「仕事は仕事」 アフガニスタンの元大臣、ドイツでピザ配達する日々
■ドイツ政府のアドバイザーを目指す?
新型コロナウイルスの流行のため、ドイツ語習得の計画は遅れたが、今では1日4時間、デリバリーの仕事の前に語学のレッスンを受けている。
フードデリバリーサービス「リーフェランド(Lieferando)」の自転車配達員の時給は最高15ユーロ(約2000円)。月420ユーロ(約5万5000円)の家賃を含め生活費は賄える。
「このチャレンジは短期的。別の仕事を得られるまでだ」と語るサダートさん。毎月1200キロを自転車で走るので体に良いと力説する。
タリバンの復権とNATO軍のアフガニスタン撤退で、ドイツでの自分の活躍の機会が開かれたのではないかとサダートさんは期待している。
「現地の実情を説明できるので、アフガニスタンに関してドイツ政府に助言できる。それがアフガン国民にとっても有益だ」と語る。
タリバンは、人権、特に女性の権利をめぐっては「過去に犯した間違いから何かを学んだはず」だとサダートさんは考えている。
国際社会に対しては、アフガニスタンを見捨てず経済支援を続けるよう訴えた。
それから、サダートさんはスマートフォンをチェックした。正午にデリバリーのシフトが始まる。
「もう行かなければ」と言い、この日1件目の配達のため、雨の中を走り去って行った。(c)AFP/Hui Min NEO