて祈祷師とか拝み屋さんの類だと思うんですよ…」とバーで呑みながら訴えている。あれは病気じゃなくてきっとバリエーションが豊富なタイプの呪いの一種。


















あまりにもひどいから消すかも
でも下記にオマケ












◇◇◇







夜も深まろうとしている時間。
だというのに扉を派手に蹴り破って侵入してきた拉致加害者前科有り兄弟に組みつかれ、打った背中の痛みに顔を顰めた。
倒れた椅子のキャスターがカラカロと回っている音の合間、成人男性二人分の興奮隠せぬ熱い吐息と衣擦れの音がする。


「あー……はは、すっげカラダあっつ…♡」
「なあセンセ。…興奮してたまんねーんだよ。オレら専属の医者センセーなんだから…カラダ張って治療してくれるよな?」

組みつかれた勢いでシャツのボタンがいくつか飛んだらしく、前開きのシャツと肩まで落ちた白衣ではこの兄弟を前にしてはあまりにもガードが薄い。
人工的な蛍光灯の灯の下、粗暴とも言える勢いで服を乱してくる4本の腕はとても私の腕で抗えるものじゃない。太ももに硬いものが押しつけられてつい声が出そうになった。この状況で声なぞ出そうものなら何やら性的興奮ヒートアップ状態のこの兄弟を煽るだけになる。












まあそれは杞憂に終わったのだけれど。










「ガッ」
「あぐッ」
「……夜分にすいませんね明石さん、鶴蝶さん」
「おう……いやなんつーカッコだよお前」
「そこの頭キマった兄弟に言ってください」
「おうどうするこいつら」
「そこの寝台に拘束しといてください。気絶してる間に生理食塩水点滴して代謝促します。…心臓動いてます?」
「動いてる」
「じゃこっちに置いてください」

投網で捕獲し電気ショックで気絶させるというほぼ野生動物に対する所業で灰谷兄弟を回収したお二人に衣服の乱れを整えながら指示を出す。

「一応聞いときますけど盛られたクスリの現物あります?」
「おう」
「うわ何この蛍光ピンク…よく口に入れようと思ったなあ…」
「酒に混ぜられてたんだと。ハニートラップだかなんだか知らんがこいつらに枕しようだなんて勇気のある女がいたもんだよな」
「ってことは?」
「『即効性の媚薬』らしい」
「わーおとってもドスケベコンテンツ。……成分検査回していっすか」
「おう。ちなみに出どころは洗ってる最中だ」
「おーい拘束これでいいか?」
「これから点滴刺すんでついでに手錠もつけといてくださーい」

「………マジでお祓い考えた方がいいかもなあ」
「ドスケベコンテンツの呪いに関してなら明日は我が身ですよ。明石さんが猫耳生やして壁尻になる前に手配した方がよろしいかと」
「頼むやめてくれ。…どこに頼みゃいいんだ?」
「…多分闇医者ならぬ闇拝み屋探すしかないですね。うさ耳と尻尾の切除オペはもう嫌です私」
「九井の件は忘れてやれ...」

コメント

  • くた
    01:01
  • Peringo

    笑いすぎてやばいくらい笑いましたwwwwwwwがんばれ光医者!!!…闇医者???

    23:18
  • やんよん

    闇(笑)医者www 続き待ってます!!!

    22:49
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