岡田正彦 Masahiko Okada, MD, PhD
新潟大学名誉教授(医学博士)
令和3年9月11日改訂
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新型コロナのエビデンス
巻頭言(ワクチン接種者が守るべきこと)
当ホームページで紹介してきた多数のエビデンスをもと
に、接種を受けた人たちが守るべきことをまとめました。
・ワクチンの効果はテレビなどで報じられているより、
ずっと低いことを自覚する
・たとえば50歳以下の世代では、2ヵ月ほどで効果が半
減するため、免疫を維持するには少なくとも3ヵ月ご
とに接種を受ける必要がある
・50歳以上の世代では、免疫が最初からついていない人
が多いため、接種後も気を抜かない
・もしワクチンが効いているとすれば、接種後2ヶ月間
は症状が軽くなるため、デルタ株などに感染しても気
づかず、他人に移してしまう危険性がある
・したがって接種後は、マスク、手洗いなどの対策をよ
り厳格に守らなければならない
・接種後に感染すると、ワクチン耐性ウイルスが体内で
生ずるリスクが高まるため、自身が感染しないよう最
大の注意を払う社会的責任がある
(意に反して接種を受け、副作用が気になる場合の対応
については、Q5-7に掲載)
__________________
Q0 接種後の重症者や死亡例が集計されていない?
A 「ワクチン接種後の副反応は2,3日で治るので心配ありません」。最近、政府広報と銘打ったテレビCMが流されるようになり、これは、その中で専門家が述べている言葉です。
当HPの読者から、ワクチン接種後に生じた特殊な病気や死亡例についての情報が多数、寄せられるようになってきました。患者さんの紹介状に「ワクチン接種後体調不良」という病名を目にすることも多くなっています。「自分が関係する範囲で新型コロナに感染して死亡した人の数と、ワクチン接種後に死亡した人の数が同じくらいになった」という話も聞きました。
厚生労働省が広報として発表している副反応(?)や死亡例は、氷山の一角ではないかと疑念を述べる人もいます。医師の中には、副作用ではないかと疑いをもっても、報告システムがないため、どうすればいいかわからないとか、因果関係を証明できないので触れないことにしているという人もいます。
副作用の実態は誰も知らない、という背筋の寒くなるような状況に陥っています。
いかなる医療データも、公表を前提に収集するには世界共通の倫理規定を守らなければなりません。論文を書いて専門誌に投稿する際にも、順守している旨を明記する必要があります。概要は以下のようなものです。
1 詳細な研究計画書を作成する
2 所属研究機関の倫理委員会に提出し、審査を受ける
3 許可をえたのち、本人から直筆の同意書をえてから調査開始
4 英文で論文を作成し、専門誌に投稿する
5 厳しい審査を受けることになるが、多くの論文は採用不可となり返却される
6 採用の見込みがあっても実験のやり直しや原稿の書き直しが繰り返し求められる
7 掲載されるのは早くて半年から1年後
つまり副作用や死亡例の分析は、大学病院など研究機関でなければできないことと、いまの雰囲気では、倫理委員会も腰が引けて不許可としてしまう可能性もあります。
だからと言って、上記の手続きを経ずに一般市民がデータを集めたとしても、いたずら投稿もあるでしょうから、正しさの検証ができません。何か良い知恵があれば・・・。
(2021.9.5改訂)
Q1 ワクチンを打たない人は集団免疫に貢献できない?
A すでに感染した人の自然免疫が、どれくらい長く続くのかを調べた研究がたくさんあります。それらの報告値をまとめると、中和抗体が半分になるまでの期間は2~6ヵ月です。
知りたいのはワクチン接種の効果ですが、世界中で本格的な接種が始まってからまだ半年しか経っていないため、はっきりしたことはわかっていません。4月6日、モデルナ社ワクチンの臨床試験(第I相試験)に参加したボランティア33名を追跡したデータが報告され、中和抗体(Q7-6)が半分に減るまでの期間が、やはり2~6ヵ月であることがわかりました。幅があるのは、免疫機能が複雑で評価の仕方がいろいろだからです。
このことが何を意味しているかといえば、数か月前にに接種を受けた人たちは、すでに免疫が切れているということです。
英国では、ワクチン接種を受けた605人について、トゲトゲ蛋白に対する抗体がどれくら長持ちするのかが調べられました。2回接種を受けた人の血液を、時間を追いながら何回か採取したところ、「接種後21~41日目の抗体量」に比べ、「70日目以降の抗体量」が格段に減少していました。百歩譲ってワクチンが効いているとしても、せいぜい2ヵ月ちょっとなのです。
ワクチンを発明した国、12歳以上の全国民の53パーセントが2回接種を受けたことがご自慢の、あの国、アメリカで「ほころび」が見え始めています。まず9月3日現在で、新規感染者数が1日15万人を超えるペースで急上昇をみせ、かつてのピークを超えそうな勢いなのです。
12歳以上の接種がすでに行われた国ですから、日本のように「まだ接種が進んでいない若い世代の感染が急増」との言い訳はできません。アメリカの言い分は「ワクチン接種が済んだ人たちがデルタ株に感染し、ウイルスを広めている」というものです。ウイルスに感染しても症状が軽いため、知らないうちに保菌者となり他人に移している、という説明です。
アメリカ独立記念日の7月4日、マサチューセッツ州のある町で、6万人が集まってどんちゃん騒ぎを繰り広げました。その直後から、州住民の4人中3人に発熱や咳、頭痛などの症状が認められました。全員がPCR検査を受けたわけではありませんが、感染はあきらかでした。実は、この州、全住民の4人に3人がワクチン接種を済ませていました。
一連の騒動を受けて、感染症の元締めCDCは「ワクチン接種を受けたあともマスクをするように」と、突然の方針転換を発表しました。7月末の出来事です。同国では、集団免疫がまったく効いていないようだ、と一部の専門家が言い始めています。
【参考文献】
1) Dan JM, et al., Immunological memory to SARS-CoV-2 assessed for up to
8 months after infection. Science, Jan 6, 2021.
2) Doria-Rose N, et al., Antibodies persistence through 6 months after
the second dose of mRNA-1273 vaccine for Covid-19. N Engl J Med, Apr 6,
2021.
3) Quast I, et al., B cell memory: understanding COVID-19. Immunity, Feb
9, 2021
4) Rabin RC, C.D.C. will not investigate mild infections in vaccinated
American. New York Times, May 25, 2021.
5) Zimmer C, We'll probably need booster shots for Covid-19. but when?
and which ones? Jun 6, 2021.
6) Shrotri M, et asl., Spike-antibody waning after second dose of BNT162b2
or ChAdOx1. Lancet, Jul 15, 2021.
7) Mandavilli A, Vaccinated people may spread the virus, though rarely,
C.D.C. reports. New York Times, Jul 30, 2021.
Q2 ワクチンを受けないと決めた人たちの災難とは?
A 私のもとには、「ワクチンを受けないと決めた人たち」から、たくさんのお便りが届きます。企業や大学での接種も始まり、その声はさまざまな職種に広がりつつあります。
「組織の中で受けていないの自分だけで、周りの目が恐ろしい」
「閑職に回された」
「もし集団感染が起こったらお前のせいだ、と言われた」
「医療人として失格だとなじられた」
「周囲の目が急によそよそしくなった」
「毎日、上司から人格を否定するような言葉を投げかけられている」
「接種を拒否することは許されない、との指示書が回ってきた」
重大な人権侵害であることはあきらかです。パワハラなどと生やさしいものではなく、傷害罪にも等しいレベルではないでしょうか。今後は法律問題と捉え、各自が行動していく必要があるかもしれません。
もし法律家の方が、この文章を読んでいただいているなら、ぜひ「お悩み相談窓口」を開設し、疎外されている人たちを救ってあげてください。医学的な問題については、及ばずながら私がサポートをさせていただきます。本ページの最初に記したアドレスあて、メールをお待ちしています。
(2021.8.28)
威信を失った国、自信をなくした専門家
感染対策を巡って、国の方針、専門家の発言がクルクル変わるのは、どこの国でも同じことです。英国は、ロックダウンを解除するとともに「感染予防のいかなる対策も停止する」と発表し、世界を驚かせたばかりです。8月20日、同国の政府は、さらに驚きの報告書を発表しました。
過去数か月間にわたって同国で開催されたテニス、サッカー、カーレースなどの大イベントで、「実験的試み」と称し、いっさいの感染対策を行いませんでした。その結果、サッカーの数試合だけで6,000人を超す感染者が出たことがわかり、この部分だけ日本でも報じられました。
ところが報告書の結論は、「スポーツイベントで感染した人の割合は、一般市民における感染率と同じくらいだった。したがって今後も、各種イベントは制限なしで行って大丈夫」というものだったのです!!・・・昔のギャグ「赤信号、みんなで渡れば怖くない」を思い出してしまいます。
米国の状況も似たようなものです。感染対策の総本山CDCは「マスクは無意味」と言ったり、「必ず着用すべし」と言ったりと2転、3転、4転、5転し、いまだ記録更新中です。医療の総元締FDAは「ワクチンは免疫が持続し、変異ウイルスに対しても有効」と言い続けてきたのですが、8月下旬、3回目の接種を開始すると、突然、発表しました。しかも世界中でさんざん使ってきたワクチンですが、ファイザー社製が8月23日になってやっと正式認可されたのです。いままでは正式でなかった、ということになります。
大国の威信が失われ、専門家は、よく言えば「臨機応変」、悪く言えば「うろたえている」という状況がますます顕著になってきています。米国の後追いをしているだけの日本ですから、彼の国が変われば・・・という期待もあります。明りが見え始めているとは言えないまでも、世間が誤りの重大さに気づき、大逆転が起こるのも、ありうるシナリオかもしれません。同調圧力に負けないよう!
【参考文献】
1) Smith JAE, et al., Public health inpact of mass sporting and clutural
events in a rising COVID-19 prevalence in England. GOV.UK, Aug 20, 2021.
2) Mandavilli A, The U.S. is getting a crash course in scientific uncertainty.
New York Times, Aug 23, 2021.
Q3 安心できるワクチンとは?
A すでに何種類かのワクチンが実際に使われていますが、さらに23種類もの新しいワクチンがほぼ実用化し、治験に入っています。どちらも含めて、ワクチンは大きく2種類にわけることができ、ひとつはmRNAやDNAを用いた「遺伝子ワクチン」、もうひとつがいわゆる「不活化ワクチン」です。
いま世間の期待を広く集めているのは後者です。インフルエンザワクチンなどでお馴染みで、なんとなく安心感があるからでしょう。
簡単に言えば、遺伝子ワクチンがヒトの細胞内でコロナのトゲトゲ蛋白を作らせる方式であるのに対し、不活化ワクチンのほうは、実験動物や培養細胞内に遺伝子を注入し作らせてしまうものです。つまりヒトの体内に遺伝子を注入するか、しないかの違いがあるだけです。
あとで述べますが、コロナワクチンの最大の懸念は「きわめて有害なコロナのトゲトゲ蛋白を体内に入れる」という点にあるため、どちらのタイプのワクチンも危険であることにかわりはありません。
日本のメーカーなら安全なワクチンを作ってくれるはず、と期待を寄せている人も多いものと思います。しかし日本国内ならではの問題も山積です。
・開発に乗り遅れてしまった
・日本独自の技術がなく、海外の特許を利用するために莫大なお金がいる
・すでにワクチン接種が始まったいま、本物のワクチンと偽ワクチン(プラセボ)を使った実験が倫理的にやりずらくなった
・外国に比べ圧倒的に感染者が少ないため、認可を得るためのデータが集められない
などなどです。いずれにしても安心できるワクチンが製品化されるまでには、少なくとも10年はかかりますから、その間に、コロナ禍は終息してしまっているでしょう。
【参考文献】
1) Kaabi NA, et al., Effects of 2 inactivated SARS-CoV-2 vaccines on symptomatic
COVID-19 infection in adults. a randomaized clinical trail. JAMA, May 26,
2021.
2) Broom, 5 charts that tell the story of vaccines today. World Economic
Forum, Jun 2, 2020.
(2021.8.8)
Q4 治療薬はいつできるのか?
A この1年間、さまざまな薬が「新型コロナにも効く」のではないかと報じられ、消えていきました。代表はレムデシベルですが、その後、効果は完全に否定されています。
イベルメクチン
いま世間の期待を集めているのはイベルメクチンという薬です。日本人が発見しノーベル賞受賞となった薬で、寄生虫を駆除する作用があり、ヒトよりも家畜用として広く使われてきました。
この薬を評価した、という論文が続々と発表されています。新薬などに注目が集まるたび、それを評価した論文が大量に発表されるのは世の常ですが、中には薬を売り込むための宣伝にすぎず、ねつ造に近いものもあったりします。そこで登場したのが「メタ(超)分析」という研究方法です。関係する論文を手あたり次第に集め、ずさんなものを排除した上で、総合評価をくだすものです。
イベルメクチンに関しては、8月8日現在で7つのメタ分析論文が発表されています。しかし、30年以上にわたって論文不正の調査研究を行ってきた私が、すべてに目を通してして感じたのは、以下のような疑念の数々でした。
・正式な論文、つまり専門家の審査を受けたのは2編しかない
・分析対象となったデータの多くが未発表
・2つのグループを公平に設定し、実薬とプラセボを割り当てて行われた試験が少ない
・そのようにして行われた試験でさえ、対象者が24~400人ときわめて少ない
・「死亡率を62パーセントも下げた」など、結論が不自然
・臨床試験を実施した地域が開発途上国に集中している
「開発途上国で臨床試験が行われた」ことに関しては、言及すべき歴史があります。2012年、ファーザー社がナイジェリアの子供たちに対し、親の承諾をえることなくモルモットのように抗生剤新薬の臨床試験を行い、同国の裁判所から賠償金を請求されたという事件があったことです。
このような状況の背景にあるのは常に論文不正であり、医学を混乱させる元凶となってきたのは、歴史が教えてくれるところです。8月に入り、科学専門誌「ネイチャー」に、この問題を告発した記事が掲載されました。内容は私の考察をはるかに超えるものでした。
イベルメクチンに関する全論文を子細に分析したところ、ねつ造や盗作のオンパレードであり、対象者がどんな人たちだったのかを検証することさえできない、ずさんさなものだった、というのです。主だった論文の共著者にインタビューしたところ、「不正はなかったと信ずるが、元データは見せられていない」と答えていたそうです。
以上から私の結論は、イベルメクチンの有効性を示すエビデンスはいまのところ存在しない、です。
いま誰もが有効と認める唯一の治療薬は、重症になった人にだけ用いられるデキサメタゾンです。ウイルスの増殖を止める薬ではなく、手がつけられなくなった激しい炎症を抑える一種のホルモン剤です。ヒトの体内でも作られているホルモンですから、理に適っているわけです。
(2021.8.20)
抗体カクテル
もうひとつ、「理に適っている」という振れ込みで登場したのが、話題の「抗体カクテル」です。まず、次の動画をご覧ください。以前、Q17で提示したものですが、内容をバージョンアップしました。

