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宝塚歌劇月組トップスター珠城りょう、サヨナラショー&退団会見 ※9月15日まで限定公開

2021年8月15日、珠城りょう&美園さくらの月組トップコンビのさよなら公演本編に引き続きサヨナラショーが上演されました。銀橋から客席へのお花の投げ入れや、恒例のさよならパレードが中止されるなど変更がありましたが、粛々とさよならセレモニーが執り行われました。(取材/小柳照久)※9月15日までの限定公開

NEWS & INFORMATION 2021 8/18 UPDATE

サヨナラショー:グランドホテル

【サヨナラショー】
サヨナラショーは、黒の衣装で登場した珠城りょうのソロでスタート。2016年年にトッププレお披露目として文京シビックホールとシアタードラマシティで上演された『アーサー王伝説』のナンバー「アーサー王賛歌」からスタート。続いて宝塚歌劇において現代の東京のサラリーマンを等身大のスーツ姿で魅せるという離れ業を見せた『カンパニー ー努力、情熱、そして仲間たちー』の主題歌、そして、トップお披露目公演となった『グランドホテル』の「Roses At The Station」を歌いながら、真っ赤なバラの花束を抱えながらで銀橋を渡ります。同時退団の香咲蘭、楓ゆき、桜奈あい、颯希有翔、蒼真せれん、夏風季々、摩耶裕らが『カルーセル輪舞曲』のテーマ曲を歌い踊るのに引き続き、美園さくらがモノトーンのドレス姿で登場。常々「特別な作品」と語る『I AM FROM AUSTRIA』から「ブロンド」を披露。

サヨナラショー:エリザベート

再び登場の珠城りょうは、赤をベースとした上着に着替え、鳳月杏、月城かなと、暁千星ら、月組精鋭の男たちを引き連れ『エリザベート』のフィナーレナンバーを再現。「闇が広がる」で、衣装の裾の動きまで活かした男役ダンスの集大成を披露。男役だけのハードな場面の次は娘役トップとのコンビの妙で魅了する場面へ。最後のデュエットに選ばれたのは、美園さくらとのトップコンビお披露目公演となった『夢現無双』から「同じ星空の下で」。同時退団する二人にピッタリの選曲に客席からは早くもすすり泣きも。しかし「まだ泣くのは早い!」とばかりに美園さくらが中心となって、一期先輩の暁千星、一期後輩の風間柚乃とトリオになって『ピガール狂騒曲』から「ラ・ベル・エポック・ド・パリ」にて銀橋で元気に歌い踊ります。同じ時代に音楽学校、そして月組で過ごしたトリオに客席からはおのずと手拍子が起こります。そして、青の衣装に着替えた珠城りょうが「男役同士の名舞台」を組んできた盟友・鳳月杏との最強コンビを復活、最後のバウホール公演『幽霊刑事』より「世界最強コンビ」が登場。「(現在大劇場で上演中の)『CITY HUNTER』のコンビも、(東京宝塚劇場公演を控えている)『シャーロック・ホームズ』のコンビも二流さ!」と言いたい放題なので客席は笑いと拍手。鳳月杏との男役同士のタッグは、珠城りょうのバウホール初主演作『月雲の皇子』からで、「花のうた」も歌い継がれファンにとってたまらないコーナーとなりました。この作品はあまりの評判ゆえにバウホール公演の半年後に天王洲 銀河劇場での東京公演が追加されたのでした。

右:珠城りょう、左:美園さくら サヨナラショー:夢現無双

さよならショーのフィナーレは次期トップスター、月城かなとが退団者7名を引き連れた『クルンテープ 天使の都』の主題歌から。そして、クライマックスは白とゴールドの衣装に輝かしく身を包んだ珠城りょうが大階段に登場、『All For One』から「この地上の何処かに」をソロで、「明日を信じて』を月組生全員と一緒に熱唱。退団し、新しい世界に足を踏み入れるトップスターの最後を客席は白と青のペンライトを振って応援するも……あれ、何か物足りない……と、突然「千秋楽? 冗談じゃねぇ」と珠城りょうが一声! 今までになかった斬新で型破りのショーとしてセンセーションを呼んだ『BADDY』の主題歌で取り巻く組子たちを蹴り散らし大暴れ。感動したと思いきや大笑いさせられ、最後の最後も珠城りょうらしさ爆発のさよならショーとなりました。彼女が「サングラスが誰よりも似合うトップスター」であることに異論をはさむ人はいないでしょう。

サヨナラショー:All for One

組からの花束を月城かなとから、同期生からの花束を元・月組の早乙女わかばから受け取っての挨拶は、のっけから「本日は月組公演の千秋楽をご覧くださり、まことにありがとうございました」と通常の千秋楽のような語り口で始まり、客席からの笑いを誘ったものの、14年間の宝塚生活を終える自身のことを述べるにあたってはほっとしたような表情を見せたのが印象的でした。「男役として舞台に立っている瞬間、自分以外の人生を生きている時間がたまらなく大好きでした。この立場になってから約5年。初めは大きく感じた羽根も、組のみんなの思いが1本1本の羽根になり、ファンのみんなの愛が温かい風を起こし、私は今、軽やかに羽ばたいています。珠城りょうの宝塚人生は最高に濃密で、愛に溢れた日々でした!」

