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この記事は「音MAD Advent Calendar 2018」に参加しています。
今日はクリスマスイブですね。なんでこんな記事読んでるんですか?
どうもこんにちは。お尻でーす!
最近、いろんな合作に呼んでいただける上に、
音声まとめを任せていただける機会が多くなってきました。
とてもありがたいことです。
DTMやってるのが理由だと思います。やっててよかった。
そういう訳で今までそれなりの数の音声まとめをやらせていただいたわけなのですが、
そうなると当然いろいろ音声を1つ1つじっくり聞くことになります。
そうやって沢山の音声を聞いていて、私がどうしても気になったことがあります。
「全体的に音が中央に寄っている」
「音合わせの音量がでかすぎてセリフが聞こえない」
これです。
本当にもったいない!
せっかく良い音作りをしているのに、この2つで台無しにしてしまっている物がいくつもありました。
この記事では、「じゃあそういうときどうすればいいんだよ」という方に向けた、
普段自分が行っているミックスの方法やテクニックを紹介させていただきます。
ミックスに関しては、本気になるといろんな専門用語などが飛び出てきてここではとても書ききれないので、なるべく簡単なことだけ書いていきます。
なお、これから講釈を垂れようとしている私ですが、
ほぼ独学でミックスをしているため、
詳しい人が見れば、
「こいつ何言ってんの?」
という内容もあると思います。
「音MADでもDTMでも底辺のカスが何を上からほざいてんねん」
と思われる方も大勢いらっしゃるでしょう。ごもっともです。
そういう方は是非コメントにて訂正、アドバイスなどしてくださると嬉しいです。
では参りましょう。
1.そもそもミックスとは何か
ミキシングとも言われます。
音は
・音量
・周波数
・位置(定位)
の3つが主な要素です。(少なくとも音MADを作る上ではこの3つを知っていればヨシ!)
楽器ごとの音量のバランスを整えたり、音の位置を弄ったりして、いい感じの落とし所さんを探すことを言います。
2.ミックスをする上での考え方、心構え
完全に私の個人的な考え方です。
下記3つの軸からなる立方体があるとします。
X:定位(%)
Y:周波数(Hz)
Z:ゲイン(db)
この立方体の中に、綺麗に音を敷き詰めるようなイメージです
これがミックスだと勝手に思っています。
イメージ図です。これもうわかんねえな。
まったく伝わる気がしませんが、こういうイメージだと言う事だけわかってください(カス)
そして、ミックスをする上で大事なものが1つあります。
「頑張って耳コピした音が最悪聞こえなくてもいい」という"""勇気"""です。
頑張って耳コピしたパートを聞いてほしいという気持ち、死ぬほどわかります。
特に、裏で鳴っている高速ピアノみたいなものの耳コピをしたときはそういう気持ちがとても強くなるでしょう。
だからと言って、音量を大きくするとミックスに苦戦します。
原曲でもそんなに大きい音量で鳴っている音じゃない場合、音MADの音声も同じくらいのバランスで調整してあげるたほうがいいと思っています。
3.普通のDTMにおけるミックスと音MADにおけるミックスの違い
音MADは広義の意味ではDTMでありますが、0から曲を作るのと違う点は
「既にあらゆる周波数帯が満たされてる音源の上に更に音を重ねる」
という点です。
そのまま音を重ねるだけだと、帯域同士が喧嘩をしてそこだけ音量が大きくなり、ミックスが難しくなります。
「じゃあ原曲の音量下げればいいじゃん」
と言われれば確かにそうなのですが、音MAD素材の音だけでは補いきれない音というのは存在します。
ゲインを下げるとそういった部分まで小さくなってしまうことになるので、これはもったいないです。
そこで登場するのがEQです。
4.実際にどのようにミックスするか
ミックスする上で欠かせないもの、それがEQです。
EQの役割は「不要な帯域の音を削る」もしくは「足りない帯域の音をブーストする」ザックリ言ってこれです。
今回は削るほうに焦点を当てていきましょう。
基本的には「それぞれの音で被っている帯域」を見つけ出して削ります。
「じゃあどうやって見つけるの?」というと、そこで活躍するのがこのVSTです。
「SPAN」というVSTです。
こいつをマスタートラックに挿してやると、今鳴っている音の周波数を見ることが出来ます。
これでどの帯域が被ったり強く出てしまっているかが調べられますね。
と言うわけで、これからそれぞれの音声に対して、自分がどのようにEQをかけているかを書いていきます。
また、イコライジング以外にも「私が意識していること」や「使っているVST」についても記入していきます。
なお音MAD作者は大半がREAPERを使っていると思われるので、
