８月２５日付朝日新聞朝刊に掲載した「文芸時評」について、本文でとりあげられた小説「少女を埋める」（文学界９月号）著者の作家、桜庭一樹さんから記事が作品の内容と違うという趣旨の指摘があり、議論が広がっ…[続きを読む]
（文芸時評）ケア労働と個人 揺れや逸脱、緩やかさが包む 鴻巣友季子(2021/8/25) サン＝テグジュペリは第２次大戦中、米国に亡命し『星の王子さま』を書いた。同作には祖国を出ていった者の惑いが投影されている。 王子の内なる闇が、子供の私には理解できなかった。ところが最近再読すると、こ…
（文芸時評）競争と性 「有害な」男らしさの果て 鴻巣友季子(2021/7/28)![有料会員記事](data:image/svg+xml,<svg xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" width="11" height="13"><rect fill-opacity="0"/></svg>)
波乱含みで開幕した東京五輪２０２０をぼんやり見ながら思う――スポーツ観戦が人びとを興奮させるのは、一つに、それが競い合いであり、戦いであるからだ。 古来、戦（いくさ）と性は連結してきた。戦闘は男性に…
陛下の開会宣言文言変更、割れる見方 IOCは承諾(2021/7/23) オリンピアードを「記念する」――。23日の東京五輪開会式で、天皇陛下は五輪憲章の和訳として示された「祝う」の表現を使わなかった。昭和天皇も前回東京五輪で「祝う」と述べており、異例とも言える変更に、専…
＜お知らせ＞「小説ＴＲＩＰＰＥＲ」２０２１年夏季号(2021/7/13) 篠田節子の創作「屋根裏の散歩者」、川上弘美の連作「たましいの名前」、松井玲奈の創作「家族のかたち」のほか、佐々木敦による本格文芸評論「『シン・エヴァンゲリオン劇場版』論」を掲載。特集「文芸時評の未来…
（文芸時評）身体への侮り 視線に苦しめられる女性たち 鴻巣友季子(2021/6/30) １００年前、スペイン風邪というウイルス感染症に臥（ふ）せった英作家ヴァージニア・ウルフは、なんと嘆いたのだったか？ 「英語は、ハムレットの思索やリア王の悲劇を表現できるものの、悪寒や頭痛を表現する言…
文芸と論壇の「時評」筆者が対談 問われる「私」の意識(2021/6/13) 4月から朝日新聞に「文芸時評」を執筆している鴻巣友季子さんと、やはり4月から「論壇時評」筆者を務める林香里さん。くしくも同じ年に生まれた2人が、執筆の難しさと手応えをオンラインで語り合った。「時評」…
時評の難しさ、問われる私 「文芸時評」鴻巣友季子さん×「論壇時評」林香里さん(2021/6/13) 朝日新聞に月１回ずつ掲載している「文芸時評」と「論壇時評」は、それぞれ４月から新しい筆者を迎えました。文芸時評の鴻巣友季子さんと、論壇時評の林香里さん。くしくも同じ年生まれの２人に、執筆の難しさと手…
（文芸時評）成功物語の限界 成果第一が生む現代の階級 鴻巣友季子(2021/5/26) 現代人は「成功物語」が大好きだ。才能と努力で道を切り拓（ひら）き、夢をつかむ。それが能力・成果主義（メリトクラシー）社会の理念であり、その平等と柔軟性は、封建的な階級制度の対岸にある民主主義社会の輝…
アカデミー賞が重視する多様性、日本は？ 読者と考えた(2021/5/6)■シネマニア経済リポート ハリウッドで進む多様性の尊重、アジア系登用の行方は？ 日本の映画ビジネスはどう対応するべきか――。 映画・動画産業の取材を通して世界を考える「シネマニア・サロン」。4月29日…
（文芸時評）ディストピア文学 苦しむのはいつも小さき者 鴻巣友季子(2021/4/28) 今世紀初めから、世界規模のディストピア文学の興隆が続いている。背景には各国の右傾化や全体主義への危惧があり、トランプ政権誕生でブームが爆発した。理想郷の地下にある暗部を描くディストピアは、国民の生殖…
（文芸時評）想像力を灯火に イシグロの「他者になれる力」 小野正嗣(2021/3/31) カズオ・イシグロにとって作家人生のターニングポイントは、２０代後半に訪れる。 病気にかかったイシグロはベッドでマルセル・プルーストの『失われた時を求めて』を読み、小説の書き方について一種の啓示を得る…
辛島デイヴィッドが薦める文庫この新刊！(2021/2/27) （１）『泣きたくなるような青空』 吉田修一著 集英社文庫 ５７２円 （２）『ニムロッド』 上田岳弘著 講談社文庫 ６６０円 （３）『翻訳教室 はじめの一歩』 鴻巣友季子著 ちくま文庫 ８８０円 …
（中条省平のマンガ時評）全て奪われた人々の理不尽(2020/11/11) カナダを代表する女性作家、マーガレット・アトウッドのブッカー賞受賞作『誓願』が、鴻巣友季子さんの素晴らしい翻訳で公刊されました。 『誓願』は、アトウッドの最も有名な小説『侍女の物語』の続編で、つい最…PR注目情報
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