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プレミア社の経営悪化で株主が反乱

 2005年以来南北アメリカ大陸、ヨーロッパや韓国など世界各地でプラスティネーション人体展を開催している世界最大の展示企業、米国のプレミア・エキシビション社の人体展『BODIES展』(BODIES... The Exhibition) で中国の死刑囚が用いられている疑惑が昨年2月にABCニュースで報じられ、8月には同社の人体展『人体の暴露展』(Bodies Revealed) での献体同意書が偽装だった事が発覚するなど、中国から入手している人体を展示しているこの企業には常に疑惑が付きまとっているが、この企業は昨今は株価が暴落し、株主反乱で経営陣が交代したりなどかなりガタガタな状態のニュースが昨年以来継続的に報じられているため、今回はプレミア・エキシビション社の内部騒動に関して扱ってみる。

 プレミア・エキシビション社は1980年代に合資会社「タイタニック・ベンチャーズ社」としてタイタニック号の遺品引上げと展示を行う企業として設立され[>>25]、1991年より『タイタニック展』を開始[>>27]、1993年に「RMSタイタニック有限会社」として法人化[>>1]、2004年7月に英国ブラックプールで人体展『人体の暴露展』を開始した後、同年10月に株式会社『プレミア・エキシビション社』となり[>>2]、RMSタイタニック社を100%所有の子会社とし、2005年3月に大連鴻峰生物科技社から人体を入手していた「エキシビション・インターナショナルLLC社」を買収し[>>3][>>4]、プラスティネーション発明者のハーゲンス氏の『ボディワールド』に対抗する形で人体展市場に参入。

 プレミア社は現在3種類の人体展、『人体の暴露展』 (Bodies Revealed) (2004年7月開始)、『BODIES展』 (BODIES... The Exhibition) (2005年8月開始) と『Our Body展~内部の宇宙』 (Our Body: The Universe Within) (2006年6月開始) を運営する他、『タイタニック展』『スタートレック展』『Dialog in the Dark』など日本でもお馴染みの展示会を国際規模で開催する、世界最大規模の展示会イベント企業であり、現在は19の人体ショーを同時開催するなど人体展示でその収入源の67%を賄っている文字通りの人体展企業である。[>>5a]


写真:タイムズスクエアでのプレミア社の『タイタニック展』 (Wikipedia) [A]



プレミア社絶頂期の2007年4月10日、ナスダックのNY証券取引所でクロージングベルを鳴らすアーニー・ゲラー前代表 (Nasdaq) [B]
 日本の『人体の不思議展』と同様に、プラスティネーション発明者のグンター・フォン・ハーゲンス氏のコピーキャットである中国の人体工場を人体標本の供給源としているプレミア社は、2006年に中国からの人体の安定供給に対し2500万ドルを大連鴻峰社に支払う事に合意、当時から人体展の市場飽和の予測と中国での人体の出所の怪しさが言われていた[>>26]にもかかわらずアーニー・ゲラー代表は人体展による世界市場進出を画策、『タイタニック展』を上回る売り上げ実績への抱負を2006年当時には語っていた。[>>6]

 そして2007年7月にはプレミア社の株価は最高値の18.62ドルを記録、順風満帆に見えた矢先の2008年2月にABCニュースがプレミア社が中国の死刑囚を展示しているとの疑惑をスクープ、同年5月にはニューヨーク州のクオモ検事総長がプレミア社が死体の出所を自ら証明出来ないという調査結果を公表[>>7]、全米で反対運動や各州では規制法案が検討されるなど人体展への批判と悪評判が立つとともにプレミア社の株価は暴落し、2008年11月には最高値に対して95%下落した最安値を記録している。[>>8]

 また「博物館クオリティの展示会」と評されているプレミア社の展示には高額な運営・維持費がかかり、昨今の景気後退と展示内容のマンネリ化から集客集が減退し、2009年度には赤字に転落している。[>>9]

 またプレミア社はその創設時からのプロジェクトである『タイタニック展』における総額一億ドルの価値のある引上げ品5500点に関して、その所有権に関する長期化した裁判を抱えており、業績悪化や相次ぐ管理職の辞職から、2008年11月にプレミア社の筆頭株主のセラーズ・キャピタル社がプレミア社の経営悪化に対し、株価暴落の問題に加え、肥大化した組織構造、タイタニック裁判の失敗と計画性のなさ、身内びいき等の問題を指摘し[>>10]、ゲラー氏の経営の失敗及びその126万ドル (約1億1300万円) の法外な報酬を理由に経営陣の交代とゲラー代表の退任を要求してプロキシーファイトを仕掛け、株主総会の支持を得て、1月30日にゲラー氏がCEOから更迭され、そしてセラーズ社が推薦する役員4名がプレミア社の経営陣に加わっている。[>>11a]

 この経緯は一般メディアでは余り報じられていないが、アトランタの地元のビジネス紙『アトランタ・ビジネス・クロニクル』で継続的に報じられている。


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プレミア・エキシビション社への反乱
スコット・トルーベイ
アトランタ・ビジネス・クロニクル 2009年1月2日



Byron E. Small
アーニー・ゲラー氏:株主企業が、タイタニック展とボディーズ展を運営する企業のCEOの更迭を要求。

 『タイタニック展』を運営するアトランタの企業の株主企業が、会社を「沈み行く船」と形容しその実権を得る争いを繰り広げている。

 プレミア社の16%の株式を保有しているシカゴのセラーズ社は、プレミア社の創設者であり現在のCEOであるアーニー・ゲラー氏の更迭を求め、2009年の同社の年次総会で4人の新取締役員を任命するために株主投票を強行した。

 現在ジョージア水族館で開催されている『タイタニック展』に加え、プレミア社は『Dialog in the Dark』や疑惑の『BODIES展』を運営している。

 セラーズ社側は、ゲラー氏の経営ミスによってプレミア社の収入減と株価暴落を引き起こしたにもかかわらず同氏が法外な報酬を受け取っていると指摘する。また同社は、プレミア社の取締役会が会社の上場を維持するための「困難な決定を望まなかった、又は出来なかった」と主張している。

 セラーズ社の代表のマーク・A・セラーズIII氏はプレミア社の取締役員である。


 セラーズ・キャピタル社側は12月18日の証券取引委員会への報告で「プレミア社の株主になった2007年5月9日以来、私達は同社の株価が18.62ドルという空前の高値から最近記録した最安値は0.56ドルという下落を見て来た。この暴落が昨今の経済状況の悪化のみによるものとは思わない。それは同社の劣悪な経営の結果であり、それは同社の業務の劣悪な財務実績の結果であると考えている」と述べている。

 プレミア社の株価は、2007年7月の空前の18.62ドルから暴落し、12月30日の終値では1.17ドルとなっている。2750万ドルの収入で900万ドル近くの収益があったその前年の同じ期に対し、2008年8月31日までの6ヶ月間では、3000万ドルの収益で2万7000ドルとなっている。

 同社の取締役会は証券取引委員会への報告でゲラー氏の実績の正当性を主張し、現にわずか数ヶ月前にはセラーズ社がゲラー氏を責任者に再就任させている事に言及した。


 プレミア社は最近は法的・財政的な混迷に襲われている。同社は『タイタニック展』の引き上げ品に関する長期化した訴訟を抱えているが、その展示品の一部は現在ジョージア水族館で展示されているものである。そして『BODIES展』で展示されている死体は処刑や拷問を受けた中国人の囚人であるとの疑惑に付きまとわれており、同社は昨年5月にこの問題に関しニューヨーク州との法的合意の処分を受けている。

