インタビュー

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2021.09.04海底に沈んでいくような感覚に襲われて……

海底に沈んでいくような感覚に襲われて……

宮城県・気仙沼の島で生まれ育った永浦百音(清原果耶)が、登米とめで林業の仕事をしながら気象の世界に心ひかれ、やがて気象予報士としてさまざまな人の人生に関わっていく、連続テレビ小説『おかえりモネ』。今回は、及川 亮を演じる永瀬 廉さんへのインタビューをお届けします。及川家が母・美波(坂井真紀)の死亡届をめぐって揺れるなか、苦悩を抱えたまま東京へやってきた亮。永瀬さんはどんな思いで演じたのでしょうか。

――第16週では、亮の苦悩が大きく描かれました。まず、永瀬さんは台本を読んでどんなふうに感じましたか?

第8週であれだけ傷ついたのに、またか……と。「亮、大丈夫か!?」って思いました。人生、そう簡単にはいかないですね。

1~2か月ぶりの撮影ということもあり、第8週の台本を読み直してから第16週の台本を読んだんですよ。そうしたら、海底に沈んでいくような感覚に襲われて……。現場でもそんな心持ちでお芝居をさせていただきました。

――モネに対する気持ちに驚いた視聴者も多かったと思います。

そうですね。このときの亮は、ギリギリ抑え込んでいるけど、「救いがほしい」「楽になりたい」という気持ちでいっぱいだったと思うんです。その中で、モネへの気持ちが表に出てきたんでしょうね。
東京に来た当日の「来ちゃダメなの?」というセリフはまだ間接的で亮っぽかったんですけど、失踪したときの電話では「俺やっぱモネしか言える相手いない」と甘えるまでになってしまって。ふだんあまり人に甘えない亮が、「安らぎがほしい」という感情にどんどん流されていくのを感じました。

――失踪した亮と連絡がつながり、モネは喫茶店まで迎えに行きました。このシーンでは、一瞬、安らいだ亮が見られましたね。

オムライスとメロンソーダの話をしているときだけ、つらいことを忘れて穏やかな時間が流れているんですよね。モネが一人で来たということは自分の気持ちがバレているのかな……という心配はあるけど、やっぱりちょっとうれしくて。いつもの笑顔で演じることができて、撮影もすごく楽しかったです。

まぁ、背を向けて逃げられない現実の話題にすぐ引き戻されるんですけど。「やめよ。帰るわ」と切り上げようとしたのに、モネが「このまま帰っちゃダメだよ」と言ってくれて、また亮が大きく揺らぐのを感じました。

――そんなモネに気持ちをぶつける、コインランドリーでのシーンはいかがでしたか?

もう、自分の感情を止められないんですよね。応えてくれるわけがないのに、目で「助けて」って訴えながら、思いを口にしてしまう。都合よく見ると、「このまま帰っちゃダメだよ」と言われたのに、気持ちを伝えたら拒否されるという流れなので、結構かわいそうなんです。
ギリギリの意地で「そもそも誰かを好きになるとか、そういうのもういいんだった」と踏みとどまれたけど、ここは監督とも相談しながら、笑顔を作りきれない感じで演じました。演じていて本当に切なかったです。

――つらい展開が続く亮ですが、今後、永瀬さんとしてはどうなってほしいですか?

親父おやじ(新次/浅野忠信)のことももちろん気になるけど、亮自身がどうなるのかが心配ですね……。今後、ちゃんと誰かを好きになれたりするのかな。誰かを好きになれれば、支えになって少しは楽になれると思うんですけど……。好きだから好きだと言える相手を見つけて、自分の幸せを見つけてほしいです。