失業保険の給付は自己都合退職であれば、給付制限期間があって失業手当をもらうまでに3ヶ月ほどかかります。
その間に再就職先がきまればもらえないですし、給付が始まるまでの期間の家賃はどうするんだという課題を抱えている人もいるでしょう。
実は「特定受給資格者」といって、自己都合でも会社都合と同じくすぐに失業給付がもらえる制度があるんです。僕はこの制度をうまく利用して、何度か失業給付を引き出すことができました。
自己都合で失業保険を諦めている人も、これを知っておけばかなりの確率で失業保険がすぐにもらえます。
自己都合退職と会社都合退職の差
知らない人のために念のため説明しておくと、自己都合と会社都合では大きな差があって
- 給付開始のタイミング
- 給付期間
で大きく違います。
まず自己都合退職の場合、給付制限期間があって(基本は3ヶ月)その期間は給付の開始されません。さらに受給日数も違うので受け取れる金額の合計もかなり変わります。
簡単に言えば自己都合だと退職して3ヶ月は失業保険もらえないので、勝手に生活してねってこと。さらに受給期間についても自己都合の受給日数は最大150日。
でも会社都合だとすぐに手続きをすればすぐに受給開始。1ヶ月後にはある程度の金額がもらえるので貯金がなくても生活を続けることができます。しかも受給期間も最大で330日。
あくまで最大なんですが、これは年齢と雇用保険の加入期間で決まります。例えば35歳の人が13年努めた会社を辞めた場合は、
- 会社都合 240日
- 自己都合 120日
なので受け取れる金額は2倍になる。
(総受給金額は「日額×受給日数」)
要するに会社都合で退職する方が、すぐに失業保険もらえて金額もたくさんもらえるよってこと。
自己都合でもすぐに失業保険をもらう方法
自己都合の退職の場合、失業保険がすぐにもらえないのですが、ある条件を満たすと、会社都合と同じ条件で失業保険をもらうことができます。
それは特定受給資格者と言って、やむを得ない理由によって会社を辞めた人を救済するための制度です。
条件については後述しますが、この特定受給資格者に該当すれば失業保険がすぐにもらえ、さらに受給日数も長くなります。
と言うことで特定受給資格者になるための方法をここからはお伝えします。
特定受給者資格者とは
特定受給資格者とは簡単に言うと、自分の意志で仕事を辞めたけれど、実際には辞めざるを得ない止むを得ない理由があった人のことを指します。
具体的には
- パワハラ・セクハラ
- 長時間残業
- 給料が下がった
- 出産・育児・介護
- 住所変更により通勤できなくなった
- 転勤をきっかけに退職
などがあります。これがかなり柔軟な制度で、例えば結婚によって住所が変わり通勤できなくなった場合などでも会社都合と同じように受給が可能です。
この特定受給資格者に該当すると、自己都合の退職であっても
長時間残業とはどのくらい?
まず長時間残業ってどの程度なのかは具体的に決まってます。
- 連続する3か月で45時間
- 1か月で100時間
- 連続する2か月以上の期間の時間外労働を平均して1か月で80時間
のいずれかに該当すればいい。
これは基本的に口頭ベースでいいけれど、できれば提出できる証拠は用意しておくといいと思う。
タイムカードのコピーをとっておいたり、給与明細を保管しておく、あと毎日メモ帳にどのくらい残業したのかをメモっておくだけでもいいはず。
これにはもちろん休日出勤の時間やサービス残業も含まれる。
給料が下がるってのはどの程度下がったのか
給料がどのくらい下がった場合に、会社都合にできるのかというと、85%の未満に下がった場合に受け取れる。
しかも銀行の手帳ベースで見られるので、残業が少なくなって15%収入が落ちた場合にも、特定受給資格者になれるということだ。
会社の業績が悪くなり、残業代が出なくなった会社から退職する場合はほぼこれに該当するのではないだろうか。
証拠を用意しておきましょう
いずれの条件にしても出来る限り証拠を残しておくと話が早く進みます。必ず証拠が必要と言う事はありませんが、あればハローワークでの手続きが早く済みますし、会社が言い訳をして十分な支給を受けられないと言うことも避けられます。
会社に迷惑がかけたくない
たまに会社に迷惑をかけたくないからこの制度を利用しないという人はいます。
というのも、特定受給資格者の話をハローワークでしていると、会社に確認の電話をするという話になることがあります。
古巣の会社に電話がかかっては迷惑かけるかもしれないとか、波風たてたくないという気持ちはわからんではないのですが、その会社は別にあなたの生活を守ってくれるわけでもないし、会社にとっては日常の手続きです。
もう会社のことなんて気にしなくてもいいじゃないですか。失業給付はあなたの権利です。受け取れるものはしっかりと受け取りましょう。