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労働保険番号とは?調べ方や保険への加入方法を解説!

 一人親方が元請けから仕事を請ける際に、要求されることがある「労働保険番号」をご存知でしょうか。労働保険番号は、労働保険に加入していることを証明する番号であり、この番号を知らないと元請けから仕事を受注できないことがあります。

 そのため、一人親方として働くうえで労働保険番号は知っておくべき知識です。しかし、労働保険番号は普段の生活では聞き馴染みがないため、よくわからないという方もいらっしゃるでしょう。

 本記事では、一人親方として働くうえで重要な労働保険番号の調べ方や労働保険への加入方法について詳しく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.労働保険はどのような保険なのか?
    1. 1.1.労働保険とは
    2. 1.2.一人親方と労働保険
  2. 2.一人親方と労働保険番号
    1. 2.1.労働保険番号とは
    2. 2.2.労働保険番号はどうすればわかる?
    3. 2.3.一人親方は労働保険番号をチェックしよう
  3. 3.労働保険番号を入手するための方法
    1. 3.1.一人親方が労働保険に加入する方法
    2. 3.2.労働保険に特別加入する要件
    3. 3.3.特別加入制度で労働保険に加入する場合に準備するもの
  4. 4.まとめ

労働保険はどのような保険なのか?

 労働保険番号は、最初から誰にでも割り振られているものではありません。労働保険に加入して初めて、労働保険番号を取得します。

 ここでは、労働保険番号の前提となる労働保険について詳しく見ていきましょう。

労働保険とは

 労働保険は、仕事中の災害に対して保険給付を行なう労災保険(労働者災害補償保険)と、失業した場合などに給付を行なう雇用保険を総称したものです。

 労災保険は、会社に雇用されている労働者が業務や通勤が原因となって、ケガや病気、障害などを負った場合に治療費や休業補償などを受けられます。

 この保険で対象となる労働者は、正規で雇用されている正社員だけではありません。パートやアルバイトなどの短時間労働者も対象となります。

 雇用保険は、労働者が何らかの理由によって失業した際に、次の仕事に就くまでの間、必要な給付や求職サポートを受けられる制度です。雇用保険も労災保険とは異なり、週あたりの労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用継続が見込まれる場合には、パートやアルバイトの方も対象です。

 労災保険と雇用保険は、それぞれ独立した制度ですが、保険料の納付は一体のものとして扱われています。そのため、労災保険と雇用保険を総称して労働保険といわれているのです。

 労働保険は、一人でも労働者を雇用している場合には適用事業となり、加入が義務付けられています。

一人親方と労働保険

 労働保険は、一人でも労働者を雇用している場合には、加入が義務付けられているとお伝えしました。

 そのため、基本的には個人で働く自営業者や個人事業主には適用されない制度です。つまり、一人親方も本来であれば労働保険の加入対象には該当しません。

 しかし、一人親方の実務内容や業務に関する災害の発生状況は、一般的な労働者に限りなく近いものがあります。

 この状況に着目して、国は労働保険の特別加入制度を設けて、一人親方の労働保険の加入を認めているのです。この制度により、一人親方は特別加入者として労働保険に加入できます。

 一人親方は仕事の内容から、業務中のケガや病気のリスクが高かったり、働けなくなれば収入が不安定になったりする可能性があるでしょう。このように、いざというときに保険を受けられる労働保険に加入できる制度は、仕事をしていくうえで安心感につながります。

一人親方と労働保険番号

 一人親方は基本的に、元請業者から下請けとして仕事します。この元請業者と仕事の契約をするときに、要求されることがあるものが労働保険番号です。

 ここでは、労働保険番号とはどのような番号なのか、労働保険番号の調べ方について詳しく見ていきましょう。

労働保険番号とは

 労働保険番号は、労働保険に加入していることを証明する番号です。

 では、なぜ元請業者が一人親方と仕事を契約するときに、労働保険番号を要求するのでしょうか。それは、労働保険番号があれば、その一人親方が労働保険に加入しているとわかるからです。

 建設業をはじめとした労働は、業務中のケガや病気のリスクが高い仕事とされています。もし、労働保険に加入していない一人親方に仕事を依頼して、一人親方が労災にあってしまったときには、労災の保険給付を受け取れません。

 元請業者はこのような万が一の事態に一人親方が守られるように、また、ケガをしたときに補償に関するトラブルが生じないようにしたいと考えています。そのため、元請業者は一人親方と契約する際に、事前に労働保険番号を求めて、労働保険に加入しているかどうか判断しているのです。

 つまり、一人親方で労働保険に加入しておらず、労働保険番号がない場合には、ほとんどの元請業者は依頼しません。一人親方として元請業者から仕事を受注するのであれば、労働保険の特別加入は必須だといえるでしょう。

労働保険番号はどうすればわかる?

