政府のコロナ対策分科会で、緊急事態宣言解除の判断基準が示されました。

政府コロナ対策分科会 尾身茂会長
　「医療のひっ迫の状況を重視するということに今回、合意をいたしました」

　尾身会長は、▼新たな感染者が２週間は継続して減少することが宣言解除の前提だと強調。▼東京都の場合、１日の新たな感染者は１０００人程度まで減らすとの目安も示しました。

　その上で、▼病床使用率が５０％以下になることや、▼自宅療養者や入院調整中の患者が東京都の場合、現在の半分にあたる１万人程度までとの目安を示し、医療のひっ迫解消を条件にあげました。

　また、分科会では、もう一つ大事な議論が・・・

西村康稔経済再生相
　「政府からワクチン証明、接種証明の利用に関する基本的考え方について、ご説明させていただく予定にしております」

　国内でのワクチン接種証明書の活用です。政府は飲食店などに入店する際に「接種証明の提示を求めることも可能」とする考え方をまとめ、資料も用意されていました。

　しかし、複数の出席者によりますと大臣の発言の直後、事務方から「資料は無かったことにしてほしい」と説明されたというのです。背景にあったのは、専門家と政府のズレ。

政府コロナ対策分科会 尾身茂会長
　「政府、あるいは分科会なんかが一方的に決めるんじゃなくて、国民的な議論を早くしっかりやってくださいということで」

　事前に、委員から「分科会の提言を踏まえていない」などの指摘があり、再考を求められたのです。

分科会委員
　「政府は急ぎすぎ。官邸は選挙をにらんで、経済の回復の明るい光を示したいんだろうけど、拙速だよ」

　政府は明日にも行動制限の緩和の道筋を示したい考えですが、専門家の意見を踏まえたものになるのか、不透明です。