【退団記者会見】
珠城:本日、無事に宝塚を卒業することができました。本当に今まで暖かく応援してくださいましたみなさま、そして導いてくださいましたたくさんの方々の指導があってのことと心より感謝いたしております。

Q:宝塚での全ての舞台を終えられて、あらためて宝塚の舞台がどんなものでしたか?
珠城:宝塚は私にとって本当に全てでした、そして夢の世界でした。やっぱり、宝塚の舞台に立っている瞬間、ずっと自分も夢を見ていたと思います。かけがいのない場所でした。

Q:ご結婚を含め、今後のご予定について
珠城:退団後のことはまったく決まっていませんので、まずは職探しから始めないといけないと思うんですけど(笑)、きっと外にでたら新しい出会いが待っているに違いないと思いますので、卒業されたたくさんのOGの方々が待っていてくださるので、きっと素敵なご縁がつながっていくと思うと楽しみにしたいなと思います。

Q:さよならショーに込められた気持ち
珠城:自分にとって思い入れのある作品を選んできたんですけど、第一に考えたのはファンの好きが好きだった役や好きだった楽曲を中心に選んでいきました。また、私は、愛希れいかと美園さくらと相手役が二人いましたので、今回、美園と同時退団ということではありますけれども、愛希の時代から応援してくださった方もたくさんいらっしゃいますので、どちらの時代も、応援してくださったみなさんが喜んでくださるようにしたいと思い楽曲を選んでいきました。

Q:玉城さんが突き詰めて来られた男役の魅力
珠城:私が思い描いてきた男役像は、情熱的で、包容力があって、男らしい男役を求めてきましたので、今日、輝月ゆうが冗談で「世界の旦那」と言っておりましたが、包容力というところでは、自分の求める男役像が確立できたのではないかなと思いますし、また、私はスーツと黒燕尾が大好きですので、それが似合う男役にはなれたかなと思っております。

Q:千秋楽公演で一番目に焼き付いている景色
珠城:どの瞬間も非常に捨てがたいんですけど、やっぱりパレードでの月組のみんなの顔とお客様の暖かいまなざしが焼き付いてます。

Q:月組のみなさんの顔を見わたして、こみあげてくるものはありましたか?
珠城:意外と自分は冷静だったんですけど、悲しいとか寂しいとかいう感情ではなくて、愛おしさと感謝の気持ちがこみあげてきました。

Q:コロナの影響で、自宅待機になったり、公演が延長されたり、退団も半年送りになってしまいました。この間の心のコントロールや月組のトップとして思っていたことを教えてください
珠城:いう不安は少なからずありました。誰のせいでもないことでしたので、自宅で過ごすしかないのであればトレーニングなり、普段目にすることができないことに触れたりして、常に心を動かすようにはしていました。目の前にあることにコツコツと向き合ってきました。
約5年間、月組の主演を務めさせていただきましたけど、より良い舞台を作るために、みんなが舞台に集中できる環境をどう作るかということを一番に考えてきました。なので、自分自身の健康管理とか、精神面でも良い状態を保つようにして、組のみんなが私の体調や精神状態でピリピリしてしまうのではなく、みんなが良い状態で舞台に、それぞれの役に向き合っていける環境を作りたいと思ってまいりました。また、私は比較的早い学年でトップに就任しましたので、下級生と上級生の橋渡しになれたら良いな、なんて思っておりましたので、トップという立場は特に関係なく、なるべく下級生にも時間があれば声をかけるようにしたり、いろいろなコミュニケーションをとる場を持つように心がけていました。

Q:本日、最後の大羽根をおろされた時のお気持ち
珠城:今振り返ってみますと、この5年間って長いようで本当にあっという間だったと思います。なので、羽根をおろした瞬間も「明日からはもうこれを背負わないんだ」というのが不思議で実感がわきませんでした。

Q:最後のご挨拶で組からの花束を渡された際、月城さんからは何を言われたんですか?
珠城:これは最後なので、私だけの秘密ということにさせてください(笑)

Q:最後に月組の仲間に伝えたいこと
珠城:「ありがとう」の一言に尽きます。本当に心からの感謝と愛を伝えたいです。


サヨナラショーのカーテンコールでは「身体が限界状態で、サヨナラショーまで務められるか心配だったのですが、あっという間でした。今日で最後という実感がありません」と明るく話していた珠城りょう。だが、専科に異動する輝月ゆうまと紫門ゆりやの名前を出した時には思わず涙ぐんで後ろを向く一幕も。最後は美園をエスコートして幕前に姿を見せ、ファンへの感謝の言葉とともに大劇場との別れを惜しんでいた。
男役として最高の時に退団していく珠城の去り際の潔さをいつまでも目に焼き付けておきたい。


オモシィプレスVOL15でも特集を掲載中。

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