 労働保険番号は、労働保険に加入した後に受け取れる労災保険加入証明書や、入会している労災保険加入団体に問い合わせることで調べられます。

 もっと簡単にインターネットで調べることはできないのか、と思う方もいるかもしれませんが、労働保険番号をインターネットで調べることはできません。

 労働保険番号がわかると、登録者の個人情報が知られてしまう危険性があります。他人に簡単に知られてしまうリスクを避けるため、労働保険番号はインターネットで調べられないようになっているのです。

 一般的に労働保険番号は、都道府県ごとの労働局から承認を受けた特別加入団体に対して振り出されている番号です。そのため、番号を見れば、どの特別加入団体を通じて労働保険に加入しているのかがわかります。

 労働保険番号は特別加入団体以外にも、番号にそれぞれ意味があるため、番号を見ることで加入者のことがわかるようになっているのです。

一人親方は労働保険番号をチェックしよう

 本来、建設業で働く方は二元適用事業といって、事業特性から労災保険と雇用保険の適用の仕方を区別しています。それぞれ区別しているため、複数の労働保険番号を所有しているのです。

 しかし、一人親方の場合は、労災保険にかかる番号のみ保有することになるため、労働保険番号は1つだけになります。

 労働保険番号には、1つ前の項目で解説したように、それぞれの数字に意味が込められているので、番号をチェックする際には番号の見方を思えておくとよいでしょう。

 たとえば、一人親方団体の労災センター共済会関東支部を通じて、労働保険に加入した場合には、関東支部の労働保険番号「11101-371272-000」が振り分けられます。

 それぞれの労働保険番号の数字の意味は、下記のとおりです。

府県番号
所掌
管轄
基幹番号
枝番号
11
1
01
371272
000
  • 府県番号:府県番号は都道府県を数字で表している番号です。労災センター共済会関東支部がある埼玉県は、府県番号「11」となります。
  • 所掌:所掌は労災保険と雇用保険の区別ができる番号です。「1」と「3」があり、「1」は労災保険、「3」は雇用保険に該当します。
  • 管轄:管轄は都道府県の管轄する労働基準監督署および公共職業安定所を意味する番号です。都道府県ごとに番号が割り振られています。
  • 基幹番号:基幹番号は事業場ごとに付けられている個別の番号です。事務組合に委託をしている事業場の場合、期間番号は9から始まり、末尾の数字で意味を区別しております。
  • 枝番号:枝番号は事務組合に委託している事業場のときに、付与される番号です。基本的には付与されず、「000」となります。

 このように、労働保険番号にはそれぞれ数字に意味があります。労働保険に加入して、労働保険番号を割り振られたら、必ず番号をチェックしましょう。

労働保険番号を入手するための方法

 一人親方が労働保険番号を入手するためには、当然のことながら労働保険の特別加入をする必要があります。

 ここでは、一人親方が労働保険の特別加入制度を使って、労働保険へ加入する方法を紹介しましょう。

一人親方が労働保険に加入する方法

 一人親方は通常の会社とは異なり、労働基準監督署に届け出る方法での加入手続きはできません。労働保険に加入する場合には、各都道府県にある労働局の承認を受けた特別加入団体を通じて加入する必要があります。

 つまり、特別加入団体を事業主、一人親方を労働者とみなして、労働保険の適用を行なう形です。

 特別加入団体を調べる方法としては、都道府県ごとに設置されている都道府県労働局または、労働基準監督署で問い合わせられます。

 加入手続きは、スマートフォンやパソコンなどを利用して、インターネットを経由で手続きが可能です。他にも電話でも手続きができるため、やりやすい手段で手続きができます。

 労働保険は最短で、加入日の翌日から適用を見込めるでしょう。その際に労働保険番号も使用できるようになるため、とても便利です。

労働保険に特別加入する要件

 労働保険に特別加入するためには、下記に紹介する条件があります。自身が特別加入の対象となるか、確認しておきましょう。

  • 一人で建設業を営んでいる方(一人親方)
  • 家族だけで建設業を営み、現場に出る方全員
  • 雇用を行なっていない有限会社、株式会社の取締役で現場に出る人
  • 建設業を営みアルバイトを年間100日未満しか使わない経営者
  • 粉塵作業等や有機溶剤業務等に一定期間従事した経験を持つ人は加入時健康診断が必要

特別加入制度で労働保険に加入する場合に準備するもの

 特別加入制度で労働保険に加入する場合には、準備しておく必要があるものがあります。

 下記に紹介する準備するものを確認して、スムーズに労働保険の申請ができるようにしましょう。

  • 顔写真付きの身分証明書もしくは、写真がない場合は保険証等の公的書類2点以上
  • クレジットカード

 身分証明書は申請する際に必ず必要となります。免許証やパスポートなどの身分証明書を準備しておきましょう。

 クレジットカードは労働保険の支払い時に使用します。クレジットカード以外にも、振込やコンビニでの支払いを選べるため、利用しやすい支払い方法を選んでください。

 また、労働保険に特別加入する場合には、希望する給付基礎日額を選択できます。給付基礎日額によって、労災保険料が異なるため、一人親方としての日当相当額を目安に選択するとよいでしょう。

まとめ

 労働保険はいざというときに、労働者を守るための保険制度です。一人親方として働くのであれば、労働保険の特別加入は欠かせない制度といえるでしょう。

 また、加入していなければ、元請業者から仕事を受注できない可能性があります。元請業者に労働保険の加入を証明するためにも、今回紹介した労働保険に加入した際に割り振られる労働保険番号について理解しておきましょう。

 労災保険への加入をご希望の方は下記から加入までの流れや費用をご確認くださいませ。
 一人親方の労災保険に加入する