その薬は、トゲトゲ蛋白がヒトの細胞の受け皿と結合しないようブロックする、人工の中和抗体です。2種類を作って混ぜたので、カクテルです。抗体は、ホルモンと同じで元々体の中にもあるものですから、安全、かつ理に適っているわけです。
しかし、理屈は優れていても、本当に効くのか、副作用はないのか、などの疑問に答えてくれなければ、安心して使えません。幸い、臨床試験の結果を報じた8月4日付の最新論文で概要がわかりました。
試験の目的は、「家族内感染が防げるか?」と「ウイルスの増殖を防げるか?」の2つで、まさに誰もが期待して止まなかった薬の効果です。対象は、家族の1人が感染していて、他に感染者がいない、という条件を満たした家庭に限られました。まだ感染していない総勢1,505人です。この人たちを無作為に2群にわけ、一方には抗体カクテルを、他方にはプラセボ(生理的食塩水)を注射しました。
こんな難しい設定で臨床試験を行った研究者たちには脱帽です。論文の結論は、抗体カクテルが、家庭内感染の割合を66.4パーセント下げた(抗体カクテル群4.8%:プラセボ群14.2%)、というものでした。また体内のウイルス量が下がったことから、症状が出た人の割合が81.4パーセントも下がっていました。何らかの副作用が出た割合も、プラセボ群と同じだったとのことです。
この薬は、米国のベンチャー企業が開発し、REGEN-COVという商品名で世界的製薬企業のロッシュが販売を行っているものですが、早くも昨年12月に論文の第一報が出されていました。日本では、中外製薬がライセンス契約を行い、世界で最初に国の認可を受けたところです。8月19日現在、この論文に対する批判もまだありません。
価格は未定ですが、従来の同系統の薬から推測すれば、最低でも1回分数万円、あのオプジーボは最初73万円でした。米国では、対象を絞って無料にすることを決めています。また点滴で使う薬のため、病院内でしか使えないという制約もあります。
気になる点は、ほかにもいろいろあります。まず、これを掲載したのが、ファイザー社ワクチンに関する、あの疑惑だらけの論文(Q13参照)を載せた専門誌だったことです。実際、論文の執筆者は36人でしたが、うち26人が当の製薬企業の社員でした。
新薬が世に登場したとき、その信頼性を判断する際の鉄則があります。
・製薬企業が関わった論文には必ず忖度や不正がある!
・良すぎるデータは疑え!
・新薬にはすぐ飛びつくな!
【参考文献】
1) 岡田正彦, ビジネスジャーナル『歪められたエビデンス:正しい健康法はこれだ!』, on line.
2) Spinner CD, et al., Effect of remdesivir vs standard care on clinical
status at 11 days in patiens with moderate COVID-19, a randomized clinical
trial. JAMA. Aug 21, 2020.
3) López-Medina E, et al., Effect of ivermectin on time to resolution
of symptoms among adults with mild COVID-19, a randomized clinical trial.
JAMA, Mar 4, 2021.
4) FDA, Why you should not use ivermection to treat or prevent COVID-19.
on line.
5) Mandavill A, The C.D.C.'s new leader follows the science. Is that enough?
Jun 10, 2021.
6) Kaplan S, F.D.A. still lacks a permanent chief, desoite pressing, weighty
problems. New York TImes, Jun 12, 2021.
7) Caricchio R, et al., Effect of canakinumab vs placebo on survival without
invasive mechanical ventilation in patients hospitalized with severe COVID-19,
a randomized clinial trial. JAMA, Jul 20, 2021.
8) RECOVERY Collaborative Group, Tocilizumab in patients admitted to hospital
COVID-19 (RECOVERY): a randomised, controlled, open-label, platform trial.
Lancet, May 1, 2021. 2021.
9) Yang C, et al., Tocilizumab in COVID-19 therapy: who benefits, and how? Lancet, Jul 24, 2021.
10) Wadvalla B-A, Covid-19: ivermectin's politicisations isas warning sign
for doctors. BMJ, Apr 1, 2021.
11) Bryant A, et al., Invermectin for prevention and treatment of COVOD-19
infection: a systemic review, meta-analysis, and trial sequential analysis
to inform clinical guidelines. Am J Ther, Jun 21, 2021.
12) Reardon S, Flawed ivermectin preperint highlights challenges of COVID
drug studies. Nature , Aug 2, 2021.
13) O'Brien MP, et al., Subcutaneous REGEN-COV antibody combination to
prevent Covid-19. N Engl J Med, Aug 4, 2021.
14) Weinreich DM, REGN-COV2, a neutralizing antibody cocktail, in outpatients
with Covid-19. N Engl J Med, Dec 18, 2020.
(2021.8.24)
Q5 なんとか予防はできないのか?
A 「コロナにかかりたくない」「どんなことをしてでも予防したい」。これは誰もが望んでいることです。幸い、予防の試みも精力的に行われていますので、順次、ご紹介していくことにします。
新型コロナウイルスの流行が始まったばかりの頃、ある噂がささやかれていました。喘息などの人が使う「ステロイド吸入剤」に予防効果があるのではないか、ということでした。この情報を知る一部の医療関係者だけが、他人には内緒で自分たちだけ、毎日、こっそり吸入していたため、製薬企業の倉庫が空になるという、ブラック・ジョークのような話もありました。
ステロイド剤は、体の中にもあるホルモンで、アレルギーや過剰な免疫反応を抑える作用があります。最近の研究では、トゲトゲ蛋白がヒトの細胞に結合する際に必要な「受け皿」の数を減らしたり、ウイルスの分裂もブロックするらしいとも言われ始めていて、理屈の上では、まさに万能の薬になりそうなのです。
もしそうなら「シュッ、シュッ」と、ひと吸いするだけでいいのですから、理想的な予防法です。8月10日、感染が判明し自宅療養をしている、約2千人を対象に行われた臨床試験の結果が、英国から発表されました。厳密には、予防法の研究ではありません。使った吸入剤は、国内ではパルミコート、シムビコートなどの商品名で広く使われているものです。
結果は、この吸入剤を1日2回ずつ2週間使い続けると、症状が3日早く回復するというものでした。重症化を抑える効果はありませんでした。
ただし、比べた相手がプラセボでなく、熱さましなどを使っただけの人たちでした。「プラセボ効果」という言葉をご存知でしょうか。何かすばらしい薬を使っているという気分だけで、人間は症状が軽くなったり、病気が治ったりするものです。この調査結果も、それであった可能性が否定できません。またステロイドホルモンには「免疫を止める作用」がありますから、むしろ感染を助長してしまうはずなのですが・・・。
【参考文献】
1) Yu L-M, et al., Inhaled budesonide for COVID-19 in people at high risk
of complications in the community in the UK (PRINCIPLE): a randomised,
controlled, open-label, adaptive platform trial. Lancet, Aug 10, 2021.
(2021.8.25)
薬で予防するのは難しい?
インフルエンザの治療薬として知られているのがタミフルです。ひと昔前、国を挙げて「インフルエンザの予防にタミフルを!」と呼びかけていたことがあります。その後、誤りに気づき、すぐ撤回されたのですが、しかし国民はそれで洗脳されてしまいました。
私が勤務する施設でも、かつてインフルエンザ感染者が出るたび、「全職員にタミフルを配布してほしい」との要望が出される、という余波が続いていました。しかし、その要望に対する私の答えは、いつもノーでした。理由は以下のようなものでした。
・どんな薬にも必ず副作用がある
・タミフルの場合、標準の5日間の服用でも重大な肝障害を起こすことがある
・予防したいならシーズンが続く限り毎日、飲む必要がある
・その分、副作用は、はかりしれないものとなる
・薬を飲み続けて本当に予防ができていたのか(得したか)は、誰にもわからない
・副作用を被った分だけ損したのではないか
これは、インフルエンザに限らず、薬で感染症を予防する際に必ず生じるジレンマなのです(ジレンマは、あちら立てれば、こちら立たずの状態を意味するギリシャ語)。
(2021.8.30)
感染しても重症化しないために
感染を防ぐための基本は、8月7日付の当サイト「巻頭言」でまとめたとおりです。しかし、いくら努力や工夫をしても、避けがたいこともあります。そんなとき、せめて重症化しないために、どうすればよいのかを考えてみます。
米国にCDCという公的機関があります。感染症対策の総本山ですが、コロナに関しては対策が後手後手となり、なにかと批判の矢面に立たされています。それでも、さすがにCDCです。感染者54万人のデータを分析し、どんな人が重症化しやすいのかをまとめてくれました。
「年齢」だけは自分の努力で、いかんともしがたいので、それ以外のことです。まず圧倒的な第1位と2位が「肥満」と「喫煙」でした。肥満については、BMIが25(たとえば身長160cmで体重64kg)を遙かに超える人は、ダイエットに励みましょう。今日からでも遅くはありません。タバコは言うまでもないことですから、直ちに禁煙を実行してください。昨年の春、有名なタレントが亡くなった折、ヘビースモーカーだったと報じられていました。
ほかには、がん、腎臓病、喘息やCOPD、認知症、合併症を伴う糖尿病、ダウン症、心筋梗塞や心不全、免疫異常、重い肝臓病、脳卒中などの既往症ですが、Q11(その3)でも述べたように、年齢とともに誰にでも生じてくるものですから、個々の病名に怯えないようにしましょう。CDCの分析によれば、これらの病気が2~5つ以上ある人は、さすがに気をつけたほうがよさそうですが。
以下は私の考察です(エビデンスはありません)。重症化するかしないかの最大の分かれ目は、体内に入ってくるウイルスの量の違いと考えられます。目の前に感染した人がいたとして、「マスクをせずに」、「飲食をしながら」、「大声でしゃべれば」、いっきに大量のウイルスを肺の奥まで吸い込んでしまうため、急速に重い肺炎に進行するリスクが高まります。逆に、嗅覚異常などの症状で始った人は、軽い症状のまま回復することになります。
私の周辺で起こった集団感染でも、既往症の有無はあまり関係がなく、まさにこの一点で重症化したか、しなかったかが決まったように感じています。このことは、家庭内感染を防ぐ知恵ともなるはずです(自宅療養については後日、掲載予定)。
「コロナを予防する」ことを謳い文句にした民間療法が、さまざま伝わっています。しかしエビデンスはいっさいありませんので、のめり込まないことです。コロナに限りませんが、病気を予防する生活習慣としてエビデンスが示しているのは、「日々の運動習慣」と「野菜・果物をたくさん食べる」の2つだけです。「コロナを予防する○○茶」・・・などに払うお金があれば、美味しい果物を買ってください。
【参考文献】
1) Kompaniyets K, et al., Underlining medical conditions and severe illness among 540,667 adults hospitalized with COVID-19, March 2020-March 2021. Prev Chronic Dis , July , 2021.
2) CDC, People with certain medical conditions. CDC on line, Aug 21, 2021.
(2021.9.1)
自宅療養に備えよう!
「自宅療養」は、明日は我が身です。対策をまとめておきましょう。
米国で大規模なサマーキャンプがあり、参加した子供たち627人中、351人が集団感染するという事件がありました。そこで感染した子供たちが家に帰ったあと、家族にどのように感染が広がったかを追跡調査した、という興味深い論文が発表されました。
追跡できたのは、主に症状があった224人で、年齢は7~19歳でした。対象となった家族は大勢いましたが、PCRで感染の有無を確認できたのは延べ377人で、うち46人(12%)が家庭内感染してしまいました。感染を避けられた人たちとの違いは、ただ一つ「直接、体に触れたこと」でした。
この事実に加え、日米の住宅事情の差も加味すると、家庭内で感染を拡大させないためのポイントを、以下のようにまとめることができます。
・感染した人の食事は部屋をわけるか、時間をわける
・寝室も別にする。無理な場合はできるだけ離す。たとえ1メートルでも
・入浴は最後にする
・感染者に触れる場合は、必ず手袋をする
・テーブル、イスなどは、水を浸した厚手のペーパータオルでよく拭く
・手は石鹸でよく洗う(消毒用アルコールは、いずれの場合も使わない)
・全員がマスクをする
・食欲がない感染者には、十分な水分と果物をとらせる
・ワクチンの効果は期待しない
家庭内感染は、2~6日の間隔をおいて次々に起こっていくのが特徴です。また最後の感染者が解熱してから10日間、家族全員が他人に感染させるリスクを有するため、外出はできません。
そのために必要となるのが日頃の備えです。米、パン、牛乳、生鮮品など家族全員が1週間くらい生きていけるだけの食品が必要です。赤ちゃんのミルク、トイレットペーパーや薬、ペーパータオル、手袋、マスクなども欠かせません。地域によっても異なりますが、行政はほぼ何もしてくれないと考えておいたほうがよさそうです。
過日、知人宅が自宅療養となり、10日ほどしてから電話をかけてみました。「お米は?」→「なくなった」、「パンは?」→「なくなった」、「行政からは?」→「わずかな品物が1回届いた」とのこと。もっと早く電話すべきだったと、悔やむことしきり。仕事を放り投げて近くのスーパーに駆け込み、大量の生鮮品を買い込んで玄関先に置いてきたところです。
【参考文献】
1) Chu VT, et al., Household transmission of SARS-CoV-2 from children and
adolescents. N Engl J Med, Jul 21, 2021.
2) CDC, Caring for someone sick at home. CDC on line, Jul 21, 2021.
(2021.9.4)
NEW!
アルコールは使わないこと
今から20年以上も前の話です。当時、病院の診察室や採血室には、ピカピカ輝く銀色の小さな丸い缶が必ず置いてありました。病院ばっかり行っていたという人は、見覚えがあるかもしれません。その中にはアルコールに浸した脱脂綿が入っていて、注射や採血をする際の皮膚消毒に使っていたのです。
あるとき、その缶が実は、ばい菌だらけであることを見つけた人がいました。「アルコール大好き菌(耐性菌)」が大量発生していたのです。原因は、缶を洗わずにアルコールを継ぎ足し、継ぎ足していたためでした。全国の病院が大騒ぎとなり、以来、アルコール綿は個包装した製品に置き換わっていきました。
そんな歴史も踏まえて、手指やテーブルの消毒にアルコールは使わないほうがいい9つの理由をあげておきます(アルコール以外の消毒液も同じこと)。
1 ウイルスは、たっぷりのアルコールに1分以上浸けておかないと死なない
2 ついつい、少量のアルコールで消毒した気になってしまう
3 広いテーブルなどは、拭く前に乾いてしまう
4 アルコール濃度が不十分な商品が多い
5 噴霧式のアルコールは肺に吸い込んで危険
6 子供が口にすると危険
7 人によっては手が荒れ、皮膚の感染症を起こしやすくなる
8 アルコール耐性菌が発生し、将来、消毒の手段がなくなってしまう
9 テーブルや床の塗料が溶けてしまい、コロナ禍が終息したあと家の中がボロボロに
【参考文献】
1) Tejeda V, How much can hand sanitizer really protect you from coronavirus?
Health, Mar 11, 2020.
(2021.9.11)
NEW!
意に反して接種してしまったとき
同調圧力に負け、あるいは十分な知識がないまま接種を受けてしまい、副作用が心配だという人が大勢います。どう考え、どう対処すればいいのでしょうか。
1回目、2回目にかかわらず接種を受けたあと、2ヵ月くらいは体調のチェックが必要です。当ホームページのQ15に示したような、副作用が起こりうるからです。
もっとも多いのは皮膚の変化で、注射をした部位以外に生じる「皮下出血」「かゆみと発赤を伴った腫れ」「血管のミミズ腫れ」「紫色の変色」「ただれ」などです。多くは1~2週間で自然に治りますが、症状が強い、範囲が異常に広い、どんどん悪化する、などがあれば皮膚科を受診した方がよいでしょう。
トゲトゲ蛋白によって生じる自己免疫病の症状はさまざまです。隠れていた病気が出てくることも、また未知の病気もあるかもしれず、特定の症状で判断することはできません。基本的には、出血が続く、いつもと違う強い倦怠感(だるさ)がある、食欲不振、心臓がどきどきする、呼吸が苦しい、全身のむくみ、視力の異常、粘膜の荒れなどは、要注意です。
病院へ行っても、ワクチンとの関係は否定されると思いますが、いまのところ検査法がないため、止むを得ません。どちらにしろ、それぞれの病気に対する一般的な治療しかありませんが、重症化する人が少ないのが救いです。
接種後2ヵ月を過ぎて体調に異常がなければ、当面は大丈夫と考えてよいでしょう。その後、長期にわたる副作用については不明ですが、これからも確かな情報を刻々、当ホームページに掲載していく予定です。
過度に心配しないよう、またSNS上を流れている無数の「いたずらニュース」に、だまされないよう、お願いします。
Q6 では、コロナ禍を終息させる決め手は何なのか?
A ワクチンも新薬も、すぐには期待できないとなれば、何に望みをかければいいのでしょうか。
どんなウイルスも、宿主である人間がいなければ生き延びていくことができません。ウイルスが地球上に出現したのは30億年前とされますが、このときから現代まで人間を絶命させることなく、共存してきたことになります。
ウイルスは、自分が生きのびるため「ヒト→ヒト感染」を繰り返していきますが、1度感染した人には免疫ができるため、逆向きに伝わっていくことはありません。また感染しやすい人、しにく人もいますから、ある「閉じた集団」、たとえば離島や山奥の集落などでは、一定の期間が過ぎれば必ず終息することになります。その速度は、感染力が強いウイルスほど早く、弱いウイルスではゆっくりです。
次に、インフルエンザやコロナなどのウイルスは、高温・多湿で分裂力が弱くなることが動物実験で確認されています。次のグラフは昨年の今頃、作成したもので、いくつかの国の新規感染者数のグラフに雨季の時期を重ねて示したものです。高温多湿が、感染の消長に何らかの影響を与えていることもわかります。

