[え~、復讐だよ。私からツバキを奪ったスズネちゃんに、同じ苦しみを味合わせるために…]
[わたしの願いは、スズネちゃんと、スズネちゃんを選んだツバキに対しての復讐。]
「これが襲撃事件の黒幕…!?13ばかりの少女が…!?」
「この子が鈴音を操って魔法少女を襲撃したってことね…鈴音に殺人の十字架を背負わせる形でなんて、悪辣にもほどがあるわ。」
はい、今は中央区の魔法少女たちに事件の説明をしてるところです。七海やちよもきてます。みんな衝撃を受けてますね。まぁあんなサイコレズみてSANチェック成功する魔法少女のほうが少ないと思うのですがね。
「彼女には純美雨の偽装により鈴音が死んだと見せかけた。今はホオズキ市の詩音千里の固有魔法の解除で無力化してる。」
「鈴音はどうしたんだ?」
「ななかのチームで保護した。…受け入れ先はどうするんだ。」
「中央区ではいまだ襲われたということで恐怖心が勝ってる子も多いからな…」
「そういや七海、アンタのところの宿舎って使えるか?」
「…いろはに聞いてみるわ。あの子も鈴音に襲われてるから、あの子しだいってところね。それにいろはが新しい子を連れてきたし…」
…?おかしいですね。まだこのタイミングではみかづき荘追加メンバーはいないはずですが。準備の時間もあるのでこの後は霧子ちゃんのメンテです。七日間一睡もしてませんからね。とりあえず公共銭湯で体洗って寝ましょう。CG?そんなものはねぇのです。(健全
ただちょっと不安面もあるんですよね。本来なら数日間徹夜した場合ストレス値がたまっていてそれを抜くために就寝やら風呂やらを行うんですけども霧子ちゃんのストレス値、黒塗りになってました。それにイレギュラーも多いですが…まぁ鈴音もいるし何とかなるやろ。
「ひぃぃっ!やめろ、来るなこの気狂いが!」
深夜、二葉家。彼らは本来なら二葉さなを虐待した後、いなくなったさなを無視し続けてフェードアウトしていった役回りだった。二葉さなはもうこの家にはいない。しかしその家は血に濡れていた。その惨状を作り上げたのは奇妙な格好の魔法少女。
首元にはエリマキトカゲのような装飾。額には角。そして頭には縫合跡。口は裂けておりそれを縫い合わせるかのように糸が通っている。
彼女は【夢遊の亡霊】ユゥ。人格も歳をとることも死ぬことも忘れた、"リスト"に書かれた悪人を殺すだけの存在となった魔法少女である。
「これで最後っと…怖がらなくていいよ?ちょっと痛いだけだからさ。」
「ひ、あ、ああああああああああああ!」
人を殺すには軽すぎるような口調とともに、二葉家は皆殺しになった。明日には一大ニュースとして新聞の紙面を飾ることになるだろう。
「さて、と。リストには…なるほどなるほど。"朝倉霧子"ね。よし、いくか!」
夢遊の亡霊は跳ぶ。リストに書かれた悪人を殺すために。その標的が、どんな思いを抱いていようとも。
「今週でもう昏睡者は12人、行方不明者は21人…混沌事変の再来ではないか。」
東区。白の魔法少女、和泉十七夜が深夜の町を探索している。その理由は東区で昏睡する魔法少女の出現。さらに一般人魔法少女問わず行方不明者が頻出したからだ。
「まったく…霧子のヤツめ、まさかとり逃したとは言うまいな?あれ程の犠牲を出すよう仕向けておいて…誰だ!」
十七夜が魔力を放つ。着弾地点から漏れ出た者たちは黒いフードや白いフードを被っていた。白いフードは黒いフードよりは少ないが、それでも数は多い。黒いフードも合計するとその総数は40人はくだらないだろう。
「「「和泉 十七夜様、即時降伏ののち」」」
「断るッ!」
すぐに十七夜がフードの集団…羽根達に挑みかかる。彼女は西のリーダーであるやちよにも並ぶ実力の持ち主。一人一人の戦力は決して高くない羽根など楽に倒せるものであった。ただムチを一ふるいするだけで黒羽根は吹き飛び、白羽根は武器を薙ぎ払われ倒される。しかしその数は脅威。如何に東のトップと言えども数の暴力にさらされては消耗は避けられない。――特にその中に戦力としての"質"が高い魔法少女を投入されては、敗北もありうる。
