2021年ウェブ解析士(日本語)テキスト

1. はじめに

本テキストについて

本書は、2021年日本語のウェブ解析士認定試験の公式テキストです。2020年以前のテキストは最新の認定試験に準拠していないので、2021年に認定試験を受験する方は、必ず本書で学習を進めてください。

ウェブ解析士協会

ウェブ解析士協会

事業を成果に導くウェブ解析を広く学ぶ機会の創出、研究開発、関心を持つ人たちの交流促進、就業およびビジネスマッチング機会の創造、情報流通促進により、ウェブ解析の発展的存続によるウェブ解析を通じての産業振興や、ウェブ解析に関する社会教育を推進しています。

「ウェブ解析士認定資格」とは?

「ウェブ解析」とは、ウェブサイトを軸にしてデジタル端末などにおける定量的・定性的な行動データの解析からユーザーを理解し、事業の成果に貢献する技術です。単なるアクセス解析の知識にとどまらず、マーケティングの広い知識、観測すべきKPIの設定、事業に則した現状分析および目標を達成するための計画立案など、多岐にわたる能力が求められています。これを総合的に評価して、認定しているのが「ウェブ解析士認定試験」です。2020年までで 38,000人を超える受験者がいます。

ウェブ解析士認定資格には、「ウェブ解析士」「上級ウェブ解析士」「ウェブ解析士マスター」があります。実務資格なので、実務において企業に貢献できる人材として、プロフェッショナルであることやモラルを守ることが求められます。

ウェブ解析士

ウェブ解析ツールのデータやレポートを読んで正しい判断ができる人材になることを目的とした資格です。あらゆる最新の技術、データをもとにユーザーを理解し、事業の成果に貢献することが求められます。試験とレポートで認定となります。

上級ウェブ解析士

実務の解析分析に基づき、事業のコンサルティングが行える人材になることを目的とした資格です。事業の成果につなげるための本質的なウェブマーケティング計画を立案し、レポートを作成し、コンサルティングを行うことが求められます。計画立案とレポートと企画提案で認定となります。

ウェブ解析士マスター

ウェブ解析士を指導、育成できるスキルを持った人材になることを目的とした資格です。ウェブ解析士認定講座の講師・企画運営ができることに加え、高度なウェブ解析とレポート能力が求められます。ウェブ解析士講座の講師実技試験に加え、事業の成果につながるマクロ解析レポート、ユーザーの満足度を高めるミクロ解析レポートの2つの試験に合格をすることが求められます。また、認定にはカリキュラムレポートと独自講座開設が必要です。

2021年版(第12版)刊行に寄せて

デジタルマーケティングの重要性が高まる中で、マーケティングの計画と実行におけるインターネットの重要性も年々上昇しています。電通の調査によると、2019年のインターネット広告費(媒体費+広告制作費)は2兆1048億円であり、全広告費の30.3%の構成比となっています。また、インターネット広告費の対前年比は119.7%と2桁の伸び率となっており、主要4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)広告の前年比が96.6%にとどまる中で、その成長性が際立っています。そして、2019年はインターネット広告費がはじめてテレビメディア広告費を上回る年となりました(2019年日本の広告費)。また、経済産業省の調査によると、2019年の消費者向けネット通販の市場規模は前年比7.7%増の19.36兆円に達しています(令和元年度電子商取引に関する市場調査)。また、物販の総売上金額に占めるネット通販売上の比率も6.76%に達しています。

このように、製品やサービスの広告・販売促進を行うメディアとしても、それらを販売するためのチャネルとしても、マーケティングにおけるインターネットの存在感は大きく向上し続けています。マーケティングの視点からメディアやチャネルとしてのインターネットを捉えると、いくつかの大きな利点を有していることがわかります。企業と消費者の間で情報をやり取りできるという情報の双方向性や、情報流通のためのコストの低さなどはインターネットの大きなメリットです。また、これら以外の大きな利点の1つとして、マーケティング施策の効果測定が容易であることが挙げられます。インターネットの世界では、特定のウェブサイトにどのくらいの人が訪問したのか、それらの人たちはどのような検索ワードを利用してそのサイトにたどり着いたのか、ウェブサイト内のページがどのように閲覧され、商品やサービスがどのように購入されたのかといった、さまざまな数値を捕捉することができます。これらの数値を利用すると、実施したマーケティング施策と得られた成果との関係を把握することが可能になります。

