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【1章完結】追放された助言士のギルド経営~鑑定を駆使し、不遇な素質持ちに一つを極めさせたら、いつの間にか化け物だらけの最強ギルドになってました~ 作者:柊彼方

1章 始まり

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1話 追放される

「ロイド。お前はもう用済みだ」

「…………え?」


 唐突なカイロスの言葉に、僕は唖然としてしまった。


 ここはギルド『太陽の化身』のマスターであるカイロスの部屋だ。

 この部屋にある物すべてが一級品。どれも、そこらの冒険者では買えないような代物ばかりであった。


「おおよそ目星をつけた人材は確保した」


 このギルド。太陽の化身は僕とカイロスの二人から始めたギルドである。

 そんな小さなギルドは、今ではこのフェーリア国、随一のギルドと謳われるほど大きくなった。


「お前のスキル【鑑定】は、このギルドには必要ないのだよ」


 カイロスは僕に蔑むような視線を送ってくる。


 このギルドが急激に成長できた理由としては、僕の不遇スキルを彼が上手く利用したためである。

 僕のスキルはあらゆる全ての能力値を鑑定できるというものだったのだ。


[名前] カイロス(30)

[肩書] 太陽の化身・ギルドマスター

[能力値]体力 D/B 魔力 D/C 向上心 S/S

        統率力 D/D 知力 A/A

[スキル]上級剣技 B/B

[素質] なし


 これが目の前にいるカイロスの鑑定結果である。

 特に詠唱や発動条件もないため、僕にとってはとても便利なスキルであった。


 しかし、この世界では鑑定は戦うことが出来ない外れスキルと認識されている。

 そのため、各地で不遇スキルと称されていることが多い。


 別に僕は今まで不遇を憎んだことはなかった。しかし、ここまでの仕打ちは酷すぎる。

 僕は初めて、彼に牙を向けるように吠えた。


「ふ、ふざけるな! 用が済んだら終わり!? なら僕の幹部の席はどうなるんだ!」


 僕は今までこのギルドが躍進できるように陰ながら支え続けていた。

 カイロスの命令通り、能力値の限界がオールB以上(・・・・・・)の冒険者を毎日探し続けたのだ。

 そして、おおよそ候補が全て勧誘し終えたら僕は用済み? 何の冗談を言ってるんだ。


 するとカイロスは顔色一つ変えず、一人の青年をこの部屋に呼び入れた。


「アレン君。入りたまえ」

「はっ! 失礼します!」


 金色の目立つ短髪に整った顔立ち。そして、すらっとした体形に垣間見せる筋肉。いわゆるイケメンと属される部類の人間。

 僕は二人にはばれないようにこっそりスキルを行使した。


[名前] アレン(21)

[肩書]太陽の化身・B級冒険者 期待の新人冒険者

[能力値]体力 B/S 魔力 B/S 向上心 B/B 

        統率力 B/A 知力 B/S

[スキル]勇者の刃 B/S 勇者の指揮 D/A

[素質] なし


 アレンは僕が一年前ほどに見つけてきた逸材である。

 もともとはオールCという平凡な能力値であったが、限界がオールB以上という成長の兆しを見せていたのだ。

 僕の想像通り、今では手腕とその顔立ちにより、このギルドの看板冒険者となっている。


「今日から幹部の席はアレン君に任せようと思う」

「ありがたき幸せ! これからも努力を怠らず精進していきます!」

「うむ。いい心がけだ」

「は? おい、ちょっと待てよ!」


 僕はそんな二人の会話に待ったを入れた。


「僕がいなければアレンだって……」

「ロイドさんがいなければ? 何を言ってるんですか?」


 アレンはいまいち現状が理解できていないようで首を傾げている。

 そこに説明を付け加えるようにカイロスが口を開いた。


「今更、幹部から退くのが嫌で言い訳をしているのだよ。本当に私たちを見習ってほしいものだ」

「俺はまだまだですけど、カイロス様は本当に素晴らしい方です! 埋まっていた俺を見つけてくれたんだから!」


 アレンは心の底からカイロスに感謝を示すように言った。

 その物言いでは、まるでカイロスが優秀な冒険者(アレン)を見つけたような……


「君は初めて見た時から何か感じたのだよ。これからも君はもっと成長する」

「本当ですか!? カイロス様に言ってもらえると安心できます!」

「は?」


 僕は二人の会話に、ただ呆然とすることしか出来なかったのだった。

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「続き気になるな」

「早く更新してほしいな」


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