スマートフォンやタブレットの需要が増えて以降、Wi-Fiを使用する機会も大幅に増加しています。LANケーブルが必要ないので、室内の移動がとても楽になりました。有線LANと比べて導入の手間とコストもかからないことから、企業での需要も増えています。

そこで重要になってくるのがWi-Fiのセキュリティです。これを疎かにしていると情報漏えいやウイルス感染のリスクが高まります。今回は、外部からの脅威に対してどのようなセキュリティ対策を取ればいいのか、その具体的な方法について解説していきます。

通信機器のセキュリティ対策は大丈夫?街の声を聞いてみた!

実際にどのくらいの人が、パソコンやスマホなどのセキュリティ対策をしているのでしょうか?100名の社会人を対象にアンケートを実施しました。

【質問】
お使いのパソコンやスマホはセキュリティ対策をしていますか?

【回答結果】
はい:88
いいえ:12


調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 - 29 30 - 39 40 - 49 50 - 59 60 【職業】パート・アルバイト 個人事業主 公務員 正社員 派遣社員 経営者
調査期間:2017年07月11日~2017年07月18日
有効回答数:100サンプル

セキュリティに対する意識は高い!

アンケートの結果、9割弱の人が使用中のパソコンやスマホなどのセキュリティ対策を行っているとのことでした。

・ウイルス対策ソフトを入れていて、常に自動アップデートしている。(40代/正社員/男性)
・定期的にパスワードを変更して、セキュリティ対策をしています。(40代/正社員/男性)

実施しているセキュリティ対策で一番多かったのは、ウイルス対策ソフトを入れているという回答でした。それでは「いいえ」の回答も見てみましょう。

・セキュリティ対策と言っても何をすればいいのかわからないからしていない。(40代/正社員/男性)

「いいえ」で多かったのは、どのような対策を取ればいいのかわからないという回答です。これまで問題がなかったため、対策をしていない人もいるようですね。

「いいえ」の回答のなかには、外に持ち出さないので安全だと思っている人もいました。実際は自宅でも外出先でも、Wi-Fiのセキュリティ対策の重要性には変わりがありません。今まで問題がなかったからといってセキュリティ対策をしないのはとても危険です。そこで、Wi-Fiのセキュリティに関して具体的に解説をしていきます。

種類別!Wi-Fiのセキュリティ強度

Wi-Fiには3種類のセキュリティ強度が存在します。最初に登場した暗号方法がWEPで、暗号化するためにRC4という暗号化アルゴリズムを使用しています。しかし、WEPが登場して間もなく、簡単に暗号解析ができてしまうというセキュリティ上の脆弱性が見つかりました。これを解消するために策定されたのがWPAという暗号方法です。暗号化方式にはWEPを複雑化したTKIPを用いていますが、やはりセキュリティ面での脆弱性が発見されています。

そこで、WPAのセキュリティをさらに強化するためにWPA2が生まれました。暗号化方式にはCCMPが採用されています。TKIPの自動暗号化キー変更が一定時間置きであるのに対し、CCMPは通信中でも自動暗号化キーを変更することができるため、暗号化方式のなかでは最もセキュリティが強固です。

また、CCMPはAESという暗号化アルゴリズムを基に、無線LAN用に調整した暗号化方式なのですが、AESのほうが知名度が高いため、表記としてAESがよく使われます。通信プロトコルと暗号化方式のセキュリティの組み合わせは、WEP、WPA-TKIP、WPA2-TKIP、WPA-AES、WPA2-AESの順に高くなっていくというわけです。

Wi-Fiのセキュリティを確認してみよう

Windowsパソコンの場合は「ネットワークと共有センターを開く」→「アダプターの設定の変更」→Wi-Fiアイコン→「ワイヤレスネットワークのプロパティ」→「セキュリティ」の順にクリックしていくとWi-Fiセキュリティの状況を確認することができます。Macの場合は、すでにWi-Fi設定が済んでいるのであれば画面右上にWi-Fiマークが出ているのでそこをクリックしましょう。

「ネットワーク環境設定を開く」から「詳細」に入れば、ネットワーク名とセキュリティ強度を確認できます。スマートフォンでもWi-Fiセキュリティ強度を調べるのは簡単です。Androidの場合は、設定画面から「Wi-Fi」をタップ、確認したいWi-FiのSSIDをタップしてパスワードを入力すると確認可能です。iPhoneの場合はWi-Fiを設定する際に認証方式と暗号化の種類を設定するようになっていますAppleで推奨しているのはWPA2パーソナル(AES)、その次がWPA/WPA2モードで、これ以外の種類になっている場合はセキュリティに関する勧告が表示されるケースがあります。

セキュリティ強化する2つのポイント

Wi-Fiのセキュリティを強化する主なポイントは2つです。まずはネットワークに接続する際のパスワードを複雑にすること。単純な数字やアルファベットの羅列は簡単に解読されるおそれがあります。パスワードは定期的に変更するとさらに安全性が高まります。自動生成ツールを利用すると簡単にパスワードを生成できるほか、ExcelのRANDBETWEEN関数でもパスワードを自動生成することが可能です。

もうひとつのポイントは、アンケート結果でも多く見られたセキュリティソフトの導入です。不正アクセスがあったりそのほか不審な点が見つかった場合に警告を表示してくれます。有料のセキュリティソフトを使用するのが安心ですが、スマートフォンの場合は無料でも高品質のソフトが出ていますので、ぜひ使用するようにしてください。

知っておきたい!公衆Wi-Fi利用時の心得

カフェやレストランなどで使うことのできる公衆無線LANは、出先や海外などで利用する際に便利です。しかし、公衆無線LANは誰でもアクセスすることが可能なため、その分だけ通信情報を盗聴されたり公衆無線LANを通じて使用しているデバイスに入り込まれたりなどのリスクがあります。空港や駅など公共施設の無線LANであっても、安心とは言い切れません。

特にパスワード入力の必要がない「野良Wi-Fi」は、誰でも簡単に使用できるためとても危険です。特に仕事で使う通信機器は接続しないようにしてください。プライベートで使用するにしても、情報を抜き取るための不正アクセスポイントである可能性がありおすすめできません。公衆無線LANを使用する場合は、必ず暗号化レベルを確認するようにして、セキュリティレベルが低いようなら使用は控えるようにしましょう。

まとめ

Wi-Fiのネットワーク名や通信プロトコル、暗号化方式の名称はアルファベットの羅列であるため、一見ややこしくて難しい印象を与えます。しかし、これらは正式名称の略語なので、一度理解すればさほど難しくはありません。特に企業の情報システムを預かる立場であれば、これらの情報は必須の知識です。ぜひWi-Fiセキュリティに関する知識を深めて、企業のセキュリティ対策に役立ててください。

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