CAIT SITH(ケット・シー)では奄美大島で、「ノネコ管理計画」によって捕獲された猫たちがイエネコとして幸せな第2の猫生が送れるよう、横浜市都筑区センター北にて譲渡型猫カフェを運営しています。
【私たちCAIT SITHが取り組む社会課題:issue】
環境省と地元自治体(奄美市)は、生態系を守るという大義の元、10年かけて3000匹のノネコを捕獲する「ノネコ管理計画」を策定しました。計画の中に、「個体については、飼養を希望する者への譲渡に努め、譲渡できなかった個体 は、できる限り苦痛を与えない方法を用いて安楽死させることとする」と記されています。つまり、アマミノクロウサギ等固有種の絶滅を防ぐという理由から、ノネコを3000匹捕獲駆除、譲渡できなかった猫を殺処分するというものです。
野良猫は動物愛護法にて愛護動物としてみなされます。みだりに殺したりすれば2年以下の懲役か罰金が科せられます。ノネコは鳥獣保護法の有害鳥獣駆除という名目で自治体が捕獲するが可能です。自治体が野良猫を殺処分すれば殺処分数としカウントされますが、ノネコとして捕獲し殺処分する場合、殺処分数にはカウントされません。野良猫とノネコには実際のところ明確な線引きはありません。
【私たちCAIT SITHが考える社会的役割:mission】
「殺処分ゼロ」の実現を目指し走り続けることです。
奄美大島では、人の都合や人が決めた事柄で行き場を無くした猫たちが沢山います。CAIT SITHでは助けを必要とする猫たちを受け入れ、1匹でも多くの猫たちに新しい家族とのご縁を繋いでいきます。その為には、多くの人にノネコの存在を知ってもらい、ノネコを新たな家族として迎えるということを普及させていかなくてはなりません。
【私たちCAIT SITHが考える社会の理想像:vision】
「人と猫の共存する社会と文化」が広まることを私たち心から願っています。
猫との暮らしは安らぎをもたらし、かけがえのない時間を人に与えてくれます。より多くの猫たちが安心して暮らすことが出来て、幸せな第2の猫生が送れること。そして、人にとっても多様な生活様式に合わせた猫との共生が出来る社会と文化が広まり、人間の都合によって殺処分をされる動物がゼロとなる未来が訪れることを願っています。
【CAIT SITHを立ち上げたきっかけ】
個人にての保護活動をライフワークとして行なっていた私は、心の底でとても強いジレンマを感じていました。
あちこちで行われている殺処分の数は膨大で、個人では到底追いつきませんでした。見て見ぬふりをする現実もいくつかあり、保護譲渡を続けながらも自分の無力さに失望し、嘆き悲しむ思いを何年も感じていました。
自分だけが頑張っているのは、意味があるのだろうか?この先見て見ぬふりをしないで済む未来があるのだろうか?このジレンマは、いつしか私の中で悲しみから怒りに変わっていきました。
奄美大島のノネコ管理計画は、NPO法人ゴールゼロの代表である、斎藤獣医師から聞き、すぐに奄美大島へ出向き、譲渡認定人として登録をしました。奄美大島の在来種を守る為とはいえ、島の猫たちは今までそこで生きてきただけにもかかわらず、毎月30匹が捕獲され、10年間かけて殺され人間の計画の犠牲になるという事がどうしても許せませんでした。
奄美大島の譲渡認定人はとても少なく、実際に引き取っているメンバーは顔見知りの数人だけです。
1週間で殺処分されてしまう猫たちの情報がメールで送られてきます。その事実は、更に私を苦しめました。
「もう限界、次の猫が収容されたら殺されてしまう..。」
「助けて..。」
心の底から助けを求め、思いが私を奮い立たせ、猫の為だけと無我夢中で行動したことで、CAIT SITH設立に繋がる結果となりました。
【殺処分をさせてはならない理由】
奄美大島のノネコ管理計画は、在来種保護を目的とし、譲渡されなければ猫の殺処分を1週間で行うものと記してあります。
猫の捕獲前、同じく在来種保護の為に《マングース》が殺処分されていました。罠にかかったマングースの首を捻り、頭をハンマーで叩き割ります。マングースを捕まえていたマングースバスターズ(人間)が、ノネコバスターズ(人間)に代わり、仕事は現在も引き継がれています。
猫の殺処分が1匹でも行われることにより、致し方ないことだと人は諦めはじめます。そして「猫は死にましたが、おかげで在来種保護の目的が達成されました!」と猫の命と引き換えに正当化させる為の御託を並べるのです。
どの様な理由にせよ、猫を殺す理由を作るわけにはいかないのです。
【CAIT SITHの役割の一つとして人の為でもある】
私は一人の力では限界を感じ、大きな挑戦としてCAIT SITHを立ち上げました。
実際に立ち上げる事で、同じジレンマを感じていた保護活動家や、保護活動に携わりたいけどどうしたらいいのか悩んでいた人達が沢山いるということがわかりました。
日本は世界でも豊かな国であるのに、ボランティア活動自体に遅れをとっている。
人が生きているという存在価値を見出すとは大袈裟かもしれませんが、なぜ自分がこの世に誕生し、生かされているのか?