ここで、私が行っている研究の一部をご紹介します。コンピュータを使って感染拡大の予測をするというものです。まず、上でも述べたウイルスの性質や人間の行動、緊急事態宣言、それに気温・湿度のデータをコンピュータにインプットし、毎日の新規感染者数を再現してみることにしました。
次の図は、昨年の3~6月に発生した第2波における、東京都内の新規感染者数を青色の棒グラフで、またコンピュータで再現したグラフを黒色の破線で、それぞれ示しています。この時期を選んだのは、新規感染者がほぼゼロの状態から始まっていて、条件を明確に整理できるからです。
この計算で重要な要素のひとつが、閉じた空間(東京都内)に外部(海外)から入り込んだ感染者の1日当たりの人数です。第2波のデータから逆計算した結果は、1日平均で約1人となりました。わずか1人ずつの感染者が入り込むだけで、これだけの感染拡大が起こってしまったことになります。
次に、かりにこの人数が5人、10人、15人になると、感染がどのように拡大するのかを計算してみました。図は、その様子を順次、アニメで表示していますので、じっくりご覧ください。
感染の拡大は、常に「閉じた空間」から「別の閉じた空間」への感染者の移動によって起こります。海外から東京へ、東京から地方へ、そして町から町へです。

風船現象を知る
次の動画は、昨年の5月30日から今年6月まで1年間の都内23区における「新規感染者数の絶対数」を1週間ごとにまとめたものです。感染が東京都内でどのように広がってきたのか、おおよそ理解できます。
動画:過去1年間の東京都内23区における感染者の動向
この動画では、あたかも新宿という大きな風船が膨んだり縮んだりするがごとく、感染者が外に向かって押し出され、あるいは戻ってきている様子を示しています。これを風船現象と名づけたいと思います。これは東京から地方へ、また海外から日本国内への感染伝播にも当てはめることができます。
その元を絶つには、もちろん入国制限しかありません。
【参考文献】
1) Flam F, Asymptomatic spread has become bizarrely contorversial. the
japantimes. Jul 22, 2020.
Q7 専門家の言うことはいつも正しいのか?
A ワクチンを促進したい人も、反対する人も、まず正しい理解が大切です。以下、専門家の意見もわかれるような微妙な問題について、最新、かつ確かな情報をまとめおくことにします。
(1) メッセンジャーRNAがDNAに逆変換されて自分の遺伝子に組み込まれる?
→ ヒトの細胞の中に、「核」と呼ばれる場所があってDNAを保存しています。DNAを包んでいるのが袋状の「核膜」ですが、単なる膜ではなく、核から出ていく物資、入ってくる物質を厳格に区別しながら交通整理をしています。
核の外へ出ていけるのはほぼmRNAに限られていて、かつ逆戻りできません。したがってワクチンの改造mRNAが核内に入ることは決してなく、したがってDNAに組込まれることもありません。
核の中では、DNA→mRNA→DNA逆変換→遺伝子組み込み、という仕組みがまれに働き、自身の遺伝子改造に役立っていると言われていますが、あくまで核内に限られた出来事です。
このような「生物学の大原則」が侵される唯一の例外が、ウイルスに感染したときです。実際、新型コロナウイルスも、ヒトの核内にまで侵入し、遺伝子組み込みを行うことが確認されています。
たまたま肝炎ウイルスなどに感染している人がワクチン接種を受けると、そのウイルスのせいで組み込みが起こってしまうのではないか、と懸念する声もあります。しかし、mRNA→DNAという逆変換の仕組みの複雑さを考えれば、確率的にありえないことです。
この問いに対する答えは、「改造mRNAからDNAへの逆変換は起こらず、組み込みも起こらない」です。
【参考文献】
1) Zhang L, et al., Reverse-transcribed SARS-CoV-2 RNA can integrate into
the genome of cultured human cells and can be expressed in patient-derived
tissues. PNAS 118, 21, 2021.
3) Sit THC, et al., Infection on dogs with SARS-CoV-2. Nature, Oct 20,
2020.
4) Cullen BR, Nuclear RNA expot. J Cell Sci 116: 587-597, 2003.
5) Vargas DY, et al., Mechanism of mRNA transport in the nucleus. PNAS
102: 17008-17013, 2005.
6) Nirenberg E, No, really, mRNA vaccines are not going to affect your
DNA. on line, Nov 25, 2020.
(2) アストラゼネカ社ワクチンの運び屋ウイルスは、DNAへの組み込みをしない?
→ 同ワクチンでは、運び屋としてチンパンジーのアデノウイルス(風邪のウイルス)が使われています。人の風邪ウイルスは、すでに免疫を持っている人が多く、運び屋しては使えないからです。
多くの専門家は「アデノウイルスはDNAへの組み込みをしないので安心」と述べています。しかし最近の動物実験で、この説は覆されました。結論だけ言えば組み込みは必ず起こり、ワクチン接種を2回受けると、肝臓だけで96か所に組み込みが起こる計算が成り立ちます。
つまり、このワクチンに含まれるコロナのトゲトゲ蛋白を合成する遺伝子は、あなたのDNAの中に永久に残ってしまう可能性があるということです。
【参考文献】
1) Stephen SL, et al., Chromosomal integration of adenoviral vector DNA
in vivo. J Viol 84: 9987-9994, 2010.
(3) ワクチンで不妊や奇形児が生まれたりしない?
→ いま世界的に流れている噂のひとつが、ワクチンが不妊や奇形の原因になるのではないか、というものです。6月17日、それを打ち消すかのような論文が米国で発表されたことから、逆に「ワクチンは妊娠に影響を与えない」という誤った情報にすり替わってしまうという珍現象が起きています。
その論文は、妊娠中にワクチン接種を受け、無事に出産に至った712人を調べたところ、早産や低出生体重、奇形などの割合が従前の統計値と同じで、増加傾向は認められなかった、という分析結果を報じたものでした。
しかし、分析の対象となった妊婦の大部分(700人)は、妊娠27週以降に接種を受けた人たちであり、対象者も少なく、人種や年齢層も統計値のそれとは異なっていました。発表した研究者も、「この結果は妊婦に対するワクチンの安全性を保証するものではない」と述べているくらいなのです。
政治家や専門家と称する人たちが、逆フェイクニュースを流し始めていますので、要注意です。とくに不妊との因果関係は、高度な分析を要し、簡単に答えは出せない性質のものですから、騙されないようにしてください。
【参考文献】
1) Shimabukuro TT, et al., Preliminary findings of mRNA Covid-19 vaccine
safety in pregnant persons. N Engl J Med, June 17, 2021.
(4)ワクチンは母乳に影響しない?
→ カリフォルニア大学の研究者が、なかなか適切な実験をやってくれました。ボランティア7人を募り、ファイザー社かモデルナ社のワクチンを「接種する前」と「2回接種したあと」で母乳を提供してもらい、改造mRNAが含まれているかどうかを、実際に測定してみた、というものです。
結論を先に言えば、接種後の母乳に改造mRNAは、いっさい含まれていませんでした。一見、簡単そうにみえる、この研究を私は高く評価したいと思います。なぜなら、ヒトの体液に含まれる改造mRNAを実際に測定したのは、おそらく世界で初めてのこと。誰も測ったことがない物質の測定は、非常に難しいものだからです。
「別の物質を測ったりしていないのか」「別の人が測っても同じ結果になるのか」「超微量でも測れているのか」「逆に過剰に含まれていても大丈夫なのか」「母乳などサンプルを保存する温度はどうだったのか」等など、果てしないツッコミに答えられなければ、確かに測ったとは言えません。この論文を発表した研究者たちは、測定の大原則とも言うべく、これらの課題を見事にクリアしていました。
などという難しい話は別にして、結論だけを見聞きした専門家や政治家が「ワクチンは授乳中でも大丈夫」と言い出しかねず、要注意な情報です。
8月11日、母乳に与える影響の第2報が出ました。授乳中の女性33名に協力を求め、ワクチン接種前と、2回接種の2週間後、それに4週間後の3回ずつ母乳を提供してもらって調べた結果です。対象にしたワクチンはファイザー社製のみです。
測定したのはトゲトゲ蛋白に対する抗体です。中和抗体とは限らず、(IgGと呼ばれる)抗体のすべてです。結果は明快で、2週間後も4週間後も、どちらも接種前の約240倍にも上昇していることがわかりました。もちろん上昇の程度には個人差があり、母親の血液中の抗体量が多いほど、母乳中の量も多くなっていました。
赤ちゃんは、母乳を介してお母さんから免疫物質を受け取るとされていますが、コロナワクチンの場合、良い影響を受けるのか、それとも副作用を被るのかは、いまのところ不明です。一番知りたいのは、お母さんの血液中を流れているトゲトゲ蛋白が、母乳に移行しないのかということです。しかし、それを測る方法がまだないことから、いまのところ調べた人はいません。
【参考文献】
1) Golan Y, et al., Evaluation of messenger RNA from COVID-19 BTN162b2 and mRNA-1273 vaccines in human milk. JAMA, Jul 6,2021.
2) Esteve-Palau E, et al., Quantification of specific antibodies against SRSR-CoV-2 in breast milk of lactating women vaccinated with an mRNA vavccine. JAMA, Aug 11, 2021.
(5) 変異ウイルスは本当に危険なのか?
→ 難しいのは、変異ウイルスの「感染力」や「致死率」をどうやって求めるのかです。たとえば、大勢の若者がスポーツ観戦などで大騒ぎをして、たまたまその中に変異ウイルスの感染者が1人いたため100人くらいに感染が広がったとします。単純に統計をとれば、この変異ウイルスは感染力が強い、ということにされてしまうでしょう。
つまり多様で、予測不能な人間の行動様式が絡み合っているため、ウイルスの性質だけをわけて求めることができないのです。
たとえば200匹くらいのネズミを用意して公平に2つのグループにわけ、それぞれを大きなカゴに閉じ込めた場面を想像してください。その一方に、変異ウイルスを感染させたネズミを、もう一つには従来型ウイルスを感染させたネズミを、それぞれ1匹ずつ入れます。1週間後くらい経ったら、すべてのネズミを解剖して、何匹に感染が起こっていたかを調べる、という方法なら、少しはましなデータが得られそうです。ただし実験者も、感染してしまうかもしれません。
現在、テレビなどで報じられる感染力や致死率は、どれも信頼性に欠けているように思われます。それでも、世界中の研究者たちがあの手、この手で実験や予測をしてくれたデータがありますので、次の表にまとめてみました。この表は適宜、改訂しています。