インターネットのこのような利点を活用するためには、得られたデータを適切な方法で解析することが必要となります。上述したようなさまざまなデータを解析するウェブ解析は、マーケティングにおいてインターネットを有効に利用するためには不可欠ですが、これまで初心者にもわかりやすく、体系的にまとめられたテキストはありませんでした。

本書は、ウェブに関する基礎的な知識を必要とする方が、ウェブ解析士になることを目指してウェブ解析を学ぶために作られています。今回改定された新しい版では、全体の構成を見直すとともに、それぞれのセクションについての改定が行われ、さらに充実した内容になりました。ウェブ解析に関心を持つ多くの方々に利用していただけると幸いです。

2020年12月

早稲田大学商学学術院教授 守口 剛

(本書監修者)

混沌とするウェブの世界から一歩を踏み出そう!

今年も「ウェブ解析士」に関する最新情報をお届けします。ますます進化しているウェブの世界。ウェブ解析士は、サイト改善だけでなくビジネスモデルも念頭に置きながら、すべてのサイトマスターの課題解決に立ち向かうプロフェッショナルとして活動していきます。

このテキストは、ウェブの世界を2020年の12月のある時点で水平に切り取ったナレッジです。こんなに幅広く切り取ったナレッジは他にありません。だから、あなたは勉強を急がねばなりません。この本を手に入れたときから、内容がどんどん陳腐化していくからです。

初めての方には、数値の見方や考え方などをできるだけやさしく解説しています。一方で、本書は認定試験の公式テキストでもあります。すでにウェブ解析士の資格を取得した方々のためには、最新知識を補完する役目も担っています。

このテキストを土台にして、あなたのウェブに関する知識を整理してください。混沌とするウェブの世界から一歩抜け出すために。今回から、デジタル化推進のために、PDFなどによる提供となりました。

ウェブ解析士の取得を目指すみなさんへ

無料で使えるGoogleアナリティクスは、高機能で有料ツールと肩を並べるほど優秀なツールです。一度設定すると、たくさんの情報を得ることができます。でも、その数字の意味を理解しないとほとんど役に立ちません。大切なのは、その数字をいかに事業の成果に結び付けるかです。成果とは、単純に訪問客を増やすことではありません。そのサイトの目標(成果)を達成しなければ意味がなく、データから課題を発見し、具体的な改善行動に結び付けることです。初めてウェブ解析を学ばれる方は、本書をていねいに読み進めてください。ゆっくりで構いません。本書は、上級ウェブ解析士のテキストも兼ねているために厚みがありますが、ウェブ解析士が学ぶべきポイントがわかりやすく強調されています。ビジネスの世界で、ウェブに関する明解な知見を取得することで、あなたのプレゼンスを高めることができるでしょう。

ウェブ解析士のみなさんへ

上級ウェブ解析士を目指してください。あなたは、すでにウェブ解析の基礎は身に付いています。職場においても、あなたの次なるステップを期待しているはずです。踏み出しましょう。上級ウェブ解析士は、ウェブマーケティングのプロフェッショナルとして高い注目を浴びています。複雑なビジネスモデルを紐解いて、課題解決のためにさまざま手法を用いて取り組むことができます。そのノウハウを学んでください。

上級ウェブ解析士のみなさんへ

すでに上級ウェブ解析士として、十分ご活躍されていることでしょう。しかし、進化し続けるウェブの世界に追いついているのか疑問に思ったことはありませんか。正解のないビジネスの課題に対して、どう対処していいのか悩んだことはありませんか。当然です。どこにも正しい答えはありません。徹底的に考え抜くしか方法はありません。しかし上級ウェブ解析士なら、いままでに学んだナレッジからヒントをつかめるはずです。

