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（百音）今日　私がご提案する新事業のアイデアは…。
「あなたの町の気象予報士全国津々浦々計画」です。
お願いします。モネ　あなた何を始めるの？
♪～
♪「ヤジロベエみたいな正しさだ」
♪「今この景色の全てが」
♪「笑ってくれるわけじゃないけど」
♪「それでもいい　これは僕の旅」
♪「昨夜の雨の事なんか覚えていないようなお日様を」
♪「昨夜出来た水たまりが映して　キラキラ　キラキラ」
♪「息をしている」
♪「高く遠く広すぎる空の下」
♪「おはよう　僕は昨日からやってきたよ」
♪「失くせない記憶は傘のように」
♪「鞄の中で出番を待つ」
♪「手探りで今日を歩く今日の僕が」
♪「あの日見た虹を探すこの道を」
♪「疑ってしまう時は　教えるよ」
♪「あの時の心の色」
気象情報は　今雨雲レーダーは　２５０メートル四方を５分置きに見ることができます。
観測や予測技術の精度も日々　上がってきています。
それなのに…１時間に８０ミリ以上の短時間の大雨による浸水や突風による停電が抑えられていません。
（安西）確かに　増えた印象があるよね。はい。
でももし　気象予報士が　常に町にいたら天気の急変や突然の災害の危険性なども自分の目で見ていち早く察知することができます。
その土地の地形を熟知しているのでその土地に合った　事前の避難行動の呼びかけなども　できると思います。
それが　津々浦々計画？
はい。　全国の市区町村に　気象予報士を配置して　ネットワークを作ります。
でも　既に　気象庁は各気象台に　予報官を配置してるよ？
予報士がいる地方の放送局もあるし…。
でも　もっと地域密着っていうかもう　その町のどこに誰が住んでいてどんな仕事をしているかとかもそういうことももう全部知っているぐらい地域のことを把握した予報士にいてもらいたいんです。
田植えや農薬散布の日程を相談したり海に船を出すべきか　判断したりうちの会社がやっているコンサル業務全般を　その町で担うんです。
まあ　確かに。　いたら　便利そうだよね。
医療とも連携します。（朝岡）ああ　医療か。　それは新しいな。
はい。　今　各地で医師が訪問診療を行う在宅医療も増えてきています。
これは　知り合いの医師と相談したのですが…。
（菅波）う～ん…。ん？
あ～　そうじゃなくて予報士が医療機関と共有したいのは各家庭の家族構成。
例えば　２丁目に住んでる山田さんちには９０歳になる　おばあちゃんがいて今は　歩けないとか４丁目に住んでる鈴木さんちには生まれたばっかりの赤ちゃんがいるとかそういう情報です。
台風や大雨で　避難が必要になった時に助けが必要なご家庭が分かっていれば先に車とかで避難させることができます。
ああ　それは　いいですね。処方薬を準備しておいたりもできる。
薬　大事ですね。　提案書入れときます。
（菅波）寝たきりの人は避難所ってわけにはいかないか…。その場合　病院に病床確保をお願いして…。
（菜津）ねえ　お二人とも。
会うの１か月ぶりとかでしょ？
え～っと…２か月たっちゃってましたっけ？（菅波）…かな。
もう…　だったら　そんな仕事なんかしてないで何か　どっか　お食事に行くとか…してきたら？
ああ…。ああ…。
住民の健康状態を知っている医療機関と連携したら避難行動だけではなく熱中症対策などでも協力できると思います。
あとは　１人暮らしの方のフォローとか…。
確かに　年々　私たちの想像を超えるような気象現象が　起きていますもんね。
うん。　気象予報を　更に生かすには地域に密着した情報まで落とし込んで伝えることが大事かもしれませんね。
悪くないんだけどねそれって　うちの会社が日本全国の自治体に気象予報士を派遣するってこと？
はい。
うちに　そんな数　予報士いないし自治体も雇うメリットがはっきりしないなあ。
そこは　ご指摘　受けると思ってました。
要するに　永浦さんはこれからは　気象予報もオーダーメードになると言ってるんでしょ？
そうです　オーダーメード。
これが採用になったら　永浦さん地元で　おやりになるの？
気仙沼に帰りたいですか？
こういう提案を会社にしようとしてるっていうことはそろそろ地元に帰って仕事がしたいってことですよね？
いつか島に帰って何か自分にできることをしたいってあなたは　ず～っと言い続けてるし。
でも　まずは　今の仕事ちゃんとできるようにならないと…。
報道も　スポーツ気象も　奥が深いし面白いし　もっとやれるって思うけどああ　でも　やっぱり地元のことは　考えてしまう。
具体的に何ができるかは分かんないけど…。
ん？
体が　２つあったらいいのに。
その文脈で　僕を見るのは　間違ってる。