ここで、デルタ変異ウイルスについての最新情報です。と言っても、世界中で感染者が急増している最中のため、研究者も右往左往してしまっており、まだ正確なことは、ほとんんどわかっていないのが現状です。
それでも、確度が高く、国内で報じられていない情報がいくつかありますので、以下に8月9日現在の状況をまとめておきます。
・感染力は1.5倍から2倍くらい強いかもしれない
・致死率(病原性)の違いについては、諸説あり、まだよくわからない
・12歳以下の子供が、とくに罹りやすいかもしれない
・ほかのウイルスと異なり、暑い季節ほど感染が拡大する傾向がある
・ファイザー社、モデルナ社ワクチンの効果は、最初の変異ウイルス(イギリス株)に
対する効果とほぼ同じで、数パーセントしか違わない
【参考文献】
1) Wu F, et al., A new coronavirus associated with human respiratory disease
in China. Nature, Mar 12, 2020.
2) Corum J, et al., Coronavirus variants and mutations. New York Times,
Jun 4, 2021.
3) Anthes E, Covid's lambda variant: worth watching, but no cause for alarm.
New York Times, Jul 8, 2021.
4) Bernal JL, et al., Effectiveness of Covid-19 vaccines against the B.1.617.2
(delta) variant. New Engl J Med, Jul 31, 2021.
5) Anthes E, The delta variant is sending more children to the hospital.
Are they sicker, too? New York Times, Aug 9, 2021.
(6)抗体依存性感染増強(ADE)って何?
→ 1960年代の初め、麻疹(はしか)のワクチンが開発されました。ところが、そのワクチンを接種した子供たちが、数年後、さらに重い麻疹に罹ってしまう、という不思議な現象が起こりました。
当時、理由はわからないままでしたが、最近になって研究が進み、何が起こっていたのか、あきらかになってきました。その仕組みを言葉で説明すると、眠くなってしまいそうです。以下のアニメをご覧ください。

このほかにも仕組みは、いろいろあり、もっと複雑です。この現象が「抗体依存性感染増強」と呼ばれているものです。問題は、これが、コロナワクチンでも起こっている可能性があるということです。ただ信頼性の高い情報がまだなく、わかりしだい追記を行っていく予定です。
【参考文献】
1) Ricke DO, Two different antiboby-dependent enhancement (ADE) risks for
SARS-CoV-2 antibodies. Front Physiol, Feb 24, 2021.
2) Halstead SB, et al., COVID-19 vaccines: should we fear ADE? IDSA, in
press.
3) Lovdal T, et al., Fc receptor mediated endocytosis of small soluble
immunoglobulin G immune complexes in Kupffer and endothelial cells from
rat liver. J Cell Science 113: 3255-3266, 2000.
(7)高齢者の死亡が減少しているのはワクチンのお陰?
→ 国内でも海外でも、これまで高齢者施設での集団感染と、それによる死亡例が圧倒的多数を占めていました。とくに米国では、高齢者施設における感染対策について論じた論文が続々と発表されてきました。
昨年、私が勤務する施設でも集団感染があり、複数の方が亡くなられました。痛恨の出来事でしたが、当然、超高齢者が中心ですから、老衰も進行しており、軽い風邪をひいただけでも命の最後の灯が消えてしまいます。
そのとき感じたことが2つありました。ひとつは行政の方針で、PCRが陽性という理由だけで、すべて「コロナ死」として記録されてしまい、本当の死因、本当の死亡率がわからなくなってしまったことです。
もうひとつは、高齢者施設での感染予防がうまくできさえすれば、新規感染者数も死亡者数も格段に改善するのではないか、ということでした。
「PCR検査を徹底する!」は行政の合言葉のように使われ、反発を感じている人も多いようです。そんな中、東京都では、本年3月から、すべての高齢者施設のすべての職員に対する週1回のPCR検査が開始されました。
結果的に職員の自覚が高まり、高齢者施設での集団感染がほぼなくなったのです。もちろんワクチン接種が始まるずっと前からの話です。
「ワクチンのお陰で高齢者の死亡が減少した」との政府や専門家の説明は間違っています。
(8)インフルエンザ・ワクチンに学ぶこと
→ 1962年から1987年の26年間、日本では学童に対するインフルエンザ・ワクチンの集団接種が行われていました。覚えている人も多いと思います。この間、肺炎による高齢者の死亡数が激減し、年間、約4万人の命が救われました。それ以前、日本では高齢者の肺炎死亡が欧米に比べて格段に多く、開発途上国なみだったのです。
その後、ワクチン接種に対する反対意見の高まりを受けて法律が改正され、集団接種から任意接種へと変わったのですが、その途端、高齢者の肺炎死亡数が急増し、元に戻ってしまいました。
インフルエンザ感染は学校生活で集団発生し、子供たちが家庭に持ち帰って拡大します。当時、日本では三世代同居が普通でしたから、祖父母がまず感染し肺炎になってしまったのです。
以上は、20年前、日米の研究者が共同で発表した論文であかされた話です。当時、インフルエンザワクチンの効果を証明した研究がひとつも存在せず、私自身、その効果について半信半疑だったのですが、この論文を読んで確信に変わりました。2007年に発表した拙著『健康の新常識100』を初め多くの著作物で、このデータを紹介してきたところです。
ときは流れ、2020年、もっとも信頼性が高いとして世界中の研究者が認める組織から、インフルエンザ・ワクチンのメタ分析論文(Q4参照)が発表されました。結果は、「有効率59パーセント」、「重症化を防ぐ効果はない」というものでした。多くの人にワクチンを接種し、また数々の論文を精査してきた私にとって、大いに納得のいく内容でした。
一方、ワクチンに関する論文不正も多く、世の中に誤った情報が流れているとの指摘もなされてきました。
この歴史から学ぶべきは2点、つまりワクチン接種は、(本当に有効なら)高齢者でなく活動性の高い世代から先に行うべきことと、いかなるワクチンも効果は限定的であることです。
【参考文献】
1) Reichert TA, et al., The Japanese experience with vaccinatinf schoolchildren
against infuluenza. N Engl J Med 344: 889-896, 2001.
2) Demicheli V, et al., Vaccines for preventing influenza in healthy adults
(review). Cochrane Database Syst Rev, CD001269, 2020.
3) Jefferson T, et al., Oseltamivir for influenza in adults and children:
systemic review of clinical strudy reports and summary of regulatory commnets.
BMJ g2545, 2014.
(9)接種を1回で終わりにしても大丈夫?
→ インフルエンザ・ワクチンは、その昔、大人も子供も2回接種が原則でした。ところが希望者が予想外に多く、また製造法がアナログ的なため生産も追いつかず、いつの頃からか「成人は1回」と思い込まされてしまった、という歴史があります。
幸い、コロナワクチンのほうはQ10の「疑惑その3」に記したとおり、公式論文のデータを正確に読み解けば、接種1回と2回でほとんど差がなく効果は同じなのです。このことは、当ホームページのQ12で紹介したデータからもあきらかです。
「接種を1回だけでやめると、何か体に悪いことはないか」と心配する人もいますが、インフルエンザ・ワクチンで実証されているとおり、問題は何もありません。
ワクチンを2回接種するのは、免疫システムの記憶力が強化されるはずという発想に基づくもので、昔からブースター効果と呼ばれてきました。ブースターとは打ち上げロケットの2段目という意味です。しかし、その効果について厳密な実証がなされていないことと、2回目の接種で予期せぬアレルギー反応が起こったり、いわゆるADEが生じたりするリスクもあります
当ホームページで紹介しているさまざまな事実から、コロナワクチンを1回だけ接種してやめても、何も問題はないと言えます。
(10)年をとると免疫はつかなくなるのか?
→ 「もう歳だから打つことにした」「いい年齢だから打つのやめた」「打ったら熱が出た!自分も捨てたもんじゃない」「あなたの歳では熱も出ないから解熱剤はいらないと医者に言われ、頭にきた」などなど、世間は訳のわからない会話で盛り上がっています。
やはり誰もが気になっていたのは、年をとると副作用も出ないのか、もしそうなら免疫もつかないのか、ということです。
その答えがやっとわかりました。米国でワクチン接種を2回受けた50人の血液を調べ「年齢別に中和抗体の量を比べた」という、有難い研究が行われたのです。使ったワクチンはファイザー社製で、「従来の新型コロナウイルス」と「ブラジル型変異ウイルス」のそれぞれに対する中和抗体を同時に調べたものです。
データは、「年齢が高い人ほど、若い世代に比べ極端に免疫がつきにくい」ことを示しています。研究対象となった50人には個人差もありますから、そのバラツキの範囲を楕円で表示しました (グラフは、著作権を侵害しないよう、発表データをもとに筆者が作図したもの)。
それにしても、かなりショッキングなグラフですから、気が弱い人の目に入らないよう、表示は止めてあります。ショックを受けても大丈夫な方だけ、点線の枠内にカーソルを合わせてご覧ください。

【参考文献】
1) Bates TA, et al., Age-dependent neutralization of SARS-CoV-2 and P.1
variant by vaccine immune serum samples. JAMA, Jul 21, 2021.
(11)ワクチンはどれくらいの間、効いているのか?
→ 待望のデータが7月31日に発表されました。ワクチンの効果がどれくらい続くのかを実証した、初めての報告です。中和抗体量ではなく、接種後の時間が経つにつれ、感染率がどれくらい悪化していくのかを実測したものです。
その方法が見事です。場所はイスラエル。早い時期から接種が行われていましたが、そのうち今年の「2月に接種を受けた人」と「4月に接種を受けた人」に限定して、比べたものです。対象は2回接種を終えた50万人ほどです。この2つのグループの全員に対して、6月1日からの約2ヶ月間で、いっせいにPCR検査を実施しました。
その結果は明快でした。感染した人の割合は、「2月に接種を受けた人たち」が「4月に受けた人たち」に比べて2.0倍も高くなっていたのです。ワクチンの効果は、そもそも世間で言われているほど大きくありませんから(Q10、Q12参照)、接種して2ヶ月もすると効き目は、ほとんどなくなるということになります。
この調査が優れていたのは、2つのグループを設定する際、年齢、性別はもちろん、居住地や収入、さらには肥満度、高血圧、糖尿病、心臓病、腎臓病、自己免疫疾患などを徹底的に調べ上げ、偏りがないようにコンピュータで調整していたことです。そのため対象から外されてしまう人も少なくありませんでしたが、設定としてはほぼ完ぺきだったと言えるでしょう。
このデータから言えるのは、2ヵ月前に接種を終えた人たちは、すでに効果が完全に切れてしまっている、ということです。ただし前項で述べたとおり、あくまで50歳以下の人たちに限る話であり、それ以上の年齢層では最初から免疫はついていなかったでしょう。
【参考文献】
1) Mizrahi B, et al., Correlation of SARS-CoV-2 breakthrough infections
to time-from-vaccine; preliminary study. medRvix, Jul 31, 2021, in press.
(12)ワクチン接種後に感染すると回復が遅れる!
→ コロナに関する新語が、またひとつ生まれました。ロング・コゥヴィド(long Covid)、直訳すれば「長引くコロナ感染症状」です。ワクチン接種を2回受けた人がコロナに感染すると、症状が長引いて回復が遅れてしまう、という状態を指しています。
きっかけは、7月28日に発表されたデータでした。イスラエルでワクチン接種を2回受けた1,497人を対象に、接種後の感染率を確認するための調査を行ったところ、未接種の人が感染した場合に比べて、回復があきらかに遅れ、6週間経っても嗅覚異常や咳、倦怠感、呼吸苦、筋肉痛などが残っている、という意外な事実が判明したのです。
その後、多くの研究者が、この点を確認するための研究を開始していますが、まだ十分なデータが集まっておらず、立証できないままとなっています。中には、フェイスブックを利用して個人レベルでデータの登録を呼びかけている人もいて、現時点で24名がロング・コゥヴィドになったことを確認しているそうです。
なぜ、このようなことが起こるのかは解明されていませんが、Q7(6)で説明した抗体依存性感染増強(ADE)が起こっているのかもしれませんし、あるいはワクチンと感染の両方で体内に生じた大量のトゲトゲ蛋白が、ダブルパンチで悪さをしてしまうのかもしれません。
ワクチン接種の問題点が、またひとつ浮き彫りになったようです。
【参考文献】
1) Parker-Pope T, Can vaccinated develp long Covid after a breakthrough
infection? New York Times, Aug 17, 2021.
2) Bergwerk M, et al., Covid-19 breakthrough infections in vaccinated health care workers. N Engl J Med, Jul 28, 2021.
(2021.9.6)
NEW!
(13)アレルギー体質は接種拒否の理由にならないのか?
→ ワクチン接種後に起こる、急激で重いアレルギー反応を「アナフィラキシー」と呼ぶことは、広く知られるようになりました。急速に血圧低下や呼吸困難が生じて、放置すれば死に至るというものです。
当初、政府は、「アナフィラキシーなど重いアレルギー症状が過去になければ、ワクチン接種を受けてほしい」と呼びかけていました。しかし、この言葉が次第に語られなくなり、またいくつかの学会が「アレルギー疾患患者の大半は接種を受けられる」との声明まで出すようになってきています。
8月31日付けで発表された論文で、アナフィラキシーの詳細がわかりましたので、この主張が正しいのかどうかを検証してみます。
その論文は、いくつかの条件、つまり「過去にアナフィラキシーを起こしたことがある」、「複数の薬に対してあきらかなアレルギーがある」、「複数の異なるタイプのアレルギー疾患がある」などを満たす429人に、ワクチンを受けてもらい、追跡調査を行ったものです。
その結果、接種1回目と2回目を合わせて3人(0.7%)がアナフィラキシーを起こしてしまいました。もちろん、専門医がそばに控え、万全の処置ができる体制を整えていたことから、幸い死亡した人はいませんでした。
このデータをどう理解すればいいでしょうか。「ワクチンを受けたくないが、職場で強要されている」、「アレルギー体質だと言っても、信じてくれない」と、悩みを打ち明ける人が少なくありません。
接種を勧めたい人たちは「ごくまれな出来事だから・・・」と済ませてしまうのでしょうが、強要されている人にとっては、「もし、この数字の中に自分が入ってしまったら」・・・、0.7%は重みをもった数字となります。しかも接種会場では、専門医が万全をきして待機しているわけでもありません。
別の調査によれば、コロナワクチンでアナフィラキシーを起こした人が、過去にも同じ症状があったとは限らない、ことがわかっています。少しでもアレルギー体質があってワクチンを受けたくない人は、そう申告すべきであり、それを認めない職場の責任者や担当医は、人命を脅かす罪を負ったことになるのではないでしょうか。
【参考文献】
1) Blumenthal KG, et al., Acute allergic reactions to mRNA COVID-19 vaccines.
JAMA, Mar 8, 2021.
2) Shavit R, et al., Prevalence of allergic reactions after Pfizer-BioNTech
COVID-19 vaccination among adults with high allergy risk. JAMA, Aug 31,
2021.
Q8 変異ウイルスはどこで生まれたのか?
A インフルエンザではタミフルという特効薬があります。この薬が効かない変異ウイルスが蔓延しているのですが、実はその原因が「日本人がタミフルを乱用したため」と諸外国から非難を受けています。
コロナワクチンの効果に関する調査が盛んですが、多くは「効果が高い」ように見せかけるためのメーカー主導で行われているものです。5月20日、それらとは一線を画す、かなり厳格な調査が南アフリカで行われました。同国は、アストラゼナカ社ワクチンの治験が最初に、かつ濃密に行われたところです。
調査では、アストラゼネカ社ワクチンが、同国で発生した変異株に有効かどうかが検証されました。結論は、同社のワクチンは変異株に対して有効性がまったくないというものでした。
この結論から考えられることはただひとつしかありません。「南アフリカで変異ウイルスが発生したのは、同国で集中的に使われたワクチンが原因だった」ということです。私の当初の懸念が現実のものとなってしまいました。
日本でワクチン接種が集団で行われたあと、もしそこでクラスターが発生したりすると、そのときこそウイルスにとって、ワクチンに負けない変異を遂げるチャンスとなります。ワクチン接種を受けた人たちには、ウイルスを変異させないよう最大限の注意を払う、つまり自身が絶対感染しないという責任が生じたのです。
「集団接種が行われた町には怖くて行けない」、「職員の全員が接種を受けた病院は嫌だ」、「一家全員が接種を受けた親戚とは縁を切りたい」・・・。今後、そんなことを考える人が出てきてもおかしくはありません。
【参考文献】
1) Tracking coronavirus vaccinations around the world. New York Times,
May 26, 2021.
2) Madhi SA, et al., Efficacy of the ChAdOx1 nCoV-19 Covid-19 vaccine against
the B.1.351 variant. N Engl J Med, May 20, 2021.
Q9 ウイルスはどのように変異するのか?
A 数年前、ダーウインの進化論の現代語訳が『種の起源(上下巻)』という邦題で出版されました。それを読んで、進化論の奥深さに触れると同時に、この説を否定する声が高まっていることも知りました。
否定意見というのは、たとえば「キリンの首が長いのは、高い木になっている実を食べることができ生存競争に打ち勝ったから、というのであれば地球上の生き物はすべて首が長くなっているはず」といったツッコミです。しかし自然淘汰説が根本から間違いなのではなく、生物の種ごとに何か固有の力も一緒に働いてきた、ということではないでしょうか。
そう考えると、ウイルスが変異を遂げてきた理由もわかってきます。インフルエンザ・ウイルスがよく研究されていてますので、これで見ていきましょう。まず、ウイルスの変異には以下の3つの様式があります。
・遺伝情報1個単位の突然変異
・まとまった遺伝情報の大幅な組み換え
・性質が異なるウイルスに同時感染した場合の相互組み換え
この順番に変異は大きくなり、ときに困ったことが起こります。以前、大きな問題となった新型インフルエンザや鳥インフルエンザは最後のタイプで発生したと考えられています。
人間のDNAは、ファスナーのように2本で1組のひも状となっています。その片方に変異が生じると、部分的に壊れたファスナーのように凹凸が生じるため、酵素がそれを見つけ自動的に修復するようになっています。
しかし、コロナもインフルエンザも1本のRNAしか持たないため、自動修復機能が効きません。そのため、絶えずランダムに生じている突然変異がそのまま残り、溜まってっていくことになります。
そこで自然淘汰が働き、ワクチン接種による中和抗体、あるいはタミフルのような 特効薬から逃れることができた変異を有するウイルスだけが生き残って いく、ということではないかと推測されるのです。
以上の考察から、ウイルスの変異を促す要因はあきらかです。「感染が濃厚に発生している」か、あるいは「ワクチン接種が大集団で密に行われている」ことですが、私の推測では、ほぼ100%が後者です。日本固有の変異ウイルスも、そろそろ出てきているはずです。
【参考文献】
1) Antigenic drift vs antigenic shift. Immunology & Microbilogy, Oct
25, 2018.
2) How the flu virus can change: "drift" and "shift".
CDC, Oct 15, 2019.
Q10 ワクチンは本当に効いているのか?
A ファイザー社ワクチンが世界でもっとも多く使われています。効果が高く、副作用も少ないと説明されていますが、本当でしょうか?
有効性を示す唯一の根拠とされているのが、昨年12月31日に発表された1編の論文でした。そこで示された「有効率95パーセント」との情報が世界を駆け巡り、ワクチンを推進する人たちのバイブルとなっています。この論文を掲載した専門誌も、よほど自慢らしく、会員となっている私の手元にも、繰り返し「掲載のお知らせ」が届きます。
しかし、この論文には数々の疑惑があります。
疑惑その1
もっとも重大な疑惑は、有効率95パーセントという数値そのもにあります。総人数が36,523人と多い点は評価できるのですが、高熱などあきらなか症状を呈した人だけにしかPCR検査が行われていなかった点です。
米国の政府機関FDAあてに会社から提出された大部の資料によれば、3,410人の疑い例があったにもかかわれず、PCR検査が行われていませんでした。これらを合算すると、有効率は95%でなく、わずか19%となってしまいます。
疑惑その2
次に、「ワクチンが重症化を防ぐ」と政治家や専門家が述べていますが、それもこの論文がもとになっています。掲載されているデータを、著作権に触れないよう形を変えて以下にまとめてみました。

