祖母が子どものころは貧乏子だくさんが当たり前だったようだ。
ただし貧乏と言っても度合いがあり、貧困に近い貧乏もあれば、ちょっと贅沢な貧乏もあるわけだ。
祖母の父親の仕事が軌道に乗っているときは、贅沢をする余裕があったけども、
仕事がうまくいかないときは、食費を抑えるために食べるものを減らしていたそうだ。
一家の経済力は不安定だったわけで、その影響は兄弟姉妹の学力にも及んでいた。
例えば、兄弟の学歴は
長男地元国立大学卒業
次男中学校卒業
三男高校卒業
四男帝国大学卒業
というように、まったく違っていた。
これを見て「長男は勉強好きで、次男は嫌いだった?」と思うかもしれないが そうではない。
長男が進学するときは経済的に余裕があったので、
父親が「おまえは高校・大学に行け!」と言ったのだ。
だけども次男が進学を希望したときには、経済的に逼迫していた。
そこで父親から「おまえは中学校を卒業したら働いて、家に金を入れてくれ」と。
当時は今よりずっと学費が安かったが、学費うんぬんではなく生活費が足りなかったので、次男には働きに出てもらうことになったのだ。
それにより次男は進学するために勉学に励み、学力を上げる必要性がなくなってしまった。
これは三男、四男にも言えることだが、
一家の経済力と子どもの学力・学歴は意外なほど比例していたのだ。