 2008年8月には、プレミア社のCEOを1993-95年と1999-2007年に務めたアーニー・ゲラー氏が、前CEOのブルース・エスコウィッツ氏が退任した後にその役職を再び引き受けている。

 その後、同年12月には同社の最高取締役員2名が、ゲラー氏やプレミア社のその他の経営陣とは仕事が出来ないと証券取引委員会への報告で主張し辞職している。2008年2月に最高財務責任者 (CFO) に就任していたハロルド・インガルス氏は11月11日に辞任の意向を明らかにしている。

 インガルス氏は辞任の意向を書いたプレミア社取締役会宛の手紙で、「これは、この会社の戦略的目標の推進において、シニアマネジメントの他のメンバーと仕事をするのに私が適格でない事に対する私の合理的な判断である。特に、私の経営流儀と組織アプローチはアーニー・ゲラー氏とは相容れないものである」と書いている。

 プレミア社の最高会計役員 (CAO) のケリー・ケラー氏は13ヶ月間働いた後に12月に離職している。同社のマーケティング・スポンサー部の副部長は1年経たないうちに辞めている。


 セラーズ・キャピタル社はゲラー氏の報酬に不快感を示している --- 損失が継続した状態にもかかわらず、67万6000ドルの給与を含む総額126万ドルの報酬である。12月29日にプレミア社は、ゲラー氏が「自主的に経費節約策として年俸から34万5000ドルの受け取りを据え置く」と表明した。

 これはプレミア社経営陣に対する初めての挑戦ではない。7月にサンフランシスコのオデッセイ・バリュー・アドバイザーLLC社がプレミア社役員会に手紙を送り、「長期にわたって株主に何の利益ももたらす事が出来ない」事を理由に、会社の売却か『タイタニック展』シリーズの資産処分を要求している。

 またセラーズ社はプレミア社に対しタイタニック資産の売却を求めているが、1億ドルの価値がある同社の5500点の引き揚げ品の公開市場での売却を連邦裁判所が禁じ、潜在的な購買者である博物館への売却のみを許可しているため、これは簡単には行かない問題である。


 証券取引委員会への報告では、プレミア社はセラーズ社の動きを拒絶しゲラー氏のCEOとしての実績の正当性を主張している。同社は経営陣を無理矢理変える事は、業界における「長年築いて来た信頼関係」への障害となり展示開催能力にダメージを与えるとしている。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。

Atlanta Business Chronicle (J. Scott Trubey). "Mutiny at Premier Exhibitions", Friday, January 2, 2009. [魚拓]

 2009年1月10日には最高財務責任者のインガルス氏が辞職し[>>12] 、19日にはセラーズ社は株主総会で支持を得てプロキシーファイトの勝利宣言[>>13] 、そして30日にはCEOのゲラー氏が更迭され、セラーズ社推薦の4人がプレミア社の取締役理事に就任した事が発表されている。[>>11b]

 プレミア社の創設者であるゲラー氏は役員に留まり、企業再建経営コンサルティング企業のXロード解決グループLLC社の代表のクリス・デビーノ氏がプレミア社の臨時CEO代行に就任、マーク・セラーズ氏が非常勤役員会長に就任している。[>>11c]

 つまり、昨年8月のプレミア社の献体同意書偽装事件発覚の時期にはすでにプレミア社はガタガタな状態で、今年に入ってからのハワイ州での人体展禁止法や、フランスでの人体展禁止判決が出た時点では、既にゲラー氏が解任された後という事になる。



ABCニュースのブライアン・ロス記者に中国での死体取引の写真を見せられるアーニー・ゲラー氏。(ABCニュース) [c]
 昨年の2月にABCニュース『20/20』が死刑囚使用の疑惑をスクープした翌月にアーニー・ゲラー氏が「引退する時が来た」としてCEOの座を退いたにもかかわらず[>>14] 、同年8月にまた復帰するという不可解な引退復帰劇があったが[>>15]、この復帰をさせたのがセラーズ社であり、どうも後任のCEOのブルース・エスコウィッツ氏が役職を放り出してしまったためにゲラー氏が急遽復帰したという事情だったようである。[>>16][>>17]

 そもそもゲラー氏は1981年にタイタニックベンチャーズ社の前身企業を創設し、RMSタイタニック社時代から現在のプレミア・エキシビション社まで27年にわたって同社のトップを務めた人物。[>>18]

 ゲラー体制では非常に不透明だったプレミア社の実態が経営陣が変わった事で多少情報が出て来るようになり、なぜこの企業がプラスティネーション人体展示という危ないものに手を出しその結果失敗をしたのかが何となく垣間見えるような記述が7月に出たアトランタ・ビジネス・クロニクルの記事に書かれている。

 ここでプレミア社の新CEOで企業再建コンサルタントの専門家であるデビーノ氏が指摘している事は、プレミア社の経営を悪化させた元凶は、コンセプトばかり巨大でコストのかかる企画で、その採算性に関する経営センスが欠落しているという、経営破綻する企業に典型的なケースであるという事である。


 ここでの「沈み行く船」や「傾いた船」とは、1987年から2004年にかけて7回にわたってタイタニック号の遺品引上げを行い[>>19]、世界展示ツアーを行っていたプレミア社自体が沈みかけているというある種の皮肉的な表現。



「救済ローン」が展示企業の株主に不安を与える
スコット・トルーベイ
アトランタ・ビジネス・クロニクル 2009年7月24日



Joann Vitelli
クリス・デビーノ氏:プレミア社の傾いた船を建て直すのにターンアラウンド施策のスペシャリストが登場。

 臨時CEOのクリス・デビーノ氏によれば、3000万ドル企業のプレミア・エキシビション社にはそのドラマがあったのだという。

 昨年同社は実権を巡る株主支配のための争い、その最も高価な資産への敵対的買収、そして減り続ける集客数の問題に直面していた。

 『タイタニック展』、『BODIES展』や『Dialog in the Dark』などの有名な展示会を運営する企業であるアトランタのプレミア社 (NASDAQ: PRIXI) のトップ取締役は、この苦闘する企業は方向転換をしているが、傾いた船を戻すためには筆頭株主による救済が必要であり、他の選択はないと述べた。

 しかしこれは中小株主に不安を引き起こした。

 プレミア社は、その筆頭株主であり今年初めのプロクシーファイトの勝者であるセラーズ・キャピタルLLC社に、無担保の兌換手形1200万ドルを売却する事を取り決めている。デビーノ氏は、3年後に満期になる又は1600万株に換算されるローンが、会社を破綻させないために必要であると述べた。

 しかし、セラーズ・キャピタル社の株式が16.3%から44%に増える事によって株式が希釈される事を懸念する株主の声もある。

 もし8月6日のプレミア社の年次総会で株主に拒否されれれば、その1200万ドルのローンは180日で利子18%の担保付き負債となる。もしプレミア社が支払い不能で負債整理されるなら、それは希釈された投資を選ぶか全てを失うかという、いずれにしても酷い選択であるとの株主の声もある。