槍を装備した白羽根が躍り込んだ。槍の石突でムチをはじきそのまま穂先で十七夜を切り裂く。しかし十七夜もただではやられない。身をひるがえして槍の魔法少女に触れる。十七夜の魔法は読心。東西問題の原因を探るために手に入れた力であり、戦闘に関しては相手の心を読み、挑発などして動揺を誘う、戦略を読むのがメインである。
「貴様、誰かを助けたいようだな?ドッペル症となったらしいが」
「――!」
「自身の過去のような子だ。理想に溺れ、絶望した。だがそれで助かったとしても果たしてその子は納得するか――」
「黙れぇぇぇえ!」
白いフードを脱ぎ捨てる。現れたのは紅のドレスに赤い髪。その少女の名は佐倉杏子。恋慕の果て絶望し、魔法少女でも魔女でもない異形になれ果てた美樹さやかを助けるために神浜市に来た魔法少女。その怒号とともに杏子の槍は多節棍となって十七夜を打ちのめす。体勢を立て直すもさらに追い打ちが十七夜を襲う。
十七夜の周囲に、一瞬にして爆弾と銃弾が出現した。銃弾は十七夜の体に打ち込まれ、爆風はさらに十七夜を打ちのめす。
「なんだっこれは…!?」
「帰還するわよ、杏子。」
「…っ!まだ、アタシは…!」
「美樹さんを助けたいのでしょう?」
まるで最初からそこにいなかったかのように杏子と黒の魔法少女が消えうせた。残ったのはさらに多くの羽根達。
「不覚を取ったか…なに、ただではやられんぞ!」
ソウルジェムから黒い瘴気があふれ出す。神浜の救済の証、ドッペルを出そうとするも、彼女はすでに詰んでいることを理解してはいなかった。十七夜の頭上。コンテナの上にはボウガンを持った白羽根が散開していた。ボウガンに装填された矢は一風変わった様相を呈している。その矢じりは歪みねじれたグリーフシードを思わせる物体となっていた。それはいわゆる"悪意の実"。人に打ち込めばバケモノと化し魔法少女に打てば膨大な穢れが魂を蝕むこととなる。
「イーブルナッツ隊、放て。」
10個ものイーブルナッツが十七夜に打ち込まれた。
「U、Aaaaaaaaaaaaaaaaa!」
獅子舞のようなドッペルが姿を現した。それは解体のドッペル。その姿は、竈獅子。理性を失ったかのように周囲に破壊をばらまき続けるも、すぐに拘束された。
「対象のドッペル症発症を確認。拘束を完了。収容施設に移送します。」
この日、東のトップが姿を消した。
「あっは!久しぶりに見たらやっぱり面白くなってる!」
ワインレッドの衣装。紫色の髪。かつて飛蝗を操り神浜に混沌をばらまいた魔法少女がそこにいた。その注意は銀色の魔法少女…神名あすみに注がれている。
「はぁ~あ、あの子もここをぐっちゃぐちゃにしてくれそうだけど、"契約"があるからなぁ。見に行けないのが残念だな…」
あすみは黄色い道化師のような魔法少女をいたぶり続け、ついには魔女化させようとするも、魔女の代わりにドッペルが出現。面食らったかのように逃げ出した。それを混沌は微笑みをたたえながら見つめていた。
「まぁあすなろ市も面白そうだけどね。当分はそこで楽しませてもらうよ。」
それにあんなに必死になって自分を殺そうとしていた霧子に会ったとき、どんなリアクションをとってくれるか…。これから訪れる混沌に彼女は心を躍らせる。
~side:カガリ~
はぁ~あ、復讐が終わって。拘束されて。これじゃあ自分から魔女になることすらできやしない。
ただ起きてご飯を食べて寝る。それだけが私の毎日。スズネちゃんに復讐してた時のほうがよっぽど楽しかったなぁ…ソウルジェムも濁ってる。浄化は断ってるからこのままじゃ魔女になってマツリもみんな死んじゃうよ…?
