[知っ得情報]

レンズの度数の単位「ディオプトリー」とは

ウスカル枠とレンズ度数の関係


「あなたの近視の強さはどれくらい?」
と聞かれたら、

一般の人は
「視力が0.2くらい」とか
「0.03か0.04くらいです」というふうに
裸眼視力で答えるものですが、
眼科や眼鏡店の関係者なら
「マイナス7Dくらい」とか
「右は-3.50で左は-3.75くらい」というふうに
度数で答えるものです。

 それで、ここでは近視やレンズの度数を表すものとして、
一般のかたがたにはわかりにくい単位である、
「ディオプトリー(D)」について説明しましょう。

近視、遠視、乱視を総称して「屈折異常」と言いますが、
その強さは、
その屈折異常を完全に矯正できるレンズの度数で表すことになっています。

 近視の眼は凹レンズで矯正されますが、
凹レンズはプラスかマイナスかというと、マイナスですので、
近視の度数は、マイナス3Dとか-9.50Dというように表現できます。

それで、近視なら、
Dはプラスではなくマイナスであるというのは自明ですので、
特に「マイナス」を付けずに、「私は2Dの近視です」と言っても分かりますが、
そう表現することが間違いだとも言い切れません。

 そこで、この「D」すなわち、「ディオプトリー」とは
どういう単位なのかということを申しますと、
それは「レンズの焦点距離の逆数」なのです。

 たとえば、あるレンズの焦点距離が20cmだとします。
それはmで表すと0.2(m)となります。
 そうすると、その逆数は、というと、
1÷0.2=5、となって、5Dになるわけです。
参考までに焦点距離とD値の関係を下に示しておきます。

ディオプトリー(D) 0.25 0.50 0.75 1.00 1.25 1.50 1.75 2.00
焦点距離(m) 1.33 0.8 0.667 0.571 0.5

ディオプトリー(D) 2.50 3.00 3.50 4.00 4.50 5.00 5.50 6.00
焦点距離(m) 0.5 0.333 0.286 0.25 0.222 0.2 0.182 0.16

ディオプトリー(D) 7.00 8.00 9.00 10.00 11.00 12.00 13.00 14.00
焦点距離(m) 0.143 0.125 0.111 0.1 0.091 0.08 0.077 0.071

これを見ると、
D値の大きいレンズ、すなわち、度数の強いレンズほど、
焦点距離が短いということがわかります。

 そして、
この表を利用して、あなたの眼の大体の度数(D値)を知ることもできます。

 それはどうするのかと言いますと、
片眼ずつ、その眼の遠点を知ることにより、
その眼の大体の度数がわかるのです。
遠点というのは、ものがはっきり見えるもっとも遠い点です。

 ためしに、
裸眼で辞書などの細かい活字を見てみましょう、
そうすると、
たとえば、眼の前20cmから50cmまでは、ぼやけずにはっきり見えたとします。
すると、その眼の遠点は50cmですので、
その距離を焦点距離として持つレンズの度数は2Dだとわかります。

 それで、その近視眼の度数は大体(マイナス)2Dくらいだなと推測ができるわけです。

 これが、強度近視の場合ですと、
目の前30cmくらいではかなりぼやけてしまっていて、
そういう適切な読書距離で本などを読むのは到底無理とになります。

 仮に、そうとう近視の強い人が、
右眼の遠点を調べたら、約11cmだったとします。
すると、上の表から、その目の近視の度数は大体9Dくらいであることがわかります。

                         ●

 次に、近視を矯正するレンズの厚みと
ウスカル枠の関係のおおよそのところを申しますと、

a.3D以下の場合

 ウスカル枠を使わなくとも、
そのかたの予算に応じた薄型レンズ(屈折率の高いレンズ)を使えば、
さほど厚みの目立たないメガネになります。

 ただし、とことん薄いレンズのメガネをかけたいとか、
あるいは、価格の安い低屈折率のレンズで、
レンズをできるだけ薄くしたいということでしたら、
この度数帯でも、ウスカル枠(玉型サイズが46mm以下で、鼻幅が21mm以上)は有効に作用します。

 すなわち、3Dにもならない弱度の近視でも、ウスカル枠を用いれば、
レンズの厚みは普通の大きさの枠で作る場合よりもさらに薄いものになって、
ウズもほとんど出ないすっきりとしたメガネとなります。

b.3D~6Dくらいの場合

いわゆる中等度近視ですが、
このくらいの近視ですと、ウスカル枠と屈折率の高いレンズの組み合わせで、
相当に薄くて軽いメガネができます。
また、低屈折率のレンズを使ってもウスカル枠に入れれば、
あまり厚みが目立たないものとなります。

c.6~9Dくらいの場合

こういう強度近視になりますと、
低屈折率のレンズを使うことはめったにありませんが、
高屈折率のレンズを使う場合でも、
ウスカル枠に入れた方が、レンズの厚みの点でかなり有利です。
そして、究極のウスカル枠(玉型サイズが42mm以下で鼻幅が24mm以上)にレンズを入れると、
それほどの度数が入っているとは到底思われないようなレンズの薄いメガネとなります。

d.9Dを越える場合

最強度の近視になりますと、
究極のウスカル枠に屈折率が1.7以上の薄型レンズを入れるのでないと、
厚みや重さの点で、劣る点が目立つメガネになってしまうと言っても間違いではないでしょう。

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