ウェブ解析士マスターのみなさんへ

厳しいトレーニングをクリアし、ウェブ解析士マスターになられた今、次なる高みに挑んでください。教わることから、教えることにも軸足を移してみてください。本書がその基本の書となります。自らが手本を示すことはもちろん、正しい倫理観を持ったウェブ解析士の育成に力を貸してください。

本書が、ウェブ解析士の存在価値を高める役目を後押しすることを願っております。

2020年12月

一般社団法人ウェブ解析士協会 理事 亀井 耕二

一般社団法人ウェブ解析士協会

スマートフォンの普及は消費者の行動に大きな変革をもたらし、あらゆる企業がウェブマーケティング活動に取り組む重要性が高まりました。2010年に立ち上がったウェブ解析士協会は、地域や規模に関係なく、多種多様な企業がデジタルマーケティングを活用できるように、「Web解析士」ではなく、カタカナの「ウェブ解析士」としました。この想いに賛同いただいた多くの方々や企業とともに運営されてきた組織です。

テキストのデジタル化の背景

昨今のデジタルトランスフォーメーション(DX)の影響や必要性の拡大により、内容が大幅に拡大しました。カリキュラム部およびウェブ解析士カリキュラム委員会では、実務で有用な人材を育成するためには、最新の幅広い知識を学ぶ必要があると判断し、改訂執筆を進めてきました。当方針に沿って進めていくにあたり、内容が増えたことで印刷した際の持ち運びや可読性の面での利用が難しくなりました。加えて、最新の情報を掲載しても画面の変更が起きたり、鮮度の古い情報が内包されてしまうことも考えられました。

また、義務教育においてもタブレットやパソコンを活用したデジタル化が進んでいます。SDGsに掲げられている15番目の目標「陸の豊かさも守ろう」という視点でも、森林の減少が問題視されています。私たちにできることは、紙やインクの消費を必要最小限に抑えることです。

会員の負担を最小限にすることと、適宜内容を刷新にできること、持続可能な開発目標にのっとることを実現するためにデジタル出版物に至りました。

協会概要

当協会の認定講座は、「日本 Webデザイナーズ協会」(現・日本Web協会)のリサーチ&ウェブ解析委員会が展開する認定資格講座でした。ウェブデザインを事業の成果に貢献するものと位置付けたとき、ウェブ解析が企業にとって必要不可欠なものとなっていたことが理由です。そして、ウェブ解析の効果と期待が拡大する中、2012年4月に一般社団法人ウェブ解析士協会が設立されました。その後、ウェブ解析士協会は、認定資格講座の運営だけではなく、書籍出版やセミナーなどを通して、ウェブ解析士の育成や交流や就業、事業の機会を提供しています。

表:協会概要

団体名称

一般社団法人ウェブ解析士協会

英語表記

Web Analytics Consultants Association(略称:WACA)

代表理事

江尻俊章

所在地

日本オフィス

〒160-0023

東京都新宿区 西新宿8-14-19 西新宿STビル3階

シンガポールオフィス

Work Central Singapore Shopping Centre, 190 Clemenceau Avenue, 06-01,

Singapore 239924

連絡先

03-6908-6404

URL

<https://www.waca.associates/jp>

事業内容

ウェブ解析による企業の事業支援

ウェブ解析士の地位向上・活性化

ウェブ解析士の資格認定

一般・専門家による新カリキュラムの開発

※2020年11月25日現在

ウェブ解析士の種類

ウェブ解析士には、次の3つの資格があります。スキルが高い人を認定する資格試験ではなく、事業の成果に貢献できる人材の育成を目的としています。

ウェブ解析士(WAC:Web Analytics Consultant)

ウェブ解析ツールのデータやレポートから、正しい判断ができる人材になることを目的とした資格です。進化の早いデジタルマーケティング市場において、データをもとにユーザーの心理を理解し、事業の成果に貢献する行動を提案できるための基本的知識が求められます。試験とレポートの合格基準を満たすことで資格取得となります。

上級ウェブ解析士(SWAC:Senior Web Analytics Consultant)

実務の解析にもとづいて、事業のコンサルティングが行える人材になることを目的とした資格です。事業の成果につなげるための本質的なウェブマーケティング計画の立案、レポート作成、コンサルティングを行うことが求められます。講座受講による規定単位の取得、戦略立案、デジタルマーケティング計画立案と改善レポートの合格基準を満たすことで、資格取得となります。

