トウカイコモウセンゴケを増やしてみよう! その2 窒素はどこから?

【トウカイコモウセンゴケを増やしてみよう! その1 ちっちゃなねとねと葉っぱ】

どんどん生長していきます


 着実に育っているBの葉挿(はさし)のトウカイコモウセンゴケ(東海小毛氈苔)。
 葉の上にっぱい新しい葉が広がっています。
 小さいトウカイコモウセンゴケの葉よりももっと小さいのにすでにねとねとになって、一丁前(いっちょまえ)にモウセンゴケになっています。

 勢いばかりあるのですが、まだ根はなく、水分は古い葉の裏側全体をつかってミズゴケから吸収しているのでしょう。

一丁前にモウセンゴケになった59日目のB
一丁前にモウセンゴケになった59日目のB



酸素と水素と炭素とそれから窒素


 植物がが生長するために必要な元素に酸素と水素と炭素があります。
 体を支える細胞壁や生長するエネルギーになります。
 これらは水と空気からたくさんつくることができますので、適度に水をあげていれば問題ありません。

 そしてもう一つが体を作るタンパク質をつくるために必要な窒素(ちっそ)です。
 生長を続けるためには窒素が必要なはずです。
 この窒素はどこから手に入れるのでしょうか。

 普通は肥料として土に混ぜたものを植物は利用しますが、モウセンゴケはミズゴケの上に乗っているだけ。
 もちろんミズゴケには肥料など加えていません。


タンパク質をさがせ!


 ねとねと葉っぱに虫がつかまればその虫のタンパク質を酵素(こうそ)で分解して吸収すれば、大丈夫です。

 しかし芽を出してからこの小さいモウセンゴケはまだ一度も虫を捕まえていませんので、外から窒素を手に入れているようには思えません。

 それでもみるみる生長を続けています

 でも、虫以外に一つだけ窒素をもらえそうなものがあります。
 それは古い葉っぱです。
 古い葉っぱのタンパク質をもらっているに違いありません。

心なしか元の葉が痩せたように感じる59日目のB
心なしか元の葉が痩せたように感じる59日目のB



葉の役割


 モウセンゴケやハエトリソウは栄養の少ないところに生え、根もひょろひょろとしたとしたヒモの様なものが数本あるだけです。

 たまに捕まえる虫以外、窒素は手に入りそうにありません。
 もしかしたら、その時の窒素を大切にしまっておくのが、葉っぱなのでしょうか。

 そうだとすると養分を捕まえる役割と、栄養を蓄える役割がが一つになったのが、モウセンゴケ葉っぱなのかもしれません。

 だから小さな葉からも新しい芽を出して成長できるのでしょう。


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タグ: トウカイコモウセンゴケモウセンゴケ食虫植物

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Re: 挿し芽教わりました

** りぃる さん へ **
書き込み有り難うございます。

本文の補足として書かせていただきます。

窒素は大気の8割を占めるほど大量にありますが、残念ながら動植物は大気中の窒素を利用することができません。

通常、植物は地中にある硝酸塩などの硝酸態窒素を根から吸収して利用しています。

コモウセンゴケの場合、根は数本でヒゲ根が無いので、水や栄養吸収ではなく、体を固定することが役割のようです。

そのため、昆虫を捕らえることができない葉挿しのコモウセンゴケが、新しい芽を成長させるために必要な窒素(硝酸態窒素)がどこからやてきたのか気になって書いたのがこの記事です。



色々観察して感じるところは。

ある程度成長したコモウセンゴケの場合、葉で捕まえた昆虫のタンパク質を分解して吸収していると思います。

ところが、1ミリもない種から何百倍も大きな葉を作り出すことができます。
葉挿しですら、元の葉よりもずっと大きく育っているように見えます。

ですから昆虫を捉えなくても葉から硝酸態窒素を吸収して成長することができるように感じます。



一般に食虫植物の仲間は栄養が乏しいところで育ちますので、施肥は厳禁ですね。

また、昆虫類もそう簡単に捕まるものではありませんので、葉からも栄養を吸収し、少ない栄養を出来るだけ多くの方法で手に入れようとしているように感じます。



葉挿しは芽が出ても枯れることがありますので、ご注意ください。

挿し芽教わりました

ハーブを育てています
窒素は普通に空気中にあります
水に溶け込ませても空気中に出て行くんだったかかもしれません
ですから窒素は気にしなくていいようです
野菜のように食べる物なら別ですが、窒素は病気や害虫を呼び寄せる元にもなるようです
食虫植物の場合は捕食と光合成で足りるのでしょうね
わりと肥料当たりしやすいようですよ

ありがとうございます。でもまだまだ油断は禁物、無事冬を越せるように元気に育てなければ

** とらまた さんへ **

元から元気が無いときは、なかなか育てるのが難しいですね。
その分、元気になったらうれしさも大きくなりますね。


モウセンゴケやハエトリグサはもともと肥料が乏しいところで生きているので、肥料をやってしまうと肥焼けするのかもしれません。

用土も人それぞれいろいろなブレンドがあるみたいですが、ミズゴケが基本みたいですね。
あとはピートモスや鹿沼土、バーミキュライトとかをブレンド。
私のモウセンゴケはミズゴケを使わず、鹿沼土とピートモスを8:2くらいで混ぜています。
いまのところ、問題はなさそうです。

葉挿成功おめでとうございます

モウセンゴケ、順調に育ってるみたいですね!
対してこちらのハエトリグサ、やっぱり時期外れに買ったのがよくなかったのかあまり元気がありません・・・。
この手の植物は肥料をやると逆に枯れてしまう場合があるようで、用土もミズゴケがベストみたいですね。
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