FAQ・用語集
あ行
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ILO
国際労働機関(International Labor Organization)の略称。第1次世界大戦後、国際連盟の機関として設立。第2次世界大戦後、国際連合の専門機関となる。ILOの構成と運営は、労働者、使用者、政府の三者からなり、国連加盟国の労働条件、生活条件引き上げについての基準として条約を定め、条約を批准した国に対して勧告を行うことが任務である。しかし、採択された条約・勧告も各国でそれが適用、法制化されなければ意味がなく、ILOでは適用状況の審査・条約批准促進の仕組みを設け、各国政府はその基準の国内適用について、情報・報告をILO事務局に提出しなければならないとしている。
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アウトソーシング
企業や行政の業務のうち専門的なものについて、それをより得意とする他の企業に外部委託すること。多方面・専門的な人材育成から解放され、業務の効率化がはかられる反面、業務請負業者の多くに違法な労働者供給の傾向も見られ、労使トラブルが頻発している。
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安全・衛生委員会
労働安全衛生法、同施行令、同規則に基づき、業種ごとに常時使用労働者数に応じて最低設置義務が定められている組織。主に労働者の危険防止対策を審議するのが安全委員会であり、主に労働者の健康障害防止対策を審議するのが衛生委員会である。両方の機能を兼ね備えた安全衛生委員会として設置することもできる。委員の半数は労働者の代表でなければならず、毎月1回以上の開催が義務づけられている。
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一部事務組合
普通地方公共団体(都道府県、市町村)または特別区が、その事務の一部を共同して処理するため、これらの地方公共団体を構成員として設立する組合をいい、主に消防、ごみ処理、病院など市町村の区域を越えた広域的な事務処理に活用される。
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エファジャパン
自治労の「アジア子どもの家事業」を引き継いだ国際協力団体。組合員だけでなく、一般市民などのより幅広い参加を得られるよう、2004年にNPO団体として設立し、05年に法人化された。ベトナム、ラオス、カンボジアを中心に、子どもの権利を実現するための取り組みを進めている。
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オルグ活動
オルガナイズ(組織する)の略。職場の人に、組合への加入や、さまざまなイベント・運動への参加を促す活動のことをオルグ活動という。
か行
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教宣
労働組合用語のひとつで、「教育」と「宣伝」を略したもの。組合によってはこの両者の担当を分けているところもある。現在では、広報的な意味が強く、「情報」と「宣伝」を略した「情宣」を用いることも多い。
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広域連合
地方公共団体の組合の1つで、普通地方公共団体または特別区が、その事務で広域的に処理をすることが適当であると認められるものを総合的かつ計画的に処理するため、これらの地方公共団体を構成員として設立する組織のことをいう。
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公社・事業団
公社は地方公共団体が公共事業を行わせる目的で、出資・貸付・債務保証などの方法により設立された法人のこと。一方、事業団も地方公共団体が技術の開発・協力、雇用・労働福祉・共済制度の促進などを目的に出資し設立された団体のことをいう。
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公的サービスの産業化
「骨太方針2015」において、歳出抑制の一環で民間の知恵と資金を活用し、公共サービスを効率化する取り組みとして提起された。
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公務員連絡会
連合官公部門の組織整備として、1992年1月連合官公部門連絡会が発足し、国営企業部会(現業)と公務員部会(非現業)を置き、公務員部会は統一交渉団体として、公務員連絡会を設置した。公務員部会および公務員連絡会構成団体は、自治労、日教組、国公総連、国税労組、税関労組など。
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公務労協
公務公共サービス労働組合協議会の略称。113万人が結集する。構成組織は自治労・日教組・JP労組・国公連合・全水道など。
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国際連帯救援カンパ
NGO(非政府組織)などと協力し、人権・環境・平和などをキーワードに、自治労の国際連帯協力活動の発展継続をめざすため、毎年行われるカンパ。連合が取り組んでいる「愛のカンパ」基金への拠出、「アジア子どもの家」フォローアップ支援、NGOと協力した自治労の国際協力プロジェクトの基金などに使われている。
さ行
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三六(サブロク)協定
労働基準法36条に基づく超過勤務に関する労使間の協定。使用者による一方的な労働時間の延長に対し、労働組合との協定という形で一定の規制を与えたもの。
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3・8国際女性デー
女性の連帯を示す日であり人権と経済的自立を求めた女性解放要求行動の日。パンとバラをシンボルとしており、それぞれ「経済的安定」と「女性の尊厳」を示す。
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春闘(春季生活闘争)
毎年春に各産業の労働組合が経営側に対し、一斉に賃上げ(ベアや定期昇給など)や労働条件の改善を要求する運動のこと。
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嘱託
専門的な能力などを生かして特定の仕事を依頼された、あらかじめ雇用期間や労働条件などが決まっている職員のこと。
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ジェンダー平等