ウェブ解析士マスター(WAM:Web Analytics Master)

ウェブ解析士、上級ウェブ解析士を指導、育成できるスキルを持った人材になることを目的とした資格です。ウェブ解析士認定講座の講師および自身の強みを活かした講座設計・企画運営ができることに加え、高度なウェブ解析とレポート作成能力が求められます。マクロ解析レポート、ミクロ解析レポート、実技試験、公開講座開催、認定講座開催の合格基準を満たすことで資格取得となります。

講座・試験

各資格における試験と講座のほか、スキルアップを目的としたさまざまな講座や試験があります。

ウェブ解析士認定講座・試験

ウェブ解析士認定講座では、公式テキストをもとに、グループワーク形式の演習問題を通して、ウェブ解析の知識や考え方を身に付けることができます。ウェブ解析士認定試験は、60分60問でパソコンにて受験できます(英語版は80分60問)。

ウェブ解析士認定試験に合格した方は、ウェブ解析士認定レポートを作成し、提出する必要があります。

表:ウェブ解析士認定講座・試験の費用

講座・試験種別

費用

ウェブ解析士認定講座

10,000円(税別)

*主催者講師により時間や金額が異なります。

ウェブ解析士認定試験

16,000円(税別)

ウェブ解析士認定試験(再試験)

11,000円(税別)

上級ウェブ解析士認定講座・試験

ウェブ解析士の認定を受けた正会員は、上級ウェブ解析士認定資格講座を受講することができます。上級ウェブ解析士の認定には、認定講座を受講して必要な単位を取得し、課題・試験に合格する必要があります。上級ウェブ解析士は、講座だけ、または課題・試験だけを受けることはできません(再試験を除きます)。

講座では、あらかじめ定められた期間内に必要な単位を取得する必要があります。また、次のような3つの課題と修了試験があります。

  • 講座前に提出する「事前課題」
  • 講座の途中で提出する「中間課題」
  • 講座単位取得後に提出する「修了レポート」

必要な単位を取得した上で、これらの課題と修了レポートの合計点で合否が判定されます。なお、必要な単位を取得していない、課題のうちの1つでも未提出がある、修了試験が最低点に満たないという場合は不合格になります。

表:上級ウェブ解析士認定講座・試験の費用

講座・試験種別

費用

上級ウェブ解析士認定講座(試験含む)

80,000円(税別)

*主催者講師により時間や金額が異なります。

上級ウェブ解析士認定講座(再試験)

各10,000円(税別)

事前課題

修了レポート

修了試験

上記の一部の再試験を求められることがあります。

ウェブ解析士マスター認定講座・試験

上級ウェブ解析士認定者の正会員は、ウェブ解析士マスター認定資格講座を受講することができます。ウェブ解析士マスターに認定されるためには、次の課題に合格する必要があります。

  • マクロ解析レポート
  • ミクロ解析レポート
  • 講義実技試験(ウェブ解析士認定講座・上級ウェブ解析士認定講座・Googleアナリティクス講座・上級Googleアナリティクス講座)

また、ウェブ解析士マスターには、高いスキルを担保するために、下記維持条件があります。

  • 独自講座実施報告
  • カリキュラムレポートの提出

公開講座の実施

月1回、計4日間の基本講座(動画講座含む)で教えるスキルを学びながら、2日間x2コース、合計4日間の解析レポート講座にてコンサルタントとしてのプロフェッショナルなレポーティングを求められる講座となっています。

表:ウェブ解析士マスター認定講座・試験の費用

講座・試験種別

費用

ウェブ解析士マスター認定講座

マクロ解析レポートコース(試験含む)

100,000円(税別)

*講座費用、受験費用および認定費用を含みます。

ウェブ解析士マスター認定講座

ミクロ解析レポートコース(試験含む)

100,000円(税別)

*講座費用、受験費用および認定費用を含みます。

ウェブ解析士マスター認定講座

講師養成コース(試験含む)

200,000円(税別)