このデータから、論文の執筆者は「接種したグループでは重症化した人が1名しかおらず、重症化を防いでいる」と書いています。
この記述はあきらかな間違いです。なぜなら、「重症化した人÷感染した人」という計算をすべきだからです。その結果は、最下段に示したようになりますが、接種した人のほうが、はるかに重症化しやすいことがわかります。もちろん、この数字は論文には記載されていません。
疑惑その3
論文には、「1回目の接種をしたあとから、2回目直前までの3週間」における有効率が52.4%に過ぎなかったと記載されています。
ところが、この計算には「1回目の接種直後から7日以内に感染した人数」が意図的に加えられていました。この期間は、ワクチンの効果がまだ現れていないはずから、感染者を数えれば、ワクチン接種群とプラセボ群で同じくらいになるはずです。
このことに気づいたフランスのある研究者が、この人数を除外して計算しなおすと有効率は92.6%になる、という主旨の記事を最近、発表しました。執筆者らが報告したものより、本当はずっと良い値だったのです。
さて、このややこしい話はどう理解すればよいのでしょうか? なぜ執筆者らはわざと低い値を報告したのでしょうか?
もう、おわかりだと思います。「ワクチンは2回打たないと効果がない」という話にしたかったのです。そうでなければ、会社の売り上げが半分に・・・?
疑惑その4
「毎日、ホームページを見てます」という方から情報提供があり、ファイザー社と米国FDAのと間で交わされた文章「ブリーフィング記録」を入手することができました。それを見ていて、本日、気づいたことがあります。
論文には、1回目の接種を行ってからの112日間、「ワクチン接種群」と「プラセボ接種群」における、新規感染者数の推移を記録した折れ線グラフが提示されています。
一方、ブリーフィング記録には、そのグラフに加え、日を追うごとに対象者数が減っていく様子も示されていて、77日目には早々と半数を割っていることがわかりました。これが何を意味しているかといえば、慎重に進めるべき追跡調査の途中で、協力者がどんどん脱落し、いなくなっていたということです。
途中で脱落していく人が多ければ、グループ間に偏りが生じるなど、調査結果の信頼性を著しく損ねることになります。実際、ずさんな調査ほど脱落者が多いことは、歴史が示しています。「副作用がきつくて嫌になった」などは、脱落理由の定番として知られています。
今日現在、判明している疑惑は以上です。
この論文の掲載を決めた編集長エリック・J・ルービン氏(ハーバード大学非常勤教授)は、「全人類」の未来永劫にわたる健康被害(?)に対する責任を負ったことになりますが、どのように考えているのか、聞いてみたい気がします。
南スーダンに派遣された自衛隊を取材、政府の隠ぺい体質を告発した、布施祐仁・三浦英之著『日報隠蔽』(集英社)という優れた報道ノンフィクションがあります。その帯に書かれていた言葉を最後に引用させていただきます。
「結局、すべてがウソなんじゃないか」
【参考文献】
1) Polack FP, et al., Safety and efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19
vaccine. N Engl J Med, Dec 31, 2020.
2) Pharm XW, Correspondence to 'Safety and efficacy of the BNT162b2 mRNA
Covid-19 vaccine.' N Engl J Med, Feb 17, 2021.
3) Doshi P, Pfeizer and Moderna's "95% effective" vaccines --
we need more details and the raw data. thebmjopinion, Jan 4, 2021.
4) Skowronski DM, et al., Safety and efficacy of the BNT162b2 mRNA Covid-19
vaccine. N Engl J Med, Apr 21, 2021.
5) Pfeizer and BioNTech, Vaccines and related biological products advisory
committee meeting. FDA Briefing Document. Dec 10, 2020.
Q11 うわさのウソ、ホント?
A 騙しのテクニック、騙されない知恵をまとめてみました。
その1 後ろ向きに注意
最近の学術論文で多いのは、「ワクチン接種を自分の意思で受けた人と受けなかった人を比べたら、受けた方の人たちで感染率が小さかった」と結論したものです。この結果は正しいでしょうか。
「自主的にワクチンを受けた人たち」と「受けなかった人たち」をあとになって比べただけなのですから。両群には何か偏りがあるはずです。たとえば接種を受けた人たちの多くが年長者で、もともと健康に関心があり、日頃から感染予防もしっかり行っていたかもしれません。
だとすればワクチン接種とは無関係に、感染率も小さくなるに決まっています。このような方法は「後ろ向き調査」、「症例対象試験」、「観察調査」などと呼ばれ、コンピュータ内のデータを計算するだけですむため、手軽で費用もかからず、昔からよく用いられてきました。医師の多くも、この方法が正当なものだと信じています。
しかし意図的な誘導が可能であり、また常に誤った結論を出してしまうことから、医学を混乱させる原因ともなってきたのです。後ろ向き調査のデータは、科学的根拠になりません。
8月12日、厚生労働省は次のような発表を行い、それをNHKが大々的に報じました。
『65際以上の感染者で未接種だった人の死亡率は4.31%、
一方、2回接種した高齢者は0.89%で約5分の1だった』
単純に受け取れば、高齢者はワクチンを接種しないと死亡率が5倍も高くなる、ということですから大変です。しかし、そうなのでしょうか。話を整理すれば、「未接種の人たち」と「接種した人たち」の死亡率を、あとになって比べてみたということです。
上で述べた「後ろ向き調査」の典型ですが、この方法で、2つのグループを公平に設定するのは基本的に不可能です。とくに高齢者~超高齢者に限っている点に注目してください。
長年の患いから衰弱が進行していたり、老衰で余命いくばくもないという人は、必然的に本人または家族の判断で接種を控えます。このことは、高齢者の診療に日々当たっている私自身の経験からもあきらかです。したがって実際には、「衰弱した人」と「そうでない人」を選んで比べただけに過ぎません。そうであれば、死亡率に大きな差が出るのは当たり前です。
つまり、これは、比べてはいけない数字だったのです。このニュースを聞いた瞬間、大本営発表、扇動、フェイク、ステマなどの言葉が頭の中を駆け巡りました。厚労省も、すべてをわかっていて、その上で発表したのでしょう。
その2 フェイクニュースのスプレッダーとは?
コロナが流行り始めたばかりのころ、「スーパー・スプレッダー」という言葉が世界的に話題になりました。スプレダーは「ばらまく人」という意味です。一人で大勢にウイルスを移してしまう人のことで、集団感染の原因を作っているとされます。本人に罪があるとは限らず、何か特異体質があるわけでもなく、たまたま最初のきっかけになっただけなのでしょう。
そんな人がスーパー・スプレッダーと呼ばれたのですが、いま、この言葉がまったく別の意味で使われ始めています。
ワクチンに反対するためのフェイクニュースがあとを絶ちませんが、世界中で流れている65パーセントの発信源が特定され、12人いることがわかりました。ブラックリスト入りしたこの人たちには、すでにニックネームもあり「ディスる12人」(Disinformation
Dozen)です。ハリウッド映画『オーシャンズ12』のパロディでしょうか。その頂点に君臨(?)しているのが、米国フロリダ州に住むマーコーラ博士なる人物です。
この人は、バリバリの「ワクチン反対主義者」で、それどころか現代医療のすべてを否定し、その陰で自然食品のブランドを立ち上げ大儲けしているのだそうです。本人は「細々とツイッターに投稿しているだけ」と釈明していますが、そのフェイクニュースは世界中の言語に翻訳され、全世界を駆け巡っています。もちろん日本も例外ではありません。
以前の本項で、「さまざまなサイトに載っているからといって真実とは限らない。元を正せば一人のいたずらだったり」と紹介しましたが、そのとおりだったのです。コロナワクチンは、(善悪は別にして)最新医学の話ですから、フェイクニュースを流すにも、ある程度の知識が必要です。もっともらしいウソが多く、単なる愉快犯の仕業と違うようだとは感じていましたが、犯人は博士の肩書をもつ人だったのです。
SNS上に溢れる、過激な言葉に彩られた話、荒唐無稽としかいいようのないニュースには決して振り回されないよう、改めてお願いします。フェイクニュースは、ワクチン問題を真剣に考える人たちの意思と善意を傷つけています。
【参考文献】
1) Frenkel S, The most influential spreader of coronavirus misinformation
online. New York Times, Jul 24, 2021.
2) Kavi A, How HIPAA law works and why people get it wrong. New York Times,
Jul 24, 2021.
その3 基礎疾患のある人?
「基礎疾患のある人ほど感染すると死亡リスクが高いので・・・」。これも最近、よく聞くようになった言葉のひとつです。
以前、全国の新聞に「コーラは風邪を予防する」という、海外ニュースが掲載されたことがあります。コーラがよく売れる夏は、かぜをひく人が少ないなからと説明されていたのですが、どうでしょうか。
正しくは、コーラが売れるのは暑い季節→暑いとウイルスも元気がなくなる→だからかぜをひく人も少ない、という関係があるだけです。つまり、コーラの売り上げとかぜが関係しているわけでなく、どちらも「暑い」という隠れた要因と因果関係にあるわけです。結局、コーラの宣伝に世界中が騙されたという話でした。
さて、基礎疾患の定義はよくわかりませんが(本来の意味から逸脱して使われているので)、何らかの体調不良を訴える人は65歳以上の半数、血圧の薬を飲んでいる人は40歳以上の2人に1人という統計もあります。
感染した場合の死亡リスクは基礎疾患の有無で左右されるわけでなく、「年齢」という要因と因果関係があるだけなのです。私自身、さまざまな病気のリスク因子をビッグデータで探る研究を行ってきました。しかし、いつも圧倒的な第一位が「年齢」となってしまい、論文を書くのに困っていました。
これは自然の摂理です。基礎疾患という言葉に怯えないようにしましょう。
(2021.9.5改訂)
その4 天秤(てんびん)にかける?
専門家や政府関係者などがテレビで述べる決まり文句があります。「ワクチンの副作用に遭遇するリスクと、感染してしまったときのリスクを天秤にかければ、その意義は自ずと明らか」というものです。
後者のリスクが高いと言っているわけですが、本当にそうなのでしょうか。これはワクチン問題を考える際の出発点となる、最重要テーマです。
天秤の一方に乗せるのはワクチンの副作用ですが、正確に言えば実態がまだよくわかっていません。そこで、(因果関係の証明は難しいとしても)接種後に死亡した人がいるのも確かですから、その「死亡率」を乗せてみることにします。
次に、天秤の反対側に乗せるのは、やはり「感染による死亡率」でなければつり合いがとれません。9月3日現在、国内でもっとも死亡率が少ないのは島根県で、人口100万人当たり3.0人となっています。これは、国内でもっとも死亡率が高い大阪府の106分の1に相当し、米国ニューヨーク州に比べれば900分の1なのです。
これほどまで重さが異なる物を、どうやって天秤で測れというのでしょうか。たとえばお肉屋さんで・・・、人の命にかかわる重大問題ですから軽率なたとえ話はやめておきましょう。
その5 メッセンジャーRNAは永久に残る?
ワクチンの主成分である「改造mRNA」が永久に体内に残るという噂が広がっているようです。私が投稿した動画から誤解が広がったのかもしれませんが、正しくは、いつまで残るかは不明ということです。
わかっているのは、原理を発明した2人の研究者が行った動物実験で、mRNAを改造したところ、分解されるまでの時間が1日だけ長くなった、ということだけです。彼らが実験室でつくった改造mRNAと、ファイザー社やモデルナ社が製品化したものとは別物で、かつ非公開であること、それにヒトでの実験データがまったくないというのが実情です。
【参考文献】
1) Vasileiou E, et al., Interim findings from first-dose mass COVID-19 vaccination roll-out and COVID-19 hospital admissions in Scotland: a national prospective cohort study. Lancet, Apr 23,2011.
2) Makowski M, et al., Antibody persistence through 6 months after the
second dose of mRNA-1273 vaccine for Covid-19. N Engl J Med, Apr 6,2021.
3) Bryant A, et al., Ivermectin for preventive and treatment of COVID-19
infection: a systemic review, meta-analysis, and trial sequential analysis
to inform clinical guidelines. Am J Ther, not accepted, 2021.
Q12 ワクチン接種が進んだ国の現状から見えてくること?
A 英国は、ワクチン接種が順調に進んでいる国として知られています。次のグラフは、英国における「新規感染者数の推移(青)」と「ワクチン接種率」との関係を示したものです。ワクチン接種のグラフは、昨年12月1日~本年7月18日までの間に1回受けた人をピンクで、2回受けた人をグレイでそれぞれで表しています。どちらも全国民に対する割合(%)です。