 デビーノ氏は、理事会が手形売却の承認に必要な株主投票と融資を得て、最終的に会社が安定する事を信じていると述べた。同社はまた経営の欠陥を正している。

 「率直に言って、私達は膨大な量の問題に対処したと思う。私達がここに来た時は、文字通り“不可能な事を行う”の正に直前にある状態だった。

 会社と株主はここ数年はその状態に耐えていたのである。

 株価は、2007年5月の18.62ドルという空前の高値から90%以上暴落した。(中略)

 2008年7月に、株主の一つがプレミア社に、会社とタイタニック展展示物の売却を要求した。プレミア社の現在の代表であるセラーズ・キャピタル社代表のマーク・セラーズ氏はプロキシーファイトを発動し、創設者のアーニー・ゲラー氏から同社の実権を奪い取り、ゲラー氏を管理処置の誤りで告発した。

 今年4月には、元幹部社員がセラーズ・キャピタル社とプレミア社の最高額資産であるタイタニック展示品の管理権への敵対的買収を仕掛けた。過去数年間で、複数の管理職が去るか解雇されており、展示会の集客数は落ち込んでいた。


現在は「財政救済」の問題がある

 ある匿名希望の組織株主は、同社にはまだカットするべき諸経費があり、会社に清澄さを求めるなら全ての株主が資本引き上げの権利を持つのがよりフェアであると述べた。

 株主達が怖れている事は会社が売却される事である。デビーノ氏は売却は議題にないと言った。もしセラーズ社が手形を株式化したとしても、経営体制が変わるなどの特別なケースを除いて契約条件によって投票が出来ない事になっている。

 デビーノ氏は、株主の懸念は理解しているとしながらも、従来のソースでは必要な融資は得られないと述べた。


 セラーズ・キャピタル社が取締役に推薦したターンアラウンド施策スペシャリストのデビーノ氏は、2月にゲラー氏が解任された時に会社の手綱を取った。同氏は、プレミア社の問題は、コンセプトばかり巨大で、完全な偏屈であり、そして収益を上げるためのマネージメント能力の欠如という、困窮している企業に典型的なケースであると述べた。

 デビーノ氏によれば、彼が来た時プレミア社は「極度に採算性が悪く」、「その運命を自身でコントロール」するために外部プロモーターや開催者との契約を見直す必要があったという。幾つかの『BODIES展』は開催場所にひどく高額な固定費を費やしていた。その他が倉庫に眠って利益をもたらさないにもかかわらず。

 彼は「私達は、『BODIES展』が実績をあげ収益を生み出す事を信じている」と述べた。

 プレミア社は、3500点のタイタニック引き上げ品に、いわゆる「正貨」での裁定を求めており、これらは明確に同社の最も重要な資産である。1億ドル以上と評価されたそのコレクションの売却を同社は未だに禁じられているようである。この裁定額がタイタニック展の表面的な運営を変えなくても、より明確なタイトルを持つ事でコレクションの実質価値は上がりプレミア社に更に価値を与える潜在力を持っている。


 デビーノ氏は、『タイタニック展』や『BODIES展』に主な収入を依存している同社を多角化させる新たなコンテンツを持つ必要があると述べた。将来の展示は計画中であり、博物館品質コレクションの人気にオンラインでてこ入れ中である。

 プレミア社はまたマーケティングの改良を至急必要としている。

 しかしまず、この会社には資本が必要であり、セラーズ・キャピタル社による処置が同社にとって最良の選択であるとデビーノ氏は述べた。

 彼は「それを好む好まざる、良いか悪いかにかかわらず、それが私達が置かれた状況である」と述べた。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。

Atlanta Business Chronicle (J. Scott Trubey). "‘Rescue loan’ worries exhibitor’s shareholders", July 24, 2009. [魚拓]

 1月30日にプレミア社の臨時CEOに就任したクリス・デビーノ氏は、9月4日にプレミア社の社長兼CEOを務める3年契約を結び、正式に代表となっている。[>>20]

 プレミア社が『タイタニック展』や『BODIES展』に主な収入を依存しているとデビーノ氏に指摘されているように、プレミア社は2009年度にはその約67%の収入が『BODIES...The Exhibition』『Bodies Revealed』『Our Body』の3つの人体展で、19%が『タイタニック展』となっており[>>5b] 、同社が人体展を始めた2004年以降、特にプレミア社が2007年7月に最高株価を記録した翌年度の2008年度に非常に大きな歳入の伸びが見られる。

プレミア社の歳入
(単位:1000ドル)
United States Securities and Exchange Commission. Premier Exhibitions, Inc., 21 [魚拓]

 またここで指摘されているように、人体展は固定費が高額にかかるために集客力があるという前提で運営出来る事業であり、事業拡大をして社会への露出が大きくなるにつれて人体展の悪評判が大きくなり、また景気後退も手伝い、更に展示内容のマンネリ化などの理由から集客が落ち込むなどの理由からか、2009年度の粗利益の落ち込みが目立っている。

プレミア社の粗利益
(単位:1000ドル)

 また、困窮している企業に典型的なケースとデビーノ氏が指摘する「コンセプトばかり巨大で、完全な偏屈」という、もともとプレミア社 (RMSタイタニック社) はタイタニック号の遺品を引き揚げて展示するという壮大なプロジェクトのために成立した企業であり、結局のところほとんど採算度外視状態なリソースの限られている贅沢なプロジェクトを支えるために、中国から人体標本を調達さえすれば先行投資による事業拡大が可能であり、「学術目的」と言いながらもその実はフランス国立倫理委員会にも指摘されていたように[>>21]下世話な覗き趣味での大きな集客が期待出来る人体展に手を出し、そしてここまで疑惑まみれで倫理的観点からも大きな社会的批判に晒されながらも会社を運営するためには人体展に依存せざるを得ないという実態が、今回の経営陣交代劇で何となく見えて来たように思える。

 いずれにしても、人体展とはその高額な人体標本と、輸送、保管や展示会場など経費や固定費の非常にかかるものであり、それが集客力を前提に成立している虚弱な産業であるという構造が露呈した形になっているが、展示されているものは常に同じようなコンセプトの人体標本でありこれを何度でも見たいというリターンニング・カスタマーがさほど見込めない産業であれば、いずれ集客が落ち込むのは時間の問題という事になる。


 最近では、プラスティネーション発明者のハーゲンス氏が性をテーマにした新展示会を企画し、その手始めに男女のセックス標本を展示したところドイツで遺体の展示を違法との判決が出されたとのニュースが報じられていたが[>>22]、ハーゲンス氏が次々と奇抜なアイデアの標本を作っていたのはやはり展示の集客力の継続性のためであったと思われる。

 またハーゲンス氏のプラスティネーション協会とプレミア社との係争においても、プラスティネーションの特許の問題だけではなく、全く同じポーズの標本などポーズのアイデアまでも剽窃している事も問題とされており[>>23]、また中国の大連鴻峰社の開催する『人体世界科普展』の写真などでもプレミア社が用いているものと全く同じポーズの人体標本が見られるため、ここら辺のコピーキャットが特許のみならず知的財産権すらもお構い無しという中国お得意の強引な商売に、この米国企業が乗っかって外貨を稼ぎ中国の人体闇市場を潤しているという構図がこの世界規模の人体展であり、一方でこれが永続的産業とはなり得ない事も昨今のプレミア社の凋落ぶりからも伺える。

 9月22日にプレミア社は、株価低迷状態が続いている事から上場廃止までの猶予があと180日という通告をナスダックより受けており[>>24]、この企業が持ち直すのかどうかはまだ予断を許さない状況ではあるようである。