*講座費用、受験費用および認定費用を含みます。

ウェブ解析士マスター認定講座(再試験)

各30,000円(税別)

*1期あたりの金額です。

エキスパート講座

上級ウェブ解析士以上を基本対象とした、ウェブ解析で利用されるフレームワークやツール、サービスに関わる講座です。ウェブ解析士協会の認定を受けることで、呼称利用の権利が得られる講座もあります。

公開講座

会員・非会員を問わず、どなたでも参加可能な講座です。ウェブ解析を実践する上で知っておきたい周辺知識を学ぶものや、コンサルティングを体験できるものなどがあります。

他言語でウェブ解析士を取得する

ウェブ解析士には、英語版の講座・試験があります。内容は基本的には日本版と同じですが、英語版の認定を受けるためには、英語版の認定試験に合格してレポートを提出する必要があります。制度や受験費用は、地域によって割り引きや特典などがあるため、WACA事務局にご確認ください。

表:英語版の資格名称・講座・試験内容

コース

種別

費用(USD)

WAC

講座

100

テキスト

60

入会金

100

年会費

100

再試験

110

SWAC

講座・テキスト・試験

800

再試験

200

WAM

講座・試験

3,000

再試験

600

WAC GAレポーティング

講座

200

SWAC GAレポーティング

講座

400

ウェブ解析士協会 会員制度

ウェブ解析士の資格維持には、正会員であることが求められます。ウェブ解析士が常に最新のスキルを持っていることを担保し、企業のビジネスに貢献することを推進することを目的としています。会員種別には、正会員と法人会員があります。ウェブ解析士の認定者を名乗るためには、正会員または法人会員としてウェブ解析士協会に登録されていることが必須となります。

正会員(個人会員)

ウェブ解析士認定試験に合格後、正会員になります。なお、ウェブ解析士の資格を持たない個人も入会金を支払い、届け出をすることで正会員になることができます。ただし、メンバーシップ委員会の審査で入会ができない場合があります。

正会員になると、ウェブ解析士認定試験を一度受験することができます。初年度(初めてウェブ解析士認定を受けた年)は、年会費の支払いはありません。翌年以降から資格を更新するためには、年会費の支払いが発生します。会費は6,000円(税別)です。更新は、認定日にかかわらず毎年末となります。

1月~ 10月に入会された方

資格取得年度は、年会費無料となります。次年度(入会翌年の1月1日)より、年会費が発生します。

11月~ 12月に入会された方

初年度および次年度(~翌年12月31日)は年会費無料となります。次々年度(入会翌々年の1月1日)より、年会費が発生します。

法人会員

企業が法人会員として規約に同意の上、ウェブ解析士協会への登録を行い、法人会費を支払うことによって、同企業が登録したウェブ解析士は、正会員としての更新および年会費の支払いを行わなくても、ウェブ解析士法人子会員となり、ウェブ解析士協会の会員として活動が可能になります。なお、法人子会員になるウェブ解析士は、法人が子会員として認めれば、社員や出向などの雇用形態の制限はありません。また、法人会員が指名した人は、ウェブ解析士の資格がなくても会員となることができます。試験は法人会員の割引を受けることができます。法人会員になると、その企業内にウェブ解析士マスター(講師)の資格を保有する社員がいない場合でも、ウェブ解析士認定講座試験の自主開催が可能になります。

なお、法人会員にはA会員とB会員がありましたが、2021年版のテキストがデジタル化になるとともにB会員の制度が適用される形で統一されました。

学校法人会員

学校法人会員になると、授業で利用するテキスト購入、テスト、認定試験を半額で利用できます。また、試験を2回受けることができます。ウェブ解析士を取得した学生(学校法人子会員といいます)は在籍中、年会費の支払い、フォローアップテストは免除となります。学校法人会員になることができる対象は、学校に限らず、学部・ゼミ・民間企業も含まれます。卒業まで学生の管理を学校法人会員が責任を持って行います。学校法人会員の登録は、現在入会金年会費は無料となっています。詳しくは事務局にご相談ください。

