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「国民の行動を抑えつける法改正」など、独裁者にでもなったつもりか?/倉山満

グレードダウンは必要条件で、医療規制緩和が十分条件

 そもそもワクチンの普及は、感染者が増えても死者を減らすのが目的だったはずだ。ならば今の結果、ほとんど死者ゼロの状況は誇っていい。死者だけ見ればゼロコロナは達成している。ならば、医療を充実させて、重症者を減らす方向にもっていけばいい。  もちろん、5類へのグレードダウンだけで万事解決する訳ではない。グレードダウンは必要条件で、医療規制緩和が十分条件だ。医師がリスクを取って海外で実績のある薬を使える体制を政府がバックアップするだけで違う。それに開業医に自宅療養患者のケアを手伝わせる事で患者に安心を与えるようなきめ細かなケアを行えば事態は改善される。

早くからグレードダウンを主張していた維新に菅首相は乗るべきだ

 政策の解は、明確だ。では、誰がどうやってやるかだ。  コロナの5類グレードダウンは、日本維新の会が早くから熱心に主張していた。これに菅首相は乗るべきだ。当然、尾身と手下どもは、あらゆる屁理屈を並べて反対するだろう。それこそが好機だ。  科学の名を騙り政治を操り国民を苦しめてきた尾身が、いかに愚劣な人間かを国民の前にさらせばいい。その背後にいる医師会や分科会が、いかに邪魔な存在で国民の敵か。  閣議でグレードダウンを提示、反対する閣僚はその場で罷免する。そして解散総選挙で信を問う。仮に自民党が反対なら、脱党すればいい。あとは自民党に好き勝手に総裁選をやらせればいい。菅派40人の国会議員が脱党すれば、自民党は終わりだ。ここで16人の参議院がついてきたとする。維新の会は15人。国民民主党も15人。三派合わせれば46人で立民を抜いて参議院第2党だ。政局の主導権を握れる。

現職総理のまま脱党、新党結成くらいの勝負しかない

 現在、維新の会には実質的な党首はいない。ならば菅首相を迎える態勢がある。そもそも維新の会は「反自民・親菅」だ。規制改革を掲げる党だ。  現職総理のまま脱党、新党結成くらいの勝負しかないのではないか。  コロナのグレードダウンすら聞かない自民党など、ぶっ潰してしまえ! 菅さん、もう我慢しなくていい。国民を信じて戦うだけだ。’73年、香川県生まれ。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務め、’15年まで日本国憲法を教える。著書にベストセラーになった『嘘だらけシリーズ』のほか、9月下旬には『嘘だらけの池田勇人』を発売予定。ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰し、「倉山塾」では塾長として、大日本帝国憲法や日本近現代史、政治外交についてなど幅広く学びの場を提供している

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