関連記事


株主がプレミア・エキシビション社にプロキシーファイトの警告
アトランタ・ビジネス・クロニクル 2008年11月6日

 アトランタのエンターテインメント企業のプレミア・エキシビション社の筆頭株主が、同社の会長兼CEOが退任をせず理事会が再編されなければプロキシー戦を仕掛けると警告した。

 シカゴのセラーズ・キャピタルLLC社はプレミア・エキシビション社 (NASDAQ: PRIXI) の普通株式を477万8399株 (同社の発行済株式の約16%) を保有する筆頭株主である。プレミア・エキシビション社は疑惑のツアー展『BODIES展』、そして『タイタニック展』をプロデュースしている。

 セラーズ社は、プレミア・エキシビション社の会長兼CEOのアーニー・ゲラー氏に経営上の失敗と戦略的視点の欠落があるとして退任を要求している。また同社は2007年中盤以降のプレミア社の株価が95%下落した問題にも言及している。

 2008年11月4日付けでゲラー氏に送られた書簡において、セラーズ社はゲラー氏の報酬に関しても問題にしている。2008年度にゲラー氏は67万6000ドルの給与を受け取っており、それに30万ドルのキャッシュボーナスなどを含めた総額126万ドルの報酬である。同年にプレミアの株価は55%下落している。

 株価は2007年7月に記録した18.62ドルの最高高値に対し、2008年11月4日現在は95%下落しているとセラーズ社は指摘する。

 セラーズ社側はまた、現金残高と流動資産を減少させている原因である諸問題に関しても申し立てを行っている ---- 肥大化した組織構造、タイタニック展示品の訴訟問題に関する法的係争解決の度重なる失敗に対して何の明確なプランもない事、身内ひいき、そしてナスダック上場廃止の危険のある株価1ドルの問題など。

 セラーズ社側は、企業再構築/ターンアラウンド施策の経験とエンターテインメント業界の経験のある人物数名をプレミア社の取締役に加えたいとの意向を示している。

 セラーズ社のマネージング・パートナーのマーク・セラーズ氏は、ゲラー氏の退任の後を引き継ぎ非常勤役員会長となって計画の実現を監督し、どのような報酬も受け取らないとしている。

 もしプレミア社がこの変革に同意しないなら、臨時株主総会を開き、この問題の取扱いに関して、そして候補者擁立に関する提案を行うとセラーズ社側は表明している。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。

Atlanta Business Chronicle. "Shareholder warns Premier Exhibitions of proxy fight", November 6, 2008. [魚拓]


プレミア・エキビシション社のCFOが辞任
アトランタ・ビジネス・クロニクル 2009年1月13日

 証券取引委員会への報告書によれば、プレミア・エキシビション社の最高財務責任者のハロルド・W・インガルス氏が1月10日をもって辞任をしたとの事である。

 2008年11月、戦いの最中にある会社にインガルス氏は辞任の意向を伝え、ハワイ州雇用契約により同氏は1年間給与と社会保障を受ける事になる。

 アトランタのプレミア・エキシビション社 (NASDAQ: PRIXI) は、第3四半期で同社が運営する展示会の多くで集客数が落ち込んだため20%の減収があり、270万ドルの収益があった2007年の同じ期に対し、11月30日までの四半期で180万ドルの純損失があったと報告した。その四半期の収入は1670万ドルから1350万ドルに下落している。

 プレミア社は、株主のセラーズ・キャピタルLLC社との実権争いで泥沼に嵌り、プレミア社の16%の株式を保有しているシカゴのセラーズ社は、プレミア社の創設者でCEOのアーニー・ゲラー氏の更迭を求め、2009年の同社の年次総会で4人の新取締役員を任命するために株主投票を強行した。

 現在ジョージア水族館で開催されている『タイタニック展』に加え、プレミア社は『Dialog in the Dark』と疑惑の『BODIES展』を運営している。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。

Atlanta Business Chronicle (J. Scott Trubey). "Premier Exhibitions CFO resigns", January 13, 2009. [魚拓]


セラーズ社「プレミア社はすぐに金が底をつく」
アトランタ・ビジネス・クロニクル 2009年1月7日

 セラーズ・キャピタルLLC社は、プレミア・エキシビション社の第3四半期の180万ドルの純損失が「会社の財政状態と中核事業が悪化し続けている事を示している」と主張し、プレミア社の資金はすぐに底をつくだろうと警告した。

 シカゴのセラーズ社はアトランタのプレミア・エキシビション社 (NASDAQ: PRIXI) の16%の株式を保有し、現在会社の実権を巡って株主争いを起こしている。

 火曜日のプレミア社の主駅報告書の後のニュースでは、セラーズ社がプレミア社の粗利益が悪化し続けている事に言及した。

 セラーズ社は「第2四半期の粗利益47.3%や2008年度第3四半期の68.9%に比べて、今年の第3四半期の粗利益は36.1%に低下した。もし会社が第3四半期の非再発収入400万ドルを認識していなかったなら、粗利益は9.1%まで下がっていたかもしれない。」と述べた。

 もしプレミア社がライブ・ネイション社との第3四半期の非開発収入を認識する契約を修正していなかったなら、それは500万ドルを越える純損失となっていたとセラーズ社は指摘した。

 セラーズ社はまた、プレミア社の業務を続けるには「2010年度に追加外資本のリソースを必要とするかもしれない」と同社が認めた事を指摘する。しかしセラーズ社はまた2010年度の開始は2009年3月であるため、「プレミア社は最低2ヶ月後に銀行の600万ドル以上と、ライブ・ネイション社との契約で更に400万ドルを受け取る事になっているが、それが運営するだけのリソースとはならないかもしれない。プレミア社の現在の採算性の問題から、2-3ヶ月以内にクレジットファシリティの下で利用可能な借り入れ能力を完全に使い切る事になると予想している。」との見通しを示した。

 セラーズ社は、第4四半期にライブネイション社との契約修正と同様のトランスアクションからの非再発収入の400万ドルを再びブックする事は起こりそうにないので、プレミア社がすぐにクレジットファシリティのアクセスを失う事になると指摘した。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。

Atlanta Business Chronicle. "Sellers: Premier may be out of cash soon", January 7, 2009. [魚拓]


セラーズ・キャピタル社がプレミア社株主の大半の支持を得る
アトランタ・ビジネス・クロニクル 2009年1月19日

 セラーズ・キャピタルLLC社は月曜日、プレミア・エキシビション社の取締役会の実権を握るを日は近いと公言した。

 プレミア・エキシビション社の16%の株式を保有する筆頭株主であるシカゴのセラーズ・キャピタル社は、プレミア社の取締役に4人を推薦する事に十分な支持を得ていると述べた。

 セラーズ社は、プレミア社の創設者でCEOであるアーニー・ゲラー氏が会社の経営を誤り、収入と株価の急落をもたらしたにもかかわらず、自分自身は法外な報酬を受け取っていると指摘している。プレミア社は、270万ドルの収益があった2007年の同じ期に対し、11月30日までの四半期で180万ドルの純損失があったと報告した。その四半期の収入は1670万ドルから1350万ドルに下落している。

