お絵描きで終わる日曜日

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お絵描きで終わる日曜日

休みの日は、やりたいことがたくさんあります。 7:00頃には起きて、なにをして遊ぶか考えます。自分がなにかに夢中になっている様子を想像するとワクワクします。 この日は、お絵描きで遊ぶことに決めました。朝ごはんを食べ、部屋の掃除をしてから、画材を用意します。 画材、なんて言葉で格好つけましたが、紙、鉛筆、色鉛筆、練り消し、定規といった、誰でもすぐに揃えられる物ばかりです。 次に、なにを描くかを決めるのですが、これがなかなか難しい。 なにを描けばいいのか、という問題に、絶対的な正解はありません。 描きたいものを描くのですが、自分がなにを描きたいのか、すぐにはわかりません。 時間をかけて、あれでもない、これでもない、と思いを巡らせながら、本棚にある本を読んだり、やりかけていたパズルを解いたり、曲を聞いたりします。 そんなことをしていると、ふと、なにか思いつきました。 「お?」 「今のはなんだ?」 と少しだけ緊張します。 鳥肌が立つこともあります。 じっと息を潜めて、自分がなにを思いついたのか考えます。 すると、お絵描きの方向性のようなものが見えてきます。 この時点で、お絵描きの9割が終わっていると言っても過言ではありません。 あとは、手を動かすのがほとんどで、思いつく、つまり、発想することと比べれば、あまり頭を使いません。 鉛筆を持ち、ライトを点け、紙の上に線を走らせます。 ネットで検索をして情報を得たり、画像を保存してお手本にしたりします。 夢中になって絵を描いていると、気がついたら数時間経っていた、なんてことはザラにあります。 たいてい、腰の痛みで我に返ります。 絵を描く理由は、自分の発想を形にしたい、単純に手を動かすのが面白い、上達するのが嬉しい、といろいろとありますが、まぁ、一言で言ってしまうと「楽しいから」となります。 逆に、楽しくなくなれば、描くのをやめてしまいます。 この日は、たまたま上手くハマったようで、本当に、一日中お絵描きをしていました。 朝から夕方まで描きっぱなし。 お昼ごはんを食べて、お絵描きをして、気がついたら外が暗くなっているような状態です。 でも、よくあることなので、あまり驚きません。 私は、自分の趣味について、知り合いや職場の人に滅多に話しません。 孤独な人は、自分のプライベートな時間を大切にしています。心の拠り所にしています。誇りに思っています。 なので、もし、もし万が一、自分の趣味を馬鹿にされたら……、否定されたら……、そう思うと、恐ろしくて他人に話すことができなくなるのです。 私も、今ドキドキしながらエッセイを書いておりますが、いずれはお金になるかもしれない、という大変下品な下心をもって気を確かにしています。 お金ほしいですね。 お金があれば、もっとひとりでいられるので。
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