グラフから、1月(網掛け部分)に新規感染者数が激減したことがよくわかります。英国でワクチン接種が始まったのは昨年12月13日でしたが、効果が出るとすれば2~4週後のはずです。上の図は、接種のグラフを2週間だけ右にずらしたときの関係もわかるように工夫してあります。
着目すべきは、1月5日に「ロックダウン」が始まっていたことです。外出が禁止され、大学などの学校も閉鎖されるなど、日本とは比べものにならないほど厳しい行動制限でした。
これらのデータは2つの事実を示しています。ひとつは、ワクチン接種がわずか1~2パーセントしか実施されていなかった時期に、新規感染者数が激減していたこと、もうひとつは、その時期、2回接種を受けた人がほとんどいなかったことです。
つまり、もしこれがワクチンのお陰と言うのであれば、2つの新事実が判明したことになります。
① 国民の1~2パーセントが接種すれば、集団免疫ができ感染が終息する
② ワクチン接種は1回で十分
これはあきらかな矛盾です。
【参考文献】
1) Vasileiou E, aet al., Interim findings from first-dose mass COVID-19
vaccination roll-out and COVID-19 hospital admissions in Scotland: a national
prospective cohort study. Lancet, Apr 23, 2021.
2) Coronavirus (COVID-19) in the UK, GOV.UK, May 2, 2021.
3) Holder J, Tracking coronavirus vaccinations around the world. New York
Times, May 11, 2021.
(2021.9.9)
NEW!
ワクチンはまったく効いていない?
次のグラフをご覧ください。ワクチン接種が進んでいることがご自慢の、あの3つの国における新規感染者数(上段)と死亡者数(下段)です。期間は、2020年2月16日~2021年9月7日。

もう説明の要はないと思います。日本で言うところの第5波は世界共通なのですが、ワクチン接種が行き届いているはずの国々でさえ、過去の流行を上回るほどのペースで、感染者数が激増しています。
ワクチンの恩恵はまったくなかったと言ってよいのではないでしょうか。百歩譲って効果を認めたとしても、2ヵ月ほどで帳消し(効果消滅)ということです。「デルタ株の出現は想定外」との言い訳も無意味でしょう。ワクチンパスポートなるものの発想は、いったいどこを叩いたら出てくるのでしょうか。
(2021.9.10)
NEW!
死亡率は減っているのか?
では死亡率のグラフ(下段)が、第5波で減ったように見えているのは、なぜなのでしょうか。同グラフにはありませんが、国内に目を転じて考えてみます。
これには、いくつかの要因が絡んでいます。まず、今年の初めころまでは、死亡者に占める高齢者の割合が圧倒的に高かったのですが、その理由は、高齢者施設での集団感染が頻繁に起っていたからです。ひとつの施設だけで数十人から、ときには百人を超えるような状況が繰り返されていました。
しかし今年の4月以降、高齢者施設の全従業員が週1回のPCR検査を受けることになり、以来、集団感染が激減したのです。7月以降の第5波では、感染者の総人数が増え、一方、高齢者の分が減りました。そのため相対的に若い世代の割合が増え、亡くなる人の総数が減少したということなのです。
ただし背景は、もう少し複雑かもしれません。割合を考える際には母数が重要です。つまり割り算をするときの分母ですが、「死亡率」の場合は「新規感染者数」となります。問題は、その値が正しいかどうかです。
PCRは当初、制約が厳しく、なかなか受けることができませんでしたが、最近は状況が大きく変わり、比較的に自由に受けられるようになりました。次のグラフをご覧ください。上段は国内でPCRを日々受けた人の数、下段は新規感染者数です。

上下2つのグラフを見て気づくのは、ほぼ両者がいっしょに増減していることです。コロナ禍の真っ最中なのですから、PCRの実施件数も一定の割合で徐々に増えてよさそうなものですが、そうなっていないのは、なぜなのでしょうか。
このグラフは、保健所の判断によって、あるいは人々がテレビの報道に煽られて・・・、など人為的な要因によって大きく変動していることを示しています。米国で行われた調査では、実際の感染者数は、公表されている値の10倍から100倍くらい多いのではないかとも指摘されています。
だとすれば、実際の死亡率はもっと遙かに小さく、背景の異なる外国と比べることはできず、以前と現在の比較も意味がないことになります。ややこしい話になりましたが、大切なのは、意図的に歪められた報道に振り回されないことでしょう。
【参考文献】
1) Johns Hopkins University & Medicine, Coronavirus Resource Center, Sep 7, 2021.
2) Schwalbe N, et al., We could be vastly overestimating the death rate
for COVID-19. Here's why. World Economic Forum, Apr 4, 2020.
Q13 なぜ医師はワクチンについて正しい知識を持てないのか?
A 冒頭で紹介したyoutubeで、多かった感想のひとつが、これでした。以下、その理由を箇条書きで説明します。この考察は、私が30年ほどの歳月をかけて集めた国内外の確かな資料、および自身の体験に基づくものです。
1. 医師は、医学部を卒業したあと附属病院で研鑽を積む。しかし、そこは製薬企業からの莫大な寄付金が集まる場所であり、若手の指導に当たる教授、準教授、医局長などの肩書を持つ人たちは、常に製薬企業に忖度せざるをえない状況となっている。
2. そこで指導を受けた若い医師たちは、製薬企業からもたらされる情報で洗脳を受けた状態で市中病院に就職し、あるいは自身のクリニックを開設し、同じ発想で医療を実践していくことになる。
3. 市中病院やクリニックでは、MRと呼ばれる製薬企業の営業マンから新薬の情報や論文のコピーをもらい、勉強したように気にさせられてしまう。病院内で開催される勉強会で、製薬企業のMRが講師を務めることもしばしば。
4. ほとんどの医師は、医師免許のほかに専門医の資格を取得していくが、その資格を継続するには、定期的に開催される学会主催の講演会などに参加しなければならない。講演会では大学教授など有名医師が演壇に立つが、彼らは製薬企業から高額な謝礼と旅費を受け取り、豪華なホテルでの宿泊が約束されている。もちろん研究費と称する寄付金も受け取っている。
5. つまり医師たちの耳には、製薬企業に不利な情報はいっさい入ってこない仕組みが出来上がっている。医師たちは「製薬企業の手のひらで踊らされている」と言っても過言ではないだろう。
6. では正しい情報はどこにあるのか。これは、海外で日々発表される膨大な論文を読みこんでいくしかないが、当然、英文で書かれており、しかも高度な統計学が駆使された内容であるため、簡単に理解することはできない。
7. というよりも学術論文には、巨大製薬企業が雇った数学のプロによる巧みな修飾が施されていて、医師たちはその罠から逃れることができないのである。『歪められた現代医療のエビデンス』に、その一端を記した。
【参考文献】
1) Becker C, Relationships between academic medicine leaders and industry
- time for another look? JAMA, Nov 10, 2020.
2) Justice department annouces largest health care fraud settlement in
its history - Pfizer to pay $2.3 billion for fraudulent marketing. The
United States Department of Justice, Sept 2, 2009.
Q14 コロナワクチンでなぜ体調をくずすのか?
A ファイザー社とモデルナ社のワクチンの基礎をつくった2人の研究者(ワイズマンとカリコ)の動物実験から、筋肉注射したメッセンジャーRNAは、ほぼすべてが「脾臓(ひぞう)」と「網状赤血球」に集まることがわかっています。
米国では、ファーザー社かモデルナ社のワクチン接種を受けたあと高熱を出して入院した人に対しPET‐CTという画像検査で全身を調べたところ、脾臓のほかに「腋窩リンパ節」にも激しい炎症が起こっていることがわかった、という論文が発表されています。実際の写真も公表されていて、かなりショッキングです。
脾臓は、お腹の左側、横隔膜の下にある鶏卵大の臓器です。小児期では赤血球、白血球、血小板をつくっていますが、成人ではウイルスに侵された細胞や、老化した赤血球を除去する役割を担っています。わりやすく言えば、免疫機能によって破壊された細胞や微生物の残骸を血中から取り除いてくれているのです。
そのため、接種を受けた夜から数週間にわたり、発熱や倦怠感、関節痛、頭痛、下痢などの症状に悩む人が3~4割います。「こんな苦しい思いは初めて」と述懐する人も少なくありません。テレビでは、多くの医師が「想定された症状であり、体が守られている感じする」と述べていますが、大きな間違いです。免疫システムに重大な障害が起きているかもしれないのです。
因果関係の証明がなぜ難しいのか?
ワクチン接種後、重大な副作用が生じても、すぐ「因果関係不明」と断じられてしまいます。なぜなのでしょうか?
原理を発明した2人の研究者が行った実験は、こうでした。まず実験動物のラットに改造mRNAを注射したのち、しばらくしてから殺し、肝臓や脾臓などさまざまな臓器を取り出します。それぞれをペースト状にすり潰して、注射した改造mRNAがどこに集まっていたかを、特殊な方法で調べたのです。
しかし、そんな実験、いや検査をヒトでできるわけもありません。しかもトゲトゲ蛋白については、動物実験すら行われていませんでした。人間で証明することの難しさが、ここにあります。
では、どうすればいいのか。思いつくのは2つの方法です。まず次の顕微鏡写真をごらんください。昔、私が行った実験で、血管内皮細胞に強い刺激を与えたのち、動脈硬化症の原因となる有害物質を、「抗原抗体反応を利用した染色方法」で処理したものです。細胞が6個写っていますが、そのうちの1つに多数の微粒子が褐色に染まって見えます。これが、可視化した異常物質の影です(この説明はトゲトゲ蛋白と関係なく、ただ方法について述べたものです)。