 セラーズ社はまた、プレミア社の取締役会が会社の上場を維持するための「困難な決定を望まなかった、又は出来なかった」と主張している。

 セラーズ社の代表のマーク・A・セラーズIII氏はプレミア社の取締役員である。

 プレミア社は最近は法的・財政的な混迷に襲われている。同社は『タイタニック展』の引き上げ品に関する長期化した訴訟を抱えているが、その展示品の一部は現在ジョージア水族館で展示されているものである。そして『BODIES展』で展示されている死体は処刑や拷問を受けた中国人の囚人であるとの疑惑に付きまとわれており、同社は昨年5月にこの問題に関しニューヨーク州との法的合意の処分を受けている。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。

Atlanta Business Chronicle. "Sellers Capital gains majority of Premier shareholder support", January 19, 2009. [魚拓]


プレミア・エキシビション社のCEOが解任される
アトランタ・ビジネス・クロニクル 2009年1月30日


アーニー・ゲラー氏

 セラース・キャピタルLLC社は、『BODIES展』と『タイタニック展』のプロデューサーであるプレミア・エキシビション社のCEOを追い出し、新たに4名を同社の理事に就任させた。

 セラーズ・キャピタル社の要請により、ウィリアム・M・アダムス、クリストファー・J・デビーノ、ジャック・ジェイコブ、ブルース・スタインバーグ各氏がプレミア社の取締役に加わった。

 CEOのアーニー・ゲラー氏は役職を解かれ、デビーノ氏が少なくとも4ヶ月間CEO代行を務める見通しである。デビーノ氏はターンアラウンド施策の経験を持ち、現在企業再建経営コンサルティング企業のXロードソリューショングループLLCの代表を務めている。

 ゲラー氏は取締役の地位を保つが、もはや代表ではない。

 マーク・A・セラーズ氏は非常勤役員会長に指名された。

 シカゴのセラーズ・キャピタルLLC社はプレミア・エキシビション社の16%をの株式を保有する筆頭株主である。この投資会社は、ゲラー氏の経営ミスによってプレミア社の収入減と株価暴落を引き起こしたもかかわらず同氏が法外な報酬を受け取っていると指摘し、同氏を解任するために株主反乱を起こした。

 アトランタのプレミア・エキシビション社 (NASDAQ: PRIXI) は、『タイタニック展』の引き上げ品に関する長期化した訴訟を抱えているが、その展示品の一部は現在ジョージア水族館で展示されているものである。そして『BODIES展』で展示されている死体は処刑や拷問を受けた中国人の囚人であるとの疑惑に付きまとわれており、同社は昨年5月にこの問題に関しニューヨーク州との法的合意の処分を受けている。

 セラーズ社は「弊社推薦のプレミア社取締役会と弊社は、この共同ソリシテーションを歓迎しており、プレミア社のターンアラウンドと株主に利益をもたらすための仕事を是非とも開始したい」と述べた。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。

Atlanta Business Chronicle. "Premier Exhibitions CEO canned", January 30, 2009. [魚拓]


プレミア・エキシビション社は年間1000万ドルの損失
アトランタ・ビジネス・クロニクル 2009年5月7日

 プレミア・エキシビション社は2009年度に、より高い減価償却費は勿論、減収、ハイコスト業務や運営経費によって赤字に転落した。

 博物館クオリティの展示会を運営するこのアトランタの企業は、2008年度には1230万ドルの純収入と1株辺り37%の収益があったのに対し、2009年度には1000万ドルの純損失と1株辺り34セントの損失があり、収入は12.3パーセント低下し5400万ドルとなった。

 同社が新たな営利展示会の開催場所を見つけオープンする能力がない事、そして消費者の購買を減退させた現在の経済状況によって、展示会の集客数は減少している。同社は『BODIES展』、『Dialog in the Dark』や『タイタニック展』を運営している。

 今年は会社にとって困難な年である。2009年初旬には筆頭株主のセラーズ・キャピタルLLC社による敵対的買収の後にCEOのアーニー・ゲラー氏が解任されている。2008年5月には『BODIES展』で中国で処刑や拷問をされた囚人の死体使用の疑惑に関してニューヨーク州検事総長との法的合意の処分を受けている。

 プレミア・エキシビション社 (NASDAQ: PRXI) は木曜日にまた、セラーズ・キャピタル・マスター基金から1200万ドルを得る合意にサインをしたと発表している。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。

Atlanta Business Chronicle. "Premier Exhibitions has $10M annual loss", May 7, 2009. [魚拓]


死体は我々のもの 訴訟で主張
ジョナサン・ステンペル
ロイター通信 2009年7月31日


 【ニューヨーク7月31日 ロイター】有名な「高品質」の死体コレクションのオーナーが、ニューヨークのサウスストリート・シーポートの展示管理者が人体に関する実権を握る事を防ぐために告訴をした。

 米国やカナダの各地で『BODIES展』の名称で人体解剖学展示を行っているプレミア・エキシビション社によるこの訴訟は、ニューヨーク展をプロモートしたジャム・エキビションLLC社の、その100万ドル以上の収益とライセンス費の負債に関するものである。

 訴えによれば、ジャム社は7月20日付けでニューヨーク展のプロモーターから外され、プレミア社への返済を行うには「資金不足」があるという。

 アトランタのプレミア社はまた、ジャム社が外れた事により、展示主催のランニング・サブウェイLLC社が展示を主催する法的権利が全くないと主張している。

 この訴訟は、代償的・懲罰的損害賠償を要求し、ランニング・サブウェイ社をマネージメントから外し、同社が「展示されている標本を不法に所有する事」を防ぐ事を目的としている。

 シカゴのジャム社はコメントを求めるメールにすぐに返信はせず、ランニング・サブウェイ社の弁護士はコメントを求める電話とメールにすぐに返信をしなかった。

 『BODIES展』のウェブサイトによれば、この展示は「本物の人体の標本」を展示し、見学者に「自分自身の中を見て、その精巧で魅惑的な肉体がどのように働くかのより良い理解」をもたらし、人々が自身の健康管理に対して「より知識を持つ事」の手助けになると説明されている。

 アトランタ、ラスベガス、ケベックシティ、サンホアン、プエルトリコ、そしてミネソタ州ブルーミントンのアメリカモールでの同様の展示が開催され入場券の売り上げがある。

 この訴訟は、プレミア・エキシビション社VSジャム・エキビションLLC社であり、ニューヨーク南区 (マンハッタン) の区法廷第09-6780号である。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。

Reuters (Jonathan Stempel). "Those cadavers are mine, lawsuit alleges", Jul 31, 2009 11:14pm IST. [魚拓]


プレミア・エキシビション社がCEOの3年契約にサイン
フォックスビジネス 2009年9月4日

 プレミア・エキシビション社 (NASDAQ: PRXI) が本日、クリフトファー・J・デビーノ氏が同社の社長兼CEOを務める3年契約を結んだと発表した。デビーノ氏は2009年1月末よりプレミア社の臨時の社長兼CEOを勤めて来た。デビーノ氏はまた2009年1月よりプレミア社の理事会メンバーを勤めている。

 契約によれば、デビーノ氏は年俸として29万ドルと、基本給の50%の目標奨励ボーナスを受け取るとある。プレミア社はまたデビーノ氏に同社の普通株式117万株購入のための一括融資を供給した。オプションとして、融資の日付のナスダックグローバルマーケットのプレミア社の普通株式の終値と等しい買収価格をもって、三年間にわたって付与される。