全領域に男女両性が等しく参加し、権利・力を持ち、可視性を持つことをさす。法律上の平等から、さらに進んで事実上の平等実現のため国連が打ち出した戦略がジェンダーの主流化。各国政府、自治体等は、積極的に格差是正等を含め、全政策・施策にジェンダー視点の組み入れが求められている。また現在ある性差別を結果として温存・助長させないため、日常生活の上でジェンダーチェックすることが必要。
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自治研
地方自治研究の略。「労働組合が主体的に、地方行政や自治体政策、公共サービスや自らの仕事のあり方について研究し、実践する」活動のこと。
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人事委員会勧告
地方公務員の給与、その他の勤務条件について中立的専門機関としての人事委員会が調査・研究を行った結果を自治体の議会および首長に対して「報告」、「意見の申出」、「勧告」するものを「人事委員会勧告」と総称して呼ぶ。人事委員会は、人事院と同様の機能をもち、その勧告は人事院勧告の内容を踏まえたものとなっている。
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人事委員会・公平委員会
地方公務員法は、地方公務員の公正な人事権を確保するため、地方公共団体の長その他の任命権者から独立した人事行政機関として、人事委員会あるいは公平委員会を設置するなどしている。人事委員会は人口15万人以上の自治体に設置ができ、選考、給与、公平審査など自治体の専門的な人事行政機関として、都道府県や政令指定都市、東京特別区などに設置されている。
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人事院
国家公務員法に基づき、公務員制度を公正かつ能率的に運用するために設けられている中央人事行政機関。人事院は、内閣の統括のもとに置かれているが、公務員制度への政治の介入を避けるために、高度の独立性が保障されている。
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人事院勧告
国家公務員の給与、勤務時間、その他の勤務条件の改善などに関し、人事院が国会と内閣に対して行う勧告のこと。略して一般的に「人勧」(じんかん)といわれる。人勧の中でも重要なのが給与勧告。公務員は憲法で保障された労働基本権(争議権や団体交渉権など)が制約されているため、その代償措置として人事院が公務員の給与の改定について勧告を行う。その際、公務員と民間の給与を比較し、民間の賃金との適正な均衡を確保することを基本としている(民間準拠)。
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水基本法
水を貿易の商品として取り引きしたり、水道事業を利潤追求の手段とする動きが進んでおり、日本の水道事業もそうした世界のグローバル化の動きに巻き込まれている。自治労は、水基本法の制定を求め、政府・政党に対する働きかけやシンポジウムの開催などの取り組みを継続した。2014年3月27日(第186通常国会)に成立。
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総評(日本労働組合総評議会)
1950年に結成されて以来、1989年に解散されるまで、日本最大のナショナル・センターとして労働運動、反戦・平和運動などを指導した。
た行
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単組(たんそ)
「単位組合」の略語。自治体別(企業別)に組織された労働組合であり、上部団体に加入している。また、単組の規模が大きい場合には、下部機構として支部・分会等を持つことがある。
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ダイバーシティ
多様性。さまざまな違いを尊重して受け入れ、誰もが生きやすい社会(共生社会)の基盤となる考え方。
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地域包括ケアシステム
高齢者にその日常生活圏内で、医療、介護、介護予防、住まいという生活支援サービスのすべてを一体として考え、利用者のニーズにあわせて切れ目のない支援をしていこうというもの。
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地方六団体
全国知事会、全国都道府県議会議長会、全国市長会、全国市議会議長会、全国町村会、全国町村議会議長会の六団体の総称。これらの団体は、地方自治の拡充をめざし、中央と地方のタテの関係に対し、ヨコの関係を支えるネットワークとしてその活動を展開している。
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中央委員会
大会に次ぐ決議機関で、中央委員、特別中央委員、役員で構成する。自治労本部では通常は春闘前の1月下旬、春闘後の5月末に開かれる。大会決議事項の運営や規程の改正、予算の補正等を行う。
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中央行動
春闘、人勧前などの交渉時、日比谷野外音楽堂やその周辺で集会が開かれ、そのあと国会や銀座方面にデモが行われる。
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中労委
中央労働委員会の略。労働組合法に定める不当労働行為救済と労働関係調整法による労働争議の調整を行う機関。構成員は、使用者を代表する者(使用者委員)、労働者を代表する者(労働者委員)及び公益を代表する者(公益委員)の各15人をもって組織する三者構成の機関。労働委員会には地方自治体の機関である都道府県労働委員会と、国の機関である中央労働委員会がある。
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地労委
地方労働委員会の略。都道府県の機関として都道府県ごとに置かれている。使用者委員、労働者委員、公益委員で構成され、その権限は、労働争議の斡旋、調整および仲裁である。
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ディーセントワーク
権利が保護され、十分な収入を生み、適切な社会的保護が供与された生産的で働きがいのある仕事のこと。
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統一行動
労働組合、政党、市民団体などがそれぞれの団体のイデオロギー、立場などの相違をこえて要求を統一して、1つの行動をとることをいう。ただ、自治労の場合には全国統一行動として、中央本部、県本部、各単組が一斉に同じ行動を起こすことを指す場合が多い。
