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自民党最大の補完勢力は立憲民主党だ/倉山満

自分がトップの立場にいるならどうするか

 吉田松陰先生は、名も無き若者たちに「自分が征夷大将軍だったら日本をどうするかを考えろ」と教え続けた。
言論ストロングスタイル

’01年4月、自民党総裁選の街頭演説で聴衆に手を振る(左から)小泉純一郎氏と田中真紀子氏。田中氏は「小泉旋風」の原動力となり、演説は常に人だかり。総裁選は圧勝であった 写真/時事通信社

 人は、何のために学ぶのか。自分の人生や生活を守る為である。自分の人生や生活を守るためには、自分の国を守らねばならない。自分の国に危機が迫っている時、自分がすべての責任を負うトップの立場にいるならどうするかを考えよ。戦うべき時に戦わなくて、何の学びか!?  松陰先生は三十歳まで生きることができず殺されたが、その志は弟子たちに受け継がれた。そして松陰の弟子たちは、明治維新をやり抜き、元老として日清日露戦争を勝ち抜いた。将軍、元老、内閣総理大臣……名前はなんでもいい。トップとは、己の命よりも責任が重い者、その責任を一人で負わねばならない者のことである。

菅首相は辞職前に「三バカ大臣の罷免」「尾身と分科会を放逐」だ

 では、菅首相の立場なら、辞めるまでに日本をどうするか。  まず、大臣罷免だ。私は半年以上前から、今の日本政治においては、内閣改造が政権浮揚の切り札だと説き続けた。  菅義偉内閣において、三バカ大臣が国を誤り続けた。官房長官加藤勝信、コロナ大臣西村康稔、厚労大臣田村憲久を馘首する。この者たちの罪は何か。尾身茂、分科会、医師会、厚労省の言いなりであり続けた。この者たちは、恐怖に打ち勝たねばならない時に、恐怖をまき散らした。  三バカ大臣は罷免、尾身と分科会は放逐、医師会の中川と尾﨑は証人喚問に処す。過去の誤りは検証し、罪深き者たちに制裁を与える。いっそ医師会を非合法化したいくらいだ。

天王山は、新コロの指定感染症5類へのダウングレード

 菅内閣は、皇室・外交・経済などでプロ好みの成果をあげているが、コロナがすべてを吹き飛ばしてしまう。ならば、その最難関に挑むほかない。コロナ対策の急所は、人心鎮撫だ。ワクチンも、医療充実も、あらゆる感染症対策も、すべて人心鎮撫の手段だ。尾身一党が進めてきた、自粛そのものが目的では「フォーエバーコロナ」と化し、日本そのものが亡ぶ。  マトモなコロナ対策を行うには、コロナ大臣に民間から心ある医師を登用。厚労大臣には医師会と戦える政治家を抜擢。天王山は、新コロの指定感染症5類へのダウングレードだ。戦いでは、敵の嫌がることをやらねばならない。  政権の要の官房長官には忠誠心がある政策通を、党の要である幹事長には選挙と人間関係の調整に長けた実力者を据える。組閣は官房長官と幹事長を間違えなければ何とかなるのだから、思う存分のコロナ対策を示してから、自民党総裁選挙と解散総選挙に臨む。
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総選挙の秘策は「小池とタッグで全国行脚」
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