 プレミア社の理事長のマーク・セラーズ氏は「デビーノ氏はこの非常に困難な状況をクリーンアップするのに素晴らしい働きをして来た。彼は弊社のコスト構造を合理化し、新たな展示をブッキングするシステマティックなプロセスを開発し、契約上パートナーに契約を再交渉し、資本集めをする事に休む事なく働き、そして会社がこの困難な時期を乗り切る事が出来た。彼がCEOの適任者である事は過去7ヶ月間で証明され、彼が継続して当社に留まる事に同意した事をうれしく思う」と述べた。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。



プレミア・エキシビション社は上場廃止の恐れ
スコット・トルーベイ
アトランタ・ビジネス・クロニクル 2009年9月22日


 『BODIES展』と『タイタニック展』を運営している渦中のプレミア・エキシビション社が、ナスダック証券取引所から上場廃止される恐れが出て来た。

 プレミア・エキシビション社の株価は過去30貿易日以上も1ドルを切った状態である。

 地元のジョージア水族館で最近終了した『タイタニック展』と、ロングランの『Dialog in the Dark』と『BODIES展』において大成功を収めたプレミア・エキシビション社 (NASDAQ: PRIXI) は木曜日に、最低株価のコンプライアンスを取り戻す猶予があと180日である事をナスダックから通告を受けた。

 Yahoo!ファイナンスによれば、火曜日午前10時現在の株価はおよそ1ドルで取引されている。

 プレミア社のマーク・セラーズ代表は法定報告書において「プレミア社はナスダック上場要件のコンプライアンス維持に強い関心を持っている」と述べている。

 「コンプライアンスを取り戻しプレミア社のナスダック上場を維持するのに必要なあらゆる手段を採り、必要があれば株式併合も行う事は理事会で合意している。しかしながらこのターンアラウンド施策はこの四半期の結果に表れているように非常に順調に進んでおり、そのような過激な手段が必要とならない事を願っている。」

 プレミア・エキシビション社には最新年度に1000万ドルの損失があった。

 昨年度に同社は、実権を巡る株主争い、最高資産への敵対的買収、アトランタ外での展示の集客数の減少、そして筆頭株主のセラーズ・キャピタルLLC社による企業救済の問題に直面していた。

 株価は、2007年5月の18.62ドルという空前の高値から90%以上暴落した。

 プレミア社は最近、法的・財政的な混迷に襲われている。タイタニック展の引き上げ品に関する訴訟問題、そして『BODIES展』では中国で拷問や処刑された囚人が用いられているとの疑惑に付きまとわれ、2008年5月に同社はこの問題に関してニューヨーク州との法的合意の処分を受けている。

 昨年7月には、株主の一つがプレミア社に、会社とタイタニック展展示物の売却を要求した。プレミア社の現在の代表であるセラーズ・キャピタル社代表のマーク・セラーズ氏はプロキシーファイトを発動し、創設者のアーニー・ゲラー氏から同社の実権を奪い取り、ゲラー氏を管理処置の誤りで告発した。

 今年4月には、元幹部社員がセラーズ・キャピタル社とプレミア社の最高額資産であるタイタニック展示品の管理権への敵対的買収を仕掛けた。過去数年間で、複数の管理職が去るか解雇されており、展示会の集客数は落ち込んでいた。

 セラーズ・キャピタル社が取締役に推薦したターンアラウンド施策スペシャリストのクリス・デビーノ氏は、2月にゲラー氏が解任された時に会社の手綱を取った。

 セラーズ氏は最近のアトランタ・ビジネス・クロニクルのインタビューで、デビーノ氏の混迷する同社の立て直しに大きな進展があったと述べている、

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。

Atlanta Business Chronicle (J. Scott Trubey). "Premier Exhibitions in danger of delisting", September 22, 2009. [魚拓]

 以下、2008年のゲラー元代表の辞任と復帰劇に関する報道。


死刑囚展示の疑いでプレミア・エキシビション社の株価が暴落
華 子岡
観察 (中国信息中心) 2008年2月20日

 労改基金の暴露とABCニュースの報道のため、米国のプレミア・エキシビション社の投資家に対する信用は失墜し、先週金曜日に同社の株価 (PRXI) は23%下がって$4.29となり、過去1年の最安値に達した。投資家の信頼を回復するために同社は財務部長を解任、ウェブサイトで声明を発表し、中国の死刑囚との関係の潔白を装う事を試みた。

 今月15日 (金)、ABCニュースは夜10時に中国から来た死体の出所の問題の根の深さに関する報道番組を放送した。以前、ABCなどの英文メディアや中国情報センターなどの中国語メディアはそれぞれ、関連する内容を報道し、中国の死体展が死刑囚の死体を使用しているという疑惑を公表して来た。これらの報道で投資者は著しく動揺しプレミア・エキシビション社の信用は失墜し、木曜日以来PRXI株券が暴落し、15日の株式市場の開始と共に更に一直線に下降し、この1年の最低価格となった。

 投資の衰退を回復するため、プレミア・エキシビション社はスティーブン・コートゥア財務部長を解任し、ヘラルド・インガルス氏が新財務部長に就任した。同時に同社はオフィシャルサイト上で4つの証言を公表し、同社経営の死体展で用いている中国の死体は全て自然死であると発表した。

 市場を救うためのこの処置は現在すでに効果があり、今週火曜日の取引開始以降同社の株価は上昇を続けている。しかしプレミア・エキシビション社が市場を回復出来るのは一時的なものであり、同社が根本的に苦境から抜け出すためには、死体の出所を厳しく検査し、中国側の協力者に対し人権に関する道義責任を果たすように促す事が必須であると、中国信息中心はそのように考えている。

 プレミア・エキシビション社は米国の大手展示会社であり、プラスティネーション死体の展示会は同社の主要業務の一つである。この会社の展覧会で用いられているプラスティネーション死体は中国から来たものである。人権機構の労改基金会はかねてより中国が大量に輸出しているプラスティネーション死体の出所を調査しており、これらの死体に少なからぬ数の中国の死刑囚が含まれている事を確信している。

[訳=岩谷] (原文:中国語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。



『20/20』の報道を受けて「人体展」の責任者が辞職
プレミア社側は、ゲラー氏は引退のために辞職を決断したが『20/20』の調査とは関係ないとしている
アンナ・シェクター
ABCニュース 2008年4月21日

 証券取引委員会へのプレミア社からの報告によれば、「プラスチック化」した中国人の死体を展示して論争の的となったプレミア・エキシビション社の代表が辞任をしたとの事。


 アーニー・ゲラー氏の会社の実態に関して報じた『20/20』は、ニューヨーク州検事総長オフィスの調査の引き金となり、報道から数週間後の3月にアーニー・ゲラー氏は辞表を提出している。プレミア社側はその管理体制の変化をプレスリリースで発表した事はなく、同社のウェブサイトは、ゲラー氏の辞任は人体に関する疑惑が浮上した件や『20/20』の報道に彼が出演した事とは無関係としている。

 同社のブライアン・ウェインガー法律顧問は、ゲラー氏が「引退するべき時であると決めた」ため彼は辞任をした。彼は「会社の日々の業務に携わっている訳ではない」が、理事会の議長職は続けるつもりであると述べた。

