※リメイク前の『機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオン』を先に閲覧することを推奨します。
機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン DX
【きどうせんしがんだむ れんぽうばーさすじおん でらっくす】
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ジャンル
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チームバトルアクション
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対応機種
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アーケード(NAOMI)
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販売元
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バンプレスト
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開発元
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カプコン
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稼働開始日
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2001年9月14日
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判定
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良作
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ガンダムVS.シリーズリンク
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概要
『機動戦士ガンダム 連邦VS.ジオン』(通称:連ジ無印)の続編。基本的なシステムを引き継ぎつつ、前作で問題となっていた点を修正した作品。
名作ガンダムゲーということで大ヒット。若者からサラリーマンまで幅広い層がプレイしていた。
特徴
主な変更点
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新機体の追加。
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連邦側に陸戦型ガンダム、陸戦型ジム、ボールの3機が追加。
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鹵獲(ろかく)モビルスーツの登場。
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前作のそれぞれの陣営のMSのみしか使えないという仕様から変更。どちらの陣営でもすべてのMSを使えるようになった。
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「鹵獲」とは敵軍の装備を奪うという意味。つまり連邦側(が奪ったという設定)のザクや、ジオン側(が奪ったという設定)のガンダムが使えるようになったということである。
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新ステージの追加。
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基本の地上ステージ、重力が小さく滞空時間の長い宇宙ステージ(月面等)に加え、地面が存在せずあらゆる方向へ移動可能な宙域ステージというものが追加された。
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それに伴い使用機体も地上用と宇宙(宙域)用の2種類を選ぶようになった。理由としてはMSの一部に地上専用機と宇宙専用機がある為。
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同シリーズで宙域ステージがあり、使用機体を2種類選べる作品は本作品と『エゥーゴVSティターンズ』のみである。他の作品では宇宙(月面等のため地面はある)で地上専用機を使ったり、足の無い宇宙専用機で地上をホバー移動していたりする(もともと月面等でやっていた)。
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前作で問題となったゲームシステムの調整。
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永久コンボ対策としてダウン値、コンボ補正などを追加。猛威を振るっていた前ステップBRの弱体化。一人プレイ時の相方となる味方CPUへの指令を新しく実装する等々。
評価点
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対戦ツールとしての完成度の高さは秀逸。
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もともとシンプルながら奥の深いシステムは『無印』で確立されていたが、上記の調整によってさらに完成度の高いものとなった。
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本作を語る上で忘れてはならない要素の一つに「接射」というテクニックがある。
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要するに単なる密着状態での射撃なのだが、この「接射」を中心とした読み合いがこのゲームの真髄と言っても過言ではない。
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現在でも本作を最高傑作とする意見は根強い。
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その圧倒的な人気から某雑誌で「ゲームセンターを過疎から救った」と評された程である。
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機体数バランスの改善
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前作は機体数が圧倒的にジオン側に偏っており、連邦側が悲惨な状況だったが、派生機体の追加、鹵獲機体の追加により、かなり改善した。
賛否両論点
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火力が全体的に上昇し、連勝数によるダメージ補正が前作よりも極端になった。
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上級者でも連勝を重ねることが難しくなり、ある程度腕の差があっても勝負になるようになった。
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とはいえ、腕前で勝っているのに補正のせいで負けるのは納得いかないという意見もあり、これには意見も割れている。
問題点
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コスト間のバランスの悪さ。
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各機体を大雑把に分類すると高コスト帯、中コスト帯、低コスト帯の3つに区別できるのだが、高・低コスト帯が強く、中コスト帯が弱すぎる調整がなされてしまっている。
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そのためガチ対戦となると「高低ゲー」と揶揄される状態となり、中コスト帯の機体は完全に蚊帳の外となってしまう。
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コストの数値も細かく分けられている割に総コストに対して組み合わせの自由度が低く、150、160、170の機体や225、250の機体で組み合わせの相手が変わらない。結果高コストと低コストが一番バランスが良いという結果に。
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新要素の宙域ステージ。