体が２つあっても１つは東京　１つは地元の気仙沼であなたの頭の中に登米の僕という選択肢は全く想起すらされていない。
そんなの　登米と気仙沼だったらまあ　まるっと一つでいいじゃないですか。
話を矮小化しないでください　百音さん。
やめてください　その呼び方。叱られてるみたい。
モネでいいって言ってるのに。
みんなが呼ぶ名前は　つまらない。
でも　先生だって　光太朗さんって呼ぶと顔　こんなにして　嫌がるじゃないですか。母親が　そう呼ぶんですよ。
そうでしたね　光太朗さん。
やめてください　百音さん。
まあ　とにかく行きましょう。はい　行きましょう　先生。
やっぱり　先生って言っちゃう。
僕は　案外気に入ってるけど　百音さん。
もう好きに呼んでください。
台風１２号　発生して　２日程度で猛烈な勢力にまで発達しています。
（莉子）気象庁　かなり警戒してるんでこっちも準備しといた方がいいと思います。
（内田）どう猛ですからねマリアナ生まれの台風は。
（高村）分かった。　じゃあ　週末にかけて台風報道がメインになるって部長と編成に伝えとく。
あっ　そうなると永浦さんの中継コーナー　なくなるけど…。
分かってます。ああ　お疲れさまでした。（一同）お疲れさまでした。
この時期　出番減るね。まあ　出ないっていうことはそれだけ危ないのかな？って思ってもらえますし…。確かに。
神野さん　ちょっと残ってくれる？え…。
ああ　大丈夫。　降板の話とかじゃないから。（２人）ああ…。
何で　モネが。
だって　莉子さんいっつも気にしてるから。
どちらかっていうと　いい話かな？よかった…。
じゃあ　先　会社行ってるね。うん。お疲れさまでした。
（高村）お疲れさまでした。
[℡]（通知音）
（未知）「仕事終わった？電話してもいい？」。
（高村）悪くない話でしょ？
夕方の情報番組のメインキャスターよ。
月から金の帯番組の真ん中張んのよ？
あっ　仙台っていうところが引っ掛かってる？
全国放送じゃないもんね。
違います　違います！ちょっと　びっくりしちゃって。
ああ　番組の制作者が　昔の知り合いなの。
ああ　でも　向こうから　言ってきたのよ神野さんに一回会わせてほしいって。
視聴者目線のコメントが　実感こもっててすごくいいって。
でも　オーディションはきっちりやるらしいからね？
分かってます。あっ　それと神野さんのキャリアとしてこのまま全国放送に出続けた方がいいっていうこともあるからその辺は　よく考えて。はい。　でも　報道キャスターは夢ですから。
あっ　高村さんの昔の映像も見ました。憧れます。
アハハハ　やめてよ。
こんなチャンス　めったにないです。挑戦させてください。
分かった。　じゃあ　連絡しとくね。はい！
本当は　高村さんが推薦してくれたんですよね？
ん？　うん…　まあ　話の流れでね。ありがとうございます。
それは　オーディションに受かってから言って。
はい。フフフフ。
はあ…。
[℡]（未知）けんかってわけじゃないんだけどお母さん　お父さんに反対されるとは思ってなかったみたいで珍しく落ち込んじゃってるの。そっか…。
民宿　再開させんの私はいいと思ってたんだけどね。
お父さんは　何で反対してんの？
（龍己）みーちゃん　これコピーしとこう。うん。
（耕治）俺は　反対がな。
亜哉子さんは島と本土をつなぐ橋が架かったことで永浦家で　また民宿を始めようとしてくれていました。
（亜哉子）橋が架かって島が　にぎやかになったっておとうさん喜んでたよね？
喜んでるよ。　それに　俺にとっては橋の開通は　悲願だ。
（耕治）ばあちゃんが楽しそうにやってだ仕事を再開したいって言ってくれんのは本当うれしいよ。
でも　亜哉子　一人じゃ…。
未知には　未知の仕事があるし俺だって　がっつりは手伝えない。
おやじのカキ　こごまで復活してきたんだ。
このまんま　そっち手伝ってやってもらえないがな。
おやじも　もう８０過ぎだ。　心配なんだよ。
そうね。
お母さん　何かかわいそうで。
[℡]おじいちゃんのカキなら私だって仕事しながら手伝えんのに。
うん。ん？
みーちゃん　完全に　うちの大黒柱だよね。
ていうか　地元に欠かせない戦力って感じ。
かっこいい。
東京で　テレビ出てる人が　何言ってんの。
私がいる世界なんて　狭いよ。
島から　橋渡って　せいぜい　町のその周りぐらいまでしかないんだから。
[℡]でも　水産業は世界に通じる仕事でしょ？
[℡]みーちゃん？
あっ　ごめん　私　もう出ないと。うん。
あっ　お母さんには　電話するね。うん　じゃあね。
みんな　いろいろ考えて少～しずつ変わってくのよね。
そして　数日前に発生した　台風１２号は過去に　あまり例がないほどの大きさと強さに成長し日本列島に近づいていました。
（沢渡）１４時から気象庁が記者会見する。今回の台風で。急ぎ　みんなに伝えて。分かりました。