REAPERを使用している前提で書かせていただきます。
REAPER is FREE!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
原曲
まずは原曲にEQをかけましょう。
どういう音MADなのかにもよりますが、大抵の音MADで密集するのは中音域です。
400Hz~2kHzくらいのところは削っちゃっていいと思います。
低音域や高音域は逆に、音MADの音声では補強しにくい部分です。
(音域が補いにくいというより、シンセなどのような音の太さを得にくい)
その部分に関しては原曲に頼るという形にしています。
また、原曲は、音MADをミックスする上での音量の「基準」になります。
一度原曲の音量を、例えば「-10db」としたならば、
そこからもう変えないようにしましょう。
原曲の音量をコロコロ変えてしまうと、
基準がなくなりどれをどのくらいの音量にすればいいか迷走します。
「原曲に対して台詞の音量がこれくらい、音程合わせの音量がこれくらい...」
という感じに、原曲を基準にすると、ミックスがやりやすいかと思います。
(もちろん他の音を基準にしてもイイヨ)
台詞
言い換えるとボーカルですね。
大抵の音MADで最も聞かせたいものなのではないでしょうか。
あんまり音を広げてしまうと音像がぼんやりして聞こえにくくなってしまうので、
リバーブなどをかけるにしても控えめが望ましい。
EQ
250Hz~300Hzより下はほぼ必要ないのでバッサリ切る。
10000より上は手薄になりがちなので上げたり上げなかったり。
上げたほうが抜けがよくなる・・・気がします。
それと、台詞は素材によって音量が全然違ったりしますよね。(特に実写)
同じくらいに揃えるのはなかなか骨だと思います。
私はこの場合、コンプで全部の台詞をまとめてぶっ潰して均一にしてます。
こちらのツイートが大変参考になります。
リード
主旋律のことです。
こいつも聞かせたい音ですよね。
EQのかけ方は台詞と同じでいいでしょう。
ただこの音は割と台詞と周波数帯が被っていることが多いです。
こういう場合は、軽くリバーブなどをかけて、音を広げてやると良いです。
また、エンハンサー等を使い音を横に押しやったり、
他にもダブリング(後述)という技を使うという手もあります。
それでもうまくいかないときはサイドチェイン(後述)を使う手もあります。
エンハンサーの「UPSTEREO」というVST。
音がやたらと外に広がりますがリバーブが大げさに掛かったような音になる印象。
「MStereoExpander」
これも使い勝手のいい音像を広げるVST。
ベース
ジャンルにもよりますが、あまり音を広げるのは好ましくないとされています。
空間系のVSTをかけるのはやめておいたほうがいいでしょう。
自分はstereo toolというVSTで真ん中に寄せてしまっています。
↑stereo tool。音を広げるのにも使えます。
EQ
ベースは低音域を補う音ですが、
私の場合は原曲の低音域の音をそのまま生かすような形にしているので、
音MADの音声ではそこまで補強する必要はないと思っています。
(むしろ補強しすぎると低音域が喧嘩しミックスしにくい原因になる)
なので、私はこのように超低音域と高音域を削っています。
ベースらしい音は出しつつも、ミックスの邪魔になる場所だけ削るイメージです。
パッドとかアルペジオ
コード感を出すための音。
後ろで「ふぁ~~~」っってなってるやつとかピロピロ言ってるやつです。
EQのかけ方は台詞やリードと同じでいいと思います。
こいつの場合は若干中音域を削ってもいいかも。
個人的にこいつは完全に横に出していいと思っています。
なのでエンハンサー等使って広げてしまいましょう。
もしくは風呂にならない程度にリバーブをかけましょう
ドラム関連
ハイハット
チキチーチキチーって感じに鳴ってる音。
これはドラムだと大体左に設置されてます。
つまり聞く側だと右から聞こえてきます。
そういうわけで私は右にパンを振ってます。
EQ
相変わらず低音域を削ります。
ハットに関しては高音域は上げるといいらしいので、私はこんな感じにしてます。
バスドラム
入れると疾走感が増すので、入れたい人は多いでしょう。
しかし、うまくミックスしないと原曲と被って低音が爆発します。
これを入れる場合、原曲の低域40Hz~200Hzを少し削ってやるか、
ベースと同じようにバスドラムの低音域を削ってやりましょう。
また、こいつもstereo toolで中央に寄せると良いです。
ハンドクラップとかスネア
これはマジで人それぞれだと思います。
私も正直どうすればいいかわかんないです。
低音域はとりあえず削ってますが、
あとは他のパートと聞きながらなんとなくで調節しちゃってます。
誰か教えてくれ。
以上が私の実際にやっているミックス法になります!
