インフルワクチン2割減 21年度、コロナで供給遅れも

厚生労働省は1日、2021年度のインフルエンザワクチンの供給見通しを示した。ワクチン供給量は成人で5134~5584万回分と前年度より2割前後減る見込みだ。20年度の供給量が多かった反動で例年と同水準だという。ただ接種希望者が多い可能性もあり接種体制の整備は不可欠だ。
同省の専門部会で示した。インフルエンザワクチンの使用実績は19年度に5650万回分、20年度に6548万回分で、いずれも21年度の供給見通しより多かった。とくに20年度は新型コロナウイルスの影響で接種率が高かった。
専門家は接種希望者が殺到し、供給が追いつかないことに対して懸念を示した。コロナワクチンと接種時期が重なった場合の接種体制の確保などを求めた。
足元ではコロナワクチンの需要拡大でワクチンの製造資材が入手しづらく、インフルエンザワクチンの製造が前年度より遅れている。同省は「ワクチンを効率的に使用し、できるだけ多くの接種機会を確保することが重要だ」と訴えている。