ウェブ解析士協会組織

ウェブ解析士協会のすべての活動は、会員による自治で成り立っています。事務局は、この会員活動を補佐することを役割としています。

図:ウェブ解析士協会組織図

図:ウェブ解析士協会組織図

事務部

事務局と研究会で成り立っています。事務局は、ウェブ解析士協会の会員活動を補佐することを役割としています。研究会は、非会員含め誰でも参加できます。地域創生、HR、セミナー企画など、特定のテーマに興味関心がある人が集まって研究する組織です。会員以外の専門家が研究員として常時活動することも可能です。自立・独立採算を目指す組織として目標を設定し、協会による支援により1~3年以内に目標を達成することを目指しています。

カリキュラム部

ウェブ解析士カリキュラム委員会、上級ウェブ解析士カリキュラム委員会、ウェブ解析士マスターカリキュラム委員会で成り立っています。ウェブ解析士協会の活動を組織的に支援します。各委員会には、委員長と常任委員と委員および参加者で構成されます。テキスト、問題集、講座、セミナー、運営などの役割を担っています。参加は任意で、複数参加することも可能です。また、委員として活動するには、月1回委員会会議への参加が必須となります。

会員部

ウェブ解析士協会では、全国7カ所(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄)の支部を設置しています。各支部は、ウェブ解析士協会の支援のもと、地域のウェブ解析士の活動支援と企業への貢献活動を行います。所属する支部は自由に決められます。

ブランディング部

ウェブ解析士のブランドを高める業務と、より質の高い教育を提供するカリキュラムを改善する業務を担っています。実務においても執筆などの作品においても、ひとりひとりのウェブ解析士が尊敬され、信頼される存在になることを目的に活動しています。このブランディング部は、トリプルメディア委員会と事業支援委員会で成り立っています。

トリプルメディア委員会は、ソーシャルメディア、広告、ウェブサイトの構築、運用、制作を担っています。またペイドメディアなどそれぞれメディアごとのミーティングを行い、実務ではテストを行うことが難しい実験的な活動を行うこともあります。

事業支援委員会は、企業からのマーケティングの相談を承る業務の支援と、企業の要望に応じた人材を紹介する事業を担っています。実務経験のある人材を協会として責任を持って紹介します。

ウェブ解析士協会への名簿と実績登録

ウェブ解析士協会サイトでは、正会員の名簿を公開しています。実績登録はウェブ解析に限らず、業職種や分野別に登録することができます。この名簿から、各企業の相談を受け付けています。あなたのスキルを必要とする企業からの相談を受ける機会です。ぜひご活用ください。

ウェブ解析士名簿 <https://www.waca.associates/jp/member/>

図:ウェブ解析士名簿

図:ウェブ解析士名簿

ここから、資格種別、都道府県、実績のある業種、提供サービスなど、さまざまな条件で、自分の希望に合った解析士を探すことができます。

図:この条件で検索後の画面

図:この条件で検索後の画面

名簿と実績登録は、ウェブ解析士協会サイトにあるマイページ登録情報の編集から行うことができます。ウェブ解析士正会員は、登録を進めましょう。

資格の維持、および降格・失効条件

正会員としてウェブ解析士の資格を維持するためには、一定条件を満たす必要があります。

資格維持条件

ウェブ解析士は、次の資格維持条件を満たすことで資格維持ができます。

  • 各資格のフォローアップテストに合格すること
  • 法人会員もしくは正会員として年会費を支払うこと

ただし、合格した初年度、上位の資格に合格した方はフォローアップテストを受験する必要はありません。

降格・失効条件

ウェブ解析士は、次のような理由により、資格の降格・失効をすることがあります。降格・失効した場合は、その後、ウェブ解析士として活動することができません。

  • ウェブ解析士の行動規範に抵触する活動が確認できた場合
  • 定められた資格維持条件を期間内に満たしていない場合
  • 理事会およびメンバーシップ委員会で決定された場合
  • その他公序良俗に反する行動があった場合

資格の復帰制度は、原則としてありません。再度資格を取得するには、ウェブ解析士から認定を受け直す必要があります。常に新しい知識が求められる業務であるため、最新知識を基本から学ぶことが求められるからです。