5.その他テクニック
ダブリングとは
音を左右から聞こえてくるような感じにする技。
ギターのミキシングで主に用いられます。
VSTでもできるんですが、アナログでやる方法もご紹介しておきます。
1.音程あわせしたトラックを複製します。
2.それぞれL,Rに90ずつパン振りします。(人によっては100でやる人もいます。)
3.どちらか片方の音をすこーーーしだけ後ろにずらします。
4.終 -NHK-
VST↓
サイドチェインとは
詳しくはこの動画を見てください。
どういう効果の技術なのかは動画を見ていただければわかったかと思います。
ではどういう場面で使うのかというと、
クラブミュージックにおいてはベースとキックの帯域被りを防ぐ目的で主に使われます。
これを音MADに応用すると、
「台詞が鳴るときだけ主旋律の音量を下げる」というような技が使えますし、
他の場所でもいろいろと応用が利きます。
是非知っておいていただきたいテクニックです。
また、これを更に応用した技があります。
サイドチェインで音MADを聞きやすくしてみる
http://nekofuton02.blog92.fc2.com/blog-entry-50.html
「台詞が鳴った時だけ原曲にEQがかかる」
という技の使い方を解説している記事です。
必見ですので、是非一度目を通して見て下さい。
6.まとめ
だいぶ雑なまとめ方になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
正直コンプレッサーのこととかもいろいろと書きたかったのですが、
本当にキリがなくなりそうなので今回は見送らせていただきました。
結局のところ、聞こえ方の好みで変わってくる部分が大きいので、
各々でいい感じのミックス方法を見つけて欲しいかなと思います。
最初にも申し上げましたが、全部私が独学でやっている方法なので、
あくまで参考程度に見て下さい。
Twitterでも軽く申し上げましたが、
次回は「合作の音声まとめをする際に自分が意識していること」
の記事を書こうと思ってます。
コンプのこととかもこちらで書ければいいなと思っています。
よろしくお願いします。
長々とお読みいただきありがとうございました!
おまけ:参考になりそうな記事
・ベースミュージックにおける音の「軽い」や「重い」もしくは「太い」についての考察http://ch.nicovideo.jp/kamishira_sour/blomaga/ar558808
「ベースミュージック」と書いてありますが、
ジャンル問わず「音の厚あじ」とはどうすれば生まれるのか?
ということが書かれています。
「音が薄い気がする・・・」と感じる方は、一度読んでみる価値はあると思います。
・へのへの流(?)vstのいろはhttps://ch.nicovideo.jp/henohenocappa/blomaga/ar1673175
ブロリーMAD作者へのへのさんの記事です。
音MADでも使えるフリーのVSTについて大量にまとめられています。
必見です。
・DTM初心者が陥りがちなリバーブの4つのミスとその対処
https://arynco.com/creation/composing/reverb-fix/
実はこれ私も最近知りました
リバーブやディレイの正しいかけ方が書かれています。
必読レベルです。絶対読みましょう。
・コンプとリミッターの違い
https://oto-to-mimi.com/mixing/difference-compressor-limiter/
コンプはなんとなくとっつきにくい印象があると思います。
この記事の解説はわかりやすいので、コンプに苦手意識を持っている方は1度ご覧になってはいかがでしょうか。
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