その答えをCAIT SITHを通して見つけ出して貰えたらとても嬉しいです。
特定非営利活動法人 CAIT SITH 代表理事:服部由佳
私がCAIT SITHという団体に入ったきっかけは、ノネコと呼ばれる猫たちの存在と奄美大島の「ノネコ管理計画」を知ったからです。
野良猫とノネコには明確な線引きなく、ノネコとして捕獲収容されれば1週間という期限をつけられ、殺処分対象となる猫が存在することに驚きを隠せず、また、人間の自分勝手なやり方に憤りを感じました。
動物愛護という精神があるように、動物より思考力に優れる人間は、本来弱い立場である動物を守る存在であるべきと私は考えます。
言葉の話せぬ猫を安易に捕獲し、殺処分という安直な方法でノネコを減らすという政府及び行政の在り方には意義を唱えたい。そして、ノネコと人間の双方にとってより良い結果となるよう働きかけを続けたいと考えています。
捕獲され続けるノネコの次の猫生にふさわしい新たな家族を見つけ、譲渡活動を継続していくことは、課題も多く、困難も多くあります。しかし、私たちの思いや活動内容に、共感、ご賛同、ご支援くださる多くの方と共に困難は乗り越えられると信じています。
応援してくださる皆様のお気持ちに応え、譲渡数という実績で応え続けたい。そのような思い出活動を続けていきたいと思っています。
特定非営利活動法人 CAIT SITH 事務局長:菊地麗子
奄美大島のノネコを救いたいと、目にも留まらぬ速さで譲渡型猫カフェをオープンさせた代表と猫が大好きでボランティアを始めました。
初めてのボランティアで不安は沢山ありました。しかし、携わるノネコ達は一様に愛おしく、特に2ヶ月間の家猫修行を経ても頑なに心を閉ざすノネコが、一週間、一ヶ月と少しずつ心を開き始め、その猫本来の甘えん坊で遊び好きの姿を見せてくれた時の喜びは格別です。
縁あってここに来たノネコ達には家族が見つかるまで、その猫らしく元気に快適に過ごして欲しい。そのような思いで活動をしています。
愛情を注いだノネコ達が譲渡される時は、嬉しさと寂しさがごちゃまぜになってしまいますが、新しい家族の元で今まで見た事のない安心し切った表情等を見ると、これで良かったと幸せな気持ちになり、一匹でも多くのノネコに家族を見付けてあげたいと思うのです。
カフェボランティアスタッフ:瀧内文恵
野良猫・地域猫とノネコの線引きがハッキリとされておらず、飼い猫であっても、迷い猫であっても捕獲収容され命の期限を付けられてしまいます。
捕獲収容されてしまう猫の中には、「要らない」と捨てられてしまった猫もいます。
何度も人間に裏切られ、心身共に傷ついた子たちをケアしながら、その猫のあらゆる個性を把握し、一代限りの命を大切に預かり育て、「この子を家族に」と言ってくださる素敵なご家族へとこれからも命のバトンを託していきます。
預かりボランティアスタッフ:青木夏美
2018年7月〜現在 ノネコ捕獲数236匹
ノネコ管理センターより引き取総数 65匹
服部個人活動中の引き取り 8匹
CAIT SITHとしての引き取り(合計65-8)=57匹
譲渡数 44匹
服部個人活動中の譲渡数 8匹
CAIT SITH譲渡数 (合計44-8)=36匹
2021年8月31日現在
CAIT SITHは、皆さまからのご支援で成り立っています。主に医療費と飼養費に充当させていただきます。