そう思いながら日々を過ごしていた時、声が聞こえた。
『天乃鈴音は生きている』
は?スズネちゃんが生きている?私がこの手でソウルジェムを砕いたはずなのに、なんで。
『嘘だと思うならこれを見るといい。』
頭の中に直接見せられているものはマツリたちとスズネちゃんの仲良しこよしの姿だった。ほかにいるのは私が記憶を直したナナカ…それにキリコ。
そうなんだ…そうなんだぁぁぁぁ!
やってくれたよねぇ、もう容赦はしないよ。スズネちゃんも、その友達も全部全部ぶっ壊して…!
『条件がある。私と契約し、依頼を達成できたらその復讐の舞台をくれてやろう。』
タダというわけではないらしい。まぁそうだよね。向こうからしたらこの情報を教えてくれない限りは私は燃え尽きて魔女になってただけだもの。まぁ乗ってあげるよ。その代わり、ちゃんと契約は果たしてくれるんだろうね?
『もちろん。君はその魔法であすなろ市をひっかきまわしてくれれば…』
貴方は何がしたいのかな?それに、名前を聞いていない。
『あー、そうだな。具体的な標的は御崎海香、牧カオル、浅海サキ、若葉みらい、宇佐木里美、神那ニコの七人だ。彼女らは"プレイアデス聖団"を名乗ってる。そしてこの情報の対価としてさらに命令しよう。かずみ…黒い髪の少女をなるべくいい状態で回収してほしい。まぁこの際だ。わたしの目的は彼女らへの復讐。これでいいかい。』
まだ何かありそうだけど…その契約に乗ろう。スズネちゃんは当然として…キリコ。あいつも許さない。あいつのせいで私の復讐が失敗しかけたんだ。目いっぱい壊してあげる。
『――私の名はヒュアデス。よろしく頼むよ。日向カガリ。』
十七夜ファンの皆様すみません。何でもしますので失踪します。
彼女は影の魔法少女とともに救世の旅に出ました。時に笑い、時に泣き、憤怒の娘が、ドラゴンの娘が加わって。にぎやかな旅路の果てに悪の帝国と雌雄を決することとなったのです。
戦いは熾烈を極めましたが――
そこにあってはならないものが紛れ込みました
それは2つの鏡でした。しかしただの鏡ではありません。中に入ることができ、中の迷路を抜ければもう一つの鏡から出ることができたのです。
悪い魔法少女は喜びました。
「これなら色んな場所に、すぐに行ける!お母様は喜んでくれるかな!」
さぁ大変。敵は予想もつかぬところから出てきます。救世主の仲間も次はどこに出てくるかを警戒します。さらに魔力の源も奪われて行きます。
悪いやつらは先回りして魔力の源をとっていったのです。
救世主の仲間は次第に魔力が切れて、化け物に変わっていってしまいました。
それでも救世主のタルトはあきらめずに戦い続けて
それでも悪い魔女は満足なんてしませんでした。
「お母さま、この鏡、この世界ではない、ほかのところへ、未来へも行けるようです」
「フッ、フフフフ」
「もっと…支配を!
もう悪い魔女は止まりません。鏡を通して、女神さまの手が届かないレコードへ行ってしまいます。
あぁ、今を生きる魔法少女たちよ、気を付けて。悪い悪い魔女の支配の手は、
すぐそこに迫っているのですから…
グォレンダァ!といったな。アレは嘘だ。
・どうしてこうなった?
A.ミラーズが成長しすぎたせい。株分けのミラーズが過去の並行世界に流れ込んだ結果こんなことになった。
・女王の黄昏
その性質は支配。一国を丸ごと覆うレベルの結界を持ち、その結界の中の負の感情を喰らってさらに領域を拡大する。ワルプルギスの夜やヒュアデスの暁にも匹敵する最強クラスの魔女にしてヒトとしての自我を持つ異質な存在。