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このゲームでは「着地硬直」というのが攻撃を当てる大きなチャンスの一つなのだが、宙域ステージにはそもそも地面が存在しない。当然着地硬直も無いのである。
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一応その点を考慮してか、代わりにブーストを使用した行動後に硬直が発生するようにされているのだが、視覚的に読みがきく着地硬直と違い、ブースト後の硬直を読むのは非常に難しい。そのため意図して攻撃を当てることが難しく、ラッキーヒット狙いの単調な戦闘が延々と続くことになってしまう。
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またその特性上、特定の機体が強機体と化す点も問題。具体的には、至近距離ですれ違いざまに撃つ攻撃判定の大きい射撃が有利で、対戦で連勝すると高確率でハイバーバズーカを担いだガンダムが宙域で乱入してくる。
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鹵獲機体のカラーリングの酷さ
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鹵獲機のカラーはゲームオリジナルのものが使われている。ただ最適化されておらず、手抜きとしか言いようがない(結果的に良かったものもあるが)。
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ジオン量産型鹵獲機は青メインで部分部分が白、連邦量産型鹵獲機は深緑主体でポイントに灰色。鹵獲ジオン機は珍妙な塩梅で、連邦機は半端に灰色が出ない深緑一色の方がマシ。実際、ミリタリー感溢れるカラーリングになった陸戦型ジムなどは一部のファンから高い評価を受けている。
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専用機はより酷く、ジオンはガンダムカラー、連邦は量産型と同じ。トリコロールカラーのジオング、ホビーハイザック風のシャア専用ザクなどは見た目で使用が躊躇される出来。鹵獲ガンダムなどは赤一色、灰一色という手もあるのに、なぜこのカラーリングにしたのか、理解に苦しむ。
総評
前作『無印』の問題点を解決し、正統進化を遂げた本作『DX』によって『vsシリーズ』は今現在も新作が作られるほどの人気シリーズとなった。
問題点にもあるように必ずしも機体バランスがいいとは言えない面もあるが、それを補って有り余るほど高度な技術と戦術を要求されるゲーム性が高い人気の秘訣だと言える。
余談
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実は「世紀末ゲー」と名高いAC北斗の拳並みかそれ以上にバグ(あるいは仕様の穴)利用の小技が多い。
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代表例を挙げていくと、ズンダ、モンキー、SDK、骨折撃ちなど。数え上げたらきりが無いほど。
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そういった小技もテクニックの一つとして容認され戦術に組み込まれているところも北斗と似ている。
機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン DX(移植)
【きどうせんしがんだむ れんぽうばーさすじおん でらっくす】
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対応機種
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プレイステーション2 ドリームキャスト
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発売日
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【PS2】2001年12月6日 【DC】2002年4月11日
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定価
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6,800円
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廉価版
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【PS2】MEGA HITS! 2003年7月3日/4,200円
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判定
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良作
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概要(移植)
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PS2とDC(無印とDXのカップリング)に移植されている。
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アーケード版プラットフォームであるNAOMIとの高い互換性を活かしたことでDC版の方が移植度は高いが、2人プレイに対応してない。
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もっと言ってしまえば、家庭用ならではというモードがマルチマッチングを使った通信対戦モード位しかないが、無印がコンシューマーハードで遊べる唯一のソフトであった。
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その為、モードどうこうではなく、あくまでアーケード版の完全再現および無印の移植に拘る者はDC版という流れが出来上がっていた。
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家庭用版の特典としてアーケードでは敵専用機であるMAが一定条件下で使用可能となっている。
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ミッションモードの追加。(PS2版のみ)
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連邦軍またはジオン軍のMSパイロットとなり一年戦争を戦い抜く。
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ミッション数は両軍共に100程用意されており、ボリュームもある。選択したミッションによっては以降、入手できるMSやミッションが若干変化する。
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ガンダムのビームライフル一発でザクを撃破できるようになる、有名パイロットの乗った機体は攻撃力と耐久力が異常に上がるなどバランスが変化する。
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ミッション毎に使用する機体は自分で選べる場合と用意された機体で戦う場合とがある。前者の場合は、ミッション終了後もダメージが残っており、特にコスト375相当の機体は1度の使用で数ターンは再使用出来なくなるので、複数の機体を使い分ける必要がある。
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他、新機体のテストという名目で新型MSを操作できる低難易度のミッションや、アムロらと一緒に戦う原作を再現したミッション、原作とは逆にジオン軍のパイロットと協力してガンダムと戦うミッションなど、ミッション毎に様々な趣向が凝らされており、アーケードモードとはまた違った感覚で楽しめる。
余談(移植)
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現行機種への移植が困難
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本作をPS5、Xbox Series X、Steamといった現行機種でプレイしたいファンがいるが、カプコン開発かつ版権の問題があるため、移植が困難になっている。
最終更新:2020年11月23日 08:56