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当局
その時々の政治の枢要な地位にあること、または、その人。労働運動で「当局」というと、賃金や労働条件などの交渉をする相手方の総称。
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トップランナー方式
地方交付税の基準財政需要額の算定基礎となる「単位費用」について、合理化が進んだ自治体の経費水準を反映させるもの。
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同一価値労働同一賃金
異なる職種であっても「同一価値の労働」であれば同一賃金を保障すべきである、として1980年代からILOや国連など国際機関の多くで採用されてきた原則。自治労はこの原則を採用するよう求めている。
は行
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ハラスメント
ハラスメントとは、人格と尊厳を侵害し、職務を遂行する上で一定の不利益を与え、また、就業環境を悪化させることをいう。相手方の意に反する性的な言動によるセクシュアル・ハラスメント、非倫理的な言動によるモラル・ハラスメント、権力や地位などを背景にした不当な言動によるパワー・ハラスメントなどをさす。
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反核・脱原発
自治労の取り組みの主要な課題のひとつ。青森県六ケ所村の核燃サイクル建設反対、福井県敦賀の高速増殖炉「もんじゅ」運転反対のほか、核燃輸送の監視、追跡行動などを各地で市民団体と協働して取り組んでいる。
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PSI(Public Services International)
国際公務労連のこと。世界の国家・地方公務員、公共サービスに従事する労働者を組織する国際産業別組織である。1907年設立、本部はフェルネイ・ボルテール(フランス)にある。自治労は1981年から加盟。日本のPSI加盟組合は、PSI-JC(PSI加盟組合日本協議会)に結集し、「質の高い公共サービス(QPS)」キャンペーンを推進するほか、労働問題や人権に関わる世界的課題にも取り組んでいる。
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PPP/PFI
PPPとは、公共サービスの提供に民間が参画する手法を幅広くとらえた概念で「公民連携」ともいう。PFIとは、公共施設の建設、維持管理・運営について民間の資金、技術的能力を活用し、公共サービスの効率化等をはかる手法のこと。
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不当労働行為
使用者が労働者の団結権、団体交渉権、争議権の三権を侵害する行為。組合活動への参加を理由とする不利益待遇、組合加入を妨げる行為、団体交渉の拒否、組合結成・運営に支配介入することなどがあげられる。労働組合法7条は、不当労働行為を禁止している。
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分限処分
地方公務員法27条2項に基づく処分のこと。同項は、地方公務員の免職、休職、失職、降任といった処分事由・基準を明記したものであるが(例えば刑事事件で起訴されたら休職になるなど)、同時にこの条文に基づかない処分を厳しく禁じるものとも言える。
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ヘイトスピーチ
人種や国籍など、特定の属性を有する集団をおとしめたり、差別や暴力行為をあおったりする発言や表現。
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骨太方針
政権が進める「経済財政運営の基本方針」の略称。首相が議長を務め有識者を交えた、「経済財政諮問会議」でまとめる。2001年、官僚主導ではなく、首相官邸が政治主導で予算をつくるために始まった。
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ホワイトカラー・イグゼンプション
ホワイトカラー・エグゼンプションともいう。直訳すると事務系労働者の適用除外。何から除外されるかというと時間外手当を払う対象から外されるということ。つまり、いくら残業しても残業代が出ないため、事務系労働者が際限ない残業をさせられる危険を含む制度。政府や経済団体はその導入を望んでいるが、労働側は大反対している。
ま行
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メーデー
毎年の5月1日、全世界の労働者が、団結の力と国際連帯の意思を示す統一行動日。1886年5月1日、アメリカ・シカゴで8時間労働制を要求するゼネストを記念し、1889年、第2インターナショナル創立大会で、毎年5月1日を8時間労働制などを要求する「国際労働示威の日」とすることを決定した。現在は社会の安定化にともない、「労働者の祭典」の色彩が強くなった。
ら行
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立憲主義
国家権力の行使は憲法に基づかなければならないという原理。2015年9月に採決された安保法制は、これに反しており、反対運動が大いに盛り上がった。
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連合
正式名称を日本労働組合総連合会という。1989年に結成された日本の労働組合におけるナショナルセンター(全国中央組織)。自治労をはじめ、51の産業別労働組合・約682万人が加盟している。
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労働基本権
憲法28条で保障された労働者の権利で「団結権」「団体交渉権」「団体行動権(争議権)」の3つに区分される。日本の公務員は「争議権」がなく、「団体交渉権」も制約されている。
わ行
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ワーク・ライフ・バランス
仕事をしながら充実した私生活・生き方の実現をめざす考え方。米国では80年代後半以降、企業で仕事と私生活との両立を支援する取り組みが行われ、社員の満足度と業績がともに上がったことが示された。育児休業を中心とし、女性だけを対象にした両立支援策では、男性の働き方を変えることは困難であるため、男性の働き方も含めて生活の質の向上をめざす必要がある。