自販機売り上げ、すべて子ども食堂に 高校生考案の「じーはん募金」
売り上げはすべて、子ども食堂の支援へ。そんな自動販売機が、兵庫県姫路市のスーパー2カ所に登場した。市内の高校生のアイデアに、大手飲料メーカーとスーパーの運営会社が協力し、実現した。
自販機を利用した募金「じーはん募金」は、市立飾磨高校3年の市川美保さん(17)が発案した。昨年、授業の中でSDGsに関連して目標達成のアイデアを生徒一人ずつが考えることに。市川さんは「貧困をなくそう」「すべての人に健康と福祉を」という目標達成のため、自販機を利用した子ども食堂への募金を思いついた。
これが「播磨まちづくりアイデアコンテスト」(一般社団法人播磨ひとづくりコンソーシアム主催)で注目され、この夏の「ひめじSDGsまちづくりプロジェクト」の一つに選ばれた。プレゼンテーションを経て、キリンビバレッジと、市内でスーパー「ボンマルシェ」などを運営する「銀ビルストアー」が協力することになった。
銀ビルはボンマルシェの英賀保店と白浜店に設置したキリンの自販機2台の売上金全額を、子ども食堂支援を掲げる自治体に「企業版ふるさと納税」として寄付。自治体は寄付金で地元特産の食材を買い上げ、その食材を姫路市内の子ども食堂に提供する形で支援する。特産品を提供することで、その自治体のPR、知名度アップにつながる面もある。
市川さんは白浜店の自販機のお披露目に立ち会った。「実現すると思っていなかったので、びっくり。たくさんの方の協力あってこそだと思う。コロナ禍で収入が減っている家族もいる。子どもたちに食堂に来てもらって元気づけられたらいいです」と話した。(滝川直広)