たとえば、患者さんの肝臓や腎臓に針を刺して調べる「バイオプシー」という検査法があります。その際、この方法で染色を行えば、トゲトゲ蛋白がどの臓器の、どの細胞に溜まっているかを可視化できそうです。
もうひとつは、血液の中に流れ出したトゲトゲ蛋白の量を測る、新しい検査法を開発することです。原理は、ホルモンなど超微量な物質を測る検査(化学発光免疫測定法)として、すでに病院の中で使われているものがありますから、比較的簡単に実現できるでしょう。
この2つの方法が実用化すれば、因果関係の証明に近づけるように思われるのです。
【参考文献】
1) Karikó K, et al., Incorporation of pseudouridine into mRNA yields
superior nonimmunogenic vector with increased translational capacity and
biological stability. Mol Ther 16: 1833-1840, 2008.
2) Anderson BR, et al., Nucleoside modifications in RNA limit activation
of 2'-5'-oligoadenylate synthetase and increase resistance to cleavage
by RNase L. Nucleic Acids Res 39: 9329-9338, 2011.
3) Steinberg J, et al., 18Fluorodeoxyglucose PET/CT findings in a systemic inflammatory response
syndrome after COVID-19 vaccine. Lancet, Mar 8, 2021.
4) Adin ME, et al., Association of COVID-19 mRNA vaccine with ipsilateral
axillary lymph node reactivity on imaging. JAMA, Jun 10, 2021.
Q15 なぜmRNAワクチンは致命的な自己免疫病を起こすのか?
A ファイザー社・モデルナ社のワクチンが、副作用として致命的な自己免疫病を起こすメカニズムが明らかになってきました。
免疫性血小板減少症
血小板は、細胞の抜け殻のような物質で、出血を止めるために必須の物質です。ポイントは血小板の表面にある「糖鎖」でした。ワクチンで再合成されたコロナのトゲトゲ蛋白は、この糖鎖に結合しやすく、しかもその先端部(シアル酸)を切断する酵素のような働きをすることがわかったのです。
免疫細胞は、そんな血小板の異常な形を認識し、攻撃してしまうのです。このように自分自身を異物と誤認し、攻撃してしまうために起こる病気が「自己免疫病」です。
血小板が破壊されると、小さな出血も止まらなくなってしまいます。その病状の詳細が、米国で発表されています。因果関係が確実とされたのは、ファイザー社ワクチンで15名、モデルナ社ワクチンで13名です。年齢は22~82歳、女性が15名、男性が11名、性別不明2名です。ほとんどが2回目の接種後
1~23日目に発病していますが、1回目でという人もいました。
症状は、皮膚の点状出血、広範な皮下出血、鼻出血、歯茎の出血、不正性器出血、脳出血などです。死亡が2例あり、それぞれ脳出血と心筋梗塞でした。
詳細はここをクリックしてください。動画で説明しています。
免疫性腎障害
腎臓にも障害が出てくることがわかりました。まだ世界中で3例が報告されただけですが、全身のむくみで発症した人の腎臓を、バイオプシーという方法で調べたところ、免疫異常で起こることが知られている変化が認められたのです。ワクチンとの因果関係は証明できないとしながらも、接種直後の出来事であることがら、懸念が示されています。
免疫性心臓病
mRNAタイプのワクチンで心筋炎が起こることは、すでに広く知られていますが、その最新情報が米国で発表されました。
心筋炎のみならず、心外膜炎や心臓周囲組織の炎症などを起こす人が多く、6月23日時点で、すでに1,200人を超えています。接種1回目より2回目のあとのほうが多く、年齢はさまざま。男性のほうが女性より多くなっています。接種者100万人当たりで計算とする12.6人です。
5月28日、国民の多くがワクチン接種を受けてしまったイスラエルからも詳細な論文報告がありました。3週間で6名が入院しましたが、年齢は16~45歳で、うち5名は2回目の接種が終わって24~72時間で発症、あとの1名は1回目の接種後16日も経ってからでした。
最初の症状は胸痛、または胸苦しさです。血液検査のデータが正常値の10~400倍も上昇しており、体内で激しい炎症が起こっていることを物語っていました。特徴的だったのは心電図です。インフルエンザ感染などでも起こりうる「心外膜炎」の徴候とともに、心筋梗塞にも似た波形になっていました。
イスラエルの冬は12~3月で日本と同じですが、この時期、同国での心筋症の患者は各シーズン平均で1.17人であり、それに比べて6名という人数は、異常だと報告者は述べています。その後、メディアは、すでに同症が148人に認められているとも報じています。
心臓病はあきらかに増加している
ワクチン接種後、「副作用としての自己免疫病があきらかに増えている」ことを明確に示す、初めての論文が8月に入り発表されました。これまで、とくに米国では「極めてまれ」とか「普段の発症率と同じ」という説明で言い訳がなされてきましたが、そうではなかったのです。
まずワクチン接種が始まる直前までの2年間、全米40の病院を受診した患者のうち、心筋炎と心外膜炎の人数(月平均)を数えておき、接種したあとに発症した人の数を比べたものです。接種したワクチンは、ほとんどがファーザー社かモデルナ社製で、接種が1回だけの人も含まれています。実際のデータは以下のとおりでした。
ワクチン開始前 ワクチン接種後
心筋炎 16.9人/月 27.3人/月
平均 26~48歳
男女比 1:3
接種後の日数 3~11日
心外膜炎 49.1人/月 78.8人/月
年齢 46~69歳
男女比 1:2.7
接種後の日数 6~41日
免疫性皮膚病
私の周辺でも気になることが起こっています。第1回目の接種から1~2週間して、皮膚の激しい炎症症状を示す人が少なからずいるのです。同じことが起こっていないか調べたところ、ファイザー社やモデルナ社のワクチン接種後、激しい皮膚の湿疹を呈した414名についての詳細な報告が米国にありました。
第1回目の接種後1~2週間してから、注射とは異なる部位に、蕁麻疹のような変化を認めた人が半数近くいたのです。またドイツからの報告によれば、接種後、全身エリテマトーデスという自己免疫病の症状を呈し、検査データでも確認できたという人がいました。潜在的な病気が、ワクチン接種によって呼び覚まされたのではないか、というのが報告した研究者の考察です。
さらに国内のネット上では「多形滲出性紅斑」という皮膚病の名前も飛び交っています。薬の副作用などで起こる皮膚病のひとつの形なのですが、それがワクチン接種後に認められたという話のようです。
私が見聞きしている皮膚の症状も、これらに非常によく似ています。「注射した部位とは異なること」「接種していから5日以上経っていること」「皮膚症状がさまざまであること」などが特徴で、メディアで語られている「想定された副反応」とは、あきらかに異なるものです。
ただし皮膚の病気は原因がさまざまで、症状も多彩、かつ頻度の高いことから、すべてをワクチンと結びつけることはできません。一方、高齢者医療に従事している私の経験から、「普通でない事態が進行している」と言えるのも確かです。具体的な皮膚症状は、文献13)で見ることができます。
免疫性感染症?
私が個人的に見聞きできる範囲で、気になることが相次いで起こっています。高齢者を中心に2回目のワクチン接種を終えたあと10日ほどしてから、蜂窩織炎、急性腎盂腎炎、肺炎、不明熱など、炎症をともなう病気が少なからず認められるということです。
いずれも高齢者に多い病気ですが、頻度が普段より多いことに加え、ワクチン接種後の日数が共通している点が気になっています。共通点は、細菌感染が起こり、その結果、血液中の白血球といういう細胞が増えること、ひと言でいえば「炎症」です。初期の症状は発熱、全身倦怠感などです。
これは昔から、たとえば糖尿病や抗がん剤治療中など免疫力が低下する状態で、起こりやすいと言われてきました。いまのところトゲトゲ蛋白との関係はまったく不明であり、文献もありません。
(2021.9.6)
NEW!
免疫性の眼疾患とは?
眼の一番奥にあるのが網膜です。物を見るための細胞が並んだ、大切な場所です。また眼球全体を包んでいる白い膜、いわゆる白目が強膜と呼ばれます。実際のコロナ感染では、これらの部位の病気がよく認められますが、9月2日付で発表された2つの論文で、ワクチン接種後にも起こりうることが初めてあきらかになりました。
いわゆる「不活化ワクチン」の治験がアブダビ首長国連邦で行われたのですが、論文のひとつは、その際に認められた眼疾患について報じたものです。7人に異常が認められ、上強膜炎1人、前強膜炎2人、急性黄斑部神経網膜症2人、傍中心窩急性中間層黄斑症1人、網膜下液1人でした。
いずれも聞きなれない病名ばかりですが、目がかすむ、目が突然見えなくなった、目が充血して痛い、頭も痛いなどの症状で救急外来を受診し、発見されました。ワクチン接種後、6日目前後の出来事でした。
もうひとつの論文もよく似ていて、網膜の細い血管が血栓で詰まった人がいたという報告で、急性黄斑部神経網膜症という病名がつけられました。2週間前に「ジョンソン&ジョンソン社ワクチン」を接種していましたが、これはアストラゼネカ社ワクチンとほぼ同じで、トゲトゲ蛋白のDNAをウイルスに組み込んで注射するものです。
この2つの報告から、(改造mRNAワクチン以外で)トゲトゲ蛋白が血液中を流れるようなタイプのワクチンによって重い眼疾患が起こることがわかりました。
【参考文献】
1) Seneff S, et al., Worse than the disease? reviewing some possible unintended
consequences of the mRNA vaccines against COVID-19. IJVTPR, May 10, 2021.
2) Mandavilli A, C.D.C. is investigating a heart problem in a few young
vaccine recipients. New York Times, May 22, 2021.
3) Welsh KJ, et al., Thrombocytopenia including immune thromcytopenia after
receipt of mRNA COVID-19 vaccines reported to the Vaccine Adverse Event
Reporting System (VAERS). Vaccine, Apr 30, 2021.
4) Mouch SA, et al., Myocarditis following COVID-19 mRNA vaccination. Vaccine, May 28, 2021.
5) Lebedev L, et al., Minimal change disease following the Pfizer-BioNTech
COVID-19 vaccine.AJKD, Apr 8,2021.
6) Sekar A, et al., ANCA glomerulonephtitis after the Moderna COVID-19
vaccination. Kid Int, poorf, 2021.
7) Lebedev L, et al., Minimal change disease and acute kidney injury following
the Pfizer-BioNTech COVID-19 vaccine. Kid Int, Proof, 2021.
8) Mandavilli A, Heart problems after vaccination are very rare, federal
researchers say. New York Times, June 23, 2021.
9) McMahon DE, et al., Cutaneous reactions reported after Moderna and Pfizer
COVID-19 vaccination: a registry-based study of 414 cases. J Am Acad Dermatol,
April 7, 2021.
10) Gambichler T, et al., Prompt onset of Rowell's syndrome following the
first BNT162b2 SARS-CoV-2 vaccination. JEADV 35:e411, 2021.
11)Montogomery J, et al., Myocarditis following immunization with mRNA
COVID-19 vaccines in members of the US military. JAMA, Jun 29, 2021.
12) Kim HW, et al., Patients with acute myocarditis following mRNA COVID-19
vaccination. JAMA, Jun 29, 2021.
13) Merrill ED, et al., Association of facial pustuler neutrophillic eruption
with messenger RNA-1273 SARS-CoV-2 vaccine. JAMA, July 28, 2021.
14) Diaz G!, et al., Myocarditis and pericarditis after vaccination for
COVID-19. JAMA, Aug 4, 2021.
15) Jampol LM, et al., COVID-19, COVID-19 vaccinations, and sebsequent abnormalities in the retina, causation or coincidence? JAMA, Sep 2, 2021.
16) Pichi F, et al., Association of ocular adverse events with inactivated COVID-19 vaccination in patients in Abu Dhabi, JAMA, Sep 2, 2021.
(2021.9.2)
NEW!
ワクチンで突然死するわけ
ワクチンの接種後、数日から2週目くらいの間に、若い世代の人が突然、死亡するという事例が少なからずあります。アナフィラキシーショックとはあきらかに異なる経過をたどるものですが、日本では、いつも「因果関係不明」で終わりにされてきました。
その理由があきらかになりました。ワクチン接種後、重い心臓病になり入院した2人についての詳細な報告が、米国でなされたのです。1人は入院3日目に死亡しています。どちらも心臓の筋肉の一部が採取され、顕微鏡による分析が行われました(バイオプシー検査)。その結果、心臓の筋肉細胞の一つ一つが広範囲にダメージを受け、収縮できない状態になっていたことがわかりました。
つけられた病名は「劇症型心筋炎」。滅多に使われることのない病名で、原因不明、最後は心臓移植しか治療法がないとされてきたものです。心筋梗塞は血管が詰まって起こる病気ですが、そのような変化はまったくありませんでした。トゲトゲ蛋白の危険性が改めて浮き彫りになったようです。異物混入事件とは無関係と考えてよいでしょう。
【参考文献】
1) Verma AK, et al., Myocarditis after Covid-19 mRNA vaccination. N Engl
J Med, Aug 18, 2021.
2) Anthes E, et al., Heart problem more common after Covid-19 than after
vaccination, sutdy finds. New York Times, Aug 25, 2021.
(2021.9.6改訂)
NEW!
接種後の2ヶ月間の副作用まとめ
接種後の2ヶ月間に起こりうる副作用が、ほぼ明確になりました。ここまでに記した自己免疫性病に加え、8月25日にイスラエルから発表された大規模データ分析の結果も合わせて、まとめをしておきます。
以下は、その一覧です。順不同で、カッコ内の数字は、接種していない人と比べた場合の発生倍率です。最後の1つは、まだ論文発表はありませんが、私自身の経験、あるいは当サイトに医師の方々から寄せられた確度の高い情報です。ほかにあれば、ぜひ情報をお寄せください。
・血小板減少症(脳出血、性器出血、皮下出血、歯肉出血など)(倍率不明)
・心筋炎、心外膜炎、心不全(3.24倍)
・腎炎(倍率不明)
・多形滲出性紅斑(もっとも多いが倍率は不明)
・劇症型心筋炎(致命的、倍率不明)
・虫垂炎(1.40倍)
・帯状疱疹(1.43倍)
・リンパ節腫脹(2.43倍)
・眼疾患(強膜炎、網膜など)
・細菌感染症(蜂窩織炎、腎盂腎炎、肺炎など)
今後の課題は、接種後半年以上の長期にわたる副作用の検証と、因果関係を証明するための検査法の開発です。
【参考文献】
1) Barda N, et al., Safety of the BNT162b2 mRNA Covid-19 vaccine in a nationwide
setting. N Engl J Med, Aug 25, 2021.
Q16 発想が間違っていたワクチン?
A ワクチンのリスクを考える際、全身の血管にある内皮細胞が、決定的に重要であることがあきらかになってきました。
ここで私自身の研究について少しだけ紹介することにします。動脈硬化症を予防するための研究として、ヒトの血管内皮細胞を試験管内で培養し、さまざまな刺激を与えmRNAがどのように反応するかを調べてきました。
左側の写真は、私が育てていた内皮細胞の顕微鏡写真です。数十個の細胞が隙間なく並んでいます。この細胞には重要な役割がたくさんあり、たとえば血液中の栄養素やホルモンを取り込んだり、血圧を調節したり、血液をさらさらにする司令塔ともなっています。

ところが、この細胞は非常にナイーブで、わずかな刺激や環境変化ですぐ死滅してしまいす。部分的に死滅しても、周囲の細胞がすぐ分裂して隙間を塞いでくれるのですが、私の経験では分裂を7~8回繰り返すと、すべての細胞は分裂をやめてしまいます。つまり血管死です。
ワクチンによって内皮細胞内で再合成された「コロナのトゲトゲ蛋白」は、なかり激しい性質を持っていることがわかってきました。そのひとつが血小板の糖鎖を切断してしまうことでしたが、内皮細胞自体にも深刻な損傷を与える可能性があります。
上の右側の図は、私が発見した悪玉LDL上の「糖鎖」です。先端は「シアル酸」と呼ばれる分子になっていて、細胞やたんぱく質の性質を決定づける重要な働きをしています。私が行っていた実験は、LDLのシアル酸を人工的に切断すると、内皮細胞にどのような障害が生じるかを調べるものでした(コロナとは無関係)。
こんな構造物が、内皮細胞にも、また多くのたんぱく質にも存在しています。トゲトゲ蛋白は、LDLや血小板に限らず、あらゆる部位のシアル酸を切断してしまうリスクを孕んでいます。
コロナワクチンは、そもそも発想が間違っていたのです。トゲトゲ蛋白を体内に入れるのは危険です。
【参考文献】
1) Okada M, et al., Effects of modified low density lipoprotein and hypoxia
on the expression of endothelial adhesion molecule-1, Eur I Med 24: 483-488,
1995.
2) Okada M, et al., Difference in the effects of cytokines on the expression
of adhesion molecules in endothelial cells. Ann Med Interne 148: 125-120,
1997.
(2021.8.26)
Q17 PCRの利点と欠点は何か?
A コロナ感染対策の第一歩は、なんといってもPCRです。しかし、その意味が正しく理解されていないために、さまざまトラブルや悲劇が生じています。PCRの本質について理解を深めておかないと、自分が損をしてしまいます。
まず次のアニメをご覧ください。おおよそのイメージをつかめるはずです。ややこしい話は嫌いだという方はスキップしても大丈夫です。

