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コロナワクチン接種後に感染「ブレークスルー感染」どうすれば?

  • 2021年8月2日

新型コロナウイルスのワクチン接種を終えたあと、2週間以上して感染が確認されるいわゆる「ブレイクスルー感染」。国の初めての調査結果がまとまり、6月末までの3か月間に67人の感染が確認されました。
国立感染症研究所は「ワクチンの有効性を否定する結果ではないが、接種後も感染対策を続けることが重要だ」としています。

ワクチン接種 2回目終了は全人口の29%

ワクチンの接種は、2回目の接種を終えた人は、政府が8月2日に公表した状況によりますと国内で少なくとも新型コロナウイルスのワクチンを1回接種した人は全人口の39.61%となっています。
また2回目の接種を終えた人は全人口の29.12%となります。(全人口にはワクチン接種の対象年齢に満たない子どもも含む)

接種後に感染「ブレークスルー感染」

ワクチンの接種後、感染が確認されるケースはどうなっているのか。国の初めての調査結果がまとまりました。

新型コロナウイルスワクチンの接種を終えてから免疫が完全につくまでには14日かかるとされます。海外では、そのあとに感染が確認される事例がまれに報告され、「ブレイクスルー感染」とも呼ばれています。

国立感染症研究所が、自治体や医療機関からの報告をもとに初めて調査を行った結果、4月1日~6月30日の3か月間に合わせて67人の感染が確認されました。
79%が20代から40代で、重症者はいなかったということです。

ウイルスの遺伝子を解析できた14例
12例:イギリスで確認された変異ウイルスの「アルファ株」
2例: インドで確認された「デルタ株」

また、一部の検体からは感染力を持つウイルスも検出されたということです。

国立感染症研究所は、「接種後も感染対策を続けることが重要だ」としています。

国立感染症研究所
「ワクチンの有効性の高さを否定する結果ではないが、二次感染を起こすリスクもあり、接種後も感染対策を続けることが重要だ。また、医療機関なども、症状などから感染が疑われる場合は積極的に検査を行う必要がある」

SNSに誤った情報 感染研が批判の声明

この報告をめぐっては、一部を切り取る形で「感染研がワクチンに効果がないことを認めた」などとする誤った情報がSNSなどで広がっていて、研究所は強く批判する声明を出しました。
 

声明では「自らの主張に都合のいいように一部の文言だけを切り出して使用することは、研究所が誤った内容を発信している印象を与えるだけでなく、科学を踏まえた健全な社会の議論をゆがめてしまうことを強く懸念している」と強く批判しています。
国立感染症研究所がこうした声明を出すのは異例です。

国立感染症研究所 脇田隆字所長
「発症や重症化の予防効果は明らかだが、接種が増えれば、接種後に感染するケースも出てくる。ただ、その後ろに感染を免れている多くの人がいることを理解してもらう必要がある。科学的に伝えられるコミュニケーションをしていきたい」

デルタ株感染拡大 米では接種後もマスク着用推奨

さらに、デルタ株の感染拡大に伴う動きも。
アメリカのCDC=疾病対策センターは新型コロナウイルスワクチンの接種を完了した人も感染が深刻な地域では屋内でのマスクの着用を推奨するという新たな指針を示しました。

アメリカでは1日に報告される感染者数の7日間平均が26日の時点で5万人を超え、前の週より50%あまり増えています。

CDCは27日、インドで確認された変異ウイルスの「デルタ株」が感染例の8割を占めると推定されるとして、ワクチンの接種を完了した人も感染者の数などが一定の水準を超えた地域では屋内でのマスクの着用を推奨するという新たな指針を発表しました。

指針は首都ワシントンやニューヨーク、ロサンゼルスなどの大都市を含む39の州や地域が対象となっています。

CDCのワレンスキー所長は、電話会見で「デルタ株はまれに接種を完了した人への感染も確認されている」と述べた上でワクチンの効果は十分高いとして接種を重ねて呼びかけました。

バイデン大統領はことし5月、接種を完了した人は原則としてマスクを着けなくてもよいとしましたが、デルタ株の急速な拡大でわずか2か月で転換を余儀なくされました。

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