 中国の大連にある医大から人体が来たと報じた『20/20』の報道は、プレミア社とゲラー氏の説明とは真っ向から対立している。同大学の代表は『20/20』に対し、米国での展示のために人体を提供した事は「事実ではない」とし、その代わり同医大の教授によって運営されている企業から人体が供給され、大学は悪評版が立ったために最近撤退したとの情報を『20/20』は突き止めた。

 『20/20』は中国人の人体の「盛んな闇市場」を発見し、死刑囚の死体を含む人体が一体200-300ドルで売却されている取引所への「人体ルート」を説明する人体闇市場のディーラーとする人物の証言を報じた。

 プレミア社が死刑囚の死体と知りながら使用したとの疑いをゲラー氏は否定している。

 ウェインガー氏によれば、プレミア社は展示会の運営方法の変更をじき発表するとの事。

 ニューヨーク州のアンドリュ-・クオモ検事総長は、現在進行中の調査に関するコメントはしないと見られる。

[訳=岩谷] (原文:英語、写真は元記事付録)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。

Schecter, Anna. "'Bodies' CEO Resigns After '20/20' Report". ABC News, April 21, 2008. [魚拓]


「人体展」の不名誉なCEOが復帰
この再任劇に関係者の間に衝撃が走る:CEOは20/20の調査の後に辞任していた
アンナ・シェクター
ABCニュース 2008年12月22日

 中国での「引き取り人のない」人体を展示して物議を呼んだ企業のCEOが、人体の出所に踏み込んだABCニュース『20/20』の調査の後に退任をした後に、会社のトップとして再任していた事が分った。



(ABC News)
More Photos

 ゲラー氏が経営に関わっていた時期に同意のない人々の遺体を展示したというその倫理的過失に対する、ABCニュースの報道とニューヨーク検事総長の法的行使を受けてもなお、アーニー・ゲラー氏がプレミア・エキシビション社のCEOの地位に復帰出来た事に関して、ニューヨーク検事総長オフィスの関係者も驚きを隠せない。

 アンドリュー・クオモ検事総長の調査のきっかけになった『20/20』の報道の数週間後の3月にゲラー氏は退職届けを提出しているが、8月にCEOの座に返り咲いている。

20/20の調査番組はクリック

 ゲラー氏はその声明において、会社に「明るい未来がある」と信じ、「日々のマネージメントにおける積極的役割への復帰に対して勢力的に活動する」と述べている。

 『20/20』の調査は、全ての人体は中国の大連にある医科大から来たとする同社の主張を覆したものである。
 しかし大学関係者は『20/20』に対して、大学側が米国での展示に人体を提供したのは「事実ではない」と述べた。その代わり、医科大の教授が運営する個人企業から人体が供給された事を取材班は突き止めた。当初医科大は人体を供給していたが悪評判がたったために撤退している。

 『20/20』の調査によって、中国で盛んな人体闇市場の存在と、死刑囚を含む死体が一体200-300ドルで売られていた「人体取引」現場の様子の自称「人体闇市場のディーラー」による証言が明らかになった。

 2008年5月にプレミア社とクオモ検事総長のオフィスは合意に至った。この法的合意によりプレミア社は新たに入手する人体に関して個人の同意を証明する事が義務づけられた。
 プレミア社は、展示している人体が死刑囚であるという疑いを払拭する事が出来ない旨を、ニューヨーク展会場とウェブサイト上に明確に表示する事、そして疑惑を知っていたら見に来なかっただろうという見学者に対して返金をする事を義務づけられた。クオモ検事総長はまた、プレミア社の義務が遂行されているかどうか2年間第三者団体によってモニターされる事を義務づけた。


『人体展』論争

 プレミア社のウェブサイト上においてこれまで同社は三月の人事異動を発表はしていないが、同社の代表弁護人のプライアン・ウェインガー氏によればゲラー氏のCEO辞任の理由は「引退する時だと自身で決定した」との事で、その辞任は人体展への高まる疑問や『20/20』にゲラー氏が出演した事とは無関係との事である。

 ゲラー氏もウェインガー氏もこの件に関するコメントの求めに応じていない。

 クオモオフィスと合意をした時に同社は「合意において、検事総長は弊社が展示に死刑囚の死体を利用したとはしていない」との声明を発表し、「展示における器官や人体パーツが処刑された囚人でない事を一つ一つ確認出来ない」としている。
 同社は、標本が死刑囚でないという「中国側の取引相手が保証する事を信用するしかなかった」としている。

 2月にゲラー氏はABCニュース『20/20』において、中国側の取引相手から来た人体の一部が死刑囚である可能性を聞いた時に驚愕し、プレミア社の医療スタッフがそのような証拠を見た事がなく、「これらは大連医科大から来た合法的な引き取り人のない死体である」と取引業者に保証されたと語っている。

[ABCニュース調査ホームページはここをクリック]

[訳=岩谷] (原文:英語)
(関連リンク及び本文中リンクは元記事の通り)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。

Schecter, Anna. "Disgraced CEO of 'Bodies' Shows Returns". ABC News, April 23, 2009. [魚拓 1 2]



脚註:(脚註を見る)



写真:


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コメント

文太さん、こんばんは。

リピーター獲得の困難さというのは、博物館が常に抱える問題でしょうね。
標本や文献等の「物自体」は、比較・検証を目的とする学者や好事家ならぬ一般人にとっては一度見れば十分であり、運営にあたっては、結局そこにどれだけ物語を乗せる事が出来るかという勝負だと思うのです。

発見者の経歴や発見時の状況、展示資料となってからのエピソードという「遺物としての物語」は勿論、なによりそれが「現役であった頃」の物語。面白い博物館ほど、その見せ方が上手です。
特に、運営に一切の手抜きが許されない玩具の私設博物館などは、物語性にこそ全てを置いて、利用者に足をはこばせています。

人体展は、そもそも博物展示としては実に脆弱な物だったのかもしれませんね。
なにしろ、「物として」であれ「現役時代として」であれ、「物語」を乗せる訳には絶対にいかなかったのですから。

  • 2009/10/14(水) 02:06:59 |
  • URL |
  • ぐい呑み #-
  • [ 編集]

ぐい呑みさん

タイタニック展などはまさに「現役であった頃」の物語があるからこそ遺品に価値が出る例ですね。

歴史的価値のある美術品や有名な絵画などを置いている美術館であればまだ専門家でなくても美術好きのリピーターは期待出来るのですが、ぐい呑みさんの指摘通り「由緒正しい人体標本」や「特別な人物の人体標本」などそんなものが「サイエンス目的」で「直に触れて観察出来る」人体展に置いてある事などあり得ないので (笑)、そうすると「敢えてこの人体標本を見に来る」というリピーターは普通は出て来ないだろうという事ですね。

実際『人体の不思議展』を見に行った人でも、普段見られないようなものが見られたという点ではそれなりに得るものがあったという感想の人が多いのは確かなのですが、それならそういう人達が何度でも足を運ぶかと言うと、死体観賞を恒常的趣味にするコアな人は世の中そうそうはいないと思うので (笑)、結局リピーターを期待するのは厳しいだろうとなります。

玩具博物館の場合は、技術の発展の歴史をメインで展示する博物館や文化的アプローチの部類に属するものだと思いますが、美術的価値や有名な作者などの付加価値に頼れない分だけ、必然的にいかに提示するかの比重が大きくなりますね。