(2021.8.27)
ややこしい話がお嫌いな方は、このあとの「PCRで困ること」だけご参照ください。さてPCRでは、サンプルの中に、たとえばウイルスが1個あったとすると、それが1→2→4→8,
…と倍々に増えていくことになります。もし10個あれば、10→20→40→80,…ですから、超微量な遺伝子でも楽々と測定できるようになるのです。
次の図は、PCRの途中経過を示したグラフです。横軸はコピーの回数、縦軸は光の強さ、つまりコピーで増えた遺伝子の個数です。5つのサンプルを同時に測定したもので、一番右端(緑色)のグラフは、なかなか増えていませんから、元々のサンプル中に遺伝子が少なかったことがわかります。ただしこのグラフは、コロナと関係なく昔、私が行った実験データです。

PCRでもっとも大切なポイントは、アニメの中でピンク色とオレンジ色で示した人工のDNA断片で、「プライマー(最初のものという意味)」と呼ばれるものです。唾液などのサンプル中には、うようよ雑菌もいます。ときにはインフルエンザ・ウイルスなどもいるかもしれません。それらを区別するのがプライマーの仕事です。
これは、新型コロナにしか存在しない遺伝子情報をコンピュータで探し出し、その中から必要最小限の長さのDNAを人工合成したものです。地球上のあらゆる生命体の遺伝子情報が、共同利用可能なコンピュータに登録されているため、そのような検索が簡単にできてしまうのです。私自身もいろいろなプライマーを作ってきましたが、と言っても、種を明かせばインターネットで注文するだけで作ってくれる会社が世界中にあります。
繰り返しますが、プライマーの定義は「唯一無二」であることです。したがって理論上は、PCRが間違った結果を出すことはありえません。ただし分析条件の調整が非常に難しく、さまざまな民間企業が検査を請け負うようになったいま、若干の不安は残ります。
PCRで困ること
さてPCRは、理論的には完璧と言ってよい方法なのですが、応用する上で重大な問題点が2つあります。ひとつは、唾液などのサンプルがうまく取れず、たまたまコロナウイルスが入っていなければ、感染者であっても誤って陰性と判断されてしまうことです。海外での調査によれば、その割合は4割にも昇るとされています。つまり見落としですね。
もうひとつは、ウイルスが死滅して、ばらばらになったあとでも、プライマーが結合する遺伝子断片が残っていれば、陽性になってしまうことです。昨年の春、感染者の退院を許可する基準が国際的に統一されました。たとえば無症状の人は、「サンプル採取日から10日経てば退院可」となります。PCR陰性が退院の条件ではなくなったのです。
コロナウイルスの断片がいつまでも体内に残ることがあるため、PCR陰性を条件にしてしまうといつまでも退院できず、いつまでも自宅待機が強制されることになってしまいます。いま日本では、保健所がPCRを重視するあまり、自宅待機の期間が不必要に長くなっていて、悲劇が家族をおそっています。
【参考文献】
1) Wang W, et al., Detection of SARS-CoV-2 in different types of clinical
specimens. JAMA, Mar 11, 2020.
2) Wyllie AL, et al., Saliva or nasopharyngeal swab specimens for detection
of SARS-CoV-2. N Engl J Med, Aug 28, 2020.
Q18 そもそも、なぜ新型コロナウイルスは蔓延したのか?
A 第一の説
この問題を巡って、にわかに2つの説が改めて注目を集めています。そのひとつが「コウモリ原因説」です。
従来からあった、風邪などを引き起こすコロナウイルスは、中国・雲南省の大洞窟に生息するキクガシラ・コウモリが、ホストとして抱え込んでいる数千種類の微生物のひとつでした。それが突然変異を起こし、「新型コロナ」になったとする説です。
このコウモリは人間社会と隔絶された地域に生息しており、長い間、「野生生物-人間社会バランス」が保たれていました。では、なぜ今回、このバランスが崩れたのか? そのシナリオは以下のように考えられます。
大洞窟に生息するコウモリ→ 赤や緑の光を好む性質があり、強い照明に
引き寄せられ1000kmを飛び越えた→ 浙江省・舟山市の食用ネズミに感染→
同時に湖北省・武漢市にある海鮮市場の小動物や虫の死骸にコウモリが
集まり→ その糞などから人間に感染した
つまり人間の傲慢さが自然界の掟を破った、・・・ということです。
次の2枚の写真は、浙江省・舟山市と河北省・武漢市を流れる大河・長江(その下流が揚子江)にかかる橋の夜景です。コウモリが好む「赤」と「緑」の照明に煌々と照らし出されていました。

この説が正しいとすれば、大洞窟に生息するコウモリを絶滅させればよいことになります。ただし世界のメディアには、「コウモリに罪はないので殺さないで!」という論調の記事が少なくありません。コウモリが500種類以上の植物の授粉に寄与しているからとか、デング熱など恐ろしいウイルス病を媒介する蚊を食べてくれるからだというのです。
実は、この項の記載は1年ほど前に行ったものです。しかし、いまになって考えてみると、なぜ1千キロも離れた武漢市だったのかが不思議です。もっと近くにも大都市があり、河川があり、生きた動物を売る市場があり、赤や青の照明もあるからです。

第二の説
突然、ひとりの女性が世界の注目を集めました。名前はシー・ジェンリー(Shi Zhengli)、57歳の中国人です。中国武漢市のウイルス研究所に勤める主任科学者で、フランスで博士号を取得したのち、研究者として頭角を現し、以前から国際舞台で名を馳せていた人です。
研究テーマは、中国・雲南省の洞窟に生息するコウモリからコロナウイルスを採取し、ヒトに感染するメカニズムを解明すること。実験では、(新型ではない普通の)コロナウイルスの遺伝子組み換えなどを行っていました。
ことの発端は昨年始めでした。当時、発表されたばかりの新型コロナウイルスの遺伝子配列を眺めていた米国のウイルス研究者が、「突然変異と自然淘汰(Q8参照)ではあり得ない組み合わせ」があることに気づきました。早速、仲間の研究者にメールしたものの同意が得られず放置されてしまったのですが、最近、その全文が明かされました。
そこ書かれていたのは、誰かが、コロナウイルスに新たな能力を持たせるための遺伝子改造を行ったのではないか、という疑惑でした。
その犯人の疑いをかけられたのが、彼女でした。このような実験はGOF(遺伝子能力改造)と呼ばれ、ウイルスが対象の場合、リスクがきわめて高いことから、厳しい規制がかけられています。特別な許可を得た上で、レベル4と呼ばれる超厳密な感染防御を施した研究室で実験がなされなければならないのですが、彼女はレベル2という簡単な設備の部屋で行っていた、らしいのです。
人工的な改造が疑われているのは、「トゲトゲ蛋白」がヒトの細胞表面にある「受け皿」に取りつく部分です。ここもたんぱく質なのですが、接着面で大切なのは6つのアミノ酸です。そのうち5つが、以前からあった風邪コロナウイルスと違っていました。
ただし人工改造説には疑問を抱く研究者も多く、5つのアミノ酸の並び方が完璧でなく、少し隙間ができてしまう。もし人工的に改造したのであれば、そのような手抜かりはするはずがないというのが、その主張です。
「あなたが造ったコロナの新型ウイルスが研究所から漏れ出たのでは?」とのメディアの問いに、彼女は上ずった声で否定の言葉を繰り返したとのことです。
第三の説
「消された遺伝子配列」と題する論文の発表がありました。昨年の3月、武漢市の研究者グループが、新型コロナウイルス241種類の遺伝子配列の分析に成功し、米国国立衛生研究所(NIH)のデータベースに登録していました。数が多いのは、ウイルスにもそれぞれ個人差があるからです。
ところが今年6月、米国のあるウイルス学者がそれを検索したところ「該当なし(not found)」という結果が返ってきました。データがそっくり消えてしまっていたのです。しかし、グーグル・クラウドを徹底的に調べ、13の配列を復元することができました。消された配列の秘密は、まだ解明できていませんが、どうやら武漢市の海鮮市場を経由せずに感染が広がったことを示すものだったようです。
新型コロナに感染した患者が最初に確認されたのは、公式には「2019年12月8日、武漢市の海鮮市場で」とされています。しかし実際には、「すでにその年の9月29日に第1例目が確認されていた」と、武漢大学の教授が語っていた記録も見つかりました。同教授は、その後、「中国CDC」なる機関から叱責を受け、「12月8日以前に感染者はいない」ことにさせられてしまいました。
上記の論文が発表されてから1ヵ月半ほど経った7月5日、消されていた遺伝子配列が、中国バイオ情報センターなる組織が運営するサーバーに突然、アップロードされていることが判明。疑惑が再燃しています。
武漢大学の研究者が解析した遺伝子配列は、1年ほど前に米国NIHのデータベースに登録されましたが、ある日、「情報を全部消してほしい。配列を訂正するためだ」との連絡が武漢大学からあった、との担当者の新証言も同時にあきらかになりました。
しばらくして中国国内で開かれた記者会見で、「実は、あの遺伝子配列はドイツの専門誌にも投稿していたが、編集ミスがあって、NIHデータベースのアドレスを記載した一文が削除された状態で発刊されてしまった。そのため、NIHには取り消しを依頼し、中国が運営しているデータベースに登録し直しただけ」、と意味不明の釈明がなされました。
記者会見の最中、政府関係者が演壇に立ち、「ウイルスは武漢ウイルス研究所から漏れ出たものでは決してない」と、むきになって発言していたそうです。語るに落ちたとは、このことでしょう。
結局、謎はさらに深まった、と米国のメディアは伝えています。
【参考文献】
1) Wu F, et al.,A new coronavirus associated with human respiratory disease
in China. Nature, Mar 20, 2020.
2) Zhou P, et al., A pneumonia outbreak associted with a new coronavirus
of probable bat origin. Nature, Mar 12, 2020.
3) Sun Z, et al., Potential factors influencing repeated SARS outbreaks
in China. Int J Environ Res Public Health 17: 1633, 2020.
4) Ma W, et al., The pig as a mixing vessel for influenza viruses: human
and veterinary implications. J Mol Genet Med 3: 158-166, 2009.
5) Gorman J, U.S. and Chinese scientists trace evolution of coronaviruses
in bats. New York Times, June 1, 2020.
6) Ives M, Scientists say new strain of swine flu virus is spreading to
humans in China. New York Times, Jun 30, 2020.
7) Alagona P, It's wrong to blame bats for the coronavirus epidemic. The
Conversation, online.
8) Qin A, Buckley, A top virologist in China, at center of a pandemic storm,
speaks out. New York Times, Jun 14, 2021.
9) Gorman J, Zimmer C, Scientist opens up about his early Email to Fauci
on virus origins. New York Times, Jun 14, 2021.
10) Andersen KG, et al., The proximal origin of SARS-CoV-2. Nat Med 26:450-455,
2020.
11) Sills J, Investigate the origins of COVID-19. Science, May 14, 2021.
12) Zimmer C, Scientist finds early virus that had been mysteriously deleted.
New Yprk Times, Jun 23, 2021.
13) Bloom JD, Recovery of deleted deep sequencing data sheds more light
on the early Wuhan SARS-CoV-2 epidemic. bioRxiv, Jun 18, 2021.
14) Zimmer C, Those virus sequences that were suddenly deleted? they're
back. New York Times, Jul 31, 2021.
《執筆者紹介》
現代医療は、世界の巨大医療産業によって操作された偽りのエビデンスによって、間違った方向に誘導されている。その実態を明らかにするため、長年、薬品やがん検診に関するねつ造データの科学的検証を行っている。
著 書
『人はなぜ太るのかー肥満を科学する』(岩波新書)、2006年(11刷)
『がんは8割防げる』(祥伝社新書)、2007年
『ほどほど養生訓』(日本評論社)、2007年(5刷)
『放射能と健康被害 20のエビデンス』(日本評論社)、2011年
『医者の私が、ガンケンシンを受けない9つの理由』(三五館)、2016年(4刷)
『医者が教える「家族に飲ませない薬」』(PHP)、2019年(11刷)
『医療AIの夜明け:AIドクターが医者を超える日』(オーム社)、2019年. など多数
研究論文
1. Abe T, Okada M, et al., Sleep duration is significantly associated
with carotid
artery atherosclerosis incidence in a Japanese population. Atheroslcerosis
217: 509-513, 2011.
2. Okada M, et al., Low-density lipoprotein cholesterol can be chemically
measured: a new superior metod. J Lab Clin Med 132: 195-201, 2998.
3. Okada M, A metod for clinical data reduction based on "weighted
entropy",
IEEE Trans Biomed Eng BME-25: 462-467, 1978. など574編
経 歴
京都府舞鶴市生まれ
1972年 新潟大学医学部卒業
1990年 同 医学部教授
2012年 同 名誉教授(国立大学定年退官後の称号)
診 療
高脂血症・高血圧症・糖尿病などの予防治療
受 賞
・新潟日報文化賞、1981年
・臨床病理学研究振興基金「小酒井望賞」、2001年
主な発明・発見・特許
・低密度リポ蛋白中のコレステロールの定量方法(特許3058602)
・超低比重リポ蛋白及び中間比重リポ蛋白のトリグリセライド定量方法(特許4070958)
・LDLコレステロールかん作法を世界で最初に開発
・重み付きエントロピー計算法の発明
・Bツリーによる重複情報カウント・アルゴリズムの発見
資 格
・医学博士
・日本循環器学会認定循環器専門医(~2010年)
・日本医師会認定産業医
・AHA Profesional Member(米国心臓学会、上級会員)
・IEEE Senior Member(米国電子工学学会、上級会員)
主な学会・社会活動
・IEEE T-BME(米国電子工学専門誌)共同編集長、1986年
・文部省大学設置・学校法人審議会、専門委員、1997年
・日本エム・イー学会誌『生体医工学』、編集長、1999年
・Frontiers Med Biol Engng(学会誌)、編集長、1999年
・公益信託臨床病理学研究振興基金、審査委員長、2000年
・文部科学省科学研究費補助金、審査委員、2002年
・全国国立大学法人病院検査部会議、議長、2005年
・第32会医療情報学連合大会、大会長、2012年
・Arch Prev Med (米国医学専門誌)、副編集長、2015年
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