そういえば、マイケル・ジャクソンが亡くなった後、ハーゲンス氏がプラスティネーション保存を申し出たという噂が報じられていましたが、確かにマイケル・ジャクソンがプラスチック保存されて展示されればそれはそれで客寄せにはなるかもしれませんが、これがかつてのスーパースターなど、その「物語」が分って生前の歌って踊っている映像などを散々見て来た人物の死体が展示されるというのも、それはそれで何とも気持ちの悪いものがあります (笑)
http://www.h6.dion.ne.jp/~gemini6/enter299125.html

日米ともに人体展の主催者は「故人本人とその遺族のプライバシーの問題」として献体の証明を一切拒否しているという経緯がありますが、献体であってもプライバシーの問題で、献体でなかったらむしろ問題大ありという (笑)、これは「物語」を絶対に乗せられない展示会ではあります。

  • 2009/10/14(水) 11:40:18 |
  • URL |
  • 文太 #gJtHMeAM
  • [ 編集]

タイタニック展自体、あの映画がなぜか(笑)ヒットしたから話題になっただけと思っていますので、株式会社化していたというところに驚きです。
人体展も、色んなところで宣伝を見かけましたが、そういう手段を用いないと続かないからなのですね。

人が亡くなって、姿だけでも残したいという願望は、実際その時が来るとそう思わない気がします。私も飼い猫が死んだら、はく製にしてでも残したいなんて考えた時もありましたが、中身が一番大切なのであって、そんな事をするのは対象を大事に考えていないから出来るのかもしれないと思いました。
ですから、プラスティネーション保存を希望するというのはよほどの変わり者で、多くの人は拒否するでしょうから、主催者や技術者は遺体を完全に物扱いなのでしょうね。捜査がすすんで、見世物にされてしまった方々が安らかになる事を望みます。

  • 2009/10/15(木) 23:18:44 |
  • URL |
  • きょーちゃん #OARS9n6I
  • [ 編集]

きょーちゃん

私も最初は『タイタニック展』自体が映画のヒットで企画されたものなのかと思っていたのですが、順番から言うとタイタニック展の方が先だったんですね。
ただ元々沈没船マニアのキャメロン監督は1985年のタイタニック発見に触発されて映画を作った要素もあるようなので、制作前にタイタニック展を見ていた可能性もありますね。

それにしてもタイタニックをテーマにした映画はこれまで随分いろいろ作られているみたいですが、1997年の映画が最大ヒットなのでタイタニック展にも映画効果は随分とあった筈です。

だから、恐らくプレミア社は棚ぼた的な映画のヒットで味をしめて事業拡大をして、でも一つの映画のブームなど続かないため人体展に手を出して株式会社化をしたという、そういう経緯に見えますね。
ただプレミア社が大連鴻峰に打診したのか、大連側がプレミア社に働きかけたのかはそこら辺はよく分らないのですが。


死を悲しむ、死者を悼むという感情の根源的な部分を考えてみると (知能の高い動物にも共通したものもある)、恐らくどれだけ記憶 (思い出) を共有しているかであって、肉体そのものへの愛着はそこに付随するものだと思うのですが、だから中身が無くなった時に剥製にしたいと思うかというと、もはや動かない外見だけの剥製に果たしてその人間性 (又はその思い出) を重ねる事が出来るのかという問題であり、だから身内を剥製にして飾っておくという文化が人類には余りない (一部例外はあるにせよ) という事なのかなと思います。

一方、見ず知らずの人の死を悼むというものはその人の人生と人間性に対してであっても、赤の他人なら肉体に対して悼むという感情はないと思います。

つまり、「身元が伏せられた」死体というものは、その「人間性」の情報が全く切り離され見る側と「人物として」共有するものがないから、完全に「物」として扱う事が出来るという事なのだろうと思います。
逆に、バラバラにされたり皮膚を剥がれた人体標本をどこの誰かを分ってその人間性と結び付けて見るという事があったとしたら、それこそ化けて出そうで却って気持ちの悪いものがあります (笑)

  • 2009/10/16(金) 08:38:45 |
  • URL |
  • 文太 #gJtHMeAM
  • [ 編集]

飽きられてきたこと、遺体の出所が問題視され始めたこと、ダブルパンチといったところでしょうか。
かなり重量があると思われるプラスチック化人体の運搬と設置は馬鹿にならない作業でしょうし、展示会場も相当な広さが必要なはずで、高コストな展示会だというのは頷ける話なのかな。集客力が低下すれば苦しくなるのは分かるような気がします。

さて、中国で女児の遺体が行方不明になり裁判に発展、という記事を以前東亜板でみかけていたのですが、
http://www.chosunonline.com/news/20091017000017
先ほどこんな記事を目にしました・・・。参りましたねどうも・・・(汗)。
こんな有り様が各国に知れ渡れば、ますます「怪しい展示会」として敬遠されそうですね。

  • 2009/10/18(日) 14:58:22 |
  • URL |
  • 虎御前 #I1ptXuSI
  • [ 編集]

虎御前さん

プレミア社が人体展を開始したのは2004年で、2007-08年度に一気に歳入が伸びているのは、その時期に19箇所で同時開催という規模の事業拡大を行ったためと見られますが、リピーターの期待出来ない性格の展示会なら規模が大きくなればなるほど潜在的集客を消費するのが早まるだけの話で、もともとは『タイタニック展』を支えるために始めたであろう人体展も、3年前に既に市場飽和の予想はされていたのにこういうバブルな事をやってしまったから、その衰退も早いという結果は必然的ではありますね。

特にプレミア社の場合は人体標本はリースでその収益の80%を大連鴻峰側が取っているという情報もあり、そうすると集客が減ればまずプレミア社がコケるのはこれも必然的という事になります。

人体標本の重量は恐らくこの質量のプラスチックの塊と思えばいいのではないかと思いますが、一体が生身の人間と同等の数十キロはあるでしょうね。

FedExなどアメリカの大手運送業者は、バイオ系など生物体の運送を扱わないのと同様に人体パーツの運送も受け付けないため、専門業者を雇うなどする必要があるという、移動だけで相当経費がかかるだろう事は容易に想像が付きます。


それにしても、相変わらずチャイナクオリティなニュース過ぎて思わずコケそうになりました (笑)
アメリカの人体展が社会問題になった背景として華僑勢力の反発という要素が実際大きく、彼等が主張するのは「人体を物として扱うような展示への献体に身内が同意するような文化は中国にはない」ですが、逆に言えば身内以外には無頓着なのも彼等の文化であって、刑務所や裁判所が勝手に死刑囚の死体を売っぱらったとか、プラスティネーション工場に売っぱらうために火葬場から死体が盗難されたという事も実際に起こっているようです。

何と言うかこの人達は、自分がされると嫌な事を他人には平気でやるという、さすが毒製品の国というか、中華的身内主義と拝金主義という点では徹底していますね (笑)
この犯人は、中国のお国柄では「反社会的行為」等の罪状で、来年辺りには人体標本になってどこぞの国で展示されているかもしれません。

いずれにしても、大連側は供給先によって「身元不明死体」と言ったり「献体」と言ったりしていますが、この数年で本当にそれだけの数の「身元不明者」が出ているのならそれこそ社会が崩壊している状態でオリンピックどころでない話であり、「献体」に関してはその出所である南京にある献体協会の「南京赤十字志友会」が展示用に遺体を提供した事はないと言っているし、どう考えても怪しい事に違いはないのですが。

  • 2009/10/18(日) 22:09:55 |
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  • 文太 #gJtHMeAM
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